地方自治体の防災事例6つ!災害時の役割・取り組み、備蓄品も紹介

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地方自治体の防災事例6つ!災害時の役割・取り組み、備蓄品も紹介

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美しい四季があり、豊かな自然に囲まれる一方で、災害大国とも呼ばれている日本。世界的に見ても特に災害が多いといわれる日本では、国や自治体をあげてさまざまな防災対策が行われています。

この記事では、地方自治体の防災対策の事例や災害時の役割・取り組み、地方自治体向けの防災グッズ・備蓄品などについて詳しく解説します。

災害はいつ起こるかわからないからこそ、前もってしっかりと備えておくことが大切です。よりよい防災のため、ぜひ記事を参考にしてみてください。

地方自治体の防災とは?

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日本は位置や地形、地質、気象などの自然的条件から、台風や豪雨、洪水、土砂災害、豪雪、地震、津波、火山噴火などの災害を受けやすい国です。

政府の地震調査研究推進本部によれば、今後30年間のうちに大規模な地震が起こる確率は、関東地方の場合で60%を超えるという発表もあります。しかし地震を含め、台風や豪雨、竜巻、津波、火山噴火などの自然災害は、人間の手ではどうすることもできません。

このような災害に備えて、国民の命や財産を守るため「災害対策基本法」があります。

災害対策基本法とは、防災計画の作成、災害時の応急対策、災害予防などの役割を明確にすることで、さまざまな災害から国民の命と財産を守るため、1961年に制定された法律です。

国の防災計画である「防災基本計画」や地方自治体の「地域防災計画」は、この災害対策基本法という法律に基づいて作成されています。

災害時の地方自治体の役割

災害対策基本法は毎年少しずつ改正されており、特に大幅な改正が行われたのが2011年〜2019年の8年の間です。

これまで、国は被災した自治体から要請を受けてから支援を行う流れでした。しかし、東日本大震災をはじめとしたさまざまな災害から得た教訓が反映され、被災した自治体からの要請を待たずに自治体への支援を行う「プッシュ型支援」が導入されるようになったのです。

また、災害対策基本法の改正によって地方自治体には災害時に果たすべき役割が与えられました。主に、以下のような役割です。

●   避難対策

●   災害対応体制の実効性の確保

●   情報収集や発信、広報の円滑化

●   避難所等などでの生活環境の確保

●   応援受入れ態勢の確保

●   ボランティアとの連携や協働

●   生活再建支援

●   災害救助法の適用

●   災害廃棄物対策など

地域の特性に合わせた防災活動

地域によっても「災害の起こりやすさ」「起こりやすい災害」は異なります。そこで、地方自治体は地域の特性に合わせた防災活動を行っています。

たとえば、人口約3,600人が暮らす桜島の場合。桜島は鹿児島市街地から鹿児島湾を挟んだ対岸にあり、有史以来大きな噴火をたびたび繰り返している火山です。

桜島では、桜島が大規模噴火した場合を想定し、昭和46年1月から毎年「桜島火山爆発総合防災訓練」を行っています。

地方自治体における2つの防災対策

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地方自治体における防災対策は、大きく分けると以下の2つがあります。

●  自衛消防隊によ人命救助・救出、情報収集

●  被災者・避難住民受け入れ対策

ここからは、それぞれについて詳しく見ていきましょう。

自衛消防隊による人命救助・救出、情報収集

災害が発生した際、自治体の災害対策本部要員は避難場所に残り、正確な災害情報を収集し被害状況を把握する必要があります。

また、「初期消火活動」「消防機関への通報」「避難誘導」「その他、火災や地震、特殊災害等の被害軽減のために必要な業務」なども行います。

被災者・避難住民受け入れ対策

被災者や避難住民の受け入れ対策も、地方自治体にとって重要な対策です。

避難してきた被災者のために必要な飲料水、食料品、簡易トイレ、衛生用品、毛布などの備蓄が必要になります。また、ケガをした避難住民のため、手当ができる救急セットなども用意しておかなければなりません。

地方自治体向けの防災グッズ・備蓄品

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では、地方自治体向けの防災グッズや備蓄品としてはどのようなものが考えられるでしょうか。ここからは「災害対策本部向けの防災グッズ・備蓄品」と「避難住民のための防災グッズ・備蓄品」に分けてご紹介します。

災害対策本部向けの防災グッズ・備蓄品

災害対策本部向けの防災グッズ・備蓄品としては、以下のようなものが挙げられます。あくまで一例ですので、その他必要に応じて備蓄を行いましょう。

●  非常用電源、発電機

●  多機能ラジオ

●  工具セット

●  投光器

●  防災キャビネット

●  大型テント

●  防水メガホン

●  トランシーバー

●  自転車

● 担架 など

避難住民のための防災グッズ・備蓄品

避難住民のための防災グッズ・備蓄品としては、以下のようなものがあります。プッシュ型の救援物資が届くまで、ある程度の時間がかかります。最低でも3日分の飲料水や食料品を用意しておくといいでしょう。

● 飲料水

● 食料

● マスク

● 簡易トイレ

● 毛布

● 除菌ウェットシート

● 救急箱

● アメニティセット

● 蓄電池、発電機

● ソーラー多電源

● 多機能ランタン など

地方自治体が行っている防災への取り組み

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災害対策として、地方自治体はさまざまな取組を行っています。

