雨雨が降っているときは、キャンプを中止したほうが良いと思っていませんか。たしかに不便な点もありますが、そのような天候でも準備次第で十分に楽しめます。それどころか、晴れの日にはない醍醐味もあるので、あきらめてしまうのは勿体ないです。そこで今回は雨キャンプを堪能できるように、注意点や必需品などを詳しく紹介していきます。
準備が万全なら雨が降っていても大丈夫!
心待ちにしていたキャンプの日に、たまたま雨が降っているとテンションが下がりますよね。天気予報を見て雨天だと分かると、「現地は最悪な状況に違いない」と思って、すぐに断念してしまう人もいます。一口に雨天といっても程度は幅広く、台風や豪雨の場合はキャンセルすることが正解です。しかし、普通の雨ぐらいなら、キャンプを楽しめる見込みは十分にあります。本来のキャンプは、ありのままの自然を受け入れる体感型のアクティビティです。そして、雨も自然現象の一つであり、そのような状況でも実施するテクニックはいろいろと存在します。
ですから、あらかじめ万全の準備を済ませておけば、少しも慌てる必要はありません。晴れの日にしか行けないという固定観念を捨て、雨キャンプを満喫するための知識を身につけましょう。
雨キャンプで注意すべきポイント
雨キャンプを楽しみたいなら、次に挙げる4つの注意点を把握しておきましょう。
・水位より低いところで活動しない
・崖崩れや土砂災害に警戒する
・雨水が屋根にたまらないようにする
・テントの内側で火を使わない
上記の注意点について、以下にポイントをまとめておきます。
1.水位より低いところで活動しない
雨が長く降っていると次第に河川は増水していきます。したがって、河川の近くにあるキャンプ場に行くなら、その水位を常に把握することが非常に重要です。水位よりも低い場所は危険なので、テントの設営や遊びは河川を見下ろせるところで行います。流れが穏やかだと油断しやすいですが、そのような好ましい状況が続く保証はありません。たとえば、何かの弾みで、上流にたまっていた水が一気に押し寄せてくることもありえます。堤防があるキャンプ場も同様であり、それを越えてくるリスクを頭に入れておきましょう。
2.崖崩れや土砂災害に警戒する
水を含んだ地盤は普段よりも緩くなっています。そのため、少しの体重が加わっただけで、崖崩れなどが起こる可能性もあります。また、自分がいる場所に向けて、土砂が流れてくるケースにも警戒が必要です。いわゆる土砂災害と呼ばれるもので、傾斜が大きいエリアの下側にいると遭遇しやすくなります。そこから少し離れた程度では、土砂の圧力による倒木や落石の被害を受けかねません。したがって、崖はもちろんですが、急斜面にも接近しないように心がけることが大切です。
3.雨水が屋根にたまらないようにする
テントやタープを張ったら、屋根の様子を定期的にチェックしましょう。生地がたるんでいると、そこに雨水がたまってしまうからです。気付かないまま時間が過ぎると、たるみは重みによって広がり、ますます雨水の蓄積量は増えていきます。その結果、支えきれなくなって、天井が抜けたり骨組みが倒壊したりするリスクがあるのです。また、設営する段階で、屋根にうまく高低差を付けることもポイントになります。雨水がうまく下に流れ落ちるように、中央部や片側をいつもより高めに上げる工夫をしてください。
4.テントの内側で火を使わないテントの中にいる時間が長いことも雨キャンプの特徴です。普段は外でやることも、テント内で実施するケースが多くなります。それ自体は仕方がありませんが、火の使用だけは避けなければなりません。なぜなら、テントを構成している素材の大半は可燃性だからです。料理でコンロなどを使うと、火災につながることもあるので気を付けましょう。また、テントの気密性が高ければ、少し火を使うだけで一酸化炭素中毒になるケースもあるのです。それゆえ、雨キャンプに持っていく食品は、基本的に加熱を必要としないものが良いでしょう。


