「災害時にポータブル電源はいらない?」「いらないと言われる理由は何?」という疑問を持つ方もいるでしょう。結論、災害時により安全に、より快適に過ごすためにはポータブル電源の用意が不可欠です。
ポータブル電源を用意しておけば、照明で部屋を明るくしたいとき、スマホやラジオを充電したいとき、食材を安全に確保したいときなど、さまざまな場面で電力を供給でき、災害時でも快適な生活を実現します。
本記事では、災害時にポータブル電源が役立つ場面、利用時の注意点、製品の選び方を解説します。ポータブル電源の導入で迷っている方は、本記事の内容を最後までご覧ください。
災害時にポータブル電源はいらない?
災害時により安全に、より快適に過ごすためにはポータブル電源の用意が必要です。特に、企業の防災対策においては、ポータブル電源の準備が欠かせません。
停電のリスクがある災害時では、情報収集、コミュニケーションツール、また基本的な生活に必要な電源が求められます。適切なポータブル電源を選ぶことで、さまざまな場面に対応でき、普段と同じように電気機器を使って快適に過ごせます。
安全性を高めるという観点からも、災害時にはポータブル電源の用意が求められるのです。
ポータブル電源が必要ないと言われる理由
一方で、「ポータブル電源は災害時に必要ない」との意見もあります。そう言われる主な理由は以下の通りです。
- 災害によってはすぐに電力が復旧する
- 情報収集のためのツールは乾電池式ラジオで十分
- ポータブル電源を持て余してしまう
しかし、これらの事情がすべての災害に当てはまるわけではありません。予想外に電力の復旧が遅れたり、連絡や情報収集が長時間にわたって必要になったりする場合もあるでしょう。
災害の種類や規模、状況に応じて対応するためにも、ポータブル電源の用意が求められます。その点を考慮し、ポータブル電源の準備を検討しましょう。
災害時にポータブル電源が役立つ場面
災害時、ポータブル電源はさまざまな場面で活躍します。その主なシーンとして、以下5つの項目に分けてそれぞれ紹介します。
- 照明で部屋を明るくしたいとき
- スマホやラジオを充電したいとき
- 食材を安全に確保したいとき
- 冷暖房器具を使って温度管理をしたいとき
- 簡単な料理を作りたいとき
各場面を順番に見ていきましょう。
場面1.照明で部屋を明るくしたいとき
照明で部屋を明るくしたいとき、ポータブル電源があればすぐに明かりを灯せます。LEDランタンやヘッドライト、充電式の懐中電灯などに電力を供給すれば、長時間の利用でも問題ありません。
停電によって照明が消え、部屋が暗くなってしまうと、怪我をするリスクや精神的に不安になる可能性があります。また、長時間続く場合は日常生活にも支障をきたすでしょう。
その点、ポータブル電源があれば、すぐに電力供給して照明が使えるようになるため、安心して過ごすことができます。ポータブル電源のなかには、照明機能が搭載されている製品も存在します。
場面2.スマホやラジオを充電したいとき
災害時にはリアルタイムで情報を取得するため、スマホやラジオが特に重宝されます。しかし、充電切れによってスマホなどが利用できなくなる場合があります。
そんな状況でもポータブル電源があれば、各デバイスに難なく電力を供給することが可能です。スマホやラジオの充電を行うのはもちろんのこと、仕事用のパソコンを充電して、仕事を継続するなんてことも。
場面3.食材を安全に確保したいとき
停電が起きて冷蔵庫の電源が落ちてしまっても、高出力なポータブル電源があれば問題ありません。冷蔵庫に電力を供給し、冷蔵庫内の食材を安全に確保することができます。
災害時には食料の確保が非常に重要です。冷蔵庫内の食料を安全に保管すれば、食料の供給までに時間がかかったとしても、普段と同じように自宅で食事を楽しめます。
被災から食料供給の期間が長引くことを想定し、高出力・大容量のポータブル電源を用意すると良いでしょう。費用やサイズはかさみますが、さまざまな状況に対応できるようになります。
場面4.冷暖房器具を使って温度管理をしたいとき
災害が発生し、通常の電力供給が不可能になった場合でも、ポータブル電源を使用すれば冷暖房器具を動かして快適な環境を保てます。停電時には、主に以下のような冷暖房器具の利用が求められます。
- 扇風機
- サーキュレーター
- エアコン
- ヒーター
- 電気毛布
これらの電気機器を使用することで、極端な気温から体を守ることが可能です。特に、冬季の寒さや夏季の暑さは健康を害する可能性があります。
このような状況で、温度管理が適切にできれば体調管理にも大いに役立ちます。なお、小型で持ち運び可能なポータブル電源を用意することで、どこでも自由に利用が可能です。
場面5.簡単な料理を作りたいとき
災害時の食事は冷食や保存食が中心となりがちですが、ポータブル電源があれば電子レンジや電気ケトルを使い、簡単な料理をすぐに作れます。あたたかい食事をとることで、心の安定と栄養の確保に期待できるでしょう。
高出力のポータブル電源を持つことで、さまざまな調理器具を使用し、バラエティ豊かな料理を楽しむことも可能です。バランスの良い食事がとれれば、災害時でも健康を保ち、不安を解消することにつながります。
→関連記事:ポータブル電源は防災グッズとして必要なのか?用意すべき5つの理由
災害時に役立つポータブル電源の選び方
