近年、電気代の値上げが続いており、家計への負担が大きくなっています。「なぜ電気代が値上げされるのか」、その理由を理解することが非常に重要です。
電気代の仕組みを知り、値上げの背景にある要因を把握することで、適切な節電対策を講じることができます。日常生活での工夫や、電力プランの見直しなど、家庭でできる節電方法はさまざまです。
本記事では、電気代の値上げの推移、電気代が値上げされる理由、家庭で実践できる節電対策について解説します。電気代の値上げで悩んでいる方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
電気代はいつから上昇している?値上げの推移
電気代の値上げは、近年さまざまな要因で顕著になっています。特に、エネルギー資源の価格変動が大きな影響を及ぼしていると考えられます。
2000年代前半は比較的安定していた電気代ですが、東京電力が公表している「平均モデルの電気料金」によると、2021年から電気代が上昇傾向となりました。
2022年には、ロシアのウクライナ侵攻による世界的なエネルギー価格の高騰もあり、さらに連続して電気代が高騰しました。このように、電気代の値上げは複合的な要因により進行しており、今後も家計への負担が大きくなることが予想されます。
→【2023年】電気代の値上げ幅とその推移を徹底解説!政府による緩和措置も紹介
電気代の値上げはいつまで続く?
将来のエネルギー価格や政策によりますが、短期間での大幅な値下げは期待しづらいのが現状です。電気代の上昇傾向は、当面続く可能性が高いとみられています。
国際的なエネルギー需給のひっ迫や、脱炭素社会の実現に向けた再生可能エネルギーの導入拡大など、電気料金を押し上げる要因は依然として存在しています。また、老朽化した発電設備の更新や、送配電網の強化などの投資も、電気料金に反映される見通しです。
ただし、政府による電気料金の上昇抑制策や、省エネ技術の進歩による電力消費量の減少など、値上げを緩和する要因も考えられます。長期的には、エネルギー市場の安定化や技術革新により、電気料金の上昇ペースが鈍化する可能性はあるといえるでしょう。
電気代の仕組み|料金の内訳
電気代は、基本料金、電力量料金、燃料費調整額、再エネ賦課金などで構成されています。これらの要素を理解することで、電気代の節約対策を立てやすくなります。以下、電気代を構成する主な要素について詳しく解説します。
基本料金
基本料金は、契約アンペア数に応じた固定費用で、使用電力量に関わらず発生します。契約しているプランによって金額が異なるため、自宅の電力使用状況に合ったプランを選ぶことが重要です。
契約アンペア数が大きいほど基本料金は高くなる傾向にあり、使用電力量が少ない家庭では、基本料金の割合が電気代全体に占める比重が大きくなります。無駄なアンペア数を契約していないか、見直してみるのも良いでしょう。
電力量料金
電力量料金は、実際に使用した電力量に応じて算出される料金です。電力の使用量が多ければ多いほど、電力量料金は高くなります。
電力量料金は基本的に、1kWhあたりの単価に使用電力量を乗じて計算されます。日々の節電や省エネ家電の導入により、使用電力量を減らすことができれば、毎月の電力量料金を抑えることができるでしょう。
無駄な電力消費を見直し、効率的な電気の使い方を心がけることが大切です。なお、この電力量料金は「従量制料金」と呼ばれることもあります。
燃料費調整額
燃料費調整額は、燃料価格の変動によって電気料金を調整するための費用です。原油や天然ガスなどの価格上昇時に、電気代が上がる一因となります。
火力発電の燃料となる化石燃料の価格は、国際的な需給バランスによって変動します。燃料価格が上昇すれば発電コストも増加し、その分が電気料金に上乗せされるのです。
燃料費調整額は毎月の電気料金に反映されるため、月ごとに増減します。世界的なエネルギー情勢に左右される部分であり、個人での対策は難しいですが、節電により電気代全体を抑えることは可能です。
再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)
再エネ賦課金は、再生可能エネルギーの普及を促進するために徴収される費用です。この賦課金も電気代の一部として消費者に転嫁されています。
すべての電力利用者が再エネ賦課金を負担することにより、再生可能エネルギーの普及と発展に寄与しています。再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、賦課金額は年々増加傾向にあります。
電気代はなぜ値上げされるのか?考えられる6つの理由
電気代の値上げには複数の原因があり、それぞれが複雑に絡み合っています。主な理由を理解することで、電気代の動向を見通しやすくなるでしょう。
