「ポータブル電源の使用時間を自分で計算したい」と考えている方もいるのではないでしょうか。ポータブル電源の使用時間は、容量(Wh)と消費電力(W)を基に計算することができます。
具体的な計算式は、「使用時間=ポータブル電源の容量(Wh)÷電気機器の消費電力(W)」です。ただし、これは理論上の計算であり、正確な使用時間を把握するためには、バッテリーの特性や使用環境など、さまざまな要因を考慮する必要があります。
本記事では、ポータブル電源の使用時間の計算方法や手順、知っておくべきポイントについて解説します。また、長時間使用できるおすすめのポータブル電源も併せて紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
ポータブル電源の使用時間は計算できる!

ポータブル電源の使用時間は、本体のバッテリー容量(Wh)と電気機器の消費電力(W)を基に計算することができます。計算式は以下の通りです。
使用時間=ポータブル電源の容量(Wh)÷電気機器の消費電力(W)
例えば、500Whのポータブル電源で50Wの機器を使用する場合、「500Wh÷50W=10時間」となります。ただし、これは理論上の計算であり、実際の使用時間は機器の使用状況やバッテリーの状態などによって変動します。
mAh表記の場合
ポータブル電源のなかには、容量がmAh(ミリアンペアアワー)で表記されているものもあります。この場合、以下の計算式を用いてWhに換算する必要があります。
Wh=mAh(容量)×V(電圧)÷1000
リチウムイオン電池の電圧は3.7Vです。例えば、容量が20,000mAhの場合、「20,000mAh×3.7V÷1000=74Wh」となります。
mAh表記の機器を使用する際は、必ずWhに換算してから使用時間を計算するようにしましょう。正確な使用時間を把握するには、容量と消費電力を正しく理解することが重要です。
ポータブル電源の使用時間を計算する手順

ポータブル電源の使用時間を正確に把握するには、いくつかの手順が必要です。ここでは、使用時間を計算する際の4つの手順について解説します。
- ポータブル電源の容量を調べる
- 家電製品の消費電力を確認する
- 使用する家電製品の消費電力を合計する
- 実際に使用時間を計算する
以下、各手順の詳細について見ていきましょう。
手順1.ポータブル電源の容量を調べる
まずは、ポータブル電源の容量(Wh)を確認しましょう。本体の容量は、製品仕様書やパッケージ、メーカーの公式サイトなどに記載されています。
一般的に、ポータブル電源の容量は300Whから3,000Wh程度です。使用時間を正確に把握するために、ポータブル電源の容量を必ずチェックしておきましょう。
手順2.家電製品の消費電力を確認する
次に、使用する家電製品の消費電力(W)を確認します。この情報は、基本的に製品本体や取扱説明書に記載されています。
使用する家電製品の消費電力を把握することで、ポータブル電源の選択や使用時間の計算がしやすくなります。
手順3.使用する家電製品の消費電力を合計する
ポータブル電源から複数の家電製品に電力を供給することもあるため、同時に使用する予定の家電製品の消費電力を足し合わせます。この合計値が、ポータブル電源から必要とされる出力となります。
例えば、50Wのテレビと30Wの扇風機を同時に使用する場合、合計消費電力は80Wとなります。合計消費電力がポータブル電源の出力を超えてしまうと、家電製品を使用できない場合があるため注意が必要です。
手順4.実際に使用時間を計算する
ポータブル電源の容量(Wh)を家電製品の合計消費電力(W)で割ることで、理論上の使用時間を計算できます。例えば、1,000Whの容量を持つポータブル電源で、合計消費電力が500Wの家電製品を使用する場合、「1,000Wh÷500W=2時間」となります。
ただし、これは理論上の計算であり、実際の使用時間は電力のロスなどによって変動するため注意が必要です。余裕を持った計算をすることをおすすめします。
ポータブル電源の使用時間の計算で知っておくべきポイント

