太陽光発電システムを導入して売電を検討中の方もいるのではないでしょうか。
自宅に太陽光発電システムがあれば、余った電力を売電可能です。
電力会社に電力を買い取ってもらえれば、家計を支える副収入となるでしょう。しかし、売電収入がどれくらいになるのかは事前に把握しておかなければなりません。
この記事では、太陽光発電の売電収入はどれくらいなのか、アップさせる方法、確定申告の必要性をわかりやすく解説します。
売電収入について知りたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
太陽光発電の売電収入はどれくらい?
はじめに、太陽光発電の売電収入はどれくらいなのかについて見ていきましょう。
売電単価(FIT単価)は1kWhあたり16円
経済産業省内にある「固定価格等算定委員会」が決めている太陽光発電の売電単価(FIT単価)は2024年時点で「1kWhあたり16円」とされています。
2024年は2023年と同様の単価となっており、数年前と比べるとやや低めです。
実際に約10年前の2012年は「1kWhあたり42円」でしたが、再生可能エネルギーの普及に伴ってシステム費用が低下したことで売電単価(FIT単価)自体も低下しています。
そのため、売電収入のみでの生活をお考えの方は難しいかもしれません。
一方、太陽光発電システムは自家消費する電力を補うことで電気代の節約が可能です。
売電単価は低下しているものの電気代そのものを節約できれば、間接的にランニングコストを削減できるため、太陽光発電を導入する価値はまだまだあるといえるでしょう。
年間の売電収入は約6万円~7万円前後
太陽光発電の年間の売電収入は約6万円〜7万円前後です。
環境省の「令和元年度再生可能エネルギーに関するゾーニング基礎情報等の整備・公開等に関する委託業務報告書」によると日本の平均年間発電量は太陽光発電の容量1kWにつき1,215kWhとされています。
仮に容量5kWの太陽光発電の場合、年間の発電量は約6,075kWhとなります。
産業経済省の資源エネルギー庁「第74回調達価格等算定委員会配付資料『太陽光発電について』」によると発電した電力のうち売電される割合は約68.8%とされているため、年間で約4,180kWhが売電できる計算です。
上記の数字から計算すると年間で約6万円〜7万円の売電収入となるといえるでしょう。
なお、家庭用の太陽光発電の場合はFIT制度を10年間適用できるため、合計で約60万円〜70万円の売電収入が得られます。
卒FIT後も自家消費して電気代を節約したり、他の電力会社に売電して収入を得たりと、長期的に運用するほど生活の支えとなるでしょう。
ただし、上記の数字はあくまでも平均的な発電量に対するものです。
太陽光発電は条件によって発電量が変化するため、十分に注意しましょう。
太陽の向きだけでなく太陽光パネルの角度などで発電効率が変わる他、時間や季節によっても変わるため売電収入は常に変動すると認識しておかなければなりません。
なお、太陽光発電の売電とはそもそも何か、仕組みや設置費用、売電価格について解説した記事が他にもあるため、併せてご覧ください。
→太陽光発電の売電とは?一般家庭でも収入を得られる仕組みを紹介
→太陽光発電における売電の仕組みとは?設置費用や売電価格を詳しく解説
売電収入をアップさせる方法
ここからは、売電収入をアップさせる方法についてみていきましょう。
補助金で初期費用を節約する
太陽光発電を導入する際は補助金で初期費用を節約するのが良いでしょう。
売電収入をアップさせる方法からはやや話が逸れますが、何十万円〜何百万円とする太陽光発電設備は初期費用を回収するだけでも相応の時間がかかります。
しかし、補助金を活用すれば初期費用を抑えられ、間接的に売電収入のアップにつながるわけです。
太陽光発電設備の設置当初は仮に売電収入が発生しても初期費用と相殺もしくはマイナスとなるため、いかに早くプラスに転じさせるかが鍵となります。まずは初期費用を補助金で抑えつつ、売電収入を安定させるのが先決です。