ポータブル電源と一言で言っても、その特徴はさまざまです。災害時に役立つポータブル電源もあれば、機能性が低くて役に立たない製品も存在します。本項では、選ぶ際に意識すべきポイントを3つ紹介します。
- バッテリー容量
- 本体のサイズ・重量
- ソーラーパネルとの互換性
災害時に役立つポータブル電源を選ぶことで、より快適な生活を送れるようになります。以下、各ポイントの詳細を見ていきましょう。
ポイント1.バッテリー容量
1つ目のポイントは、バッテリー容量です。バッテリー容量が大きければ大きいほど、家電製品を利用できる時間が長くなります。使用時間が延びれば、その分長期間の停電にも対応できるようになるでしょう。
そもそもポータブル電源のバッテリー容量は「Wh(ワットアワー)」で表します。例えば、消費電力10WのLEDランタンを10時間使用する場合、「10W×10時間=100W」が必要となります。つまり、この場合は100Wh以上のポータブル電源が求められます。
バッテリー容量:小 | 200〜500Wh |
バッテリー容量:中 | 700〜1,500Wh |
バッテリー容量:大 | 2,000〜3,000Wh |
ポータブル電源のバッテリー容量は使用する電気機器に応じて、その容量を選択する必要があります。災害発生時に最低限の電源を確保する目的であれば、使い方にもよりますが、バッテリー容量2,000~3,000Whの製品を用意しておくことをおすすめします。
ポイント2.本体のサイズ・重量
ポータブル電源本体のサイズ・重量は、避難生活や非常時に大きな影響を与えます。サイズと重量が適切で、携帯性が高い製品であれば、避難所に持ち込んで使用することが可能です。
また、サイズが小さく重量が軽いと、自宅で製品を移動させる際にも負担がかかりづらくなります。携帯性を考慮することで、非常時の安心感や利便性が向上するのです。
一方で、サイズ・重量ともに大きな製品は、高出力や多機能である可能性が高いです。そのため、必ずしも本体のサイズ・重量が小さな製品が最適というわけではなく、利用シーンや目的に応じて製品を選ぶ必要があります。
ポイント3.ソーラーパネルとの互換性
ソーラーパネルとの互換性は、ポータブル電源を選ぶ際に重要となる要素です。ソーラーパネルと併用できれば、日中に太陽光を活用して電力を蓄え、長期間にわたって電源を確保することが可能となります。
先程解説したように、ソーラーパネルと併用すればさまざまなメリットに期待できます。環境に優しい発電を行えるのはもちろんのこと、晴天時の安定した電力供給により、幅広い状況に対応できるようになるでしょう。
ポータブル電源の製品によって、ソーラーパネル対応の有無が異なるため、製品を購入する際は必ず確認するようにしましょう。最初からソーラーパネルとの併用を考えている場合は、セット商品の導入を検討してみてください。
災害時におすすめのポータブル電源3選
RIVER 2 Pro(防災推奨品)
RIVER 2 Proは、768Whの大容量を持ちながら、持ち運びしやすいサイズと重量を実現しています。災害時に必要な家電やデバイス(スマートフォン、ノートパソコン、照明など)を長時間稼働させることが可能です。また、リン酸鉄リチウム(LiFePO4)バッテリーを採用しており、約3,000回の充放電が可能で、バッテリー容量を80%以上維持します。そのため、頻繁な災害にも備えられ、安心して長期間利用できます。さらに、約8.25kgと軽量設計であるため、避難所や別の部屋への移動も簡単です。高齢者や子どもでも扱いやすいサイズ感となっています。
DELTA 3 Plus(防災推奨品)
DELTA 3 Plusは、1,024Whの大容量バッテリーを搭載し、災害時にスマートフォン、ノートパソコン、照明、冷蔵庫などの必需品を長時間使用することが可能です。また、エクストラバッテリーを追加することで、最大5kWhまで容量を拡張できます。さらに、EcoFlow独自の「X-Stream充電」技術により、わずか56分でフル充電が完了し、停電後の復旧準備も迅速に行えます。
DELTA Pro 3(防災推奨品)
DELTA Pro 3は、4,096Whの大容量バッテリーを搭載しており、災害時には冷蔵庫、電子レンジ、テレビ、医療機器などの大型家電を長時間稼働させることが可能です。また、エクストラバッテリーを追加することで、最大7,200Whまで容量を拡張できます。家庭用コンセントと同等、またはそれ以上の3,600Wの高出力を提供し、電気ヒーターやエアコンなど、消費電力の高い機器も問題なく使用可能です。さらに、無停電電源装置(UPS)機能を搭載しており、停電時には自動で電源を切り替え、重要な家電や医療機器を保護します。災害時だけでなく、日常の電力補助やアウトドア活動にも幅広く活用できる頼れる一台です。
まとめ
本記事では、災害時にポータブル電源が役立つ場面、製品の選び方、おすすめの災害用バッテリーを解説しました。
災害時により安全に、より快適に過ごすためにはポータブル電源の用意が必要です。特に、企業の防災対策においては、ポータブル電源の準備が欠かせません。
ただし、ポータブル電源と一言で言っても、多種多様な製品が販売されているため、「どの製品を選べば良いかわからない」と迷ってしまう方もいるでしょう。そんな方は、本記事で解説した3つのポイントを踏まえて選択してみてください。