「冷蔵庫の電気代は1ヶ月いくらが相場?」「冷蔵庫の電気代を抑える方法が知りたい」という疑問がある方もいるのではないでしょうか。基本的には、「年間消費電力量(kWh)×電気代単価(31円/kWh)÷12」という計算式を活用すれば、冷蔵庫における1ヶ月の電気代を算出することが可能です。
ただし、世帯人数や用途、製品のサイズによって電気代は変動するため、その点を加味して計算する必要があります。本記事では、冷蔵庫の電気代や節電方法、買い替える際のチェックポイントを詳しく解説します。
冷蔵庫の電気代|1ヶ月あたりの相場
冷蔵庫は一日中稼働し、生活を支える重要な家電の1つです。快適に生活するにあたって必要不可欠な家電ではありますが、毎月の電気代は無視できません。
冷蔵庫の電気代は、使用する機種や使い方、サイズ、人数などによって変動します。例えば、大家族用の大型冷蔵庫を利用する場合、1人暮らし用の小型冷蔵庫と比べて電気代が高くなる傾向にあります。
また、省エネタイプの冷蔵庫を使用する場合は、消費電力が少ないため電気代の節約につながります。ここでは、冷蔵庫の電気代について詳しく解説します。
冷蔵庫の電気代を確認する方法
自宅で使用している冷蔵庫の電気代を知りたい場合は、冷蔵庫の品番を調べて年間消費電力量(kWh)を取得することで、その詳細を確認できます。電気代を大まかに把握したいなら、以下の計算式を用いて算出しましょう。
【電気代の計算式(年間)】
1年間の電気代=年間消費電力量(kWh)×電気代単価(31円/kWh)
家庭の冷蔵庫において、一般的に必要とされる容量は「70L(1人当たり)×家族の人数+100L(常備食材)+70L(予備食材)」とされています。例えば、3人暮らしの場合、冷蔵庫の容量は約380Lが適切です。
年間消費電力が341kWhの冷蔵庫(パナソニック:NR-C372GC)であれば、計算式に基づいて計算すると、1ヶ月あたりの予想電気代は880円となります。
【電気代の計算式(1ヶ月)】
880円/1ヶ月=341kWh/年×31円/kWh÷12ヶ月
上記の計算式を用いることで、自宅の冷蔵庫の電気代を大まかに確認できます。また、「新しい冷蔵庫に買い替えることでどれくらい節約になるのか」などの比較を行うことも可能です。
→一般家庭における電気代の相場|世帯数別・季節別の変動幅を詳しく解説
冷蔵庫と冷凍庫の電気代の違い
冷凍庫は一般的に冷蔵庫よりも温度を低く保つ必要があるため、電気代が高くなる傾向にあります。以下、冷蔵庫と冷凍庫の1年間の電気代を大まかに比較します。
容量 | 冷蔵庫 | 冷凍庫 |
151(141L)~200L | 9,207円 | 9,548円 |
201~250L | 9,672円 | 9,331円 |
251~300L | 10,013円 | 10,664円 |
301L以上 | 10,447円 | 15,686円 |
容量が小さい場合はそこまで大きな差はありませんが、301L以上の容量になると、冷蔵庫と冷凍庫では電気代に大きな差が生まれます。効率的な使い方や冷凍設定をすることで、電気代を抑えることが可能です。
冷蔵庫の電気代は年々低下している
近年の冷蔵庫はエネルギー効率が向上しており、電気代が低下傾向にあります。省エネ技術の進化により、以前のモデルと比較して消費電力が減少しているのです。
新しい冷蔵庫ほど省エネ性能が高く設計されており、長期的に見ると電気代の節約につながります。したがって、もしも古い冷蔵庫を使っているのであれば、同じサイズの新しい冷蔵庫に買い替えることで、電気代の削減効果に期待できます。
省エネ性能の具体的な差は以下の一覧表をご確認ください。ただし、サイズや電力使用量は異なるため注意が必要です。
2008年 | 2013年 | 2018年 | 2023年 |
13,640円/年 | 8,494円/年 | 8,029円/年 | 7,812円/年 |
・440kWh/年 ・603L ・NR-F603T | ・274kWh/年 ・500L ・NR-F503HPX | ・259kWh/年 ・500L ・NR-F504HPX | ・252kWh/年 ・600L ・NR-F609WPX |
上記の数値を見ての通り、ここ数年間で冷蔵庫の電気代が減少していることが分かります。電気代の節約を徹底したい方は、省エネ性能の高い冷蔵庫への買い替えを検討しましょう。
→【2023年】電気代の値上げ幅とその推移を徹底解説!政府による緩和措置も紹介
サブ冷蔵庫があると電気代は安くなる?
