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太陽光発電の発電量はどのくらい?
発電効率に関わる重要ポイントを解説

太陽光発電の導入を考えた時、一般家庭ではどのくらいの発電量になるのか気になる人も多いのではないでしょうか。

太陽光発電の発電量は、ソーラーパネル自体の性能に加えて、日射量・天候・季節などが影響して決まります。

この記事では、一般家庭で太陽光発電システムを導入した際、年間における発電量の予測方法や発電に影響する要素などを詳しく解説していきます。

太陽光発電はさまざまな影響で発電量が変わる

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太陽光発電システムは、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する設備のため、太陽光の照射量によって発電量も変わります。

例えば、ソーラーパネルの設置面積やパネルの角度、変換効率などが発電量に大きな影響を与えます。

変換効率とは、簡単に説明すると「如何に効率よく太陽エネルギーを電気エネルギーに変換できるか」という指標のことです。

変換効率と発電量は比例関係にあり、ソーラーパネルの選定ポイントでも重要とされています。

太陽光発電における年間の発電量

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太陽光発電協会(JPEA)では、太陽光発電システムにおける出力について、1kWあたり年間で約1,000kWhの発電量になると定義しています。

ただし、地域によって日射量などが異なるため、年間の発電量は大体「900kWh〜1,400kWh」になると考えておきましょう。

1日あたりの平均発電量にすると「約2.7kWh」となり、1か月あたりの平均発電量では「約83kWh」になります。

◆ 太陽光発電におけるkWとは?

太陽光発電で用いられる単位の「kW」とは、発電能力のことです。

本来は電気の単位を表すものですが、太陽光発電においてはkWが大きいほど瞬間的な発電量が大きいと判断できます。

ソーラーパネルにおける「システム容量」とも呼ばれており、発電設備の大きさを表す場合にも「kW」が用いられます。

◆ 太陽光発電におけるkWhとは?

太陽光発電における「kWh」というのは、1時間当たりの発電量のことです。

例えば、太陽光を照射するソーラーパネルは、1平方メートルあたり「75kWh〜115kWh」の発電量になるといわれています。つまり、1時間で最大115kWの発電が可能ということです。
 
「kWh」は、年間の発電量や売電収入を計算する時に用いられるため、しっかりと意味を理解しておきましょう。

太陽光発電における発電量の計算方法

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太陽光発電における発電量は、日照環境や地域差によって左右され、さらにメーカーの性能によっても異なります。

全ての要素を取り入れて計算すると複雑になるため、初心者にもわかりやすく大まかな発電量の計算方法をご紹介していきます。

◆ 平均日射量を把握する

日射量とは、太陽の光によるエネルギー総量を数字化したものです。

単純に、日射量が多いほど発電量も大きくなるため、曇りより晴れている方が効率よく発電できます

地域ごとの平均日射量は、「NEDO技術開発機構 全国日照関連データマップ」で確認できます。

例えば、ソーラーパネルが真南で傾斜角30度の場合、地域ごとの日射量を踏まえた1日あたりの発電量目安は以下のようになります。

地域平均日射量
北海道(札幌)3.93kWh/㎡/日
東京都3.74kWh/㎡/日
愛知県4.11kWh/㎡/日
福岡県3.78kWh/㎡/日

◆ 1日あたりの予想発電量の計算方法

1日あたりの予想発電量は、「kWh/日」という単位で表され、以下の計算式で求めることができます。

「kWh/日」=「設置面の1日あたりの年平均日射量(kWh/㎡/日)」×「損失係数」×「システム容量(kW)」÷「1(標準状態における日射強度 kW/㎡)」

ここで出てきた損失係数とは、ソーラーパネルの汚れや温度の影響による出力の損失を想定した発電効率のことです。

仮に年間における予想発電量を求める際、以下のような項目に損失があると仮定して計算していきます。

・温度の影響による損失:約15%
・パワーコンディショナによる損失:約8%
・ソーラーパネルの汚れなどによる損失:約7%

上記を踏まえると損失係数は約73%になります。では、具体的に年間どのくらいの発電量になるのかを次項で計算していきます。

◆ 年間の予想発電量の計算方法

1年間でどのくらいの発電量になるのかは、以下の計算式で求めることができます。

「年間予想発電量(kWh/年)」=「設置面の1日あたりの年平均日射量(kWh/㎡/日)」×「損失係数」×「システム容量(kW)」×「365日」÷「1(標準状態における日射強度 kW/㎡)」

計算式だけではイメージしづらいと思いますので、北海道と東京都の日射量を踏まえた発電量を予測していきます。

◆ 北海道を例にした発電量の計算方法

北海道(札幌)でシステム容量1kWの太陽光発電システムを導入した場合、1日あたりの発電量は以下のように求められます。

「約2.86kWh(1日あたりの発電量)」=「3.93kWh/㎡/日(日射量を考慮した1日あたりの発電効率)」×「約73%(損失係数)」×「1kW(システム容量)」÷「1kw/㎡(標準状態における日射強度)」

1年間における東京都での予想発電量は、以下のように求められます。

「約1,047kWh(1年あたりの発電量)」=「3.93kWh/㎡/日(日射量を考慮した1日あたりの発電効率)」×「約73%(損失係数)」×「1kW(システム容量)」×「365日(1年間)」÷「1kw/㎡(標準状態における日射強度)」

