蓄電池とパワコンは同じ太陽光発電システムに組み込む設備なのですが、ハイブリッド型と呼ばれる一体型のものもあり、メリットも豊富です。
しかし、デメリットがないわけではないため、両方を知ってから導入を検討する必要があるでしょう。
この記事では、蓄電池とパワコンの一体型とは、ハイブリッド型のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
蓄電池とパワコンの一体型について知りたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
蓄電池とパワコンの一体型とは
蓄電池とパワコンは同じ太陽光発電システムに必要な設備なのですが、それぞれ別々の機能を持つ製品であるため、導入の際は注意が必要です。
ここでは、蓄電池とパワコンの一体型とは何かについて詳しく解説します。
蓄電池とは
蓄電池は、太陽光発電で生み出した電力を蓄電するための装置です。主な役割は「電気を貯めること」にあり、蓄電池があるだけで一定期間・一定量の電気を貯めておけます。
太陽光発電に必須の装置ではないものの、蓄電池があれば発電だけでなく蓄電も行えるようになるため、導入を検討する価値は十分にあるでしょう。
パワコンとは
パワコンは、太陽光発電で生み出した電力を変換するための装置です。主な役割は「電気を使える状態に変えること」にあり、太陽光発電に欠かせない装置となっています。
太陽光発電は生み出した電気をそのまま使用できるわけではなく、パソコンがなければ電気も使用できません。そのため、パワコンは太陽光発電に必須の装置といえるでしょう。
一体型とは
一体型はハイブリッド型と呼ばれる装置で、蓄電池とパワコン、両方の機能を持つ装置となっています。
本来、蓄電池とパワコンは別々に設置して使用するのですが、一体型は両方をまとめて設置できるため、スペースを圧迫せずに設置可能です。
一体型だけあって持ち運びには向いていませんが、据え置きして使用する分には十分な効果を発揮できるでしょう。
もしパワコンが必要な太陽光発電と一緒に蓄電池を導入する予定であれば、ぜひ一体型を検討してみてください。
なお、蓄電池の費用相場やパワーコンディショナーの価格相場については他の記事でも解説しているため、あわせてご確認ください。
→蓄電池の費用相場や必要性を解説
→パワーコンディショナーの価格相場は?交換のタイミングとメリット・デメリットを解説
ハイブリッド型のメリット
ハイブリッド型は、蓄電池とパワコンを買い換えずに一新できたり、電気の変換ロスを抑えられたり、発電量をアップさせられたりとメリットが豊富です。
非常用電源として役立つ点もメリットといえるでしょう。ここでは、ハイブリッド型のメリットについて詳しく解説します。
蓄電池とパワコンを買い換えずに一新できる
ハイブリッド型は、蓄電池とパワコンを買い換えずに一新できるのがメリットです。
本来、蓄電池とパワコンは太陽光パネルと別途で設置する必要があり、後付けする場合はそれぞれ新しいものを購入しなくてはなりません。
しかし、ハイブリッド型なら蓄電池・パワコンの両方が組み込まれているため、新たに別のものを購入する必要はないでしょう。
結果的に、初期費用を抑えられます。
電気の変換ロスを抑えられる
電気の変換ロスを抑えられるのも、ハイブリッド型のメリットです。
通常、太陽光パネルで生み出した電力はそのままでは使用できないため、蓄電池やパワコンで一度変換して使用できる状態にしなければなりません。
加えて、蓄電池やパワコンを通すと電力ロスの発生により電気が無駄になる可能性があるため、注意が必要となります。
しかし、ハイブリッド型は蓄電池・パワコンの両方が組み込まれているため、電力ロスを抑えつつ電力を使用できるわけです。
結果的に、電気代を抑えられます。
発電量をアップさせられる
ハイブリッド型の蓄電池は、発電量をアップさせられます。最近の蓄電池用パワコンは太陽光用パワコンより性能が向上しており、効率よく発電&蓄電が可能です。
発電量は環境によって左右されるものの、性能の優れた蓄電池・パワコンほど効率が良く、結果的に発電量をアップさせられるでしょう。
発電量がアップすれば、自家消費や売電に回せる余剰電力もアップし、より太陽光発電を有効活用できるのではないでしょうか。
非常用電源として役立つ
非常用電源として役立つのも、ハイブリッド型の蓄電池のメリットです。
ハイブリッド型は災害時・停電時の出力に優れており、大規模災害によって停電が発生してもある程度の家電は問題なく使えます。
あらかじめ発電した電力を蓄電しておけば、一定期間・一定量の電気が使用できるため、長期間の停電にも耐えられるでしょう。
日本では災害による停電の復旧が1〜2日ほどで終わることが大半であるため、ある程度容量のある製品であればライフラインは途絶えません。
しかし、地域によってはインフラが壊滅的なダメージを受けて完全な復旧までに数日〜数週間ほど要することがあるかもしれません。
その間、電気が使用できない状況は命に係わるため、ぜひ非常用電源としてハイブリッド型の蓄電池を導入しておきましょう。
なお、家庭用蓄電池については他の記事でも解説しているため、あわせてご参照ください。
→家庭用蓄電池とは?導入するメリット・デメリット、簡単に設置できる方法を解説
ハイブリッド型のデメリット
ハイブリッド型は、ゼロからの導入は初期費用がかかったり、保証対象外となる可能性があったり、回路数に影響する場合があったりとデメリットに注意が必要です。
相性によって左右される点もデメリットとして考慮しなければなりません。ここでは、ハイブリッド型のデメリットについて詳しく解説します。
ゼロからの導入は初期費用がかかる
