FIT制度終了後は運用方法の検討が必要!固定買取期間終了後の対応や自家消費のメリット・デメリットを解説

FIT制度は終了していません。しかし、2019年から順次満了となる方(卒FIT)が増えているため、今後の運用方法を自ら考える必要があります。

運用方法を自家消費をメインに変えたり、大手電力会社に売電を続ける、もしくは新電力会社への売電を検討するなどが主な選択肢です。

ただし、卒FIT後の自家消費への切り替えは、メリット・デメリットがあります。システムに不具合が考えられた場合の対応を把握しつつ、最善の選択を行いましょう。

この記事では、FIT制度終了後の対応、卒FIT後に自家消費へ切り替えるメリット・デメリット、不具合が考えられた場合の対応をわかりやすく解説します。

FIT制度の終了について知りたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

FIT制度そのものは終了していない

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FIT制度は2009年に余剰電力買取制度としてスタートし、2012年に現在の制度に移行しました。当初の目的は再生可能エネルギーの普及拡大でしたが、買取期間が10年間と定められているため、2019年以降は順次満了となる方が増加しています。

このような買取期間満了のことを卒FITと呼びますが、FIT制度そのものが終了したわけではありません。卒FITを迎えた方は固定価格での売電ができなくなるため、今後の運用方法を自ら検討し、選択する必要があります。

電力の自家消費や売電先の変更など、ライフスタイルに合わせた対応を行いましょう。FIT制度は今後も継続される予定ですが、新規参入者の買取価格は年々下がっているため、早めの導入がおすすめです。

卒FITによって固定買取期間が終了したあとの対応は?

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ここでは、卒FITによって固定買取期間が終了したあとの対応方法について解説します。

自家消費をメインに運用する

卒FITによって固定買取期間が終了したあとは、自家消費をメインに運用するのがひとつの手段です。発電した電力を家庭内の電化製品に利用すれば、電力会社から購入する電力量が減り、電気代の節約につながります。

さらに蓄電池を設置すれば、日中に発電した電力を夜間など発電できない時間帯でも使用可能です。また、V2Hシステムを導入すれば、電気自動車への充電も可能となり、電気代削減と環境負荷低減の効果が期待できます。

現状、FIT制度の固定買取価格は年々下がっており、電力単価の方が高くなっています。つまり、自家消費をメインに運用するほうがお得です。

ただし、自家消費量が発電量を上回る場合は、電力会社から電気を購入する必要があるため、発電量と消費量のバランスを考えた運用が求められるでしょう。

大手電力会社への売電を続ける

卒FITによって固定買取期間が終了したあとは、大手電力会社への売電を続けることも可能です。FIT制度ほど高い価格で売電できませんが、倒産などの心配もなく、安定して売電を継続できるメリットがあります。

売電を続ける場合は基本的に自動継続となるため、手続きの必要がないのも魅力です。ただし、買取価格は電力会社によって異なるため、各社の単価を比較検討しましょう。

主な大手電力会社の卒FIT後の買取単価は以下を参考にしてください。

電力会社買取単価
北海道電力8.0円/kWh
東北電力9.0円/kWh
東京電力8.5円/kWh
中部電力7.0円/kWh
北陸電力8.0円/kWh
関西電力8.0円/kWh
中国電力7.15円/kWh
四国電力7.0円/kWh
九州電力7.0円/kWh
沖縄電力7.0円/kWh

いずれも、FIT制度の買取価格を大きく下回っていますが、手間なく売電を継続できるメリットは大きいといえるでしょう。

新電力会社への売電を検討する

卒FITによって固定買取期間が終了したあとは、新電力会社への売電も検討できます。

新電力会社とは、電力自由化によって新規参入した電力小売事業者です。大手電力会社と比べると規模は小さいものの、買取価格が高い場合があります。

ただし、契約にあたっては、各社が定める条件を満たす必要があります。主な新電力会社の卒FIT後の買取単価は以下の通りです。

新電力会社買取単価
Looopでんき11.0円/kWh(関東エリア限定)
エルピオでんき10.5円/kWh(東北エリア限定)
あしたでんき10.0円/kWh(中国エリア限定)
エネワンでんき9.5円/kWh(九州エリア限定)

大手電力会社と比べると1〜3円/kWh程度高い買取単価となっていますが、契約期間や対象エリアが限定されているケースが多いため注意が必要です。

新電力会社への売電は買取価格が高い傾向にあるため、検討する価値が大いにあります。しかし、契約するには各新電力会社が定める条件に該当しなければなりません。まずは条件を満たしているかチェックしましょう。

卒FIT後に自家消費へ切り替えるメリット

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ここでは、卒FIT後に自家消費へ切り替えるメリットについて解説します。

