「ソーラーパネルの1日の平均発電量は?計算方法について知りたい」という疑問がある方もいるでしょう。ソーラーパネルの1日における発電量の目安は「約2.7kWh」です。
実際の発電量については、「出力容量(kW)×時間(h)」の計算式で算出できます。しかし、ソーラーパネルの性能やメンテナンス状況、設置方向などにより、正確な発電量を算出できない場合もあります。
発電量が低下する具体的な状況を把握し、適切な対策を講じることが大切です。 本記事では、ソーラーパネルの1日の平均発電量、発電量が低下する状況、発電量を高める方法について解説します。
ソーラーパネルの発電量の計算方法
ソーラーパネルの発電量は、パネルの出力(kW)と日照時間で計算できます。計算式は「出力容量(kW)×時間(h)」です。
ソーラーパネル1枚の公称最大出力は250W程度で、この計算式を用いてソーラーパネルの発電量を算出します。しかし、設置場所の環境要因を考慮する必要があるため、正確な数値を算出するのは難しいとされています。
kWとkWhの違い
kW(キロワット)は電力の出力容量を表し、kWh(キロワットアワー)は1時間あたりの使用量や発電量を示します。ソーラーパネルの性能はkWで表示され、実際の発電量はkWhで計算されます。
例えば、出力が300Wのソーラーパネルを1時間使用した場合、発電量は300Wh(0.3kWh)となります。これらの単位を理解することで、ソーラーパネルの発電量を把握しやすくなるはずです。
ソーラーパネルの1日の平均発電量
日本太陽光発電協会(JPEA)によると、ソーラーパネルの出力容量1kWあたりの年間発電量は「約1,000kWh」が目安です。1日あたりの発電量の目安は「約2.7kWh」であり、これは1ヶ月で「約81kWh」、1年で「約985.5kWh」に相当します。
一般的な発電容量は3〜5kW程度であるため、1日の平均発電量はおよそ8.1〜13.5kWhとなります。ただし、この数値はあくまでも目安であり、実際の発電量は設置場所や天候によって大きく変わります。
晴天の日は発電量が増える一方、曇りや雨の日は発電量が減少するのが一般的です。また、季節によっても発電量は変化します。日照時間の長い夏は発電量が増え、日照時間の短い冬は発電量が減る傾向にあります。
年間の平均発電量
1日の平均発電量を踏まえて、年間の平均発電量を算出することができます。出力容量1kWのソーラーパネルの場合、年間の平均発電量は約1,000kWhとされています。
この数値は、日本太陽光発電協会(JPEA)が提示している値であり、日本の平均的な日照条件を基に算出されています。そのため、日照時間が長く晴天の日が多い地域では、年間発電量が1,000kWhを上回る可能性があります。
一方、日照時間が短く曇りや雨の日が多い地域の場合、年間発電量が1,000kWhを下回ることもあり得るため、あくまで参考程度にとどめておきましょう。
ソーラーパネルの発電量を正確に把握するには、設置場所の日照条件を考慮し、長期的な観測データを基に算出することが重要です。また、パネルの経年劣化による発電量の低下も考慮に入れる必要があるでしょう。
ソーラーパネルの発電量は複数の要素によって変化する
ソーラーパネルの発電量は、パネル自体の性能や設置環境など複数の要素により変動します。これらの要因を最適化することで、発電効率を高められます。以下、発電量に影響を与える主な要素を解説します。
- ソーラーパネルの性能
- ソーラーパネルのメンテナンス状況
- 設置方向や条件
- 天候の状況
- 地域や季節
これらの要素を理解し、適切に管理することが安定的な発電量の確保につながります。それぞれの要素を1つずつ見ていきましょう。
要素1.ソーラーパネルの性能
ソーラーパネルの性能は発電量に直結します。高性能なパネルを選ぶことで、同じ面積でもより多くの電力を生成できます。
現在、主流となっているのはシリコン系のソーラーパネルです。単結晶シリコンパネルは変換効率が高く、狭い面積でも高い発電量が期待できる一方、多結晶シリコンパネルは単結晶に比べて変換効率が低いものの、コストパフォーマンスに優れています。
ほかにも、アモルファスシリコンやHIT(ヘテロ接合型)などもあり、目的や予算に合わせて最適なパネルを選ぶことが重要です。
→ソーラー発電とは?ソーラーパネルの仕組みや太陽電池の種類を解説
要素2.ソーラーパネルのメンテナンス状況
定期的な清掃や点検を行うことで、パネルの性能を維持し発電量の低下を防げます。汚れや損傷は発電効率を著しく低下させるため、特に注意が必要です。
例えば、ソーラーパネルの表面に付着したほこりや鳥の糞、落ち葉などは、発電量を減少させる原因となります。定期的なメンテナンスにより、これらの汚れを取り除き、発電効率を維持することが可能です。
また、パネルの損傷やケーブルの断線なども、発電量の低下につながります。定期的な点検を行い、異常がある場合は速やかに修理する必要があります。
要素3.設置方向や条件
パネルの向きや角度は日照量に大きく影響し、最適な設置条件が発電量を決めます。一般的に、南向きに設置することが推奨されています。
日本では、真南に対して30度前後の角度で設置するのが最も効率的とされています。しかし、周囲の建物や地形によっては、これに該当しない場合もあるため注意が必要です。
ソーラーパネルの周囲に日陰ができないよう、障害物のない場所に設置することも重要です。建物や樹木などの影ができないように設置しましょう。
要素4.天候の状況
太陽光発電は特に天候の影響を受けやすい傾向にあります。太陽光が少ない雨天時などには、発電量が著しく低下します。
地域による気象条件の違いも発電量に影響を与えるため、その点を考慮して設置することがおすすめです。晴天の日が多い地域では発電量が増加しやすい一方、曇りや雨の日が多い地域では、発電量が減少しやすくなります。