- ロシアによるウクライナ侵攻
- 新型コロナウイルス感染症の影響
- 再エネ賦課金の値上げ
- 国内の電力供給不足
- 天然ガス価格の推移
- 石炭価格の推移
以下、電気代の値上げに関連する6つの理由について解説します。これらの要因が単独で、あるいは複合的に作用することで、電気料金の上昇が引き起こされています。
理由1.ロシアによるウクライナ侵攻
地政学的リスクの高まりがエネルギー市場に影響し、電気代の上昇を招いています。特に欧州向けのエネルギー供給に懸念が生じ、価格が上昇しています。
ロシアは欧州へのエネルギー供給において重要な役割を担っており、ウクライナ情勢の不安定化により供給に不安が生じています。その結果、エネルギー価格全体が上昇傾向となり、電気料金にも影響が及んでいるのです。
理由2.新型コロナウイルス感染症の影響
パンデミックによる経済活動の停滞後、回復過程での電力需要の増加が電気代を押し上げています。供給側の制約もあいまって、価格が上昇するケースが見られます。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、一時的に電力需要は減少しました。しかし、経済活動の再開に伴い、電力需要は急速に回復しつつあり、燃料費の高騰をもたらしています。
理由3.再エネ賦課金の値上げ
再生可能エネルギーの普及を支援するための賦課金が増額されることがあり、これが電気代全体の上昇に寄与しています。再エネ賦課金の単価は、年度ごとに国が全国一律で決定しています。
年度 | 標準家庭の負担(300kWh/月) |
2012年度 | 月額66円 |
2013年度 | 月額105円 |
2014年度 | 月額225円 |
2015年度 | 月額474円 |
2016年度 | 月額675円 |
2017年度 | 月額792円 |
2018年度 | 月額870円 |
2019年度 | 月額885円 |
2020年度 | 月額894円 |
2021年度 | 月額1,008円 |
2022年度 | 月額1,035円 |
2023年度 | 月額420円 |
2024年度 | 月額1,047円 |
この推移からわかるように、2021年から再エネ賦課金の料金が増加傾向にあります。この影響で、今後も電気料金全体が上昇する可能性があります。
理由4.国内の電力供給不足
国内の電力供給不足によっても電気代の値上げが起こります。例えば、発電所の老朽化やメンテナンス、自然災害による供給能力の低下がこれに起因します。
日本では、多くの発電所が高経年化しており、メンテナンスや更新のために一時的に運転を停止させる必要があります。供給と需要のバランスが崩れることにより、電気代の上昇につながるのです。
理由5.天然ガス価格の推移
電力会社が発電に使用する天然ガスの価格が上昇すると、そのコストが電気代に転嫁されることがあります。国際市場での天然ガス価格の変動が直接的に影響するのです。天然ガス価格はドル建てで取引されることから、為替相場の影響も考慮する必要があります。
理由6.石炭価格の推移
天然ガス価格に続いて、石炭価格の推移も電気代に影響を与えます。エネルギー資源の価格変動は、電気代に直接反映されやすいのです。
石炭は世界的に見ても主要な発電燃料の1つであり、日本でも一定の割合を占めています。石炭価格の上昇は発電コストの増加につながり、毎月の電気代に転嫁されます。
近年では新しい電力会社が倒産・撤退している
競争の激化と価格変動リスクにより、新規参入した電力会社のなかには倒産や撤退を余儀なくされる事例が増えています。これにより、市場の不安定さが高まり、結果的に電気代の上昇圧力となっています。
2016年4月1日の電力小売全面自由化以降、多くの新規参入者が電力市場に参入しました。電力を受給する消費者は、状況に合った適切なサービスを選択し、契約できるようになりました。
しかし、競争の激化や卸電力価格の変動により、自前の発電所がない会社は特に収益性が悪化し、倒産や撤退を余儀なくされるケースが増えました。実際、2022年6月に帝国データバンクが公表した調査によると、新電力の1割超が契約停止や事業撤退に追い込まれています。
電気代の値上げに対する効果的な対策方法5選
電気代の値上げに対抗するためには、日々の生活で意識的な節電やプランの見直しが必要です。ここでは、家庭で実践できる具体的な対策方法を5つ紹介します。
- エアコンや冷蔵庫の使い方を工夫する
- 電気代が高くなる時間帯の使用を避ける
- 新しい家電製品に買い替える
- 契約している電力プランを見直す
- 電力会社を変更する
これらの方法を組み合わせることで、電気代の値上げの影響を最小限に抑えることが可能です。以下、各対策の内容を順番に解説していきます。
方法1.エアコンや冷蔵庫の使い方を工夫する