現状では売電価格よりも自家消費のほうが電気代の節約になる

現状では売電価格よりも自家消費のほうが電気代の節約になります。2024年のFIT制度による買取価格は1kWhあたり16円で、大手電力会社への売電でも8円前後です。

一方で全国家庭電気製品公正取引協議会が公表している新電力料金目安単価によると、平均的な家庭の電気代は1kWhあたり31円です。したがって、発電した電力を自家消費したほうが購入電力量を減らせるため、電気代を大幅に節約できます。

太陽光発電システムの導入者にとって、卒FIT後の運用方法は重要な選択が必要になりますが、経済的なメリットを考慮すると自家消費を積極的に検討すべきでしょう。

電気代が値上げされる理由について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

電気代はなぜ値上げされるのか?考えられる6つの理由と効果的な節電対策

災害時に非常用電源として活用可能

太陽光発電システムを自家消費主体で運用する場合は、災害などによる停電時の非常用電源としても活用可能です。停電により送電網がストップしても、太陽光発電でおぎなえるため、最低限の電力を確保できます。

さらに蓄電池を併設しておけば、夜間の停電にも対応できるでしょう。

くわえてコンパクトで持ち運びできるポータブル電源を用意し、太陽光発電で充電しておけば、屋外や避難所などどこででも電源を確保できます。

このように太陽光発電システムを自家消費に切り替えることは、防災・減災対策としても大きな役割を果たします。非常時の電力確保は家族の安全と安心につながる重要な備えになるため、検討する価値は大いにあるといえるでしょう。

万が一の停電時に家庭でできる対策を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

家庭でできる6つの停電対策!ポータブル電源を用いた対策も併せて解説

卒FIT後に自家消費へ切り替えるデメリット

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ここでは、卒FIT後に自家消費へ切り替えるデメリットについて解説します。

売電しないための工事が必要

太陽光発電システムを自家消費主体の運用に切り替える際は、一定の工事が必要です。系統連系を遮断し、発電した電力を家庭内で効率的に利用するための機器を設置しなければなりません。

具体的には逆電力継電器(RPR)と呼ばれる装置を導入して、発電した電力を電力会社の系統に流れ込まないようにするとともに、パワーコンディショナーや分電盤の設定変更も行う必要があります。また、自家消費率を高めるために蓄電池やEMS(エネルギー管理システム)の導入を検討するケースも少なくありません。

これらの工事には機器の購入費用に加え、施工費用も発生するため、総合的なコスト負担は大きくなる可能性があります。とはいえ、自家消費への切り替えによる電気代の大幅な節約効果を考えれば、初期投資を上回るメリットが得られる可能性があるでしょう。

ただし、工事内容や費用は家庭の状況によって大きく異なります。信頼できる施工業者に相談しながら、最適なシステムの設計が重要です。

効率的に自家消費するために蓄電池の設置が必要

太陽光発電システムを自家消費主体で運用する場合は、蓄電池が重要な役割を果たします。太陽光パネルで発電した電力は日中の晴天時に大量に生み出されますが、蓄電池がない場合はリアルタイムな使用しかできません。

つまり、日中に家庭内で使い切れない余剰電力は、そのまま捨てられてしまいます。この問題を解決し、太陽光発電の効率を最大限に引き出すためには、蓄電池の導入が必要不可欠です。

また、蓄電池があれば、夜間や雨天時など太陽光発電ができない時間帯でも電力を安定的に供給ができます。

ほかにも、災害などによる停電時にも蓄電池に貯めた電力を非常用電源として活用できるため、防災の備えとしても大きなメリットがあるといえるでしょう。

一方で蓄電池の導入には初期費用が大きな障壁となります。家庭用の蓄電池は容量や性能によって価格が大きく異なりますが、一般的には100万円から300万円程度の費用が必要です。くわえて、蓄電池の設置スペースの確保や定期的なメンテナンスも必要となるため、導入には慎重な判断が求められます。

メーカー保証が切れるケースがある

卒FIT後に自家消費へ切り替える際は、メーカー保証に注目しましょう。万が一、製品に不具合や故障が発生した場合でも、保証期間内であれば無償で修理や交換を受けられます。

しかし、FIT制度の買取期間が終了し卒FITを迎えたあとは、メーカー保証が切れてしまう可能性を認識しなければなりません。多くの太陽光パネルメーカーはJIS規格に基づいて最低10年間の製品保証を設定していますが、FIT制度の買取期間と同じ10年間であるケースが一般的です。

つまり、特別な延長保証に加入していない限り、卒FITと同時にメーカー保証が失効してしまいます。

保証が切れた後に発生した不具合や故障は、すべて自己負担で対応しなければなりません。修理や交換には高額な費用がかかる可能性があるため、注意が必要です。

とくにパワーコンディショナーなどの主要部品の交換は、数十万円規模の出費を伴う可能性があります。このような予期せぬ費用負担は、卒FIT後の太陽光発電システムの運用コストを大きく押し上げる要因です。