要素5.地域や季節
地域による日照時間の差異や、季節による日照量の変化も発電量に反映されます。特に沖縄や九州南部は、年間を通して日照時間が長いため、高い発電量に期待できるでしょう。
一方、夏季は日照時間が長いため、発電量が増加しやすいと思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。ソーラーパネルは気温上昇とともに発電効率が低下するため、真夏日には安定した発電量を保ちにくくなるのです。
そのことから、一般的には夏ではなく、春から初夏にかけて発電量が多くなる傾向にあります。
ソーラーパネルの発電量が低下する具体的な状況
ソーラーパネルの発電量が期待値以下になる場合、具体的な原因を理解し対策を講じることが必要です。ここでは、ソーラーパネルの発電量が低下する具体的な状況について解説します。
- ソーラーパネルの温度が上昇している
- 日照時間が少ない・影ができる
- 配線やパネルが汚れている
以下、各状況の詳細について見ていきましょう。
状況1.ソーラーパネルの温度が上昇している
前述した通り、ソーラーパネルは高温になると発電効率が低下します。特に、夏場の直射日光によってパネルの温度は上昇しやすく、発電量が減少する傾向にあります。
これを示す単位が「温度係数(%)」です。数値が小さくなればなるほど、温度上昇によって効率低下が少ないことを表します。少しでも効率良く太陽光発電を行いたい方は、ソーラーパネルの温度係数を調べてみると良いでしょう。
状況2.日照時間が少ない・影ができる
日照時間が少なかったり影ができたりすると、ソーラーパネルの発電量が低下します。ソーラーパネルは、直射日光を受けることで最大の発電量を得られるため、周辺環境によって影ができると発電効率が下がってしまうのです。
特に高層ビルが近くにある都市部では、影の影響を受けやすくなります。定期的な環境のチェックと、影の発生を避ける設置計画が重要となります。
状況3.配線やパネルが汚れている
パネル表面の汚れや配線の問題は、発電効率を下げる原因となります。パネル表面が汚れていると日光が効率的にパネルに届かなくなるため、定期的なメンテナンスが求められます。
さらに、配線の接続不良やケーブルの劣化なども、発電量の低下につながるため注意が必要です。これらの問題を放置すると、発電量が大幅に減少するだけでなく、発火のリスクも高まります。
ソーラーパネルの発電量を高める方法
ソーラーパネルの発電効率を最大限に引き出すためには、適切な管理と工夫が不可欠です。以下、ソーラーパネルの発電量を高める方法を3つ紹介します。
- ソーラーパネルの設置方向を調整する
- 定期的にソーラーパネルをメンテナンスする
- ソーラーパネルの設置量を増やす
これらの方法を実践することで、ソーラーパネルの性能を最大限に発揮させ、発電量を増やすことができるでしょう。
方法1.ソーラーパネルの設置方向を調整する
最適な日照を受けられる方向にパネルを設置することで、発電量を増やすことが可能です。日本の場合、真南に対して30度前後の角度で設置するのが理想的とされています。
【発電効率】
- 真南:100%
- 西南:96%
- 東南:96%
- 西:83%
- 東:83%
- 北:63%
このように、設置方向によって大きな差があることがわかります。真南と北を比較した場合、発電効率がおよそ37%も低下してしまうため、しっかりと方向を定めて設置するようにしましょう。
方法2.定期的にソーラーパネルをメンテナンスする
パネルの清掃や配線の点検を定期的に行い、常に最良の状態を保つことが大切です。ほこりや汚れの蓄積は、発電効率を大きく低下させる原因となります。
定期的な清掃により、パネル表面を清潔に保ち、日光を効率的に取り込むことができます。また、配線の接続不良やケーブルの劣化なども、発電量の低下につながるため、定期的な点検が欠かせません。
方法3.ソーラーパネルの設置量を増やす
ソーラーパネルの設置数を増やせば、その分全体の発電量も向上します。屋根のスペースが許す限り、ソーラーパネルの設置を検討しましょう。
ただし、設置スペースには限りがあるため、効率的なレイアウトを考える必要があります。日光が当たりやすい場所を優先し、影の影響を最小限に抑えるよう配置しましょう。
太陽光発電で使用する蓄電池の寿命と耐用年数
太陽光発電で使用する蓄電池の法定耐用年数は6年とされています。これは、税法上の規定であり、減価償却の目安となる年数です。
実際の蓄電池の寿命は、使用環境や管理状態によって大きく異なります。一般的にリチウムイオン電池などの蓄電池は、10年程度の寿命があるといわれています。
この差は、法定耐用年数が設備の経済的な寿命を表しているのに対し、実際の寿命は物理的な耐用年数を示しているためです。適切なメンテナンスを行うことで、蓄電池の寿命を延ばすことが可能です。
ただし、長期間の使用により、蓄電池の容量は徐々に低下していきます。蓄電池の交換が必要となる時期を見極めることが重要です。
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まとめ
本記事では、ソーラーパネルの1日の平均発電量、発電量が低下する状況、発電量を高める方法について解説しました。
ソーラーパネルの発電量は、「出力容量(kW)×時間(h)」という計算式で算出できます。発電量が期待通りに得られない場合は、パネルの温度上昇、日照不足や影の影響、配線やパネルの汚れなどが原因として考えられます。これらの状況を把握し、適切な対策を講じることが重要です。
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