「冷蔵庫の電気代は1ヶ月あたりいくらが相場?」という疑問を持っている方もいるはずです。冷蔵庫の電気代は、世帯人数や用途、製品のサイズによって変動します。
また、冷蔵庫の省エネ性能に応じても電気代が異なるため、一概に冷蔵庫の電気代を定めることは困難です。ただし、冷蔵庫の年間消費電力量(kWh)を特定できれば、年間の電気代を算出することが可能です。
本記事では、冷蔵庫の電気代相場、電気代を抑える方法や買い替えのサインを解説します。冷蔵庫の電力使用量を抑え、効果的な節電を図りたい方はぜひ本記事をご覧ください。
冷蔵庫の電気代|1ヶ月あたりの相場


冷蔵庫は一日中稼働し、生活を支える重要な家電の1つです。快適に生活するにあたって必要不可欠な家電ではありますが、毎月の電気代は無視できません。
冷蔵庫の電気代は、世帯人数や用途、または製品のサイズによって変動します。例えば、大家族用の大型冷蔵庫を利用する場合、1人暮らし用の小型冷蔵庫と比べると、電気代が高くなる傾向にあります。
そこで、冷蔵庫のサイズ別に電気代の目安を比べてみましょう。248L・365L・450L・550Lごとの電気代の目安は以下の通りです。
冷蔵庫のサイズ |
1ヶ月あたりの電気代 |
年間の電気代※ |
248L |
780円 |
9,362円 |
365L |
880円 |
10,571円 |
450L |
679円 |
8,153円 |
550L |
684円 |
8,215円 |
※ 年間消費電力量(kWh)×電気代単価(31円/kWh)で計算
参考:パナソニックの「NR-B252T(248L/302kWh)」「NR-C374GC(365L/341kWh)」「NR-E459PX(450L/263kWh)」「NR-F559WPX(550L/265kWh)」を基に電気代を算出
冷蔵庫のサイズが大きくなると、基本的に電力使用量が増え、電気代が高騰してしまいます。しかし、上記のように、冷蔵庫のサイズと電気代が比例しないケースもあります。
これは、大型の冷蔵庫は購入価格が高い分、断熱性能が高くなり、それにより電力使用量が抑えられるためです。大型になれば必ず電気代が安くなるわけではありませんが、そういったケースがあることも覚えておきましょう。
冷蔵庫の電気代を確認する方法
自宅で使用している冷蔵庫の電気代を知りたい場合、冷蔵庫の品番を調べて年間消費電力量(kWh)を取得し、以下の計算式を用いることで算出できます。
【電気代の計算式(年間)】
1年間の電気代=年間消費電力量(kWh)×電気代単価(31円/kWh)
家庭の冷蔵庫において、一般的に必要とされる容量は「70L(1人当たり)×家族の人数+100L(常備食材)+70L(予備食材)」とされています。例えば、3人暮らしの場合、冷蔵庫の容量は約380Lが適切です。
年間消費電力が341kWhの冷蔵庫(パナソニック:NR-C372GC)であれば、計算式に基づいて算出すると、1ヶ月あたりの予想電気代は880円となります。
【電気代の計算式(1ヶ月)】
880円/1ヶ月=341kWh/年×31円/kWh÷12ヶ月
上記の計算式を用いることで、自宅の冷蔵庫の電気代はどれくらいなのか、新しい冷蔵庫に買い替えることでどれくらい節約になるのか、などが大まかに分かります。
→一般家庭における電気代の相場|世帯数別・季節別の変動幅を詳しく解説
冷蔵庫の電気代は年々低下している


冷蔵庫の省エネ性能が向上していることもあり、冷蔵庫の電気代は年々低下しています。もしも古い冷蔵庫を使っているのであれば、同じサイズの新しい冷蔵庫に買い替えることで、電気代の削減効果に期待できます。
ここ最近でどれくらい省エネ性能が上がっているのかは、以下の一覧表でご確認ください。2008年〜2023年の商品で、それぞれ比較します。ただし、サイズや電力使用量は異なるため注意が必要です。
2008年 |
2013年 |
2018年 |
2023年 |
13,640円/年 |
8,494円/年 |
8,029円/年 |
7,812円/年 |
・440kWh/年 ・603L |
・274kWh/年 ・500L |
・259kWh/年 ・500L |
・252kWh/年 ・600L |
上記の数値を見ての通り、ここ数年間で冷蔵庫の電気代が減少していることが分かります。最近の製品は昔の製品に比べ、冷却性能が向上していたり、人工知能搭載により適切な冷却方法が可能であったりなど、機能性が進化している傾向にあります。
→【2023年】電気代の値上げ幅とその推移を徹底解説!政府による緩和措置も紹介
冷蔵庫の電気代を抑える5つの方法


