「蓄電池はやめたほうがいい」と聞いて購入を躊躇っている方もいるのではないでしょうか。結論を先にいうと、蓄電池には向き不向きがあります。
単に「蓄電池がいいらしい」という曖昧な理由で購入すると後悔することもありますが、逆にしっかりと検討して購入すれば日常生活にも役立つ場面が多々あるはずです。
この記事では「蓄電池はやめたほうがいい」といわれる理由、向いている人と向いていない人、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。
蓄電池の購入を検討している方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
「蓄電池はやめたほうがいい」といわれる理由
なぜ「蓄電池はやめたほうがいい」といわれているのでしょうか。ここでは、その理由について詳しく解説します。
理由1.設置費用・保守費用がかさむため
蓄電池を購入すると、設置費用・保守費用がかさんでしまいます。
経済産業省の「定置用蓄電システムの目標価格および導入見通しの検討」によると、蓄電池の価格相場は容量1kWあたり18.7万円とされています。
一般家庭で導入される蓄電池は容量10kW前後が主流なため、合計100万円〜200万円ほどの導入コストがかかってしまう計算となります。
結果「蓄電池は元が取れない」と囁かれるようになったわけです。
確かに、導入するだけで100万円〜200万円ほどかかるのは一般家庭にとっては大きな出費です。
ただし、2008年〜2018年の10年間で蓄電池の価格は半額程度にまで低下したとされており、現在も蓄電池の価格は低下中といえるでしょう。
今後もメーカーの技術革新によって、蓄電池の価格は低下するかもしれません。
また、蓄電池は電気代の節約にもなり、1ヶ月で3,000円〜数万円ほど電気代が浮くという試算もあります。年間に換算すると、数万円〜15万円ほど節約できる計算です。
その点を加味すると、7年〜8年で費用回収が可能といえるでしょう。遅くとも10年〜20年でペイできるため、一概に「蓄電池は設置費用・維持費用がかさむ」とはいえません。
蓄電池の費用相場や必要性は以下の記事でも解説しているため、併せてご覧ください。
理由2.太陽光パネルの発電量が左右されるため
蓄電池は、太陽光パネルによって発電量が左右されます。
蓄電池には主にハイブリッドタイプと呼ばれる蓄電池を導入したものがあり、ハイブリッドタイプはソーラーパネルとパワーコンディショナーが一体化しているのが特徴です。
基本的にソーラーパネルで生み出した電力はパワーコンディショナーで変換が必要ですが、ハイブリッドタイプの蓄電池の導入で太陽光パネルの発電量が低下してしまうケースがあります。
その点が、「蓄電池はやめたほうがいい」といわれるようになった理由の1つといえるでしょう。
理由3.業者とトラブルになる可能性があるため
蓄電池は、業者とトラブルになる可能性もゼロではありません。一般的にどのようなトラブルがあるのかは状況次第ですが、次のような例があります。
- 施工してくれた業者が倒産した
- 料金を支払ったのに音信不通になった
- 保証期間中なのに修理してくれない
一般的に蓄電池を取り扱っている業者は、設置から保守まで対応してくれるところがほとんどです。しかし、数年前に対応してくれた業者が「久々に連絡を取ったところ倒産していた」という事例も珍しくありません。
悪徳業者ともなると料金を支払ったのに音信不通になることもあるかもしれませんし、保証期間中なのに修理してくれないこともあるかもしれません。
そうしたトラブルが重なれば、「蓄電池はおすすめできない」という思考に陥っても仕方ありません。
ただし、ほとんどの業者は真摯に対応してくれます。あくまでもトラブルを起こすのは一部の業者だけなため、一口に「蓄電池はやめたほうがいい」とはいえません。
理由4.隣人とトラブルになる可能性があるため
蓄電池を導入したことで、隣人とトラブルになる可能性があります。
蓄電池の動作音は製品にもよりますが、50デシベルほどとされています。50デシベルは目の前にいる人が普通の声で話すレベルのため、日常生活ではそこまで気になる騒音ではありません。
