日本はいま、慢性的な電力不足に陥っています。2022年には「節電要請」が出されたほか、政府から初の「電力需給ひっ迫注意報」が発令されました。
いまもなお電力ひっ迫が続くなか、国民や企業で実施できる節電対策に注目が集まっています。そこで今回は、政府が発令する節電要請、効果的な節電対策について解説します。
最後までご覧になれば、電力ひっ迫が起こる原因を理解でき、その上で自身に合った節電対策を見つけられるはずです。
政府が発令する節電要請とは?
ニュースや新聞などでよく見かける「節電要請」とは、政府が一般家庭や企業に対して節電をお願いする要請のことです。電力需要がひっ迫し、電気の安定供給が難しくなった際に発令されます。
政府は2022年12月1日から2023年3月31日まで、全国の家庭や企業に対して節電要請を発令しました。この節電要請は、日常生活や経済活動に支障が出ない程度の、あくまで無理のない範囲で節電をお願いするというものです。
政府が冬の時期に節電要請を行うのは、2015年以来の7年ぶりです。節電要請を出した理由は、2022年度の電力の安定供給が難しい状況になったためであり、その原因としては、大規模な発電所トラブルによるもの、ロシアのウクライナ侵略によるものなどが挙げられます。
なお、この節電要請では数値目標を設けないとのことで、内容は経済産業省の「冬季の省エネ・節電にご協力ください」で確認できます。西村経済産業大臣は記者会見にて、「夏に続いてこの冬も節電を要請することになるが、無理のない範囲で協力してほしい」とコメントしています。
電力需給ひっ迫注意報・電力需要ひっ迫警報
経済産業省・資源エネルギー庁は2022年6月、東京電力管内を中心に電力供給が難しくなったため、初の「電力需給ひっ迫注意報」を発令しました。また、2011年3月11日に起きた東日本大震災により、新制度の「電力需要ひっ迫警報」が導入されました。
これらの制度にはどのような違いがあるのでしょうか?両制度は、発令に至るまでの予備率が違います。それぞれの違いは以下の通りです。
- 電力需給ひっ迫注意報:電力供給の予備率が5%以下の見込みとなった場合に発令
- 電力需要ひっ迫警報:電力供給の予備率が3%以下の見込みとなった場合に発令
電力供給の予備率は、ピーク時の電力の需要量に対する供給力の余裕を示しています。数値が大きければ大きいほど、供給力に余裕があることを示し、その一方で数値が小さければ、電力が不足していることを表しています。
なお、電力供給の予備率が1%以下になると、「計画停電」が行われるため注意が必要です。スマホや携帯電話に緊急速報メールが発信され、指定時間にグループごとに停電が実施されます。
電力ひっ迫はなぜ起こる?節電要請を発令する3つの原因
電力ひっ迫が起こり、政府が節電要請を発令する原因は、大きく以下の3つが考えられます。
- 電力需要が増加している
- 国際的な燃料の調達競争が激化している
- 供給力が不足している
それぞれの原因を1つずつ解説します。
原因1.電力需要が増加している
1つ目の原因は、電力需要が増加しているためです。新型コロナウイルス感染症が流行したことにより、テレワークを導入する企業が増加しました。
エアコンやパソコンなど電気機器の使用頻度が増した影響で、想像以上に電力需要が増加したため、以前に比べて電力不足に陥るケースが増えたのです。その傾向は冬の時期が顕著であり、通年冬の時期には電力がより必要とされています。
原因2.国際的な燃料の調達競争が激化している
国際的な燃料の調達競争が激化しているのも原因の1つです。これは、ロシアによるウクライナ侵攻が大きく影響しています。ウクライナ侵攻が始まって以来、エネルギーを取り巻く世界情勢が変化しました。
各国はロシア以外からエネルギーを確保しなければならない状態となり、結果として慢性的なエネルギー不足に陥っています。エネルギーの価格高騰につながるなど、数々の電力トラブルを起こしているのです。
原因3.供給力が不足している
3つ目は、単純に供給力が不足していることです。地震および津波によって発電設備に被害があり、火力発電所や原子力発電所の休廃止が相次ぎました。
世間から発電所の再開が一部反対されていることもあり、発電所による供給力がいま不足しているのです。
電力ひっ迫に対して政府が取り組む具体的な内容
