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台風の発生でよく聞く風速とは?平均風速の強さによって異なる影響、被害を抑えるための備えを解説

台風が接近した時によく耳にする風速には、平均風速、瞬間風速、最大風速の3種類があります。それぞれが異なる意味を持っているため、台風の強さを正確に理解するには正しい情報を学ばなければなりません。

台風の基礎知識を身に着ければ、受ける影響や被害を予測できます。さらには適切な対策の実施が可能です。自分自身と家族の安全を守るためにも知識を身につけましょう。

この記事では、台風の定義、強さを表す3つの風速、風速の強さによって受ける影響、台風がもたらすさまざまな被害や抑えるための備えをわかりやすく解説します。

台風の平均風速について知りたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

最大風速17m/s以上の熱帯低気圧を台風と定義する

台風 風速 平均

気象庁によると、北西太平洋または南シナ海で発生した熱帯低気圧のうち、低気圧域内の最大風速が17m/s以上のものを台風と定義しています。

この基準は10分間の平均風速を用いて判断されます。

台風は暖かい海面から供給される水蒸気をエネルギー源として発達し、強い風や大雨をもたらすのが特徴です。日本付近に接近すると、上空に寒気が流れ込んで次第に勢力を弱め、温帯低気圧に変わる場合もあります。

台風対策になる防災グッズについて知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

台風対策に必要な防災グッズは?避難するときの持ち物も紹介

台風の強さを表す3つの風速

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台風発生時によく耳にするのが風速です。風速には以下3つの種類があり、それぞれ意味が異なります。

  • 10分間の平均風速を指す『風速』
  • 3秒間の平均風速を指す『瞬間風速』
  • 平均風速における最大値を指す『最大風速』

ここでは、台風の強さを表す3つの風速について解説します。

10分間の平均風速を指す『風速』

気象情報で風速と表現される場合は、10分間の平均風速を指します。地上10メートルの高さで測定され、10分間の風の平均的な強さを表現している数値です。

10分間という比較的長い時間で平均を取ると、風の一時的な強まりや弱まりを平準化し、より安定した風の強さを示せます。そのため、台風の強さや警報の基準などにも、この10分間平均風速が用いられます。

風速を正しく理解すれば、台風が接近した時の危険性を正しく判断できるほか、安全な行動をとれるでしょう。

3秒間の平均風速を指す『瞬間風速』

瞬間風速は3秒間の平均風速を表す指標です。風は常に変動していますが、一瞬の強い風を捉えるために使用されます。

瞬間風速は0.25秒間隔で測定された風速の12個の値(3秒間分)を平均して算出されます。この値は『風速』(10分間平均)よりも大きくなる傾向があり、突風や強風の峰を示すのに最適です。

瞬間風速を理解すれば、台風接近時の一時的な強風の危険性を正確に把握でき、飛来物や建物被害のリスクを予測するのに役立ちます。

平均風速における最大値を指す『最大風速』

最大風速は10分間の平均風速のなかで、もっとも大きな値を指します。一方で最大瞬間風速は3秒間の瞬間風速のうちで、もっとも大きな値を表します。

これらの指標は台風の勢力や被害の程度を評価するうえで重要です。最大風速は台風の全体的な強さを、最大瞬間風速は一時的な強風の危険性を示すため、両者を併せて考えると、総合的に脅威を理解できます。

風速の強さによって受ける影響

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風速の強さによって受ける影響は異なります。一般的に風速が強ければ強いほど被害が拡大し、危険性が高くなるでしょう。

ここでは、風速の強さによって受ける影響について解説します。

平均風速10m/s以上15m/s未満(やや強い台風)

平均風速が10m/s以上15m/s未満のやや強い風の状況では、日常生活に支障が出始めます。

風に向かって歩くのが困難になり、傘を差しての歩行はほぼ不可能です。自然環境では樹木全体が揺れ始め、電線も大きく揺れるようになります。建物の雨どいも揺れ始め、高速道路では吹き流しが水平になってくるでしょう。

この風速レベルになると外出に注意が必要になるほか、高所での作業は危険を伴います。また、飛来物にも注意が必要です。

平均風速15m/s以上20m/s未満(強い台風)

平均風速が15m/s以上20m/s未満の強い風になると、屋外での行動が極めて危険になります。風に向かっての歩行はほぼ不可能となり、風にあおられて転倒する可能性が高く危険です。

屋外では看板やトタン板が外れはじめ、高速で走行中の車は横風の影響を大きく受けるようになります。建物では屋根瓦や葺材がはがれ始める可能性があり、雨戸やシャッターが激しく揺れます。

そのため、このレベルの風速では、外出を控えなければなりません。また、窓や戸を閉め、飛散物から身を守る準備が必要です。

平均風速20m/s以上30m/s未満(非常に強い台風)

平均風速が20m/s以上30m/s未満の非常に強い風では、屋外での行動がきわめて危険なレベルです。何かにつかまっていないと立っていられない状況となり、飛来物によって負傷するリスクが高まります。

