日本では、夏から秋にかけて台風・豪雨・暴風などの自然災害が多くなります。近年は大きな被害が出るケースも増えているため、これらの自然災害に対して事前にしっかり備えておくことが大切です。
この記事では、台風や豪雨による災害から身を守るために備えておくべき防災グッズをご紹介します。
まだ記憶に新しい平成30年7月の西日本を中心とする記録的な豪雨。
災害発生前から気象や避難に関するさまざまな情報が発信されていましたが、複雑でわかりにくく避難行動が迅速に行われなかったため、多くの死者・行方不明者が発生するなど甚大な被害が発生しました。
それをきっかけにして、国は住民が防災情報を簡単に理解できるよう、水害など災害の危険度をレベル1からレベル5までに分類した「警戒レベル」を導入しています。
災害時、自治体から「警戒レベル3」が発令された場合、乳幼児・高齢者・障害者がいる家庭は避難を始めます。ただし、警戒レベル3以下の場合でも近隣の様子を不安に感じたり、避難に時間がかかったりする状況であれば、迷わず避難を開始しましょう。
台風に備えるための防災グッズは、大きく分けて「建物用」と「避難用」の2種類あることをご存知ですか?
まず思い浮かぶのは避難用のグッズだという方が多いかもしれませんが、自分と家族の身を一番に守ってくれるのは建物であるため、避難用に加えて建物用も内容をしっかりとチェックして準備しておくことが重要です。
台風が近づき、天気が崩れてきてから外に出て作業をするのは危険です。建物用の防災グッズによる安全対策は、雨風がひどくなる前の段階で行いましょう。
また、防災グッズを台風シーズンがくる前に準備しておくと、いざ台風が発生したときに慌てないで済みます。台風が発生したときは、テレビやラジオ、インターネットなどで気象情報をこまめに確認し、進路や規模を把握した上で早めに対策しておくと安心です。
ここでは、台風から建物を守るための代表的な防災グッズをご紹介します。
風で物が飛んできて窓ガラスが割れ、ガラスの破片で怪我をする事故は、台風のときによく起こります。そのような事故を防ぐためにも、窓ガラスの内側には破片の飛び散りを防ぐ「ガラス飛散防止フィルム」を貼りましょう。
土のうとは、台風や豪雨などの際、水害を防ぐために土のう袋に土や砂を詰めた物です。
住居への浸水だけでなく、川の水が溢れるのを防いだり、田畑への浸水をせき止めたりするためにも使用できるので、とくに川の近くにお住まいの方や農家の方は土のうの作り方や使い方を覚えておきましょう。
ゴミ袋と段ボールは、土のうの代わりになるほか、断水時に役立つ簡易水タンクや赤ちゃん用の簡易お風呂も作れるなど優秀なアイテムです。
さらに、ゴミ袋と段ボールは下水道が復旧するまでの間、簡易トイレとしても利用できます。いざというときに使用できるよう、普段からゴミ袋や段ボールを備蓄しておくとよいでしょう。
災害専用のブルーシートというものはありませんが、災害時の備えとして持っておくならある程度厚みがある「#3000」以上のものがおすすめです。
また、災害時に利用するのであれば「ハトメ」がついているものを選びましょう。ハトメとは紐などを通すために開けられた穴を補強するリング状の金具です。ハトメにロープをつけるとしっかりと固定できるので、屋根にブルーシートを張る際などに役立ちます。
吸水シートは、一定量の水を吸い取ることができるグッズです。
屋根裏やサッシ周り、地下などは、台風で浸水する恐れがありますが、吸水シートを敷いておくことで水が室内に染み出るのを防ぎます。吸水させると土のうとしても使えて便利です。
セット販売されている防災グッズなどに、当然のように入っているロープ。ロープは救助活動や緊急脱出、安全確保などに使用されることが多く、一般人にとっては必要性を感じにくいかもしれません。
しかし、ロープがあれば移動できないものを縛って飛ばされないように固定したり、ブルーシートと組み合わせて雨漏りや浸水対策をしたりできます。
物が飛んできて電線を遮断したり、電柱や電線が損傷したりなど、台風のときは停電が起こりやすく、復旧までには数日以上かかる可能性があります。
そのような場合に備えてEcoFlow社の「スマートホームパネル」を取り付けておくのもおすすめです。
スマートホームパネルは、EcoFlow社のポータブル電源「EcoFlow DELTA Pro」と組み合わせることで、停電によって自宅の電力がストップした際に、蓄えられた電力をわずか0,002秒で家電などへ自動的に供給してくれます。
電力の残量は、スマートフォン用のアプリで確認することが可能です。使用する配線の優先順位も設定できる上、スマートホームパネルが電力の残量をもとに、優先度の低い配線を自動的に判断して遮断してくれるので、災害時も安心して生活できます。
台風の状況によっては、自宅を離れて避難所や車などで過ごすこともあります。場合によっては、避難所で数ヶ月生活しなければならない場合もあるため、いざ避難するときに困らないよう、日頃から必要なものを準備しておきましょう。
ここからは、台風で避難する時の防災グッズ・持ち物リストをご紹介します。
災害によりライフラインが断絶されたとき、真っ先に問題となるのが「水」です。
飲み水はもちろんのこと、トイレや洗濯などあらゆる場面で水が必要となるため、給水支援やライフラインの回復を待つのではなく、自力で生活できるよう最低でも3日分は確保しておきたいところ。
とはいえ、避難する際に重たい水を持っていくのは難しい場合も多いです。避難場所へ行く際は、ひとまず必要最低限を持って行き、落ち着いてからすべて取りに行くなど臨機応変に対応しましょう。