しかし、隣家との距離が離れていない場合は苦情につながるケースもあります。常に誰かが会話しているレベルの騒音は、人によっては苦痛を感じるでしょう。
そうした隣人とのトラブルに見舞われることで、「蓄電池はやめたほうがいい」という結論に至った人もいます。
設置する場所にも気を配らなければいけないため、何かと気を遣う点も蓄電池の難点といえるでしょう。
ただし、蓄電池は動作音が静かな製品もあり、騒音レベルに達しないものもあります。購入を検討する場合は、ぜひ蓄電池の静穏性を見比べてみてください。
蓄電池が向いている人と向いていない人
蓄電池は向いている人と向いていない人がいるため、購入の前に向き不向きを知っておくことが重要です。ここからは、蓄電池が向いている人と向いていない人を解説します。
蓄電池が向いている人
蓄電池が向いている人の特徴は以下の通りです。
- 太陽光パネルを設置している人
- オール電化を導入している人
- 自治体に補助金制度がある人
蓄電池は、太陽光パネルを設置している人との相性が抜群です。太陽光パネルで発電した電力を蓄電池に溜めて必要に応じて電気を使用できるため、電気代の節約にもなります。
これは災害時も同様で、停電など緊急事態にも備えられるでしょう。
太陽光パネルさえあれば発電可能なだけあって、発電所が停止しても自宅で電力が生み出せます。つまり、発電所にエネルギーを依存する必要がないというわけです。
オール電化を導入している人との相性も抜群なため、電力を最大限にフル活用したい方は蓄電池を導入してみてはいかがでしょうか。
自治体によっては補助金制度もあるため、想定よりもお得に導入できるかもしれません。
蓄電池が向いていない人
蓄電池が向いていない人の特徴は以下の通りです。
- 電気代が月1万円に満たない人
- 適切な設置場所がない人
- 予算があまりない人
蓄電池は、電気代が月1ヶ月に満たない人にはおすすめできません。電気代があまりかかっていない場合、設置費用や保守費用を回収できない可能性があります。
本来、蓄電池は電気代の節約など、数年後に設置費用・保守費用を回収できることを見越して設置する方が大半です。しかし、電気代が大してかかっていない場合、費用回収までに何十年とかかってしまいます。
そのため、普段電気代がかかっていない人には蓄電池は向いていないといえるでしょう。
また、適切な設置場所が確保できない方にも向いていません。前述の通り、蓄電池は若干の騒音が発生するため、敏感な人には騒音に感じることもあり、結果として近所の人とトラブルになることもあるかもしれません。
無理に建物や土地の隙間に設置しても苦情につながるため、設置場所が確保できない場合は注意が必要です。
単に予算がないという人にも向いていないため、全体でどれくらいの費用がかかるのかも含めて検討することを推奨します。
蓄電池のメリットとデメリット
蓄電池を導入する前に、メリット・デメリットを知っておくことが重要です。ここからは、蓄電池のメリット・デメリットを解説します。
蓄電池のメリット
蓄電池のメリットは以下の通りです。
- 災害時の非常用電源として使用できる
- 電気代を年間10万円ほど節約できる
- 10年~20年でペイできる
- 余剰電力は売買できる
蓄電池は、災害時の非常用電源として使用できるため、日本のように地震や台風などの災害が頻発する国においては、心強いライフラインの1つとなってくれるでしょう。
緊急時でなくともソーラーパネルと組み合わせることで発電が可能なため、電気代の節約にもつながります。発電効率によって変わるものの電気代は年間10万円前後節約でき、費用回収は10年〜20年でペイできるのが特徴です。
余剰電力が発生した場合は「売電」と呼ばれる電力の売買も可能で、場合によっては副収入を得られるのも魅力です。もちろん、発電所のような規模ではないため売電で得られる不労所得は限られますが、それでも設置するメリットは大いにあるでしょう。
蓄電池のメリットは以下の記事でも解説しているため、併せてご覧ください。