自然環境では細い木の幹が折れ、根の張っていない木が倒れ始めます。建物被害も深刻化し、看板が落下・飛散し、道路標識が傾くでしょう。車の通常速度での運転も困難になり、屋根瓦や葺材が飛散する可能性が高まります。

このレベルの風速では絶対に外出せず、頑丈な建物内で安全を確保しなければなりません。窓から離れた場所で待機し、最新の気象情報に注意を払う必要があります。

平均風速30m/s以上(猛烈な台風)

平均風速が30m/s以上の猛烈な風は、甚大な被害をもたらす可能性がきわめて高い危険な状況です。屋外での行動は生命の危険を伴うため、絶対に避けなければなりません。

この風速レベルでは、走行中のトラックが横転する事態も起こり得ます。自然環境では多くの樹木が倒れ、電柱や街灯も倒壊するでしょう。建物被害も深刻化し、ブロック塀の倒壊や建物の外装材が広範囲にわたって飛散する事態が発生します。

さらに風速が40m/s以上になると、住宅の倒壊や鉄骨構造物の変形も起こり得ます。このような状況下では、頑丈な建物内の安全な場所で待機し、絶対に外出しないよう徹底しましょう。

台風がもたらすさまざまな被害

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台風は風だけでなく雨が降るケースが多く、さまざまな被害をもたらします。ここでは、台風がもたらすさまざまな被害について解説します。

大雨による水害

台風がもたらす大雨は深刻な水害を引き起こす可能性があります。短時間に大量の雨が降ると、河川の増水や氾濫、堤防の決壊などが発生し、広範囲で甚大な被害が発生します。

また、地表水の増加に排水が追いつかず、道路や住宅地が冠水するケースも珍しくありません。とくに都市部では、地下街や地下鉄への浸水リスクも高まるでしょう。さらに農地の冠水による農作物の被害も深刻です。

水害から身を守るためには、ハザードマップで自宅周辺の浸水リスクを確認し、早めの避難を心がける意識が大切です。

土砂災害

台風による大雨は土砂災害のリスクを著しく高めます。長時間の降雨により地盤が緩み、土石流、がけ崩れ、地すべりなどの土砂災害を引き起こします。

とくに山間部や傾斜地では細心の注意を払わなければなりません。土砂災害は一瞬にして発生し、甚大な被害をもたらすため非常に危険です。2019年の東日本台風では、20都県で952件もの土砂災害が発生し、多くの人命が失われました。

土砂災害から身を守るためには危険箇所を事前に把握し、気象庁が発表する土砂災害警戒情報に注意を払う必要があります。警戒レベルが上がった場合は、躊躇せずに早めの避難を心がけましょう。

強い風速によって起こる風害

台風による強風はさまざまな風害を引き起こします。風速が強まるにつれて、看板や屋根材の飛散、樹木の倒壊、電柱の倒壊などが発生する可能性が高まるでしょう。

とくに風速30m/s以上の猛烈な風では、走行中のトラックが横転したり、建物の外装材が広範囲にわたって飛散したりする危険性が高いです。

また、飛来物による人的被害も懸念されます。

風害から身を守るためには、台風が接近する前に屋外の物を固定または屋内に移動させ、窓や雨戸をしっかり閉めることが重要です。台風が通過中は外出を控え、頑丈な建物内で安全を確保しましょう。

また、台風が過ぎ去った後も、倒壊物や飛散物には注意が必要です。

海面上昇による高潮害

台風が接近した時には、強風と気圧低下の影響で海面が異常に上昇する高潮が発生する可能性があります。とくに沿岸部に甚大な被害をもたらすでしょう。

強風が海岸に向かって吹き付けて海水が押し寄せる吹き寄せ効果と、気圧低下により海面が持ち上がる吸い上げ効果が組み合わさり、海面が大きく上昇します。

これにより、海岸堤防を超える浸水が一気に広範囲で発生する可能性があります。

高潮害から身を守るためには、気象庁の高潮警報に注意を払う姿勢が大切です。避難指示が出た場合は速やかに安全な場所へ避難しましょう。

高波による波浪害

台風接近時には強風の影響で海上に高波が発生し、波浪害をもたらす可能性があります。台風の中心付近では、10メートルを超える大波が発生する場合もあるでしょう。

これらの高波は海岸施設や港湾設備に被害を与えるだけでなく、沿岸部の住宅や道路にも浸水被害をもたらす可能性があります。

また、遠く離れた海上で発生した台風も、うねりとなって押し寄せ、突然の高波をもたらす場合があります。

波浪害から身を守るためには、気象庁が発表する波浪警報や注意報に十分注意を払い、警報が発令されている際は海岸には近づかないようにしてください。

とくに釣りやサーフィンなどの海洋レジャーは控え、安全な場所で台風の通過を待ちましょう。

台風の被害を抑えるための備え

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ここでは、台風の被害を抑えるための備えについて解説します。