冷蔵庫の電気代を抑える方法はいくつか存在します。本項では、なかでも効果的な節電方法として、以下5つのアプローチを紹介します。
- 冷蔵庫の周りに物を置かない
- 食品を詰め込みすぎない
- ドアの開閉時間を短くする
- 省エネ性能の高い製品に買い替える
- 電力を自家発電する
電気代を抑える方法をそれぞれ見ていきましょう。
→暑さを我慢する必要なし!夏の電気代を節約する7つの方法を徹底解説
方法1.冷蔵庫の周りに物を置かない
冷蔵庫を壁から離し、周りに物を置かないことが重要です。冷蔵庫は周囲に熱を逃がす構造になっているため、周りに物があると余計に電力を消費してしまうのです。
周りに隙間を作らず、物で遮っている場合、冷蔵庫から出た熱で本体があたたまってしまい、電力効率が悪くなります。例えば、周りに壁がある状態とない状態で比較すると、年間の消費電力量に約45kWhの差が生まれます。
つまり、冷蔵庫の周りを片付けるだけで、年間およそ1,400円の節約効果に期待できるのです。手軽に行える節約方法なので、ぜひ実施してみてください。
方法2.食品を詰め込みすぎない
冷蔵庫に食品を詰め込みすぎないのもポイントです。食品の量を減らすことで、庫内の冷気の循環が改善され、それだけで冷房性能が高くなります。
具体的には、冷蔵庫に詰め込んでいる食品の量を半分に減らすだけで、年間で約44kWhの節電効果が見込めます。つまり、年間で約1,360円分の節約効果が期待できるのです。
また、食品の量を減らせば、冷蔵庫を開けて食品を探す時間が短縮されるため、その分冷気を庫内に留めることができます。
方法3.ドアの開閉時間を短くする
3つ目は、ドアの開閉時間を短くするという方法です。ドアの開閉時間を短くすれば、庫内の冷気が逃げづらくなるため、無駄な電力の消費を削減できます。
ドアの開閉時間を短くするだけでなく、回数を減らすだけでも節電効果が見込めます。例えば、1日あたりのドアの開閉回数を50回から25回に減らした場合、消費電力は約6%も減少するのです。
1回あたりの節電効果は小さいですが、年間を通して考えると大きな金額になります。ドアの開閉に注意するだけなので、ぜひ意識してみてください。
方法4.省エネ性能の高い製品に買い替える
古い冷蔵庫を使用している場合、省エネ性能の高い製品に買い替えることで、電気代の節約効果が見込めます。特に15年以上使用している冷蔵庫は、最新モデルの2~3倍程度の電気代を必要とするため、大きな節約効果に期待できます。
とはいえ、冷蔵庫の初期費用は安くないため、予算を踏まえて買い替えをご検討ください。また、家族の人数や置き場所、用途に応じて冷蔵庫の適切なサイズが異なるので、それも考慮した上で冷蔵庫を選びましょう。
方法5.電力を自家発電する
冷蔵庫は生活に必要不可欠な家電であるため、その電力の消費は避けられません。長期的な節約を図りたい方は、電力の自家発電をご検討ください。
具体的な方法としては、折りたたみ式のソーラーパネルとポータブル電源を用いた太陽光発電が挙げられます。これは、蓄電池を使用する場合に比べてコストが低く、システムを導入しやすいのがポイントです。災害時の非常用電源としても使用できるので、ぜひ電力の自家発電を検討してみてください。
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冷蔵庫を買い替えるタイミング|3つのサイン