エアコンは適切な温度設定とタイマー使用で効率良く使用し、無駄な運転を避けましょう。冷房は28度、暖房は20度を目安に設定して、外出時や就寝時はタイマー機能を活用します。
冷蔵庫は開閉時間をできるだけ短くすることが大切で、定期的に裏面のホコリを掃除して冷却効率を高めましょう。また、詰め込みすぎないようにすることで、電力消費を抑えられます。
→エアコンの節電方法を徹底解説!省エネエアコンの魅力、製品の選び方
→冷蔵庫の電気代は1ヶ月いくらが相場?電気代の計算方法や節約方法を解説
方法2.電気代が高くなる時間帯の使用を避ける
電気代を下げるためには、電気代が高くなる時間帯の使用を避ける工夫も必要です。ピーク時間帯の電気使用を控え、電力会社の提供する割安な時間帯に洗濯や掃除を行いましょう。
また、時間帯別料金プランを賢く利用することにより、電気代の節約が可能です。家事の時間をずらすなど、生活スタイルを工夫してみるのも良いでしょう。
方法3.新しい家電製品に買い替える
古い家電製品を長く使っている場合は、新しい家電製品の買い替えを検討してみてください。新しいモデルは省エネ設計が施されていることが多く、買い替えるだけで電気代の節約につながるパターンがあります。
例えば、10年以上前のエアコンと比べると、最新のモデルは消費電力が大幅に減少しています。特にエアコンや冷蔵庫、洗濯機など、消費電力が大きい家電製品は節約の効果が大きくなります。
方法4.契約している電力プランを見直す
現在の電力使用状況に合わないプランで契約している可能性があります。そのため、自宅の電気使用パターンを分析し、最適なプランへの変更を検討しましょう。
電力会社によって、さまざまな電力プランが用意されています。自宅の電気使用量や使用時間帯を把握した上で、最も経済的なプランを選ぶことが大切です。
方法5.電力会社を変更する
いっそのこと電力会社を変更するという手もあります。電力自由化により、消費者は電力会社を自由に選択できるようになりました。
各社の料金プランを比較し、自宅の使用状況に合った会社を選ぶことで、電気代の節約が可能です。電力会社を選ぶ際は、料金以外にもサービスの質やアフターサポートも確認するようにしましょう。
電気代の長期的な節約なら太陽光発電がおすすめ
電気代を長期的に節約したいなら、太陽光発電の利用がおすすめです。自宅で発電した電力を使用すれば、電力会社から購入する電力量を減らすことが可能です。これにより、結果的に電気代の大幅な節約が図れます。
また、余った電力は売電も可能であり、太陽光発電によって収入を得ることもできます。さらにCO2の排出量を抑えられ、環境にやさしい生活の実現に一歩近づけます。初期費用はかかりますが、長期的に見れば多くのメリットを得ることができるでしょう。
「初期費用をできるだけ抑えたい」「手軽に太陽光発電システムを導入したい」という方は、EcoFlowが販売するポータブル電源とソーラーパネルのセット商品をご検討ください。大掛かりな設置工事が不要で、専門知識がなくても簡単に運用することができます。
【「EcoFlow DELTA 2 Max」+「EcoFlow 400Wソーラーパネル」のセット商品】
- 使用シーン:数日間の停電、長期間のアウトドア活動
- おすすめの利用人数:3〜5人
- バッテリー容量:2,048Wh
- 定格出力:2,000W
【「EcoFlow DELTA 2」+「220W両面受光型ソーラーパネル」のセット商品】
- 使用シーン:短期間の停電、アウトドア活動
- おすすめの利用人数:2〜4人
- バッテリー容量:1,024Wh
- 定格出力:1,500W
【「EcoFlow RIVER 2 Pro」+「220W両面受光型ソーラーパネル」のセット商品】
- 使用シーン:ちょっとしたアウトドア活動
- おすすめの利用人数:1〜3人
- バッテリー容量:768Wh
- 定格出力:800W
まとめ
本記事では、電気代の値上げの推移、電気代が値上げされる理由、家庭で実践できる節電対策について解説しました。
電気代の値上げには、ロシアによるウクライナ侵攻、新型コロナウイルス感染症の影響、再エネ賦課金の値上げなど、さまざまな要因が絡んでいます。これらの要因を考慮しつつ、家庭でできる効果的な節電対策を行うことが大切です。
具体的には、エアコンや冷蔵庫の使い方の工夫、新しい家電製品への買い替えなどが挙げられます。長期的に節電対策を行いたいなら、太陽光発電システムの導入も選択肢に入るといえるでしょう。
本サイトを運営するEcoFlowは、ポータブル電源とソーラーパネルのセット商品を販売しております。持ち運びが可能なので、アウトドア活動での利用にも向いています。以下の製品をぜひご確認ください。
→「EcoFlow DELTA 2 Max」+「EcoFlow 400Wソーラーパネル」のセット商品はこちら