なお、一部の自治体によっては補助金を出していないところもあるため、お住まいの自治体がどのような対応をしているかは事前に確認しておきましょう。
発電効率を最大化できるよう設置する
太陽光発電は、発電効率を最大化できるよう設置することで売電収入のアップが狙えます。
まずは発電効率に優れた太陽光発電設備(ソーラーパネル・パワーコンディショナー)をできる限り広範囲に設置しましょう。
設置した太陽光パネルの数だけ発電量を得られるため、設置する箇所が広ければ広いほど売電収入もアップ可能です。
次に太陽光パネルの角度や向きを調節しましょう。
角度は約30度で向きは南向きが理想ですが、1日で最も日射量を得られる角度・向きは住宅ごとに違うため、立地に合わせて調整するのが賢明です。
上記のように発電効率を最大化できるよう設置を工夫するだけで、売電収入のアップが見込めます。
定期的にメンテナンスを実施する
定期的にメンテナンスを実施するのも売電収入のアップに欠かせません。
太陽光発電システムは屋根・バルコニー・ベランダ・庭など外に設置するため、鳥のフンやホコリ、雨風によって発電効率が下がります。
結果的に発電量が落ちて売電収入も減るため、定期的に綺麗に掃除するのが理想です。
設置する箇所によっては落ち葉や火山灰、積雪によって太陽光パネルが覆われて発電が阻害される場合もあるため、周辺環境も考慮して保守点検しましょう。
ただし、高所に設置している場合自力でのメンテナンスは危険なため、専門業者に依頼するのが賢明です。無理をして怪我をしては本末転倒、メンテナンスはプロに任せるのが無難といえます。
電力の自家消費を節減する
電力の自家消費を節減することで間接的に売電収入がアップします。
FIT制度の適用中は固定価格で電力を買い取ってもらえるものの、卒FIT後は電力会社が定めた売電単価で売ることになるため、限られた余剰電力だけでは十分な収入になりません。
そのため、自家消費を節減して余剰電力を確保するのが賢明です。自家消費する分の電力が減れば間接的に余剰電力が増え、結果的に売電収入の確保につながります。
ただし、自宅で生み出した電力を自家消費に充てるだけで電気代の節約になるため、売電にこだわらずに太陽光発電システムをうまく活用するのが賢明といえるでしょう。
なお、太陽光発電をまだ導入しておらず、今後導入を検討中の方は次の記事も併せてご覧いただけますと幸いです。
→「太陽光発電は7割が損をする」は本当?損をする原因や効果的な対策を解説
→太陽光発電はやめたほうがいい5つの理由|損得を左右するポイントと導入するメリット
売電収入の確定申告の必要性
ここからは、売電収入の確定申告の必要性について見ていきましょう。
年間20万円を超えると確定申告が必要
売電収入による所得が必要経費を差し引いて年間20万円を超えた場合、確定申告が必要となります。
- 確定申告:1年間分の所得を計算して申告するためのもの
- 必要経費:太陽光発電設備における減価償却費や修繕費のこと
- 減価償却費:固定資産の購入額を耐用年数に合わせて分割し、一期ごとに費用として計上するための勘定科目
つまり、売電収入によって得られた所得が1年間の減価償却費や修繕費を差し引いて年間20万円を超えた場合は確定申告が必要です。
なお、売電による収入は雑所得として計算して申告しなければなりません。年間20万円を超えた場合は管轄の税務署で申告しましょう。
年間20万円を超えなければ確定申告は不要
売電収入が年間20万円を超えなかった場合、確定申告は不要です。
ただし、売電収入は雑所得として確定申告しなくてはならず、売電収入以外の雑所得との合計で計算して年間20万円を超えた場合は確定申告が必要となります。
太陽光発電の売電収入は年間で約6万円〜7万円前後とされるため、他の雑所得が13万円〜14万円ほどある場合は注意しておきましょう。
もし雑所得が年間20万円を超えそうな場合は、余剰電力の売電ではなく自家消費に回して電気代を節約するなど、工夫次第で税金対策が可能です。
一方でFIT適用中はさまざまな条件があって選択できる税金対策も限られるため、節税が必要となった場合は税理士への相談を推奨します。
確定申告しないとどうなる?