「冷蔵庫の買い替えタイミングがわからない」という方もいるでしょう。そんな方は、以下3つのサインを参考にしてみてください。
- 冷却性能が落ちた
- モーターの音が大きくなった
- 水漏れが発生している
これらのサインが現れたら、冷蔵庫の性能が購入時よりも低下しています。省エネの製品に買い替えることで、電気代の削減効果に期待できます。
サイン1.冷却性能が落ちた
冷蔵庫は「気化熱」という仕組みを使って庫内を冷やしています。もし、冷蔵庫の冷えが悪くなった場合、冷媒回路が不具合を起こしている可能性があります。
冷蔵庫の冷媒回路を修理しようすると、数万円程度の修理費が発生することもあるため、素直に買い替えることをおすすめします。特に購入から10年近くが経過している場合は、冷蔵庫の買い替えをご検討ください。
サイン2.モーターの音が大きくなった
冷蔵庫のモーターの音が大きくなったら、それは買い替えのサインかもしれません。冷蔵庫は扉の開閉によって冷気を発生させる構造になっているため、扉を閉めたあともコンプレッサーから音がします。
しかし、通常の冷蔵庫は庫内が一定まで冷え切ると、その音は自動で止まります。もし長時間経っても音が止まらない場合は、以下のような原因が考えられます。
- コンプレッサーが故障している
- 庫内に霜がたまっている
- ファンに汚れが詰まっている
モーターの音が大きくなった場合、冷蔵庫の機能が低下している可能性があるため、買い替えを検討してみてください。
サイン3.水漏れが発生している
冷蔵庫内で水が漏れている状況はあまり良くありません。冷蔵庫内が水浸しになっていたり、庫内の奥壁や側壁に水滴の跡が見られたりする場合は要注意です。
水漏れの主な原因は、ドレンホースの詰まりです。ドレンホースとは、庫内で発生した霜や結露を排水するための管のことを指します。庫内で発生した水は、このホースを通って「ドレンパン」と呼ばれる専用の受け皿に溜まります。
しかし、ドレンパンまで水を運ぶことができずに逆流してしまうと、冷蔵庫内で水漏れが発生してしまうのです。この水漏れを放置すると、カビや嫌なニオイの原因となるので、新しい冷蔵庫への買い替えを検討しましょう。
冷蔵庫を買い替える際のチェックポイント


電化製品の性能は日々進化しており、冷蔵庫も例外ではありません。冷蔵庫をこれから買い替える方は、以下のポイントに意識を向けてみてください。
- 節電モード
- インバーター制御機能
- ノンフロン
- 真空断熱材
これらのポイントを押さえれば、効果的な節電対策が図れます。各ポイントを1つずつ解説します。
節電モード
節電モードは、冷蔵庫のドアの開閉や使用状況に基づき、消費電力を自動的に調整するものです。手動で冷却力を調整する必要がなくなり、食品に対して最小限の影響で冷却を弱めることができます。
インバーター制御機能
インバーター制御機能も重要です。これは、冷蔵庫の扉の開閉回数や庫内の温度などを考慮し、コンプレッサーやモーターの回転数を自動的に調整してくれる機能です。節電モードと併せて使用することで、さらなる節電効果が見込めます。
ノンフロン
ノンフロンタイプの冷蔵庫も節電対策に有効です。この冷蔵庫は、フロンを用いず「ヒートポンプ」という新技術を利用します。これにより、消費電力をより一層抑えることが可能です。
真空断熱材
真空断熱材も消費電力を抑える上でポイントとなります。この断熱材は庫内の内壁を覆い、外部からの熱侵入を防ぎます。また、従来の断熱材よりも薄く、それでいて高い断熱効果に期待できます。
まとめ
本記事では、冷蔵庫の電気代相場、電気代を抑える方法や買い替えのサインを解説しました。
冷蔵庫の電気代は、世帯人数や用途、製品のサイズによって変動します。年間の電気代は、「年間消費電力量(kWh)×電気代単価(31円/kWh)」の計算式で算出可能です。
自宅の冷蔵庫の電気代を把握することで、効果的な節電対策を見つけやすくなります。ぜひ本記事の節電方法を参考にし、状況に合った対策を講じてみてください。
なお、長期的な節約を考えている方には、太陽光発電システムの構築をおすすめします。EcoFlow製のポータブル電源やソーラーパネルであれば、初期費用を抑えたシステムの運用が可能です。以下の製品情報をぜひご確認ください。