防災訓練

防災訓練には、災害時に適切に行動するための「一般住民向けの防災訓練」と、自治体の住民を災害から守るために行う「自治体職員向けの防災訓練」の2つがあります。

一般住民向けの防災訓練

一般住民向けの防災訓練としては、初期消火訓練、応急救護訓練、救助訓練などがあり、代表的なものが避難訓練です。

避難訓練は、防災対策や減災対策として欠かすことのできない大切なものです。多くの現場で実施されており、「避難の大切さを知る」だけではなく「避難することに慣れる」ため、そして何より「自分や家族の命を守るため」にも重要な取り組みといえるでしょう。

過去に発生した大災害では逃げ遅れや、災害現場に戻るなどによって命を落としてしまったケースもあり、このようなことを防ぐためにも避難訓練を行う必要があります。

自治体職員向けの防災訓練

自治体職員向けの防災訓練としては、災害対策本部設置防災訓練、避難場所開設防災訓練、参集訓練、防災通信機器操作訓練、防災通信機器操作訓練などがあります。これらは、災害時に住民を守ることにつながる訓練です。

たとえば、災害対策本部設置防災訓練では、災害対策本部の立ち上げまでの手順の確認や実践を行います。

大きな災害が起きた場合、災害対策本部を立ち上げる必要がありますが、災害時の混乱の最中ではスムーズな立ち上げは困難です。そこであらかじめ訓練を行い、臨機応変に対応することを目的に訓練が行われます。

災害ボランティアへのトレーニング

災害が起きると、地域復興や被災者のサポートのためにボランティアを募ります。

ボランティアとして参加するための特別な資格は必要ないものの、被災した現地でスムーズな判断、適切な行動を取るためにはある程度の知識や経験が必要です。

そのための災害ボランティアへのトレーニングが全国の地方自治体で行われています。

防災イベントやセミナー、勉強会

防災対策や減災対策の提案であるイベントや教育も、全国の地方自治体で積極的に行われています。

内閣府による防災情報を紹介する「防災の意識付け、きっかけ作り(目的)減災への取組」では、防災の意識付けやきっかけ作りのため、地方自治体や企業が開催しているさまざまな取り組みが紹介されています。

●       防災運動会……運動会の定番種目であるリレー、借り物競走などに防災要素を取り入れ、楽しみながら防災を学べるイベント

●       防災フェス……防災を楽しむ祭りをサポートするプロジェクト。主催者の希望に応じた内容で構成される

●       防災謎解き……災害発生前〜災害発生直後を想定した状況を、謎解きゲームを交えながら体験できるイベント

近年では上記のように、レクリエーション感覚で遊びながら防災や減災を学べる防災運動会、防災フェス、防災謎解きなども開催されています。

防災設備の導入や設置

防災設備の導入や設置も、全国の地方自治体で行われている取り組みです。

停電時に活用できる非常用電源やソーラー電源灯、災害対応トイレなどの備えの他、避難先や避難経路がわかる警告サインがあると、現場の混乱を防げるでしょう。

地方自治体の防災事例6つ

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実際に地方自治体はどのような防災対策を行っているのでしょうか?ここからは、事例をいくつかご紹介します。

京都市

京都市の梅屋学区(中京区)では、地域が主体となって「防災まちあるき」「防災総合訓練」「防災まちづくり計画を考えるワークショップ」などを実施し、防災まちづくりに取り組んでいます。

防災まちづくりとは、まちづくりのひとつであり、災害に強い地域社会をつくるための取り組みです。

京都市の他にも多くの市町村が防災まちづくりに取り組んでおり、内閣府の「防災情報のページ」では日本全国の地方自治体が取り組む数多くの事例が紹介されています。

静岡県

防災先進県といわれる静岡県では、さまざまな防災への取り組みを行い、地域住民が安心して暮らせる地域づくりに励んでいます。その結果、以下のように多くの実績を残しています。

●       木造住宅耐震補強工事の県の助成実績……20,657戸(全国1位)

●       学校・幼稚園施設の耐震化率……99.6%(全国2位)

●       防災拠点となる公共施設の耐震化率……97.1%(全国2位)

●       震災総合訓練の県民参加率……32.4%(全国1位)

●       市町地域防災訓練の実施率…100%(全国1位)

●       市町津波避難訓練の実施率…100%(全国1位)

神奈川県

神奈川県では、大規模地震による被害軽減を目的に「神奈川県地震防災戦略」を策定。「減災目標」を定めて、県民総ぐるみ戦略的に防災・減災対策に取り組んでいます。

長野県

長野県では、地域の特性に配慮した住民主導型の警戒避難体制の構築を掲げ、災害への対策を実施しています。

市町村が作成したハザードマップを活用した避難訓練、ワークショップ形式の住民懇談会などを行い、一人ひとりが災害の予兆や避難場所の情報を把握できるよう取り組んでいます。

山梨県

東日本大震災や熊本地震での教訓を踏まえ、山梨県では平成29年度に県内全域の避難所運営マニュアルの策定を支援しています。

また、地域住民への防災意識にも注目し、災害の備えや災害時の行動を掲載したリーフレットを配布。防災への意識や知識を高めています。

青森県

青森県では、東日本大震災や集中豪雨によって被害を受けた経験から、地震への対策や土砂災害・水害時の防災対策に取り組んでいます。

最適な避難場所や避難経路の確保の他、外部から避難場所への救援物資等の輸送手段の確保のための「防災物流インフラ強化計画」の策定が進められています。

まとめ

日本に暮らしている限り、自然災害を避けることはできません。しかし、事前にしっかりと対策を行えば、被害を最小限に抑え、素早い復旧につなげることができるでしょう。

日本では、国や自治体をあげてさまざまな防災への取り組みが行われていますが、家庭単位での防災対策も必要です。地域住民の防災への意識を高めることも、大切な取り組みの一つといえるでしょう。 

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