「東京電力の電気料金の値上げは今後どうなるの?」「家庭でできる効果的な節電対策を知りたい」という疑問がある方もいるでしょう。東京電力は2023年6月から、電気料金の値上げを実施しました。
また、同年10月からは激変緩和措置の半減に伴い、電気料金が実質的な値上げとなります。今後も、社会情勢による火力燃料の価格高騰、東日本大震災以降の原発停止などを理由に、電気料金の値上げが起こる可能性が十分にあります。
そこで重要となるのが、家庭でできる効果的な節電対策です。本記事では、東京電力の電気料金の値上げ幅、効果的な節電対策について詳しく解説します。
東京電力の電気料金は2023年6月から値上げ
東京電力の電気料金(規制料金)は、2023年6月から平均15.90%値上げされました。値上げの理由は、東京電力の公式サイトによれば「安定的な電力供給を継続するため」だとされています。
東京電力は同年1月に値上げを経済産業大臣へ申請しており、そこに修正を加えて、補正認可申請を行いました。そして同年の5月19日に規制料金値上げの認可が出たことで、同年6月1日に値上げが実施されました。
再査定で当初の予定よりも値上げ幅が縮小
2023年1月23日、東京電力が経済産業大臣に申請した規制料金の値上げ幅は29.31%でした。しかし、結果的に規制料金の値上げは平均15.90%となり、当初の予定よりも値上げ幅が縮小しています。値上げ幅が決定されるまでの推移は以下の通りです。
変更前原価 | 申請原価(1月23日) | 再算定原価(3月30日) | 補正原価(5月16日) |
31.25円/kWh | 40.41円/kWh平均29.31%値上げ | 36.77円/kWh平均17.64%値上げ | 36.22円/kWh平均15.90%値上げ |
東京電力の公式サイトでは、経済産業大臣から受領した申請原価の修正指示に基づき、補正認可申請を行ったと記載されています。
そもそも電力会社が規制料金の値上げを行う際は、経済産業大臣の認可を受けることになっています。6月の値上げでは厳しい査定が行われた結果、燃料調達にかかる費用が下落傾向にあることを踏まえ、再査定という結果になりました。
東京電力が電気料金を値上げした理由
東京電力だけでなく、全国の電気会社が値上げを実施しています。その主な理由として、以下の3つを紹介します。
- 社会情勢による化石燃料の価格高騰
- 新型コロナウイルスの影響
- 東日本大震災以降の原発停止
各理由を1つずつ見ていきましょう。
理由1.社会情勢による化石燃料の価格高騰
社会情勢の変化により、化石燃料の価格が高騰していることが原因の1つです。日本では発電の大部分を火力発電が占めており、その燃料で使われる天然ガス、石炭、石油といった化石燃料の価格が高騰しています。
これは、ロシア・ウクライナ情勢によるロシアからの輸出停止や、円安の影響による輸入コストの増大が主な要因です。もともと火力発電で使用する化石燃料は、以下のようにロシアから多く輸入していました。
1位 | 2位 | 3位 | 4位 | 5位 | |
原油 | サウジアラビア40.1% | アラブ首長国連邦31.5% | クウェート9.0% | カタール8.3% | ロシア4.1% |
天然ガス | オーストラリア39.1% | マレーシア14.2% | カタール11.7% | ロシア8.2% | アメリカ合衆国6.3% |
石炭 | オーストラリア59.6% | インドネシア15.9% | ロシア12.5% | アメリカ合衆国5.4% | カナダ5.2% |
上位の輸入国であったロシアからの供給が途絶えたことにより、需給のバランスが崩れて価格上昇を起こしています。
理由2.新型コロナウイルスの影響
新型コロナウイルスの影響も電気料金の値上げに関係しています。国内で初めて感染者が確認された2020年1月以降、新型コロナウイルスは瞬く間に感染拡大し、経済活動に大きな影響を与えました。
実際、新型コロナウイルスの影響が大きかった2020年と、回復しつつある2021年から2022年にかけては、電気の需要量・供給量が大きく異なります。資源エネルギー庁の「エネルギー白書2023」によると、2021年度はコロナ禍からの経済回復などにより、実質GDPが2020年度比で2.6%増加し、最終エネルギー消費は同1.6%増加したとされています。
新型コロナウイルスの影響で世界的に経済が停滞し、原油の価格が下落したことから、石油や天然ガスへの依存度が向上しました。結果として必要なエネルギーの供給不足が発生し、電気代の上昇を招いています。
理由3.東日本大震災以降の原発停止