窓のカギや雨戸を閉めておく

台風接近時には窓のカギをしっかりと閉め、可能であれば雨戸も閉めておきましょう。

強風によって窓ガラスが割れると、室内に雨水が吹き込んだり、飛来物が入り込んだりする危険があります。

カギを閉めれば、風によるガタつきを抑えられるため、窓が破損するリスクを低減できます。

また、雨戸がある場合は必ず閉めましょう。ない場合は飛散防止フィルムを窓ガラスに貼って対策するのが効果的です。万が一窓ガラスが割れても、破片の飛散を防ぎ、怪我のリスクを軽減できます。

他にも、カーテンやブラインドを閉めておくと、窓ガラスが割れた際の飛散を抑えられます。

風で飛ばされるものは屋内にしまっておく

台風の強風によって飛ばされる可能性のある物は、事前に屋内にしまうか、しっかりと固定しておきましょう。

プランターや自転車、物干し竿、庭の椅子やテーブルなど、普段は屋外に置いているものでも、あっという間に飛ばされる可能性があります。

これらが飛散すると、建物や車両を損傷させたり、人にぶつかって怪我をさせたりする危険があります。また、ゴミ箱や看板など、事業所や店舗の前に置かれているものも要注意です。

強風に飛ばされるリスクがあるものは屋内に移動させ、財産の損失を防ぐだけでなく、周囲の人々の安全も確保してください。

冠水を防ぐために側溝のゴミを取り除く

台風による大雨に備えて、自宅周辺の側溝や排水溝のゴミを取り除くことも重要です。例えば、側溝に落ち葉や土砂などが詰まっていると、雨水の排水が滞り、道路や敷地内の冠水リスクが高まります。

とくに台風シーズン前や台風接近が予報された際には、側溝の清掃を行いましょう。ゴミや落ち葉を取り除き、水の流れをスムーズにすれば、浸水被害を軽減できます。

また、屋根の樋や排水管も点検し、詰まりがないか確認してください。これらの簡単な対策を行えば、家屋や敷地内の浸水リスクを大幅に低減できます。

非常持ち出し袋を用意する

台風による被害が拡大し、避難が必要になった場合に備えて、非常持ち出し袋を準備しておくことが重要です。

非常持ち出し袋に入れるべきものは以下の通りです。

  • 最低3日分の食料と水
  • 懐中電灯
  • 携帯ラジオ
  • 予備の電池
  • 救急用品
  • 常備薬
  • 貴重品(現金、身分証明書など)
  • 着替え
  • タオル
  • マスク
  • スマホの充電器

また、家族構成に応じて、乳幼児用品や高齢者用品も準備しておきましょう。避難する際に欠かせない防災グッズについて、より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

地震避難の持ち物リスト

避難場所を確認しておく

台風接近時に自宅待機が危険と判断された場合に備えて、事前に避難場所を確認しておきましょう。市区町村が指定している避難所の場所や、安全な経路を家族で共有しておいてください。

また、ハザードマップを確認し、自宅周辺の浸水や土砂災害におけるリスクの把握も大切です。避難所までの道のりに危険な箇所がないかも確認しておくとよいでしょう。

さらに避難所以外にも親戚や知人の家など、緊急時に身を寄せられる場所を複数検討しておくことをおすすめします。

停電の長期化に備えてポータブル電源を用意する

台風による停電が長期化した場合に備えて、ポータブル電源の用意をおすすめします。

ポータブル電源があれば、スマホやタブレット、ノートパソコンなどの充電が可能になり、情報収集や連絡手段を確保可能です。

また、小型の照明器具や扇風機なども使用でき、生活の質を維持するのに役立ちます。

製品を選ぶ際は容量や出力、充電方法などを考慮し、自身のニーズに合ったものを選びましょう。可能であれば、ソーラーパネルと組み合わせて発電できるものがおすすめです。

ポータブル電源の必要性について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

ポータブル電源は防災に必要なのか?用意すべき5つの理由

ポータブル電源の購入をご検討中の方は、ぜひEcoFlowのラインナップをチェックしてください。大規模なバッテリー容量を誇り、家庭に必要な電力を楽にカバーしてくれるため、緊急時に役立ちます。

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まとめ

台風の定義、強さを表す3つの風速、風速の強さによって受ける影響、台風がもたらすさまざまな被害や抑えるための備えを解説しました。

台風の風速について正しく理解し、適切な備えを整えれば、自分自身と家族の安全を守れるようになります。加えて、台風がもたらす多様な被害を認識すると、より効果的な防災対策を講じられるはずです。

窓や雨戸の補強、飛散物の固定、側溝の清掃など、事前の備えを怠らず、非常持ち出し袋の準備や避難場所の確認も行いましょう。また、最新の気象情報に常に注意を払い、危険を感じたら速やかに避難する意識も大切です。

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