- 太陽光発電で売電収入を得る仕組みとは？
- 太陽光発電に必要な機器を知りたい
- 売電収入を増やす方法を教えてほしい
このような疑問がある方もいるでしょう。太陽光発電システムで発電した電力を売却する仕組みを売電といいます。
太陽光発電における売電は、再生可能エネルギーの普及を促進するために政府が支援している取り組みの1つです。ソーラーパネルやパワーコンディショナーを導入し、発電した電力を電力会社に売ることで、売電によって収入を得ることができます。
売電収入を最大化するためには、システムの効率的な運用や、機器の定期的なメンテナンスが特に重要です。本記事では、太陽光発電の売電の仕組み、売電収入を増やす方法について解説します。
太陽光発電における売電の仕組み
太陽光発電システムを導入すると、発電した余剰電力を電力会社に売却することができます。この仕組みを、太陽光発電における売電といいます。
売電は、再生可能エネルギーの普及を促進するために政府が支援している取り組みの1つです。かつては工場などで利用されてきた太陽光発電の売電ですが、最近では一般家庭でも普及しています。
売電を行うためには、まず太陽光発電システムを設置する必要があります。システムの設置後、電力会社との契約を結び、発電した電力を送電網に流すことで売電が可能となります。
太陽光発電の買取価格
電力会社は、送られてきた電力を一定の価格で買い取ります。この買取価格は、国が定める「固定価格買取制度（FIT制度）」に基づいて決定されます。
FIT制度は、再生可能エネルギーで発電した電力を一定の価格で買い取る制度です。太陽光発電の場合、10kW未満の住宅用システムでは10年間、10kW以上の産業用システムでは20年間、買取価格が固定されます。
FIT制度による買取価格は、太陽光発電システムを導入した年度によって異なるため注意が必要です。例えば、2020年度に住宅用システムを導入した場合、1kWhあたり21円で10年間買い取ってもらえますが、2024年に導入した場合、10年間の買取価格は1kWhあたり16円となります。
FIT制度による買取価格は年々下がる傾向にあります。これは、太陽光発電システムの価格が下がり、導入が進んだことで、政府による支援の必要性が薄れてきたためです。
→太陽光発電の電力買い取り価格は？FIT制度・大手電力会社・新電力会社の価格を解説！
太陽光発電における1日の発電量
太陽光発電における1日の発電量は、ソーラーパネルの性能によって大きく左右されます。また、設置場所や天候、季節によっても発電量は変動する可能性があります。
とはいえ、発電量の目安を把握することは、太陽光発電システムを効率的に運用するために不可欠です。発電量のデータを蓄積し、分析することで、システムの性能を最大限に引き出すことができるでしょう。
発電量の計算方法
ソーラーパネルの発電量は、パネルの出力（kW）と日照時間で計算できます。計算式は「出力容量（kW）×時間（h）」です。
この計算式を用いれば、太陽光発電による発電量を算出できます。しかし、実際に発電量を算出する際には、いくつかの要素を考慮する必要があります。
まず、ソーラーパネルの発電効率が重要な指標となるほか、日照時間やパネルの向き、傾斜角などの考慮が必要です。このため、正確な数値を算出するのは難しいとされています。
1日の発電量の目安
日本太陽光発電協会（JPEA）によると、ソーラーパネルの出力容量1kWあたりの年間発電量は「約1,000kWh」が目安です。つまり、出力容量1kWあたりの1日の発電量は「約2.7kWh」が目安となります。
一般的なソーラーパネルの発電容量は3〜5kW程度であるため、1日の平均発電量は「約8.1〜13.5kWh」となります。この数値はあくまで目安なので、ソーラーパネルの性能や設置状況を加味して発電量を算出しましょう。
→ソーラーパネルの1日の平均発電量｜蓄電池の寿命や耐用年数も解説
太陽光発電を行う際に必要な機器
太陽光発電システムを構築するには、いくつかの主要な機器が必要となります。ここでは、太陽光発電を行う際に必要な機器を5つ紹介します。
- ソーラーパネル
- パワーコンディショナー
- 接続箱
- 分電盤
- 蓄電池
これらの機器は、太陽光を効率的に電気エネルギーに変換し、安定した電力供給を実現するために欠かせません。以下、各機器の詳細を1つずつ見ていきましょう。
