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太陽光発電によって電気が生み出される仕組み・流れ・特徴を解説!

太陽光発電の仕組みは、太陽光パネルに照射された太陽光を電気に変換するものです。

しかし、そのままでは家庭内で消費できないため、パワーコンディショナーという設備を用いて直流から交流に変換します。

結果、家庭内で電気として利用可能になります。

また、太陽光発電は太陽光を電気に変換して発電するため、化石燃料のように資源が枯渇するリスクがなく、発電時にCO2を排出しないクリーンなエネルギーです。

環境問題への関心が高まっている昨今、技術の進歩により、太陽光発電の導入は加速しています。家庭や企業で太陽光発電システムを導入すれば、電気代の節約や災害時の非常用電源の確保など、さまざまなメリットを得られるでしょう。

この記事では、太陽光発電の仕組みに欠かせない設備、発電の流れ、特徴をわかりやすく解説します。

太陽光発電の仕組みについて知りたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

太陽光発電の仕組みに欠かせない設備

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太陽光発電の仕組みを理解するためには、まず各設備の役割を把握しましょう。ここでは、太陽光発電の仕組みに欠かせない設備について解説します。

太陽光パネル

太陽光パネルは太陽光発電システムの中核をなす設備です。太陽光を受けて電気を生成する重要な役割を担っています。

太陽光パネルはシリコン半導体を使用した光電変換素子であるソーラーセルを複数枚組み合わせた構造になっているのが特徴です。ソーラーセルはプラス極とマイナス極を持つN型半導体とP型半導体で構成されており、太陽光が当たると電子が励起され、電流が流れる仕組みになっています。

この電流を利用して、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換しています。

また、太陽光パネルの性能は主に変換効率によって決まります。

変換効率とは太陽光エネルギーを、どれだけ効率的に電気エネルギーに変換できるかを示す指標です。変換効率が高いほど、より多くの電力を生み出せます。

一般的な変換効率は15〜20%程度ですが、最新の技術を用いたものでは25%以上の変換効率を達成するものもあります。

太陽光パネルの価格や工事費を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

太陽光パネルの価格は?システムに必要な設備・工事とランニングコストを解説

パワーコンディショナー

パワーコンディショナーは、太陽光パネルで発電された直流電力を交流電力に変換する役割を担う重要な設備です。

太陽光パネルで発電される電力は直流電力ですが、家庭内で使用する電化製品のほとんどは交流電力で動作するため、パワーコンディショナーによって、家庭内で利用できる状態にしています。また、発電した電力を電力系統に逆流させる際に、電圧や周波数を一定に保つ機能も備えています。

パワーコンディショナーは電力系統の品質を維持しながらも、家庭での電気消費を実現し、さらには余剰電力の売電を可能にする重要な設備です。性能は変換効率と出力制御の精度によって決まるため、それぞれの品質が高いものを選ぶとよいでしょう。

パワーコンディショナーの役割をより詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

パワーコンディショナー(パワコン)とは?主な役割や製品の選び方を解説

接続箱

接続箱は複数の太陽光パネルで発電された電力をひとつにまとめる設備です。

太陽光発電システムでは通常、複数の太陽光パネルを直列または並列に接続して使用します。直列に接続すると電圧を高め、並列に接続すると電流を大きくできます。

しかし、太陽光パネルを直接パワーコンディショナーに接続すると、電圧や電流の制御が難しくなるため、接続箱を介して接続しなければなりません。

接続箱には複数の太陽光パネルからの配線を集約する端子台や、各パネルの出力を制御するための開閉器などが備わっています。また、避雷器やサージ防護デバイスなどの保護機能も備わっており、落雷などによる太陽光発電システムへのダメージ防止が可能です。

接続箱の設置場所としてふさわしいのは、太陽光パネルの近くでメンテナンスがしやすい場所といえます。製品の選定と設置を適切に行わないと、システムの安全性と効率性が悪化するため注意が必要です。

架台

架台は太陽光パネルを屋根や地面に固定するための設備です。

太陽光パネルは太陽の方向に向けて設置すると、より多くの日射量を得られますが、適切な角度で固定しないと発電効率が悪化します。そのようなときに重要な役割を果たすのが架台です。

架台には屋根置き型をはじめ、野立て型、傾斜地型など、設置場所に応じたさまざまなタイプがあります。

屋根置き型の架台は屋根の形状に合わせて設計されており、屋根に直接固定するタイプです。野立て型の架台は地面にコンクリートの基礎を設置し、その上に組み立てます。傾斜地型の架台は傾斜地での設置に適しており、傾斜角度を調整できる機能を備えているタイプです。

架台の材質はアルミニウムや鉄が一般的ですが、軽量化や耐食性の向上を目的として、ステンレスや樹脂を使用する場合もあります。強度に関しては、太陽光パネルの重量や風圧荷重に耐えられるように設計されています。