ポータブル電源の使用時間を計算する際には、以下のようなポイントが重要となります。使用時間を計算する前に、各ポイントを理解しておきましょう。
- バッテリーは少しずつ劣化する
- バッテリーの自然放電を考慮する
- 充電容量の上限設定をしている場合は使用時間が短くなる
- 家電製品のモードによって消費電力は異なる
- 環境温度による影響を考慮する
バッテリーの特性や使用環境など、さまざまな要因が使用時間に影響を与えます。以下、それぞれのポイントを1つずつ順番に解説します。
ポイント1.バッテリーは少しずつ劣化する
ポータブル電源のバッテリーは、使用回数や経年劣化により、実際の容量が徐々に減少していきます。新品時の容量を100%とすると、数年の使用で20~30%程度低下するケースもあります。
そのため、計算上の使用時間より、実際の使用時間が短くなる可能性があるのです。長期的な使用を想定している場合は、バッテリー劣化を考慮に入れ、若干短めの使用時間を見積もることをおすすめします。
ポイント2.バッテリーの自然放電を考慮する
ポータブル電源は、使用していない間も少しずつ電力が減少する自然放電が発生します。自然放電の速度は、バッテリーの種類や保管環境によって異なりますが、月に数%程度が目安です。
長期間使用せずに保管していた場合、想定より早く電力が切れてしまう可能性があります。使用前には、バッテリー残量を確認し、必要に応じて充電を行いましょう。
また、自然放電を最小限に抑えるため、バッテリー残量を60〜80%程度にして、風通しが良い場所で保管することをおすすめします。
→ポータブル電源の保管方法を徹底解説!保管場所の選び方や長持ちさせる5つの工夫
ポイント3.充電容量の上限設定をしている場合は使用時間が短くなる
バッテリーの寿命を延ばすために、充電容量の上限を80%程度に設定している場合があります。この設定を行うと、バッテリーへの負荷を軽減できますが、その分使用可能な容量が減少します。
例えば、1,000Whのポータブル電源で上限を80%に設定した場合、実質的な容量は800Whとなります。この場合、計算上の使用時間より実際の使用時間が短くなるため注意が必要です。
上限設定を行っているケースでは、設定値を考慮して使用時間を見積もるようにしましょう。
ポイント4.家電製品のモードによって消費電力は異なる
家電製品のモードによって消費電力は異なるため、その点を考慮して計算する必要があります。例えば、エアコンの設定温度を1度変えるだけで、消費電力は10%程度変化するとされています。
また、スイッチ付きのオイルヒーターを使う場合も、実際の設定を踏まえて計算する必要があるでしょう。カタログ値だけでなく、実使用時の消費電力を把握することが大切です。
ポイント5.環境温度による影響を考慮する
本体のバッテリー性能は、環境温度の影響を受けます。特に極端な低温や高温環境下では、バッテリー性能が一時的に低下する可能性があります。
具体的には、冬場の屋外ではバッテリーの放電速度が速くなり、使用時間が短くなる可能性があるため注意が必要です。逆に真夏の高温下では、バッテリーの劣化が加速する恐れがあります。
使用環境に応じて、若干の余裕を持った計算をすることが望ましいでしょう。また、可能であれば、バッテリーに優しい適温域(10度~25度程度)での使用を心がけることをおすすめします。
長時間使用できるおすすめのポータブル電源4選
ここでは、長時間使用できるおすすめのポータブル電源を4つ紹介します。バッテリーの容量や高速充電の有無、安全性など、各製品の特徴を詳しく解説していきます。
EcoFlow DELTA 3 1000 Air

EcoFlow DELTA 3 1000 Airは、約10kgと持ち運びや収納が容易でありながら、960Whの大容量を有するポータブル電源です。
定格出力500W、X-Boost最大800Wで、照明や冷蔵庫、テレビに加え、小型ケトルやドライヤーなど幅広い家電を運用可能です。
例えば、ポータブル炊飯器(500W)は1.8時間、小型ドライヤー(700W)は1.2時間、電気ケトル(600W)は1.4時間も使うことができます。
また、Alternator Charger使用時は最短2.1時間で満充電になり、ACコンセントやソーラーパネル、シガーソケットなど、多彩な充電方式に対応している点も魅力です。
自宅や車で安心して使うことができ、女性も持ち運びやすいコンパクトサイズのため、初めて購入する一台としても高い人気を集めています。
| 容量 | 960Wh |
| 定格出力 | 500W |
| AC充電時間 | 500W:2.7時間 |
| サイズ | 22.3 × 22.0 × 26.3cm |
| 重量 | 約10kg |
| 公式サイト | https://jp.ecoflow.com/products/delta-3-1000-air-portable-power-station?variant=52322658713967 |
EcoFlow DELTA 3 Max Plus