前項で解説した原因により、日本はいま慢性的な電力不足に陥っています。この問題に対し、政府は国民に節電要請を出すだけでなく、さまざまな取り組みを実施しようとしています。
経済産業省が2022年7月20日に公表した「2022年度の電力需給対策について」によると、電力ひっ迫に対する具体的な取り組み内容は以下の通りです。
【供給対策】
- 電源募集(kW公募)の実施による休止電源の稼働
- 追加的な燃料調達募集(kWh公募)の実施による予備的な燃料の確保
- 発電所の計画外停止の未然防止等の要請
- 再エネ、原子力等の非化石電源の最大限の活用
- 発電事業者への供給命令による安定供給の確保
【需要対策】
- 節電・省エネキャンペーンの推進
- 産業界、自治体等と連携した節電対策体制の構築
- 対価支払型のディマンド・リスポンス(DR)の普及拡大
- 需給ひっ迫警報等の国からの節電要請の高度化
- 使用制限令の検討、セーフティネットとしての計画停電の準備
【構造的対策】
- 容量市場の着実な運用、災害等に備えた予備電源の確保
- 燃料の調達・管理の強化
- 脱炭素電源等への新規投資促進策の具体化
- 揚水発電の維持・強化、蓄電池等の分散型電源の活用、地域間連系線の整備
これらの対策はあくまで予定であり、すべてが行われるとは限りません。また対策がすべて実行されても、電力を十分に確保できない可能性もあります。
しかし、電力ひっ迫に対して政府がさまざまな取り組みをしていることは事実です。政府の取り組みを後押しするためにも、国民や企業が協力して節電対策を講じる必要があるのです。
家庭や企業が行える効果的な節電方法7選
家庭や企業ができる効果的な節電方法を7つ紹介します。慢性的な電力不足を抱えている日本では、家庭や企業が取り組む省エネ対策も重要です。以下の方法をぜひ理解しておきましょう。
- エアコンの温度設定を見直す
- 照明器具を付けっぱなしにしない
- 冷蔵庫の開閉回数を減らす
- 電化製品を定期的に掃除する
- 照明器具をLEDに変更する
- 省エネの電化製品に買い換える
- 太陽光発電システムを整える
各方法を順番に解説します。
方法1.エアコンの温度設定を見直す
1つ目の方法は、エアコンの温度設定を見直すことです。寒い・暑いからという理由で、エアコンの温度を極端に上げ・下げしすぎると、電力を無駄に使ってしまいます。
環境省によるとエアコンの適正温度の目安は、夏は28度、冬は20度だとされています。エアコンは数ある家電のなかでも特に消費電力量が大きいため、この温度を目安に調整を心がけましょう。
方法2.照明器具を付けっぱなしにしない
照明器具を付けっぱなしにしないことも大切です。時間あたりの消費電力量は大したことありませんが、毎日の積み重ねが続けば大きなものとなります。
具体的な方法としては、日中はカーテンを開けて外光を取り込む、付けたら消すを徹底して消し忘れを防ぐ、などが挙げられます。すぐに取り組める対策でもあるので、毎日意識してみてください。
方法3.冷蔵庫の開閉回数を減らす
冷蔵庫の開閉回数を最小限に抑えるだけで、確かな節電効果が見込めます。冷蔵庫を開けている時間が長ければ、それだけ多くの冷気が外に逃げてしまいます。
冷気が逃げると、その分冷蔵庫のなかを冷やすために冷却性能を上げる必要があり、電力のロスが発生してしまうのです。
冷蔵庫の開閉回数を減らすためにも、普段から冷蔵庫のなかを整理し、ものを取り出しやすい環境にしておきましょう。
方法4.電化製品を定期的に掃除する
4つ目の方法は、電化製品を定期的に掃除することです。電化製品を掃除せずに汚れを溜め込んでしまうと、汚れの蓄積に伴い性能が徐々に低下し、電力を無駄に消費してしまいます。
「性能が弱まっているから長く使う」というケースにもつながるため、日頃から掃除して正常な状態に保つことが大切です。
特にエアコンや冷蔵庫、ストーブ、空気清浄機などは、汚れによって性能が左右されやすい傾向にあります。電力をロスさせないためにも、「1ヶ月に1度は必ず掃除する」といったルーティンを組むことをおすすめします。
方法5.照明器具をLEDに変更する
照明器具をLEDに変更するのも効果的です。自宅の広さにもよりますが、照明器具をLEDに切り替えるだけで、およそ年間3,000円分の節電効果があるとされています。