サブ冷蔵庫を適切に活用することで、メインの冷蔵庫の負担を減らし、電気代を節約することが可能です。例えば、季節ごとの飲料や保存食を分けて保存することにより、メイン冷蔵庫の開閉回数を減らし、冷気の逃げを防ぎます。
しかし、これは適切に活用した場合に限った話であり、多くの場合はサブ冷蔵庫を設置すると全体の電気代は上昇してしまいます。サブ冷蔵庫は必要なときだけ使用し、不要な場合はコンセントを抜くなどの工夫を行いましょう。
冷蔵庫の電気代を抑える6つの方法
冷蔵庫の電気代を抑えるには、日常の使用方法に注意することが大切です。以下、具体的な節電方法を6つ紹介します。
- 冷蔵庫の周りに物を置かない
- 冷蔵庫の設定温度を適切にする
- 食品を詰め込みすぎない
- ドアの開閉時間を短くする
- 省エネ性能の高い製品に買い替える
- 電力を自家発電する
これらの方法を実践することで、冷蔵庫の効率を上げ、電気代の節約につながります。以下、各方法の詳細を見ていきましょう。
方法1.冷蔵庫の周りに物を置かない
冷蔵庫の背面や側面に物を置かないことで、熱が効率的に逃げ、エネルギー効率が高まります。冷蔵庫の通気性を良くすることがポイントです。
冷蔵庫は周囲に熱を逃がす構造になっているため、周りに物があると余計に電力を消費してしまいます。周りに隙間を作らず、物で遮っている場合、冷蔵庫から出た熱で本体があたたまってしまい、電力効率が悪くなるのです。
この方法を実践した場合、周りに壁がある状態と比較して年間の消費電力量に45kWh程度の差が生まれます。つまり、冷蔵庫の周りに隙間を作るだけで、年間1,400円程度の節約効果に期待できるのです。
方法2.冷蔵庫の設定温度を適切にする
冷蔵庫の設定温度を適切に保つ方法も効果的です。冷蔵庫は一般的に、「強」「中」「弱」の3段階の設定を行えます。それぞれの温度の目安は以下の通りです。
強 | 「中」より約2〜3度低め |
中 | 通常 |
弱 | 「中」より約2〜3度高め |
「強」よりも「中」のほうが、「中」よりも「弱」のほうが消費電力が小さくなるため、冷蔵庫の状況に合わせて設定を変えることで、効果的な節約を講じることが可能です。しかし、闇雲に冷蔵庫の温度を上げてしまうと、食品が傷んでしまう恐れもあるため、気温や湿度などを考慮して設定を変更しましょう。
方法3.食品を詰め込みすぎない
冷蔵庫内に食品を詰め込みすぎないのもポイントの1つです。詰め込みすぎると冷気の循環が悪くなり、冷蔵庫の効率が落ちます。
適度なスペースを保つことで内部の冷気が均等に行き渡り、効率的に食品を冷やすことが可能です。具体的には、冷蔵庫に詰め込んでいる食品の量を半分に減らすだけで、年間で44kWh程度の節電効果が見込めます。
また、食品の量を減らせば冷蔵庫を開けて食品を探す時間が短縮されるため、その分冷気を庫内に留めることができます。
方法4.ドアの開閉時間を短くする
冷蔵庫のドアを開ける時間を短くすれば、冷気の逃げる量を減らすことができます。必要なものを取る前に、あらかじめ中身を大まかに確認しておくことが重要です。
ドアの開閉時間を短くするだけでなく、回数を減らすだけでも節電効果が見込めます。例えば、1日あたりのドアの開閉回数を50回から25回に減らした場合、消費電力は約6%も減少すると言われています。
方法5.省エネ性能の高い製品に買い替える
省エネ性能の高い最新の冷蔵庫に買い替えることで、長期的に電気代の節約を図れます。特に15年以上使用している冷蔵庫は、最新モデルの2~3倍程度の電気代を必要とするため、大きな節約効果に期待できます。
最新の冷蔵庫に買い替える際は、エネルギー消費効率の高いモデルを選ぶことが大切です。家族の人数や置き場所、用途に応じて冷蔵庫の適切なサイズが異なるので、それも考慮した上で冷蔵庫を選びましょう。
方法6.電力を自家発電する
冷蔵庫は生活に不可欠な家電製品であるため、電力の消費を完全にゼロにすることはできません。長期的な節約を図りたい方は、電力の自家発電を検討してください。
ソーラーパネルと蓄電池(ポータブル電源)を併用することで、電力の自家発電が可能となり、毎月の電気代を大幅に削減できます。電気代の節約だけでなく、環境に優しい生活も実現します。
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冷蔵庫を買い替えるタイミング|3つのサイン
冷蔵庫は日常生活に欠かせない家電製品ですが、長期間使用することで性能が低下し、買い替えが必要になることがあります。本項では、冷蔵庫の買い替え時期を知らせる3つのサインについて解説します。
- 冷却性能が落ちた
- モーターの音が大きくなった
- 水漏れが発生している