架台の適切な選定と施工は、太陽光発電システムの長期的な発電効率と安全性を確保するために欠かせません。

売電メーター

売電メーターは太陽光発電システムで発電した電力のうち、家庭内で使い切れない余剰電力を電力会社に売却する際に計測するための設備です。

売電メーターは電力会社が設置して管理します。通常の電力量計とは異なり、逆方向の電力量を計測する機能が備わっているのが特徴です。

太陽光発電システムで発電した電力は、まず家庭内で消費され、余った電力が売電メーターを通して電力会社に売電されます。売電メーターによって正確な売電量を計測し、電力会社との売電契約に基づいた適切な売電額の算定を可能にしてくれる設備です。

計測値に関しては電力会社によって定期的に確認され、売電額が算定されます。売電額は契約に基づく売電単価に売電量を乗じて計算する仕組みです。

売電単価に関しては、固定価格買取制度(FIT制度)などの支援措置によって決定されます。売電メーターの正確な計測は、売電収入を適切に得るためにきわめて重要になるでしょう。

発電量モニター

発電量モニターは太陽光発電システムの発電状況をリアルタイムで確認するための設備です。パワーコンディショナーと接続されているほか、太陽光パネルの発電量や家庭内の消費電力量、売電量などの情報を表示してくれます。

さらに、累積発電量やCO2削減量などの情報も表示されるだけでなく、グラフ表示機能を備えている製品もあり、日々の発電量の推移や季節ごとの発電量の変化などを視覚的に確認可能です。

発電量モニターは太陽光発電システムの稼働状況を常に監視できます。システムに異常や不具合が発生した際はすぐに発見できるため、対処にも一役買ってくれる設備です。とくに発電量が大きく減少した場合や、パワーコンディショナーの動作に異常が見られた場合に重宝します。

また。発電量モニターは通常、家庭内のリビングルームなどの屋内に配置されます。モニターを通して発電状況を常に把握すれば、エネルギーの有効活用や省エネルギーへの意識を高められるでしょう。

蓄電池

蓄電池は太陽光発電システムで発電した電力を貯蔵するための設備です。

太陽光発電は晴天の日中に大量の電力を発電しますが、夜間や天候の悪い日は発電量が大幅に減少します。しかし、蓄電池の導入によって、日中に発電した余剰電力を夜間や発電量の少ない時間帯に活用が可能です。

種類は豊富で、鉛蓄電池をはじめ、リチウムイオン電池、NAS電池などがあります。それぞれの特性に応じて、容量や充放電特性、寿命などが異なるのも特徴といえるでしょう。

なお、家庭用の蓄電池としてはリチウムイオン電池が主流です。

蓄電池の導入は電力の自給自足率を高められ、電力会社からの購入電力量を減らせます。

また、停電時にも蓄電池に貯蔵した電力を活用可能です。万が一の備えとなる非常用電源として機能する点は大きなメリットといえるでしょう。

蓄電池の導入は初期投資が必要になりますが、電力コストの削減や非常時の電源確保ができるメリットを考慮すると、利便性の高い設備になるでしょう。

太陽光発電の仕組みや流れ

発電の仕組み

ここでは、太陽光発電の仕組みや流れについて詳しく解説します。

太陽光パネルに照射された太陽光が電気に変換される

太陽光発電の仕組みにおいて、太陽光を電気に変換する役割を担うのが太陽光パネルです。

パネルに太陽光が照射されると、ソーラーセルの表面のN型半導体で電子が励起されます。励起された電子はP型半導体に移動し、電子の移動によって電流が発生します。この電流を外部回路に取り出すことで、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換が可能です。

なお、太陽光パネルの発電量は太陽光の強度や照射角度、パネルの温度などの条件によって変化します。もっとも高い発電量が得られるのは、太陽光が晴天の日中に直角に当たるときです。

また、パネルの変換効率によっても発電量は大きく変化します。変換効率が高いほど、同じ面積のパネルでより多くの電力を生み出せるでしょう。

パネルに照射された太陽光を効率的に電気変換するためには、設置角度や方位、メンテナンスなども欠かせません。適切な設置の設定と維持管理によって、効率の良い発電が可能になるでしょう。

パワーコンディショナーによって発電した直流の電気を交流に変換

太陽光パネルで発電された電気は直流電力のため、そのままでは家庭内で使用できません。家庭内の電化製品を使用するためには、交流に変換する必要があります。

この変換を担っているのがパワーコンディショナーです。

太陽光パネルで発電された直流電力は、まず接続箱で複数のパネルからの出力を集約します。集約された直流電力はパワーコンディショナーに送られ、インバータ機能を用いて直流電力を交流電力に変換する流れです。

また、変換された交流電力は電力系統と同じ周波数と電圧に調整されます。これにより、家庭内の電化製品の動力として使用可能です。

そのほかパワーコンディショナーは直流電力を交流電力に変換する機能だけでなく、発電した電力を電力系統に逆流させる際に電圧や周波数を一定に保つ機能も持っています。電力系統の品質維持はもちろん、余剰電力を売電するための役割も担う設備です。