2011年の東日本大震災を受け、原発が停止されたことも要因となっています。原発は低コストで大量の発電を行う方法でしたが、震災以降は「原発再稼働反対」の動きもあり、電力供給の大部分が別の方法に置き換わりました。
東日本大震災の直後は火力発電の割合が増え、電力供給を補う動きが見られました。しかし、現在では維持コストの上昇などの影響から、火力発電も縮小しています。火力発電量の推移は以下の通りです。
年 | 火力発電量(原油換算万kl) |
2010 | 7,520 |
2011 | 8,754 |
2012 | 9,544 |
2013 | 9,573 |
2014 | 9,258 |
2015 | 8,823 |
2019 | 7,722 |
2020 | 7,637 |
原発による発電量が低下し、その上で火力発電量も減少しているため、電力供給の不足が起きています。その電力供給の不足が原因で、結果として電気料金の上昇につながっています。
2023年10月からは電気料金が実質値上げ
10月からは政府の「激変緩和措置」による値引き単価が半減するため、電気料金が実質値上げとなります。激変緩和措置とは、小売価格の急騰を抑制することにより、消費者の負担を低減することを目的とした緩和措置のことです。
2023年2月から9月にかけて、毎月の請求書に直接反映する形で電気料金の値引きが行われていましたが、関東では10月からその値引きが以下のように半減します。
2023年9月分 | 2023年10月分 | |
低圧 | 7.00円/kWh | 3.50円/kWh |
高圧 | 3.50円/kWh | 1.80円/kWh |
このように、政府による激変緩和措置の値引きが半減するため、結果的に消費者が支払う電気料金が上昇します。以下、東京電力の「従量電灯B・30A」プランで月に260kWhの電力を使用している場合の支払額を紹介します。
支払額 | 2023年9月分 | 2023年10月分 | 2023年9月分との差 | ||
激変緩和措置反映前 | 激変緩和措置反映後 | 激変緩和措置反映前 | 激変緩和措置反映後 | ||
8,616円 | 6,796円 | 8,483円 | 7,573円 | 777円 |
以上の表では、2023年9月分には1,820円の値引きが、2023年10月分には910円の値引きが適用されています。10月からは値引き単価が半減し、電気料金が実質上がることがわかります。
一般家庭でできる効果的な節電対策5選
電気料金が高騰している現状を考えると、電気代の節約につながる対策が重要です。本項では、一般家庭でできる効果的な節電対策を5つ紹介します。
- 家電製品の使い方を見直す
- 古い家電製品を買い替える
- 電力料金プランを変更する
- 電力会社を変える
- 太陽光発電システムを導入する
それぞれの対策を順番に見ていきましょう。
対策1.家電製品の使い方を見直す
家電製品の使い方を変えるだけで、驚くほどの節電効果が見込めます。環境に合った使い方に調整することで、電力のロスを最小限に抑えることが可能です。例えば、以下のような方法が挙げられます。
- エアコンの設定温度を1度上げる・下げる
- エアコンと扇風機を併用する
- 冷蔵庫の中身を整理する
- 室外機にカバーをかけて直射日光を遮る
特に、消費電力が大きい家電製品から使い方を見直すと効果的です。具体的には、洗濯機、冷蔵庫、エアコン、テレビなどが該当します。1台あたりの節電量は微々たるものですが、トータルで考えれば大きな節電効果に期待できます。
対策2.古い家電製品を買い替える
古い家電製品を買い替えることも節電対策に有効です。新しい家電製品の多くにはエコ機能が搭載されており、古い家電製品に比べてエネルギー効率が向上しています。
例えば、2010年製の冷蔵庫から2020年製の製品に買い替えた場合、年間で約5,000円〜7,000円の節約効果が期待できると言われています。そのほか、エアコンや洗濯機など、消費電力の大きい家電製品の買い替えが効果的です。
また、通常の照明器具からLED照明に変えることも、長期的に考えると有効です。冷蔵庫の買い替えや節電対策については、以下の記事をご確認ください。
→冷蔵庫の電気代は1ヶ月あたりいくらが相場?電気代の節約方法や買い替えのタイミング
対策3.電力料金プランを変更する
電力料金プランを見直すことで、いまよりも電気代が安くなる可能性があります。なぜなら、現在の生活状況に適したプランになっていない場合があるためです。