ソーラーパネル
ソーラーパネルは、太陽光を直接電気エネルギーに変換する装置であり、システム全体の発電効率を左右する重要な要素となります。パネルの品質や変換効率は発電量に直結するため、信頼性の高いメーカーの製品を選ぶことが重要です。
また、パネルの設置方法や角度、日照条件なども発電効率に影響を与えるため、適切な設計と施工が求められます。ソーラーパネルは別名「太陽光パネル」や「太陽電池モジュール」とも呼ばれます。
→太陽光発電に必要なソーラーパネルの仕組み｜構成要素・素材・原理を徹底解説
パワーコンディショナー
パワーコンディショナーは、ソーラーパネルで発電した直流電力を、家庭内や電力網で使用可能な交流電力に変換する役割を担います。パワーコンディショナーの性能は、システム全体の効率と安定性に大きな影響を与えます。
【パワーコンディショナーの主な役割】
- 発電量を最大化する
- 系統連系保護機能
- 逆潮流制御機能
高品質なパワーコンディショナーを選ぶことで、電力損失を最小限に抑え、効率的な発電が可能となります。
→パワーコンディショナーとは？太陽光発電を導入するなら知っておくべきパワコンの基礎知識
接続箱
接続箱は、複数のソーラーパネルからの電力を1つにまとめ、パワーコンディショナーに送るための機器です。効率的な電力の流れを管理し、システム全体の安全性を高めることに寄与します。
接続箱の選定に際しては、耐久性や防水性など、長期の使用に耐えうる品質を備えた製品を選ぶことが重要です。
分電盤
分電盤は、太陽光発電システムから得られた電力を、家庭内の各部屋に適切に分配する役割を果たします。通常の電力網からの電力と、太陽光発電からの電力を適切に組み合わせて使用するためには、分電盤の設定や交換が必要となります。
分電盤の設定や交換は、専門家による適切な工事が不可欠です。安全性と効率性を確保するために、信頼できる業者に依頼することをおすすめします。
蓄電池
蓄電池は必ずしも必要な機器ではありませんが、より効率的な使用をする上では不可欠な機器です。蓄電池があれば、ソーラーパネルで発電した余剰電力を貯蔵でき、夜間や天候不順の際に使用することが可能となります。
効率的なエネルギー管理ができるだけでなく、停電時には非常用電源としても機能します。蓄電池の容量や種類は多岐にわたるため、家庭の使用状況に合わせて選定することが大切です。
なお、蓄電池と似た機器としてポータブル電源があります。持ち運び可能な蓄電池として、アウトドア活動や緊急時に活躍します。
→蓄電池とは？放電と充電の仕組み、メリット・デメリットを徹底解説
太陽光発電の売電収入を増やす方法
太陽光発電における売電収入を最大化するためには、いくつかの戦略が有効です。具体的には、以下のような方法が挙げられます。
- ソーラーパネルを適切な位置に設置する
- 機器のメンテナンスを定期的に行う
- 自家消費量を抑える
- 電力会社を切り替える
- 蓄電池を活用する
これらの方法は、太陽光発電システムの最適化と運用改善に貢献し、長期的な収益性を高めることに寄与します。
方法1．ソーラーパネルを適切な位置に設置する
ソーラーパネルの設置位置と角度は、発電効率に直接影響を与える重要な要素です。売電収入を増やすためには、ソーラーパネルを最適な位置に配置することが不可欠となります。
具体的には、日照条件の良い場所を選び、パネルの角度を太陽の高度に合わせて調整することが効果的です。また、定期的にパネルの角度を見直し、季節に応じた最適な角度に調整すれば、発電量を増加させることができるでしょう。
その際、建物の影や障害物によって日陰ができる場所は避け、できるだけ長時間日光が当たる位置にパネルを設置する工夫が求められます。
方法2．機器のメンテナンスを定期的に行う
長期にわたって発電効率を保つ上では、機器のメンテナンスが欠かせません。太陽光発電システムを構成する機器、特にソーラーパネルやパワーコンディショナーは、定期的なメンテナンスが求められます。
ソーラーパネルは常に外気にさらされているため、汚れや傷がつきものであり、それが原因で発電効率が低下することがあります。適切なメンテナンスを施すことで、システムの効率的な運用が持続され、結果として売電収入の維持・増加につながるのです。