卒FIT後も長期的に太陽光発電システムを使い続けるためには、メーカー保証の延長オプションへの加入を検討するとともに、定期的な点検やメンテナンスを欠かさないよう徹底しましょう。

卒FIT後にシステムに不具合が考えられた場合の対応

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ここでは、卒FIT後にシステムに不具合が考えられた場合の対応について解説します。

部品を修理・交換して継続して使用する

卒FIT後に太陽光発電システムに不具合が見つかった場合は、まず部品の修理や交換による継続使用を検討しましょう。完全に故障して発電ができなくなっている場合はもちろん、発電効率の低下が懸念される軽微な不具合も放置せずに対処することが重要です。

太陽光発電システムを長期的に活用していくためには、不具合箇所を特定し修理や交換を行う必要があります。システム全体の状態を維持するためには、こまめなメンテナンスが不可欠です。

ただし、部品の修理・交換費は状況に応じて高額になる場合があります。主要部品の交換に関しては、数十万円の出費を伴うケースも少なくありません。修理・交換の判断に際しては、費用対効果を慎重に検討する必要があります。

不具合が生じた際は、今後の使用予定期間や代替手段の有無なども考慮しつつ、長いスパンで見たときに得られる効果と比較しながら最適な選択を行いましょう。

システムの撤去を検討する

太陽光発電システムの修理または交換費用が高額になると判明した場合は、システムの撤去も選択肢のひとつです。ただし、撤去工事自体にも一定の費用がかかることを忘れてはいけません。

住宅用の太陽光発電システムの撤去には、パネルの取り外し費用として10万円前後、廃棄物の運送費として3万円前後、処分費用として3万円前後が必要とされています。つまり、トータルで20万円前後の撤去費用がかかります。

くわえて、撤去後は太陽光発電のメリットを享受できなくなるため、電気代の増加といった経済的な影響も懸念されるでしょう。

撤去を判断する際はこれらのデメリットを十分に考慮したうえで、現在のライフスタイルにおける太陽光発電の必要性をしっかりと見極めることが大切です。単なる目先のコスト削減ではなく、システムの存続可否を長期的な視点から検討していきましょう。

太陽光発電システムの撤去費用について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

太陽光発電設備の撤去費用の内訳は?撤去の目安と処分方法を解説

ポータブル電源と専用ソーラーパネルで簡易的なシステムを構築する

住宅用の太陽光発電システムが不要になった場合は、ポータブル電源と専用ソーラーパネルを組み合わせて簡易的な発電システムを構築可能です。

ポータブル電源はコンパクトで持ち運びに優れた蓄電池であり、屋外レジャーや災害時の非常用電源として活躍します。一方の専用ソーラーパネルは、ポータブル電源に直結して使用できる小型の発電パネルです。

住宅の屋根に設置する大型のシステムとは異なり、手軽に持ち運んで好きな場所で発電できるほか、初期費用も比較的抑えられます。さらには設置工事も不要なため、手軽に太陽光発電のメリットを受けられます。

まとめ

この記事では、FIT制度終了後の対応、卒FIT後に自家消費へ切り替えるメリット・デメリット、不具合が考えられた場合の対応をわかりやすく解説しました。

卒FIT後は固定価格での売電ができなくなるため、発電した電力の活用方法を改めて検討する必要があります。

選択肢としては、自家消費をメインとする方法や電力会社への売電継続などがありますが、それぞれにメリット‧デメリットがあるため、ライフスタイルや経済性を考慮して慎重な判断が大切です。

また、卒FIT後に太陽光発電システムに不具合が見つかった場合は、修理・交換による継続使用や撤去、ポータブル電源の活用など、状況にあわせて適切な対応を行わなければなりません。

卒FITは太陽光発電システムの運用方法を見直す絶好の機会ともいえます。改めて必要性や活用方法を検討し、ライフスタイルに合った方法を選択しましょう。

卒FIT後にもシステムの運用を継続し、電気代の節約をしたい方にはEcoFlowのDELTA Pro 3がおすすめです。

DELTA Pro 3

DELTA Pro 3は、容量4kW、出力3.6kW、100V/200V対応となっているため、ほぼすべての家庭用電化製品へ電力の供給が可能です。太陽光パネルで発電した電力を貯めて夜間に利用すれば、1台で毎月約30%もの電気代の削減を期待できます。

また、電気自動車と同じグレードのLFPセルを採用したことで、4,000回の充放電を繰り返しても初期容量の80%を維持できる耐久性も兼ね備えています。1日1回の使用で約11年間の長寿命があるため、長期にわたって安心して利用可能です。

DELTA Pro 3の詳しい製品情報については、以下のページをご覧ください。

EcoFlow DELTA Pro 3 誰もが手軽に節電を実現できる家庭用蓄電池 

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