食は人間が生きる上で必要不可欠な物です。台風で避難することになった場合も、命をつなぐために食料を持って行かなければなりません。
栄養素を調整したバータイプやゼリータイプなどの食品、ビタミン・ミネラルが強化された食品を用意しておくとよいでしょう。
災害時に美味しい食事をとるためには、調理器具や簡易食器が必要です。
とくに小さな子どもやお年寄りがいる場合、冷たく固い食べ物ばかりだと食べる量が減って健康を損ねる恐れもあります。
調理に必要な最低限の道具は、非常時に補充することが難しいので、災害時の備えとして用意しておきましょう。
非常時に心身の健康を保つためには、衛生用品も揃えておかなければいけません。
トイレットペーパーや除菌シート、マスク、歯磨きシート、タオルなど、必要なものを人数分用意しておくことをおすすめします。
災害時は、正確な情報収集が非常に重要です。近年では、情報源としてスマートフォンを使用することも多いですが、アクセスが難しい場合もあるため、ラジオも用意しておきましょう。
電池が切れて使えなくなってしまわないよう、手回し式の充電機能がついているものを選ぶと安心です。
安否確認と情報収集に必要なスマートフォンの充電を確保するため、モバイルバッテリーや充電器を用意しておくことも重要です。
モバイルバッテリーは、できれば乾電池タイプのもので、容量が大きいものだとなおよいでしょう。
乾電池は利用できる範囲が広く、ラジオや懐中電灯、乾電池式のモバイルバッテリーなどさまざまなものに使えるため、普段から防災バッグの中に用意しておきましょう。
懐中時計とは、衣類のポケットなどに入れて持ち歩ける小型の時計で、丈夫でかさばらないのが特徴です。近年、時計を持たずにスマートフォンで時間を見る方も多いですが、懐中時計なら電池残量を気にすることもないので持っておくと安心です。
避難所で夜を明かさなければならない場合、床が固くて体が痛くなってしまうことがあります。
睡眠不足や災害によるストレスは体調不良の原因となるので、しっかりと睡眠を取れるよう空気を入れるだけでマットにもなる敷物などを用意しておきましょう。
避難生活では、下着類や衣類などの着替えが不足しがちです。着替えがないと衛生面から考えてもよくありませんし、ストレスにもつながります。
衣類の支援物資は、届くまでに数日から1週間程度かかることがほとんどなので、その間対処できるよう、下着類と衣類を2着ずつ程度は持っておけると安心です。
災害時の避難生活では、タオルが意外と役に立ちます。水分や汚れを拭き取るだけでなく、敷物や日よけ、マフラーとしても使えるので、避難グッズの中にはフェイスタオルを2〜3枚入れておきましょう。
保険証や運転免許証などの貴重品は、災害時に必ず持ち出すべきものです。
通帳やキャッシュカードなどをすべて失ったときの本人確認や、被災時における各種手続きなど、身分を証明する場合に必要となるので、肌身離さず持っておきましょう。
停電で銀行のATMが機能しない場合やキャッシュレス決済が使えない場合など、災害時は意外と現金を使うシーンが多いです。
そのような事態に備えて、防災バッグに小銭や千円札を数枚入れておいたり、財布のポケットなどに挟んでおいたりなどして用意しておきましょう。
上記の他にも、以下のような物があると安心です。
慣れない避難生活で体調が悪くなったときに必要となる常備薬や、目が悪い方にとって重要なメガネ・コンタクトレンズなど、災害時は普段当たり前にあるものを用意し忘れてしまうことがあります。
よく確認して、必要なものは防災バッグへ入れておきましょう。
家族構成により災害時に必要なものは異なります。上記では災害時に必要なものをご紹介しましたが、荷物を詰めすぎると避難の際に邪魔になる可能性があるため、必要なものを見極めてリュックに入れることが重要です。
ここでは、人によって必要なものをリストにしてご紹介します。
以下は、女性に必要なものリストです。
災害などストレスがかかる状況では、予定日でなくても突然生理が来ることもあるので、生理用品は用意しておきたいもの。
また、避難が長引きそうな場合に必要となるのが、最低限の化粧品やメイク落としです。肌への負担を少なくするためにも、お泊まりセットのようにコンパクトにまとめて持っておくとよいでしょう。
災害時は、犯罪も起こりやすくなります。女性では太刀打ちできない状況に陥ることも考えて、リュックに防犯ブザーをつけておくと安心です。
以下は、小さな子どもがいる場合に必要なものリストです。
赤ちゃんを育てる上で欠かせないミルクや離乳食、紙おむつなどは、まとめてひとつのリュックに入れておきましょう。
最近では、お湯が使用できない災害時に便利な液体ミルクも販売されているので、防災グッズとして購入してみるのもおすすめです。
以下は、高齢者と避難する場合に必要なものリストです。
高齢者は、災害後の避難生活で体調を崩しやすいため、できるだけ不便のないよう配慮してあげることが重要になります。
持病がある場合は毎日飲んでいる薬を、最低でも1週間分程度用意します。
また、衛生面にも気をつけなければならないので、紙おむつや入れ歯洗浄剤なども必要です。老眼鏡や補聴器、杖など生活に必要なものも忘れず防災バッグに入れておきましょう。
台風や豪雨は、毎年大きな被害をもたらす災害です。ライフラインの断絶や住家被害などが起こる可能性も十分あるため、日頃から建物用と避難用の2つの準備をしておくことが大切です。
台風や豪雨の危険を知らせるニュースや気象情報が入ってきたときには、災害への備えは万全かどうかもう一度確認し、必要なものがあれば早めに用意しましょう。