ハイブリッド型は、ゼロからの導入は初期費用がかかるのがデメリットです。
新しく買い換える場合は費用を抑えられるものの、ゼロから太陽光発電と一緒に導入する場合は数十万円〜数百万円単位でのコストがかかります。
予算に余裕のない人にとっては、なかなか手を出せない価格帯かもしれません。
ただし、すでに蓄電池やパワコンを導入している場合、比較的費用を抑えてハイブリッド型を導入できるため、工夫次第では初期費用を抑えられます。
耐用年数的に買い換えが必要な場合は、蓄電池・パソコンをそれぞれ新調するのではなくハイブリッド型など一体型として導入するのが望ましいです。
保証対象外となる可能性がある
保証対象外となる可能性があるのも、ハイブリッド型のデメリットです。
太陽光発電に必要なソーラーパネルやパワーコンディショナーは、一式で導入することで保証を得られるのが一般的ですが、ハイブリッド型は最初から一体型となっているため保証対象外となる場合があります。
既存のものを一度取り外して再度設置しなくてはならず、結果的にシステム・設備を一新することで保証対象外となる可能性があるため、十分に注意が必要でしょう。
ただし、ハイブリッド型は欠点を補えるほどの利点があるため、それぞれ比較検討しながら選ぶのが良いかもしれません。
回路数に影響する場合がある
ハイブリッド型の蓄電池は、回路数に影響する場合があります。
太陽光発電は、ソーラーパネル・パワーコンディショナーをまとめる回路数があらかじめ決まっているため、導入する際は既存の回路数と新規の回路数を合わせなくてはなりません。
例えば、現在4回路にもかかわらず新しく取り付けるものは3回路にしか対応していない場合、1つの配線が接続できない状態となるわけです。
結果的に発電量が3/4になり、効率が悪くなります。そのため、ハイブリッド型の蓄電池を導入する際は回路数を合わせるように設置することが重要です。
相性によって左右される
相性によって左右されるのも、ハイブリット型の蓄電池のデメリットです。
太陽光発電に必要なシステム・設備によって相性の良し悪しがあり、相性の合わない装置同士を組み込むと性能が低下したり発火したりする可能性があります。
どの装置も最悪の状態を避けられるよう設計されているのですが、組み合わせによってはリスクを伴う場合があるため、注意が必要となるでしょう。
安全性・耐久性についてはメーカーが徹底して設計しているものの、万が一の状況は往々にしてあるため、相性の良し悪しを検討しつつ導入してください。
なお、蓄電池はやめたほうがいいといわれている理由については他の記事でも解説しているため、あわせてご覧ください。
→蓄電池はやめたほうがいい?向いている人と向いていない人・メリットとデメリットを解説
据え置き・持ち運びに便利なポータブル電源
蓄電池はパワコンと一体型のものを選んで据え置きできますが、ポータブル電源など持ち運びできるものだとより幅広い用途で使用できます。
ポータブル電源は、据え置きにも持ち運びにも便利な蓄電池です。
電源が取れない場所で電源として使用できるため、キャンプや車中泊を伴うレジャーやワーケーションなどのリモートワークで活躍するでしょう。
むしろ、ハイブリッド型のように蓄電池とパワコンが一体型となっているものは気軽に持ち運べないため、家では使用できても外では使用できません。
一方でポータブル電源は家でも外でも使用できるため、利便性を重視するならポータブル電源の方が良いかもしれません。
なお、EcoFlowではEcoFlow DELTA Pro 3など高性能なポータブル電源を取り揃えているため、気になる人は一度公式ホームページをご覧ください。
EcoFlow DELTA Pro 3は多種多様な目的で使用できる大容量・高出力の製品で、ほとんどの家電に給電できるため、状況に縛られずに使用できます。
本体自体、ケーブルを挿して電源を入れるだけで使用できるため、手軽に導入可能です。
導入方法によっては電気代を毎月30%ほど削減できるため、電気代を節約したい人にも適しているのではないでしょうか。
最近では電気代の値上げが頻発しており、家計にダメージを受ける人が後を絶ちません。しかし、太陽光発電と蓄電池を組み合わせれば自宅で発電&蓄電ができ、電力会社に左右されません。
むしろ、自宅で発電&蓄電できるため、電力会社への依存から抜け出せます。
据え置き・持ち運び両方に対応したポータブル電源は自家消費・売電にも便利なため、うまく発電&蓄電できれば収入を得ることも可能です。
まとめ
蓄電池とパワコンの一体型とは、ハイブリッド型のメリット・デメリットを解説しました。
蓄電池とパワコンが一緒になったハイブリッド型は、それぞれの機能が一つにまとめられており、それぞれ買い換えることなく一新できます。
もし蓄電池とパワコンの買い換えを検討中の場合は、ハイブリッド型にしてみてはいかがでしょうか。
ハイブリッド型は、電気の変換ロスを抑えられたり、発電量がアップしたり、非常用電源として役立ったりとメリットが豊富です。
デメリットを補えるほどの性能を持っているため、これから太陽光発電を導入する人もぜひハイブリッド型をご検討ください。
なお、よくアウトドアやリモートワークをする場合は、持ち運びできるポータブル電源をあわせて検討しておくと良いかもしれません。
ポータブル電源は簡単に持ち運びできる蓄電池で、家と外の両方で使用できます。製品によっては高出力・大容量に設計されており、宿泊を伴うレジャーにも便利です。
EcoFlowでは、より高性能なポータブル電源を提供しているため、興味がある人はぜひ一度公式ホームページをご覧ください。
当社の製品は電気代の節約につながる他、高速充電にも対応しているため、防災グッズとしても役立ちます。