「ポータブル電源は災害時にいらない」と考えている方は、ポータブル電源が活躍する場面を具体的に想像できていない可能性があります。
モバイルバッテリーよりも大容量の電気を備えたポータブル電源は、災害時の必需品と言っても過言ではありません。
そこで本記事では、災害時にポータブル電源がいらないかどうかを、メリット・デメリットや活躍する場面を踏まえて解説します。
災害時に役立つポータブル電源の選び方も掲載しているので、災害への備えを万全にしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
災害時にいらない?ポータブル電源とは

「災害時にポータブル電源がいらないか」を考える前に、ポータブル電源とは何かを正しく理解していない方は多いのではないでしょうか。ポータブル電源とは、内部のバッテリーに大量の電気を蓄電し、コンセントがない場所でも電化製品に給電できる機器を指します。
モバイルバッテリーよりも高出力・大容量な上に、AC出力も搭載しているので、家庭にある消費電力の高い電化製品も動かせるのが特徴です。携帯性に優れているため、室内外問わず自由に持ち運んで、電化製品の使用を可能にします。
ポータブル電源は防災に必要か?メリット・デメリット

時間や場所を問わず、電化製品に給電できるポータブル電源。防災にいらないかを判断するためには、ポータブル電源が持つメリット・デメリットを把握しておく必要があります。
ポータブル電源は災害時に必要!メリット5選
ポータブル電源には、災害時に役立つ以下のようなメリットがあります。在宅避難や避難所、停電など、災害時に起きうる様々な状況でポータブル電源は活躍してくれるでしょう。
- メリット1|停電中も自宅の電気供給を継続できる
- メリット2|屋外に持ち出して電気を確保できる
- メリット3|排気ガスによる一酸化炭素中毒のリスクがない
- メリット4|通信手段を確保できる
- メリット5|医療機器の使用を維持する
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
メリット1|停電中も自宅の電気供給を継続できる
ポータブル電源はコンセントから独立しているので、停電中も電気供給を継続できます。災害によって送電設備が損傷を受けると、3日以上に及ぶ大規模な停電を引き起こします。
2011年の東日本大震災では、約466万戸にのぼる停電が発生しました(※1)。停電が90%以上復旧するまでには、8日間も要しています。
※1参考:経済産業省「3月11日の地震により東北電力で発生した広域停電の概要」
メリット2|屋外に持ち出して電気を確保できる
ポータブル電源はコンパクトで持ち運びしやすいので、屋外での電力確保にもぴったりです。住宅が家具類の転倒や窓ガラスの飛散、浸水などの被害を受け、避難所生活や車中泊避難を余儀なくされた場合でも、電気のある快適な生活を送れます。
メリット3|排気ガスによる一酸化炭素中毒のリスクがない
ポータブル電源は発電機のようにガソリンを燃料としないため、排気ガスを排出しません。そのため、室内でも一酸化炭素中毒に陥る心配がなく、安心して使用できます。
大人数が密集する避難所で使用しても、他の被災者に迷惑がかかる心配は不要です。安全性が高いので、子どもやお年寄りでも気軽に使用できます。
メリット4|通信手段を確保できる
ポータブル電源があれば、災害時に必要な通信機器を常に稼働できます。スマホやパソコン、電話機などの通信機器は、安否確認や情報収集の手段として必要不可欠です。
たとえ、大規模な停電が起きて、通信機器の充電が切れていたとしても、ポータブル電源によって素早く満充電にできるでしょう。通信に必要なモバイルルーターの充電も可能です。
メリット5|医療機器の使用を維持する
災害時にコンセントと医療機器の間にポータブル電源を接続しておけば、停電が起きても医療機器を稼働し続けられます。負傷者の処置を行っている最中に停電が発生し、医療機器が止まってしまうと、命に関わる事態にまで発展しかねません。
UPS機能を搭載したポータブル電源であれば、電源が切断された直後に、外部電気供給へと自動で切り替わります。切り替えにかかる時間は、わずか0.01秒未満です。
ポータブル電源は災害時にいらない?デメリット3選
ポータブル電源には魅力的なメリットが多数存在しますが、以下のようなデメリットも考慮する必要があります。ポータブル電源が災害時にいらないかの判断材料にしてください。
- デメリット1|充電がないと使えない
- デメリット2|容量が大きいと持ち運びづらい
- デメリット3|発火や火災のリスクがある
それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
デメリット1|充電がないと使えない
大前提として、ポータブル電源本体の充電がなければ使えません。ポータブル電源に蓄えられた電気は、時間の経過とともに自然放電していくのが特徴です。
前回の充電から長く時間が経っている場合は、いざ災害時に使おうとしても、充電がほとんど残っていない可能性があります。ただし、機種によっては自然放電率が低いタイプも存在します。ソーラーパネルと併用すれば、充電切れになる心配はありません。
デメリット2|容量が大きいと持ち運びづらい
一般的に、ポータブル電源は容量に比例して、サイズや重量も大きくなります。用途や家族の人数に見合わないポータブル電源を選んでしまうと、持ち運びが大変です。
災害時にポータブル電源を携帯して避難する場合、重量によっては逃げ遅れるリスクが高まります。大容量のポータブル電源は、50kgを超える機種もあるほどです。ただし、10kg前後の機種も販売されているので、購入時に容量と重量のバランスを考慮しましょう。
デメリット3|発火や火災のリスクがある
排気ガスを排出しないポータブル電源ですが、発火や火災のリスクは存在します。ポータブル電源が発火する主な原因は、リチウムイオンバッテリーの異常発熱です。
消費者庁が運営する「事故情報データバンクシステム」によると、ポータブル電源に関する事故は2025年2月時点で193件発生しています(※2)。ただし、発火しづらいリン酸鉄リチウムイオンバッテリーや安全機能が搭載したポータブル電源であれば、比較的安全です。
※2参考:消費者庁「事故情報データバンクシステム」
災害時にポータブル電源いらない派の主張3選