申告するはずの所得があるにもかかわらず確定申告しないと無申告加算税や延滞税が課せられる可能性があるため、十分に注意しましょう。
売電収入だけで年間20万円を超えることは稀ですが、雑所得もある場合は確定申告が必要なのかを毎年考慮しておく必要があります。
仮に確定申告が必要だった場合は確定申告期間「毎年2月16日〜3月15日」の間に税務署に申告しましょう。
「申告しなくてもバレない」とお考えの方もいるかもしれませんが、税務署は法人だけでなく個人に対しても税務調査を行う場合があるため注意が必要です。
なお、太陽光発電の仕組みや製品の価格、蓄電池との組み合わせについては他の記事でも解説しているため、併せてご覧ください。
→家庭用ソーラーパネルを導入するとどうなる?発電の仕組みや製品の価格
→ソーラーパネルと蓄電池を組み合わせる理由とは?具体的なメリットと製品の選び方
太陽光発電をより便利にする家庭用蓄電池!
太陽光発電は余剰電力を売電して副収入を得られますが、自家消費に充てるのも便利です。
普段使用する電力は電力会社から購入しているもので、太陽光発電システムを導入していない方は電力会社頼りのライフスタイルになっていると思います。
しかし、太陽光発電システムを導入すればソーラーパネルやパワーコンディショナーによって自家消費の電力を自宅で生み出せるため、電力会社に依存しません。
電力会社への依存から脱却すれば電気料金の値上げに一喜一憂する必要もなくなります。
FIT期間が終了して「売電→自家消費」に切り替える際、家庭用蓄電池があれば心強い味方となってくれるでしょう。
ソーラーパネルとパワーコンディショナーだけだと発電はできても蓄電はできないため、電気代を節約するなら蓄電池は必須といえます。
例えば、蓄電池があれば日中発電した電力を蓄電しておき夜中に使用することで電気代の節約が可能です。電気代が節約できれば、間接的に売電収入の増収にもつながります。
電力を蓄電できれば余剰電力も多めに蓄電しておけるため、単に売電するよりもより多くの売電収入を得られる可能性があるでしょう。
また、持ち運びできるポータブル電源であればキャンプや車中泊などのアウトドア、災害時にも役立つため、災害大国日本では導入しておいて損はありません。
まとめ
太陽光発電の売電収入はどれくらいなのか、アップさせる方法、確定申告の必要性を解説しました。
太陽光発電で得られる売電収入は年間平均して約6万円〜7万円とされているため、一見すると「少ないかな」と思う方もいるはずです。
しかし、FIT制度を利用すれば一般家庭でも10年間は固定価格で売電できるため、約60万円〜70万円の売電収入が得られます。
卒FIT後も設備に問題がなければ売電を続けられるため、長い目で見ると売電収入が副収入となる可能性は十分にあります。環境に左右される発電方法ではあるものの、工夫次第では発電効率を高め、より効率的な売電も可能です。
まずは設置する太陽光発電システムの売電収入がどれくらいなのかをシミュレーションしてみましょう。
なお、太陽光発電システムを導入する場合は家庭用蓄電池があると便利です。
発電した電力を一定期間・一定量貯めておけるため、電力を無駄にせず売電でき効率的に収益を得られます。
EcoFlowでは、部屋の装飾にマッチするスタイリッシュでモダンなデザインが特徴的な家庭用蓄電池、「DELTA Pro 3」を提供しています。
DELTA Pro 3はシンプルでパワフルな家庭用蓄電池で、電気工事なしで導入でき、ほぼすべての家電製品に対応しています。
容量4kWh、出力3.6kW、100V/200V対応で、X-Boost機能で最大7,000W出力可能であり、DVHを使用時最大24kWhまで増量可能です。
また、高い安全性と信頼性も大きな特徴で、EV向けバッテリーと同レベルのLFPセルが搭載されており、約11年という長い寿命を誇ります。
家庭用蓄電池の購入を検討している方は、ぜひEcoFlowのDELTA Pro 3をチェックしてください。