これは、複数世帯で部屋の数が多い家庭ほど、LEDに切り替えるメリットが大きくなります。手間や費用はそこまでかからず、手軽に切り替えられるため、ぜひLEDへの切り替えをご検討ください。
方法6.省エネの電化製品に買い換える
省エネの電化製品に買い換えるのも1つの手です。古い電化製品は省エネ性能が低い傾向にあるため、古いというだけで毎月電力を余分に使っている可能性があります。
また、新しい電化製品には「省エネモード」が搭載されており、その場合は、さらなる節電効果に期待できます。買い換えるときにある程度の費用が必要になりますが、その分大きな効果が見込めるため、古い電化製品を使っている方は前向きに検討しましょう。
方法7.太陽光発電システムを整える
太陽光発電システムを整えるという方法もあります。ポータブル電源とソーラーパネルを導入し、太陽光発電システムを整えれば自宅で電力を生み出せます。
そうすれば、電力会社から購入する電力を減らすことが可能です。導入費用をすぐに回収するのは難しいですが、長期目線で考えればプラスになる可能性は高いと言えます。環境に優しい生活を送ることもできるため、ぜひ太陽光発電システムの導入をご検討ください。
なお、本サイトを運営するEcoFlowは、ポータブル電源とソーラーパネルの販売を行っております。導入を検討している方は、ぜひ以下のページから製品情報を確認してみてください。
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まとめ
本記事では、政府が発令する節電要請、効果的な節電対策について解説しました。
政府は電力供給の予備率や状況に応じて、節電要請以外にも、電力需給ひっ迫注意報、電力需要ひっ迫警報など複数の制度を発令します。
今後も電力ひっ迫が続くことが予想されているため、家庭や企業で行える節電対策が重要視されています。ぜひ本記事で紹介した方法を参考にし、できる範囲で節電を進めてみてください。
長期的な節電対策を講じたい方は、太陽光発電システムの構築をおすすめします。なお、本サイトを運営するEcoFlowは、ポータブル電源やソーラーパネルを多数販売しております。ぜひ以下の製品情報をご確認ください。
【ポータブル電源(DELTAシリーズ)】
製品名 | DELTA 2 | DELTA Pro | DELTA Max 2000 |
容量 | 1,024Wh | 3,600Wh | 2,016Wh |
定格出力 | 1,500W | 3,000W | 2,000W |
AC充電入力 | 最大1,200W | 最大1,500W | 最大1,500W |
サイズ | 40.0 x 21.1 x 28.1 cm | 63.5×28.5×41.6cm | 49.7×24.2×30.5cm |
重量 | 約12kg | 45Kg | 22Kg |
出力口 | 合計15 ACx6 USBx6 DCx2 シガーソケット x1 | 合計:15 AC×5 USB×6 DC×2 シガーソケット×1 アンダーソン×1 | 合計:15 AC×6 USB×6 DC×2 シガーソケット×1 |
公式サイト | https://jp.ecoflow.com/products/delta-2-portable-power-station | https://jp.ecoflow.com/products/delta-pro-portable-power-station | https://jp.ecoflow.com/products/delta-max-2000-portable-power-station |
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220W両面受光型ソーラーパネル | 400Wソーラーパネル | |
サイズ | 82×183×2.5cm | 約236.5×105.8×2.5cm |
重量 | 約9.5kg | 約16.0kg |
効率 | 22〜23% | 22.60% |
接続タイプ | MC4 | MC4 |
開回路電圧 | 21.8V (Vmp 18.4V) | 48V (Vmp 41V) |
短絡電流 | 13A (Imp 12.0A)表面/ 8.8A (Imp8.4A)裏面 | 11A (Imp 9.8A) |
公式URL |