実際に大きな災害を経験していないと、電気のない生活がどれほど大変か想像しづらいのではないでしょうか。災害時にポータブル電源はいらない派の主張は、以下のとおりです。
- 主張1|災害時の停電はすぐに復旧する
- 主張2|乾電池で対応できる
- 主張3|コストパフォーマンスが悪い
それぞれの主張について、詳しく見ていきましょう。
主張1|災害時の停電はすぐに復旧する
災害時の停電に備えて大容量のポータブル電源を用意しても、停電は意外とすぐに復旧するのではないかと思われている方もいるでしょう。日常生活で体験する停電は、1時間も経たないうちに復旧するケースがほとんどです。
しかし、大規模な災害による停電は、以下の事例からも分かる通り数日間は復旧しません。
過去に起きた地震 | 90%以上停電が復旧するまでの日数 |
1995年|阪神淡路大震災 | 7日間(※3) |
2019年|令和元年台風15号 | 約2週間(※4) |
2024年|能登半島地震 | 約1ヵ月間(※5) |
※3参考:関西電力「阪神・淡路大震災~応急送電までの7Days」
※4参考:内閣府「令和元年に発生した災害の概要と対応」
※5参考:経済産業省「令和6年能登半島地震の対応について」
主張2|乾電池で対応できる
ポータブル電源を購入しなくても、乾電池式の電化製品で対応できると考える方もいるでしょう。防災ラジオやモバイルバッテリー、ランタン、扇風機などの一部商品は、乾電池からでも稼働できます。しかし、乾電池式が災害時に向かない理由は、以下のとおりです。
- 長期間の保管で使用できる電力量は減っていく
- 電力がなくなっても充電できない
- 蓄えられる電力量がポータブル電源よりも少ない
- 乾電池から給電できる電化製品は限られている
停電生活が長期化すると、乾電池が持つ電力量だけではまかなえません。ポータブル電源であれば、ソーラーパネルを使って停電中でも充電できます。
主張3|コストパフォーマンスが悪い
ポータブル電源は高価な機種で30万円前後するため、コストパフォーマンスが悪いと考える方もいるでしょう。確かに、ソーラーパネルを持っておらず、充電残量がわずかな状態で災害による停電が起きてしまうと、ほとんど使い物になりません。
しかし、自然放電の少ない機種を選び、定期的にメンテナンスを行えば、災害時には大活躍します。容量を下げれば、2万円前後のポータブル電源も販売されています。
災害時にポータブル電源が活躍する場面5選