自身の状況に当てはめて確認してみてください。
サイン1.冷却性能が落ちた
冷蔵庫の冷却性能の低下は、買い替えを検討する重要なサインです。食品が十分に冷えない、冷凍食品が適切に凍らないなどの症状が見られた場合、冷蔵庫の性能が低下している可能性があります。
このような状態では、冷蔵庫が必要以上に電力を消費し、電気代の無駄遣いにつながる恐れがあります。特に購入から10年近くが経過している場合は、冷蔵庫の買い替えをご検討ください。
サイン2.モーターの音が大きくなった
冷蔵庫のモーター音が通常よりも大きくなったり、異音がしたりする場合は、内部の機器が故障している可能性があります。モーターの故障は冷却効率の低下につながり、結果的に電気代の増加を招いてしまいます。
【異音が発生する主な原因】
- コンプレッサーが故障している
- 庫内に霜がたまっている
- ファンに汚れが詰まっている
また、放置するとさらに大きな故障につながる可能性もあるため、できるだけ早めの対処が必要です。
サイン3.水漏れが発生している
冷蔵庫から水漏れが発生している場合、何らかの故障が発生しているサインです。水漏れは電気代の増加だけでなく、床の損傷などほかの問題を引き起こす可能性があります。
水漏れは冷蔵庫のパッキンやドレンパイプなどが原因で起こることが多く、早期の対応が求められます。この水漏れを放置すると、カビや嫌なニオイの原因となるので、新しい冷蔵庫への買い替えを検討しましょう。
冷蔵庫を買い替える際の5つのチェックポイント
新しい冷蔵庫を選ぶ際は、いくつかの重要ポイントが存在します。冷蔵庫をこれから買い替える方は、以下のポイントに意識を向けるようにしましょう。
- 容量と消費電力
- 節電モード
- インバーター制御機能
- ノンフロン
- 真空断熱材
各ポイントを詳しく解説していきます。
ポイント1.容量と消費電力
家族の人数や生活スタイルに合わせて、適切な容量の冷蔵庫を選ぶことが大切です。消費電力が少なく、省エネ性能の高いモデルが望ましいです。
例えば、容量が比較的小さくエネルギー消費効率の高い最新モデルは、長期的に見て電気代の節約につながります。また、使用する食品の種類や量に応じたサイズ選びも重要です。
ポイント2.節電モード
節電モードが搭載されている冷蔵庫を選ぶこともポイントの1つです。特に夜間や使用量が少ない時間帯に節電モードを活用することで、効率的な電力消費を実現できます。
さらに最新の冷蔵庫には、外出時に自動で節電モードに切り替わる機能が搭載されているものもあります。これらの機能をうまく利用することで、無駄な電力消費を抑えることが可能です。
ポイント3.インバーター制御機能
インバーター制御機能を持つ冷蔵庫は、必要に応じて省エネ運転を行うため、電気代の削減に効果的です。これは、冷蔵庫の扉の開閉回数や庫内の温度などを考慮し、コンプレッサーやモーターの回転数を自動的に調整してくれる機能です。
節電モードと併せて使用することで、さらなる節電効果が見込めます。また、インバーター制御機能付きのモデルは運転音が小さく、静かな環境を保ちやすいのも利点です。
ポイント4.ノンフロン
環境に優しいノンフロン冷蔵庫を選ぶことで、節電対策と地球温暖化の防止に効果が見込めます。ノンフロン冷蔵庫は、オゾン層に悪影響を与えるフロンを使用していないため、環境に配慮した選択として重要です。
フロンを用いず「ヒートポンプ」という新技術を利用することにより、消費電力をより一層抑えることが可能です。環境保護を意識している家庭や、持続可能なライフスタイルを目指す人々にとって、ノンフロン冷蔵庫は理想的な選択肢となります。
ポイント5.真空断熱材
真空断熱材を使用した冷蔵庫は高い断熱性能を持ち、省エネ効果が高いという特徴があります。この技術により、外部からの熱の侵入を最小限に抑え、冷蔵庫内部の冷気を効率的に内部に留めることが可能です。その結果、冷蔵庫はより少ないエネルギーで冷却を維持でき、長期的に見て電気代を削減できます。
まとめ
本記事では、冷蔵庫の電気代や節電方法、買い替える際のチェックポイントを解説しました。
冷蔵庫の電気代は、「年間消費電力量(kWh)×電気代単価(31円/kWh)」という計算式で確認できます。年間消費電力が341kWhの冷蔵庫であれば、1ヶ月あたりの予想電気代は880円となります。
毎月の電気代を抑えたい方は、冷蔵庫の周りに物を置かない、冷蔵庫の設定温度を適切にする、食品を詰め込みすぎないなどの工夫を取り入れましょう。また、電力を自家発電するための太陽光発電システムを導入するのも1つの手です。「ローコストで導入したい」という方は、以下のEcoFlowセット商品を検討してみてください。