EcoFlow DELTA 3 Max Plusは、2,048Whの大容量と定格3,000W(X-Boost最大3,800W)の高出力を兼ね備えたポータブル電源です。
最大10,240Whまで拡張可能であり、電子レンジやドライヤーなど、消費電力の大きな家電も余裕で稼働できます。
また、4つの出力ポートや高出力USB-Cポートを含む合計10の出力ポートを搭載しており、同時に複数の機器を使いたい場面でも重宝できます。
さらに、業界初のAC出力分割コントロールにより、「エアコンはオン・冷蔵庫はオフ」といった便利な使い方も可能。すべてアプリ操作できる利便性も魅力です。
コンセントにつなげば約108分で満充電が可能であり、ソーラーパネルや走行充電も組み合わせられます。
| 容量 | 2048Wh |
| 定格出力 | 3,000W |
| サイズ | 49.4 × 24.2 × 30.5cm |
| 重量 | 約22.1kg |
| 公式サイト | https://jp.ecoflow.com/products/delta-3-max-plus-portable-power-station?variant=52157995123055 |
EcoFlow DELTA Pro 3

EcoFlow DELTA Pro 3は、4,096Whの大容量バッテリーと定格3,600W(X-Boost最大5,100W)の高出力で、家庭用蓄電池としても使える本格モデルです。
高出力の家電や複数機器への同時給電をはじめ、大型のエアコンや電動工具などの業務用機器にも対応。ソーラー充電にも対応しているため、賢い節電対策も実現できます。
また、7つのAC出力ポートに加え、4つのUSBポート(USB-A ×2 / USB-C ×2)を備えているため、急速充電しつつ複数家電を動かすことが可能です。
あらゆるシーンで充電可能な方式が5つも採用されており、4000回の使用サイクルでも初期容量の80%を維持する長寿命も魅力です。
大容量モデルのポータブル電源導入を検討している方は、ぜひチェックしてください。
| 容量 | 4,096Wh |
| 定格出力 | 3,600W |
| サイズ | 69.3×34.1×41cm |
| 重量 | 約51.5kg |
| 公式サイト | https://jp.ecoflow.com/products/delta-pro-3?variant=44261300175009 |
EcoFlow DELTA 3 Ultra

EcoFlow DELTA 3 Ultraは、バッテリー容量3,072Whと定格出力3,000W(X-Boost最大3,800W)の超高出力・大容量モデルとなります。
複数の高出力家電や特定負荷分電接続も可能で、管理アプリによる細かなコントロールや拡張性、高速充電など利便性も極めて高いです。
4つのACポートに加え、最大140WのUSB-CポートやUSB-Aポートを搭載。最大1500WのAC入力に対応し、住宅のコンセントから約2時間で80%まで充電できます。
また、同容量クラスの従来品から約27%軽量化されており、キャスター&ハンドル一体型のため、アウトドアや非常時でも使いやすいです。
| 容量 | 3,072Wh |
| 定格出力 | 3,000W |
| X-Boost | 3,800W |
| サイズ | 62.6 × 32.8 × 39.5cm |
| 重量 | 約32.7kg |
| 公式サイト | https://jp.ecoflow.com/products/delta-3-ultra-portable-station?variant=52291943104879 |
まとめ
本記事では、ポータブル電源の使用時間の計算方法や手順、知っておくべきポイントについて解説しました。
ポータブル電源の使用時間は、容量(Wh)と消費電力(W)から計算できます。ただし、バッテリーの劣化や自然放電、充電容量の上限設定、家電製品の運転モードや環境温度など、さまざまな要因が使用時間に影響を与えることを理解しておく必要があります。
長時間使用できるポータブル電源を選ぶ際は、高容量バッテリーや高速充電、優れた安全性などの特徴を持つ製品がおすすめです。用途や予算に合わせて、自身のニーズに合った製品を選ぶことが大切です。
EcoFlowでは、大容量バッテリーを搭載した高機能なポータブル電源を多数販売しております。ポータブル電源を長時間使用したい方は、ぜひ上記の製品の導入をご検討ください。