ポータブル電源は、災害による停電時に生活を支える重要な役割を担います。災害による停電時にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
- 場面1|スマホやラジオで情報収集が行える
- 場面2|冷暖房機器で快適な気温を維持できる
- 場面3|LEDライトで暗闇を照らせる
- 場面4|調理家電で温かい非常食が作れる
- 場面5|冷蔵庫の食品が腐敗するのを防げる
それぞれの場面について、詳しく見ていきましょう。
場面1|スマホやラジオで情報収集が行える
ポータブル電源でスマホやラジオを稼働できれば、迅速な情報収集が可能になります。災害時に危険なエリアや避難所に関する情報を素早く入手できなければ、誤った避難場所や避難経路に向かってしまい、危険な目に遭いかねません。
ラジオを使えば、周波数を合わせるだけで信頼できる災害情報が聴けます。スマホは、情報収集だけでなく、家族との連絡手段としても欠かせません。
場面2|冷暖房機器で快適な気温を維持できる
ポータブル電源から冷暖房機器を稼働すれば、常に快適な気温で避難生活を送れます。暑い夏には扇風機やポータブルエアコン、寒い冬には電気ストーブや電気毛布が必需品です。
停電が起きて冷暖房機器を稼働しなければ、室温は短時間で外気温に近づいてしまいます。気温対策が不十分な環境にいると、熱中症や低体温症などの病気にかかりやすくなります。
場面3|LEDライトで暗闇を照らせる
ポータブル電源があれば、夜の避難時や避難生活でLEDライトの点灯が可能です。暗闇の中で足元の悪い場所を避難すると、転落や転倒によって怪我を負いかねません。
真っ暗闇の中で避難生活を送ると、快適性が損なわれるだけでなく、防犯の観点でも問題です。LEDライトがあれば、暗闇を照らして常に安全を確保できます。
場面4|調理家電で温かい非常食が作れる
ポータブル電源で調理家電が動かせると、避難所や在宅避難で簡単に非常食を温められます。災害時に役立つ調理家電と非常食は、以下のとおりです。
- 電子レンジでレトルト食品やパックご飯を加熱する
- 電気ケトルでお湯を沸かし、カップ麺を作る
- 炊飯器で缶詰を使った炊き込みご飯を作る
食品を加熱できれば、食中毒にかかるリスクも大幅に下げられます。
場面5|冷蔵庫の食品が腐敗するのを防げる
ポータブル電源から冷蔵庫に給電できれば、庫内に入っている食品の腐敗を防げます。停電によって冷蔵庫の運転が停止すると、庫内の冷えを保てるのは約2〜3時間です(※6)。
特に夏場であれば、短時間で食品の鮮度が落ち、腐敗していくでしょう。ポータブル電源は停電中でも庫内を冷却でき、食品ロスを防げます。
※6参考:Panasonic「冷蔵庫の停電前の準備と停電時・停電復旧後の対処方法」
災害時に必要なおすすめのポータブル電源

EcoFlowは、幅広い出力・容量バリエーションのポータブル電源を展開しています。リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用しており、寿命は10年以上です。
UPS機能を搭載しているので、停電時は10〜20ms以内に電気供給源が自動で切り替わります。災害対策におすすめの機種は、以下のとおりです。
- DELTA 3 1500
- RIVER 3 Plus
- DELTA 3 Plus
- DELTA Pro 3
それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
DELTA 3 1500

災害時におすすめしたい『DELTA 3 1500』は、従来の製品サイズと大きさはそのままで容量は1.5倍になっています。
豊富なインターフェースを備えた15の出力ポートがあり、約1.5時間でフル充電が可能になる急速充電が大きな魅力です。
軽量なのにパワフルな容量で持ち運びも便利なため、災害時だけではなくさまざまなアウトドアでも便利に重宝できます。
スマホアプリで誰でも簡単に制御できるため、操作で不便を感じることはありません。10年間の寿命という高い耐久性を誇るため、長く使い続けることができます。
災害時に使えるポータブル電源を探している方は、ぜひ以下の商品ページをチェックしてください。
RIVER 3 Plus