何を持っていけばいいのか?
持っていくアイテムによって、雨キャンプの楽しさや快適性は大きく左右されます。以下に挙げるのは必需品なので、この機会にしっかりチェックしておきましょう。
・キャンプやタープ
・レインウェア
・タオルと着替え
・防水性のシート
・ポータブル電源
それぞれの必要性や用途を以下に補足していきます。
1.キャンプやタープ
雨をしのげる拠点として、キャンプやタープが必要なことは分かりますよね。風雨を防ぎやすいのはキャンプですが、タープなら火を使っても火災のリスクは大きくありません。いずれにせよ、柔らかくなった地面に固定するため、長めのペグを持っていくことも基本です。
2.レインウェア
外で活動するときは、レインウェアを着用することになります。設営をはじめとして、いろいろと体を動かすので傘だけでは不十分です。両手の可動域が広いタイプを選択してください。さらに、レインシューズも準備しておくことが望ましいです。テントの出入りをスムーズにするため、着脱のしやすさを重視しましょう。
3.タオルと着替え
頻繁に濡れることを想定し、タオルや着替えを多めに持参することも忘れてはいけません。雨だけでなく、泥水の跳ね返りが付いてしまうこともよくあります。
4.防水性のシート
道具などを地面に置くと泥で汚れてしまうので、外で作業をするときは防水性のシートを敷きましょう。ゴミ袋を何枚か持っていけば、作業時に濡れたものや汚れたものを収納しやすくなります。
5.ポータブル電源
前述のように、雨キャンプでは火を使用しづらい状況が続きます。そこで重要になるのは家電製品の積極的な活用です。よって、普段よりも電気をよく消費するので、容量の大きなポータブル電源を持参することがおすすめです。




晴れの日のよりも楽しめる要素!雨キャンプの醍醐味とは
雨キャンプならではの楽しみも知っておきましょう。晴れた日にはない醍醐味を3つに分けて紹介します。
1.プライベート感が格段にアップ
晴れの日よりもキャンパーが少ないので、のびのびと振る舞いやすくなります。いつもは混雑しているキャンプ場でも、他のテントとの間隔が広くなって、プライベート感が大きくなるのです。家族や恋人、友人たちと気兼ねなく過ごせる環境をキープできます。仕事や学業などが忙しくて、普段あまり話せていないなら、濃密なコミュニケーションの良い機会になるでしょう。
2.自然の素晴らしさを体感
自然の中で耳に届く雨の音は、癒しのBGMとして心を和ませてくれます。その安らぎのなか、読書や映画鑑賞といった趣味を堪能できることは大きな魅力です。自分のやりたいことに没頭する贅沢な時間を持てます。また、晴れの日とは異なる景色を眺められるので、慣れているキャンプ場も別物に感じられるでしょう。雨上がりの後も、雲が消えていく空や水滴が反射する光など、素晴らしい見所がたくさんあります。
3.キャンパーのレベルが向上
雨キャンプに行けば、キャンパーとして成長する経験を積めるでしょう。たとえば、テントの設営の仕方を工夫するので、骨組みや生地に対する理解が深まります。道具をアレンジする技術が磨かれますし、自然に対する警戒心や観察眼を養うことも可能です。また、雨天でキャンプを決行する割合は、アウトドア初心者よりもベテランのほうが高いです。そのため、現地にいれば、上級なテクニックを多く見られるかもしれません。


雨キャンプを堪能するための準備をしよう
適切なキャンプのスタンスは、天候によって大きく変わります。事前に注意点を把握しておけば、雨天におけるリスクを減らすことは難しくありません。直前になって慌てることを避けるため、キャンプのスケジュールを決めたら、あらかじめ雨対策の必需品もそろえる配慮が必要です。晴れの日には味わえない独特な楽しさがあるので、それらを堪能できるように準備しておきましょう。