仕事でもプライベートでも、出先でスマホの充電が切れてしまうととても困りますよね。常に充電しておけば安心ですが、うっかり充電を忘れてしまうとすぐに電池は切れてしまいます。そんなとき、モバイルバッテリーを持っていると安心です。そこで今回は、モバイルバッテリーの基礎知識を紐解き、その種類や使い方、またポータブル電源との違いなどについて解説します。
モバイルバッテリーとは、主にスマホやタブレットといったモバイル機器を充電できる携帯充電器のことです。どこにでも持ち運ぶことができるので、主に外出先でスマホなどの電池切れが生じた際の予備電源として使われます。スマホやタブレットだけではなく、ポータブルのゲーム機に対応しているモバイルバッテリーもあるので、外出先でモバイル端末を使う頻度の多い人にとってはとても重宝するアイテムです。
スマホを始めとしたモバイル端末が広く普及した中で、繰り返し使える予備電源としてのモバイルバッテリーは、今や生活に欠かせない必需品になりつつあります。実際、ほとんどのモバイルバッテリーには繰り返し充電可能なリチウムイオン電池が使われており、しかも比較的安価で手に入るようになってきているので、いざというときのためにカバンにひとつ入れておくと何かと安心です。
モバイルバッテリーは、製品によって出力や容量といった違いがあります。また、コネクタの規格にも種類があり、規格によっては手持ちの携帯端末では使えないモバイルバッテリーもあるので、種類の違いを理解しておくことが重要です。それでは、モバイルバッテリーにはどのような種類があるのか、項目ごとに見ていきましょう。
モバイルバッテリーは、製品ごとに出力が異なります。モバイルバッテリーの出力とは、要するに充電できるスピードを表す目安のことです。出力が大きければ、その分だけ充電スピードも速くなります。出力の単位は「A(アンペア)」と「V(ボルト)」で表記されます。このうち、充電速度で特に注目したいのは「A(アンペア)」のほうです。現在の主流は2.0~2.4Aとなっているので、この数値がモバイルバッテリーを選ぶ際の目安にもなります。
モバイルバッテリーにおける容量とは、バッテリー内に蓄電できる電気の総量のことです。容量の大きいモバイルバッテリーであれば、複数の携帯端末に充電できたり、1度の蓄電でスマホを複数回充電できたりします。単位は「mAh(ミリアンペアアワー)」で表記され、数字が大きいほど大容量のモバイルバッテリーとなります。
充電器や携帯端末は、メーカーや製品によって異なるコネクタ規格が採用されています。モバイルバッテリーのコネクタには主にusb端子が採用されていますが、そのusb端子にも規格の違いがあるので注意しなければなりません。近年の主流は「Type-C」と呼ばれる規格で、最新のスマホやノートPCなどにも「Type-C」のコネクタ規格が使われることが増えています。さまざまな端末でモバイルバッテリーを使いたいなら、コネクタ規格の種類にも注目しておくと良いでしょう。
モバイルバッテリーの使い方はとても簡単です。まずは、携帯端末に電力を給電するため、モバイルバッテリー自体を充電しましょう。モバイルバッテリーの充電方法は、付属のACアダプターを使ってコンセントから充電する方法と、PCのusbを使って充電する方法などがあります。早く充電を完了させたいなら、ACアダプターを使ってコンセントから充電すると良いでしょう。
他にも、車のシガーソケットからモバイルバッテリーを充電する方法もあります。シガーソケットにシガーチャージャーを接続し、そこからケーブルを繋げばモバイルバッテリーに充電することが可能です。ただし、PCのusb充電やシガーソケット充電はあくまで緊急時の充電方法だと認識しておいたほうが良いかもしれません。というのも、usb充電やシガーソケット充電は充電速度などの効率が悪いためです。また、安全面でもACアダプターから充電するほうが安心なので、安全かつ急速に充電したいならACアダプターを使った充電方法を選ぶと良いでしょう。
充電済みのモバイルバッテリーであれば、後は携帯端末に専用のケーブルを接続するだけで充電できるようになります。外出先でバッテリーが切れそうな端末がある際に試してみましょう。
モバイルバッテリーは製品によって容量も異なれば出力も違います。使用中の携帯端末の種類や普段の端末の使い方によっても、最適なモバイルバッテリーの種類は変わってくるので、どの製品を選んだら良いか迷ってしまうものですよね。モバイルバッテリーを選ぶ際に、特に注目したい基準は以下の通りです。
以上の点に着目して選べば、自分にとって最適なモバイルバッテリーが見つかるはずです。外出先でモバイルバッテリーが必要になるシーンは、主に端末の電池が切れそうというときなので、急いで充電できるに越したことはありません。バッテリーの容量は、大きければいちいち充電機本体に充電する必要がなくなるので便利です。「PESマーク」とは、その機器の質や安全性が認められる場合に付けられる総務省のお墨付きのようなものです。「PESマーク」が付いているほうが、より安心安全に使用することができます。
ポータブル電源も、モバイルバッテリーと同じくコンセントがなくても携帯端末などに充電できる予備電源の一種です。ただし、ポータブル電源とモバイルバッテリーには、容量や電池の材料といった点で大きな違いがあります。また、対応しているデバイスも両者で異なるので、ここではポータブル電源とモバイルバッテリーの顕著な違いについて見てみましょう。
モバイルバッテリーは、主に小型の携帯端末を外出先などで充電するための予備電源です。そのため、大容量のモバイルバッテリーであっても、1万mAh程度が最大値となります。一方、ポータブル電源はキャンプやアウトドアの電源として使われることが多いため、その容量はモバイルバッテリーの比ではありません。小さくても数万mAh、容量が大きいものであれば数十万mAhもの巨大な電力を供給することができます。
ポータブル電源に使われる電池の材料は、主にリチウムイオン電池です。ただ、リチウムイオン電池にも多様な種類があり、高性能なポータブル電源には品質の高いリチウムイオン電池が使われています。たとえば、リン酸鉄系リチウムイオン電池は熱暴走が起こりにくい特徴を持ち、安全性能の高いリチウムイオン電池として電気自動車などにも使われている電池です。このように、より品質の高いリチウムイオン電池が使われているという点も、モバイルバッテリーとの顕著な違いのひとつです。
モバイルバッテリーが対応しているのは、主にスマートフォンやタブレット、ノートPCや携帯用のランタンといった小型機器です。これに対して、ポータブル電源は扇風機や炊飯器といった一般的な家電にも対応しています。モバイルバッテリーと比べて容量が大きいので、一般的な家電のような大きい容量を必要とする電化製品にも対応することができるのです。もちろん、スマートフォンやノートPCといった小型機器の充電も可能です。
モバイルバッテリーが外出先の予備電源であるのに対して、ポータブル電源はキャンプやアウトドアの主電源として使われることが主流です。さまざまな電化製品に対応できるので、キャンプや車中泊の際の電源として大きな役割を担ってくれます。また、ポータブル電源は停電時や災害時の電源として使うこともできます。容量の大きい製品だと、数日分の家庭電力を賄えるタイプもあるので、万が一の防災備蓄として所有しておくという使い方も可能です。
スマートフォンが生活に欠かせないアイテムになるにつれ、モバイルバッテリーの存在価値も日増しに大きくなっているといえます。仕事でもプライベートでも、万が一に備えてひとつは持っておきたいところ。一方、キャンプやアウトドアなら、ポータブル電源のほうが汎用性が高く、安心して使えます。出先で携帯端末や電子機器が使えないのは大きな制約になりかねないので、自分に合った電源を持っておけると安心でしょう。