最大600Wの出力と286Whの容量を持つポータブル電源。RIVER 3 Plusは無停電電源装置(UPS)としても機能し、停電時には10ms以内に電力を切り替えて、精密機器をしっかりと保護します。
オフィス作業中やゲームプレイ中に突然の停電が発生しても、データの損失を防ぎます。スムーズな作業やプレイをサポートする、頼もしい存在です。
合計7つのポートを搭載しているため、通信機器、冷暖房機器、調理家電などを同時に使用でき、避難生活をより快適に過ごせます。さらに、AC入力を使用すれば、最短1時間でフル充電が可能です。

DELTA 3 Plus
最大2000Wの出力と1024Whの大容量を持つポータブル電源。ACやDC、USB、シガーソケットを含む13個の出力ポートを搭載しています。大容量を備えながら重量12.5kgの軽量コンパクト設計なので、在宅避難で部屋間の移動も容易です。
ACコンセントから最短56分で満充電でき、業界最速クラスの充電速度を誇ります。災害情報を検知したら優先的に充電を行うStorm Guard機能が付いているので、家庭の災害対策におすすめの機種です。容量は最大5kWhまで拡張できます。

DELTA Pro 3
3600Wの定格出力と4096Whの超大容量を持つポータブル電源。エクストラバッテリーを追加すれば、最大24kWhまで容量を拡張できます。出力も最大7200Wまで拡張できるので、高消費電力の機器を複数台使用する4人家族以上におすすめです。
ACコンセントからは80%までをわずか2時間30分、ソーラーパネルでは100%までを最速2時間10分で充電できます。握りやすいハンドルとタイヤを備えているので、女性や子供、お年寄りでも持ち運びが楽々です。

災害時に役立つポータブル電源の選び方3選

ポータブル電源の選び方を間違えれば、災害時にいらないと感じる可能性があります。災害時に役立つポータブル電源の選び方は、以下のとおりです。
- 選び方1|出力・容量が生活スタイルに合っている
- 選び方2|安全機能が備わっている
- 選び方3|自己放電率が低い
- 選び方4|携帯性に優れている
それぞれの選び方について、詳しく見ていきましょう。
選び方1|出力・容量が生活スタイルに合っている
ポータブル電源の出力・容量は、稼働する電化製品の種類や稼働時間に合っているかが重要です。消費電力の高い電子レンジやIHクッキングヒーター、ドライヤーなどを動かすためには、高出力のポータブル電源を選ばなければなりません。
消費電力の低い電化製品であっても、家族の人数が多くて長時間稼働する場合には、大容量のポータブル電源が必要です。普段使用している電化製品の消費電力と稼働時間を調べた上で、最適な出力と容量のタイプを選びましょう。
選び方2|安全機能が備わっている
災害時、ポータブル電源を安全に使用するためには、安全機能「BMS」が備わったタイプを選びましょう。BMS(バッテリーマネジメントシステム)とは、バッテリーの電圧・電流・温度を常に監視し、過充電や過放電、温度の急上昇などを防げる機能です。
EcoFlowのポータブル電源には高性能のBMSを搭載しており、発火や爆発を防ぎます。
選び方3|自己放電率が低い
災害時にポータブル電源を素早く稼働するには、自己放電率の低さが重要です。自己放電率とは、ポータブル電源に蓄えた電気が時間の経過とともに減少する割合を指します。
EcoFlowのポータブル電源は、自己放電率の低いリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用しているので、災害対策としての長期保存にぴったりです。
選び方4|携帯性に優れている
災害時に使用するポータブル電源は、携帯性に優れている必要があります。災害による停電は3日以上も続く場合があるので、重量のあるポータブル電源では持ち運びが大変です。
また、迅速な避難が求められる地震や津波、火山の噴火などで重量のあるポータブル電源を携帯していると、逃げ遅れるリスクが高まります。
まとめ
本記事では、災害時にポータブル電源がいらないか、について解説してきました。
ポータブル電源は、災害による停電時の電気供給源として欠かせません。携帯性に優れているため、自宅だけでなく、避難所や車内に持ち出して使用できます。
「災害時の停電はすぐに復旧するため、ポータブル電源はいらない」と思われがちですが、災害による停電は約1ヵ月続くケースもあります。ポータブル電源とソーラーパネルを組み合わせれば、避難生活中に充電が切れる心配はありません。
EcoFlowでは、家族の人数や用途に合わせた幅広いポータブル電源を販売しています。災害時に快適な生活を送りたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。