つまり、システム容量1kWあたり、年間で約1,046kWhの発電量ということになります。

では、東京都と比較した時、発電量にどのくらいの地域差が生まれるか見ていきましょう。

◆ 東京都を例にした発電量の計算方法

先述の北海道と同じ条件で、まずは東京都における1日あたりの予想発電量を求めていきます。

「2.73kWh(1日あたりの発電量)」=「3.74kWh/㎡/日(日射量を考慮した1日あたりの発電効率)」×「約73%(損失係数)」×「1kW(システム容量)」÷「1kw/㎡(標準状態における日射強度)」

1年間における東京都での予想発電量は、以下のようになります。

「約997kWh(1年あたりの発電量)」=「3.74kWh/㎡/日(日射量を考慮した1日あたりの発電効率)」×「約73%(損失係数)」×「1kW(システム容量)」×「365日(1年間)」÷「1kw/㎡(標準状態における日射強度)」

東京都では、年間で約997kWh(システム容量1kWあたり)の発電量ということになり、北海道の約1,047kWhより若干下回り予想となりました。

単純に地域ごとに差のある日射量だけでは、発電量にさほど大きな差は生まれないと認識しておきましょう。

太陽光発電における発電量に影響を与えるもの

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太陽光発電の発電量に影響するのは、日射量以外にも天候や時間帯、季節などが挙げられます。

皆さんのご想像のとおり、曇よりも晴れの日の方が効率よく発電でき、朝昼晩なら、昼間にかけて発電量が大きくなります。

さまざまな影響によって変化する発電量について、もう少し詳しく見ていきましょう。

◆ 天気による変化

晴天の日の発電量を100%とした場合、曇の日はパフォーマンスが20%〜30%程度低下します。

 雨天時はほとんど太陽の光が射さないため、10%程度まで発電量は低下してしまいます。ただし、天気による発電量の低下は蓄電池でカバーすることが可能です。

 -蓄電池とは

太陽光発電システムと蓄電池を接続することで、日中に発電した電気を蓄電池に充電し、必要な時に電力を使用することが可能です。

蓄電池があれば、電気料金が高くなる時間帯に合わせて蓄電した電力を消費できるため、節電効果にも期待できます。さらに、停電時でも電気を使えるようになるため、非常用電源としても重宝されています。

蓄電池をさらにコンパクトにしたポータブル電源なら、持ち運び可能となるため自宅以外での拠点での給電も可能です。

◆ 時間帯による変化

時間帯で発電量の推移を見てみると、日照が最大になる午後12時頃が発電量のピークとされます。

午前11時〜午後13時の時間帯においては、グラフが弧を描くように発電量が変化し、1日の約40%もの発電量になるといわれています。

ソーラーパネルを使って蓄電池やポータブル電源に給電する場合、効率よく充電できるという見方もできるでしょう。

◆ 季節による変化

季節ごとの平均発電量を見た時、もっとも発電量の多い季節は「春」で、もっとも少ない季節は「冬」です。

具体的には4月〜5月頃がピークとされており、実は夏よりも平均発電量が大きいとされています。

なぜなら、日照時間では夏がもっとも長くなりますが、夏場は高温によってソーラーパネルのパフォーマンスが落ちる可能性があるためです。

気温が25℃を超えた場合、1℃ごとに約0.4%〜0.5%ほど発電効率が低下するといわれています。

夏場の発電効率の低下が気になる場合には、高温に耐性のあるソーラーパネルかどうかも選定ポイントにしてみてください。

吾輩は猫である。名前はまだない。どこで生れたか頓と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

太陽光発電の発電効率を上げる方法

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住宅用太陽光発電システムを導入する際、少しでも発電効率を上げたいと考える人は多いでしょう。

例えば、できる限り変換効率の高いソーラーパネルを選ぶ、太陽光を照射しやすい角度で設置する、などの対策で発電効率を上げることが可能です。

具体的に、どのような方法になるのかを解説していきます。

◆ 変換効率の良いソーラーパネルを設置する

ソーラーパネルは、製品によって素材も異なれば変換効率も異なります。

変換効率は発電量に大きな影響を与えるため、モジュール変換効率(セル変換効率)は最低でも20%以上の製品を選びましょう。

変換効率20%というのは、十分なパフォーマンスが期待できる目安となり、より数字が大きいほど優れた製品となります。

発電効率に優れたソーラーパネルは、売電においても効率が良いため、選定する際は必ずチェックしましょう。

◆ ソーラーパネルをベストな角度で設置する

住宅用太陽光発電システムの場合、効率よく発電できるのは屋根勾配が「3.5寸〜4寸」、角度でいうと「19.29°〜21.8°」となります。

ソーラーパネルの表面を向ける方角に関しては、真南がベストです。北側は日照環境が悪くなるため、避けるようにしてください。

ただし、季節によって日照時間も変わるため、設置角度や方向についてはあくまで目安程度としておさえておきましょう。

◆ ソーラーパネルをメンテナンスする

ソーラーパネルは、表面に汚れが付いたりひび割れたりすると、本来よりも発電量が低下します。

経年劣化を避ける方法はありませんが、定期的なメンテナンスによって低下したパフォーマンスがある程度回復する場合もあります

例えば、台風の後、ソーラーパネルに葉っぱなどのゴミが乗っている可能性があるため、目視で確認して取り除きましょう。ただし、ソーラーパネルの規模によっては素人では触れられないため、専門業者に依頼してベストな環境に整えるようにしましょう。

まとめ

太陽光発電でどのくらいの電気を生み出すことができたかは、発電量を見ることで判断可能です。

実際の発電量は、ソーラーパネル自体の性能や日射量、季節などが影響しますが、1kWで大体1,000kWh程度の発電量に期待できます。

できる限り発電効率に優れた太陽光発電システムを導入したい場合、ソーラーパネルの変換効率の高さや設置角度などにこだわってみてください。

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