特にここ数年でライフスタイルが変化している場合、毎月無駄な電気代が発生している可能性があります。そのような状況では、アンペア数を下げたプランに変える、夜間の電気代が安くなるプランに変更する、などが有効です。現在の生活状況を把握し、状況に合ったプランを選択することが大切です。
対策4.電力会社を変える
4つ目の対策として、電力会社を変える方法が挙げられます。各会社にはさまざまな料金プランやサービスがあり、いまの会社が適切ではない可能性があります。
2016年までは、それぞれ住んでいる地域の電力会社でしか契約することができませんでしたが、現在では電力自由化により、複数の電力会社から選択できるようになりました。
変更の手続きは、主にオンラインで行うことが可能です。新しい電力会社を選ぶ際は、基本料金やキャンペーン、口コミなどをチェックするようにしましょう。
対策5.太陽光発電システムを導入する
長期的な節電対策を講じたい場合は、太陽光発電システムの導入を検討しましょう。設備を導入すれば電力の自給自足が可能になり、電力会社から購入する電力量を削減できます。
そもそも太陽光発電システムとは、ソーラーパネルと蓄電池(ポータブル電源)を使って発電する仕組みのことです。日中は太陽光によって発電し、夜間は蓄電池に貯めた電力を使って電化製品を動かせます。
自家発電により、多くの電力をまかなえるようになるため、電力会社から購入する電力が減少し、結果的に毎月の電気料金が減少します。そのほか、太陽光発電システムを導入する主なメリットは以下の通りです。
- 停電が起きても自家発電によって家電製品を動かせる
- CO2の排出力を抑えて環境に優しい生活を送れる
- 電気自動車を利用している場合は電気代を抑えて自宅で充電できる
また、発電した電力は電力会社に売却することもでき、節電と同時に収益を得ることも可能です。
太陽光発電システムの導入費用を抑える方法
太陽光発電システムの欠点として、初期費用が高いことが挙げられます。「できるだけ導入費用を抑えたい」という方は、ポータブル電源とソーラーパネルを併用する方法がおすすめです。
ポータブル電源は蓄電池よりも初期費用が安く、工事費用も基本的にかかりません。各費用の目安は以下の通りです。
蓄電池とソーラーパネル | ポータブル電源とソーラーパネル |
100万円〜250万円程度 | 15万円〜90万円程度 |
また、ポータブル電源とソーラーパネルを併用する場合はメンテナンス費用が安く、以下のようなメリットが見込めます。
- 災害時に持ち運んで非常用電源として活用できる
- キャンプのようなアウトドア活動でも電気機器を使用できる
- 小規模なシステムから始められてあとから拡張可能
太陽光発電システムの導入費用を抑えたい方は、ポータブル電源とソーラーパネルの組み合わせを検討してみてください。
ポータブル電源の導入ならEcoFlowにお任せ
本サイトを運営するEcoFlowでは、ポータブル電源とソーラーパネルを多数販売しております。ポータブル電源の導入を考えている方は、EcoFlow製品の購入を検討してみてください。
【EcoFlow製品の特長】
- 業界最速クラスの充電技術により、急速充電が可能
- 標準よりも高い定格出力により、消費電力の大きい電子レンジなども使用可能
- 専用のエクストラバッテリーにより、使用用途に合わせてバッテリー容量を拡張できる
また、一部の製品にはリン酸鉄リチウムイオン電池を採用しており、高い安全性と長寿命を実現しています。「高機能なポータブル電源を導入したい」「初期費用を抑えたい」という方は、EcoFlow製品の導入をご検討ください。
→大容量バッテリー「DELTA」シリーズとソーラーパネルのセット商品はこちら
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まとめ
本記事では、東京電力の電気料金の値上げ幅、効果的な節電対策について解説しました。
東京電力の電気料金は2023年6月から値上げされており、さらに同年10月からは激変緩和措置が半減となるため、実質的な値上げとなります。電気料金の値上げが行われるなかでは、家庭でできる効果的な節電対策が重要です。
具体的な対策として、家電製品の使い方を見直す、古い家電製品を買い替える、太陽光発電システムの導入する、などが挙げられます。太陽光発電システムの初期費用を抑えたい方は、ポータブル電源の導入を検討してみてください。
なお、本サイトを運営するEcoFlowは、多機能で携帯性に優れるポータブル電源とソーラーパネルを販売しております。「高機能なポータブル電源を導入したい」「初期費用を抑えたい」という方は、ぜひ以下の製品を検討してみてください。