交流の電気を家庭内で消費

パワーコンディショナーによって直流電力から変換された交流電力は、分電盤を通して家庭内に供給されます。分電盤は家庭内の電気配線の中心となる設備であり、太陽光発電システムからの電力と電力会社からの電力を適切に配分する存在です。

交流電力は分電盤内の太陽光発電用ブレーカーを通して、家庭内の電気回路に供給されるためコンセントなどから使用できます。

消費しきれない余剰電力は電力会社へ売電

太陽光発電システムで発電した電力のうち、家庭内で消費しきれない余剰電力は電力会社に売電できます。売電によって発電した電力を有効活用できるため、経済的なメリットを得られるでしょう。

売電量は家庭内の電力消費量と太陽光発電システムの発電量の差分になります。売電量は売電メーターによって計測され、単価は電力会社との契約内容によって決まる仕組みです。

現在、日本では固定価格買取制度(FIT制度)が導入されており、一定期間は固定価格での売電が保証されています。制度の適用を受けるためには、発電設備の認定を受ける必要があるため注意が必要です。

一部の電力を蓄電池に充電

太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせれば、発電した電力で充電が可能です。電力を蓄えておけば、夜間や天候の悪い日でも電力を安定して供給できます。

蓄電池への充電は日中の発電量が多い時間帯に行われるのが一般的です。発電量が家庭内の消費電力量を上回る場合、余剰電力が蓄電池に充電されます。

充電された電力は自由に活用できるため、電力会社からの購入電力量を抑えられ、電気料金の節約につながります。

太陽光発電の特徴

発電の仕組み

ここでは、太陽光発電の特徴について詳しく解説します。

資源が枯渇するリスクがない

太陽光発電は太陽のエネルギーを直接電気に変換するシステムです。太陽エネルギーは再生可能エネルギーであり、資源が枯渇するリスクがほとんどありません。

従来の化石燃料とは異なり、燃料の採掘や輸送は不要です。導入すれば、太陽光がある限りは半永久的に発電できるほか、安定したエネルギー供給を得られます。

また、エネルギー自給率の向上にも貢献する技術のひとつです。

CO2を排出せず環境にやさしい

太陽光発電は発電の過程でCO2を排出しないクリーンなエネルギーです。化石燃料を使用する火力発電などとは異なり、温室効果ガスの排出による環境負荷がほとんどありません。

太陽光発電システムの製造や設置の際には一定のCO2が排出されますが、運用段階では排出しないため、 大幅なCO2削減効果を期待できます。

太陽光発電の普及は、地球温暖化対策や脱炭素社会の実現に向けた重要な取り組みのひとつといえるでしょう。

停電時でも発電が可能

太陽光発電システムは停電時でも発電が可能なため。近年では非常用電源としての役割も期待されています。

通常、太陽光発電システムは電力系統に連系して運用されますが、自立運転に切り替えれば、発電した電力を停電時の家庭内で使用できます。

また、停電時に太陽光発電システムを最大限に活用するためには、蓄電池との組み合わせが効果的です。

利用できる電力に制限はあるものの、自家消費のサイクルを回せる点は大きなメリットといえるでしょう。

発電量が天候や設置環境に左右されやすい

太陽光発電は天候や設置環境によって、発電量が大きく左右されます。太陽光発電は、太陽光を直接電気に変換する発電方式のため、日射量や気象条件の影響を受けやすい点がデメリットです。

晴天の日中は高い発電量が得られますが、曇りや雨の日は発電量が大幅に低下します。また、太陽光パネルに影がかかる条件下でも発電量の減少が生じるため注意が必要です。

太陽光発電システムの導入を検討する際は、日照条件や周辺環境を十分に考慮しましょう。

FIT制度によって固定価格で売電が可能

太陽光発電の普及を後押ししている制度のひとつに、固定価格買取制度(FIT制度)があります。FIT制度とは、再生可能エネルギーで発電された電力を一定期間、固定価格で買い取りを保証する制度です。

これにより、太陽光発電システムを導入するユーザーは、長期的に安定した売電収入を見込めます。2024年現在、容量10kW未満の太陽光発電であれば、1kWhあたり16円で10年間の買取が保障されます。

まとめ

太陽光発電の仕組みに欠かせない設備、発電の流れ、特徴をわかりやすく解説しました。

太陽光発電は太陽光パネルで太陽光を電気に変換し、パワーコンディショナーで交流電力に変えて家庭内で利用できる状態にする仕組みです。

自家消費はもちろんですが、余剰電力は電力会社に売れるだけでなく、蓄電池と組み合わせれば夜間や停電時でも電力を利用できるようになります。

さらに資源の枯渇リスクがなく、CO2を排出しません。どこまでも環境に優しい発電方式となっているため、導入を検討する価値は大いにあるでしょう。

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