→ソーラーパネルと蓄電池を組み合わせる理由とは?具体的なメリットと製品の選び方
蓄電池のデメリット
蓄電池のデメリットは以下の通りです。
- 設置費用・保守費用がかかる
- 発電量が天候に左右される
- 近隣住民の迷惑になることも
蓄電池は、設置費用・保守費用がかかります。前述したように平均して100万円〜200万円ほどかかるため、予算に余裕のある人でないと導入は困難です。
それだけでなく、ソーラーパネルと併せて設置しても一定の発電量が得られず、天候に左右されることもあります。
晴れている時の発電量は十分でも、雨や曇りの時は発電量がイマイチで、降雪地帯に至っては発電そのものがストップしてしまうこともあるでしょう。
蓄電池の本体も外部に設置するため、日々の清掃や点検も欠かせません。
また、蓄電池によっては騒音が発生する場合もあり、近隣住民の迷惑になることもあります。一般家庭で使用する程度の蓄電池であればそこまで騒音は発生しませんが、それでも敏感な人から苦情が入るケースも珍しくありません。
そのため、一部の人は蓄電池のデメリットが気になる可能性があります。
蓄電池のデメリットについては以下の記事でも解説しているため、併せてご覧ください。
→家庭用蓄電池とは?導入するメリット・デメリット、簡単に設置できる方法を解説
→今注目の「家庭用蓄電池」は本当に必要?メリット・デメリットを総ざらい
蓄電池「ポータブル電源」がおすすめ!
蓄電池にはいくつか種類がありますが、自宅に設置するなら「ポータブル電源」がおすすめです。
ポータブル電源とは、持ち運び可能な蓄電池を指します。通常、蓄電池は庭や畑など自宅の空いているスペースに設置するのが主流です。
しかし、ポータブル電源は小型で軽量なため、スペースに縛られずに設置可能となっています。持ち運びも楽なだけあってレジャーでも活躍する他、バンライフや日本一周にも最適といえるでしょう。
もちろん、自宅付近に設置して常設の蓄電池として使用することも可能です。
ソーラーパネルと組み合わせれば蓄電だけでなく発電も可能なため、電気代を節約したいと考えている方にも最適だといえます。
発電によって余った電力は一度蓄電しておき、売電することも可能です。売電とは電力会社に電気を買い取ってもらうことで、余剰な電気を売買できることを指します。
仮に「今月はあまり電気が必要なさそうだ」「たくさん発電したものの蓄電している電気が無駄になりそうだ」という場合は、電力会社と取引して副収入にできます。
災害時にも非常用電源として使用できるため、地震や台風によって停電してしまった場合も安心といえるでしょう。
そのため、ポータブル電源と併せてソーラーパネルも設置しておくと安心です。
幅広いポータブル電源を取り扱っているEcoFlowでは、多種多様なソーラーパネルも取り扱っています。
これから自宅に蓄電池を設置したい方は、ぜひソーラーパネルと併せてポータブル電源をフル活用してみてはいかがでしょうか。
→EcoFlow RIVER 2 Pro + 220W両面受光型ソーラーパネル
→EcoFlow DELTA 2+220W両面受光型ソーラーパネル
→EcoFlow DELTA 2 Max + 400Wソーラーパネル
まとめ
本記事では、「蓄電池はやめたほうがいい」といわれる理由、向いている人と向いていない人、メリット・デメリットを解説しました。
「蓄電池はやめたほうがいい」という意見も確かにありますが、厳密には向いている人と向いていない人がいるだけです。蓄電池は効果的に使用することで電気代を節約できるだけでなく、災害時にも役立ちます。
特にソーラーパネルと組み合わせることで蓄電だけでなく発電もできるようになり、災害時などにも非常用電源として活用できます。
ポータブル電源であれば持ち運びも簡単なため、バンライフやキャンプに持参するのもおすすめです。
EcoFlowでは、ポータブル電源はもちろんソーラーパネルも販売しているため、蓄電池の導入を検討中の方は併せてご検討ください。
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