方法3．自家消費量を抑える
太陽光発電で得られた電力を自家消費に充てると、売電に回せる電力量が減少してしまいます。そのため、売電収入を増やしたい場合は、自家消費量をできるだけ抑えるようにしましょう。
【自家消費量を抑える具体的な方法】
- 家電製品の使用方法の見直し
- 省エネ家電への買い替え
- 断熱性能の向上
特にエアコンや冷蔵庫などの大型家電製品は消費電力が大きいため、使い方の見直しや省エネ家電への買い替えが重要となります。太陽光発電の出力が高い日中に電力を有効活用したりするなど、エネルギー管理を工夫することも重要です。
→一般家庭でできる効果的な節電方法15選！節電前に知っておくべきポイントも紹介
方法4．電力会社を切り替える
売電収入を増やす4つ目の方法は、より有利な買取条件を提供する電力会社に切り替えることです。電力自由化によって、消費者は電力会社を自由に選択できるようになりました。
定期的に市場を調査し、各社の買取条件を比較することで、最も有利な選択肢を見つけることができます。電力自由化を活かして、高い買取価格を提示する会社を検討してみてください。
ただし、電力会社の切り替えには手続きが必要であり、新たな契約条件によっては売電収入が一時的に減少する可能性もあるため、慎重な検討が求められます。
方法5．蓄電池を活用する
蓄電池を導入することで、売電のタイミングを調整し、収益を最大化することが可能となります。一般的に電力需要が高まるピークタイムには、売電単価が高くなる傾向があります。
蓄電池を活用して、このピークタイムに発電した電力を売電に回すことで、より高い収入を得ることができるのです。ただし、蓄電池の導入にはコストがかかるため、長期的な収支バランスを見極めた上で導入を検討しましょう。
太陽光発電に用いる蓄電池はポータブル電源でも代用可能！
太陽光発電システムにおいて、蓄電池は重要な役割を果たします。しかし、蓄電池の設置には場所や費用の面で課題が存在します。そこで注目されているのが、ポータブル電源の活用です。
ポータブル電源は、蓄電池と同様に電力を蓄え、必要に応じて供給することができます。さらに、コンパクトで持ち運びが容易であるため、アウトドア活動の予備電源や災害時の非常用電源としての使用にも適しています。
太陽光発電システムにポータブル電源を組み込むことで、システムの拡張性と柔軟性を高めることが可能です。「ローコストで電源装置を導入したい」という方は、蓄電池の代わりにポータブル電源の活用をご検討ください。
ポータブル電源の導入ならEcoFlow製品がおすすめ！
ポータブル電源の選択肢は多岐にわたりますが、なかでもEcoFlow製品は携帯性と機能性を両立しています。特におすすめしたいのが、大容量ポータブル電源「EcoFlow DELTA Pro 3」です。
この製品は、容量4kWh・出力3.6kW・100V/200V対応で、ほとんどの家庭用電化製品への電力供給が可能です。主な特徴として、以下のようなものが挙げられます。
【EcoFlow DELTA Pro 3の特徴】
- 3.6kWという高い出力で、消費電力の高い電化製品にも対応
- 100V/200V対応により、どんな場所でもハイパワー機器を使用可能
- EV充電スタンドからの充電にも対応している
- 無停電電源装置としても使用可能
- IP65準拠の内蔵バッテリーパック
高性能でありながら使いやすく、太陽光発電システムとの親和性も高いため、蓄電池の代わりとして「EcoFlow DELTA Pro 3」をぜひ検討してみてください。その圧倒的なスペックと多機能性で、多様なニーズに応えてくれるでしょう。
→大容量・高出力のポータブル電源「EcoFlow DELTA Pro 3」はこちら
まとめ
本記事では、太陽光発電の売電の仕組み、売電収入を増やす方法について解説しました。
太陽光発電システムで発電した電力を売却する仕組みを売電といいます。売電収入を最大化するためには、ソーラーパネルの適切な設置や定期的なメンテナンス、自家消費量の抑制などが効果的です。
蓄電池の設置が困難な場合は、ポータブル電源でその役割を代用することができます。高性能なポータブル電源を探している方は、「EcoFlow DELTA Pro 3」の導入をご検討ください。売電収入の最大化とエネルギーの効率的な管理に貢献します。