日本では毎年のように記録的な大雨を記録し、河川の増水や土砂崩れ、浸水などの被害が相次いでいます。日頃から大雨の対策を万全にしておかなければ、いざという時に適切な行動が取れません。最悪の場合、命を落とす事態にまで発展する可能性があります。
そこで本記事では、家庭でできる大雨への対策について解説します。大雨で起こりうる被害や、大雨対策で揃えたいアイテムも掲載しているので、大雨による被害を最小限に抑えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
大雨対策が重要な理由とは
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突然の豪雨は、わずか数時間で日常を一変させるほどの破壊力を持ち、命の危険にも直結します。低地や河川の近くに住んでいなかったとしても、道路の冠水や住宅の浸水被害を受ける可能性があり、場所に限らず油断はできません。
大雨対策を万全にしていれば、被害を最小限に抑えられます。万が一、大雨による被害を受けたとしても、事前に準備しておいた防災グッズで健康的な生活を維持できるでしょう。
大雨・台風がもたらす5つの被害
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大雨によって河川や道路の水量が増すと、大きな災害に発展する可能性が高まります。水害を直接受けなかったとしても、生活や健康に大打撃を与えかねません。大雨や台風がもたらす主な被害は、以下のとおりです。
- 被害1|土砂災害
- 被害2|浸水被害
- 被害3|河川の氾濫
- 被害4|感染症の増大
- 被害5|ライフラインが寸断する
それぞれの被害について、詳しく見ていきましょう。
被害1|土砂災害
傾斜が急な山が多い日本では、斜面に雨水が浸透して土砂災害が頻繁に発生します。土砂災害の前兆に気付いたら、ただちに安全な場所へ避難しなければなりません。大雨によって起こりえる土砂災害の種類は、以下のとおりです。
土砂災害の種類 | 特徴 |
がけ崩れ | 地中に染み込んだ雨水によって地表に近い土がゆるみ、突然斜面が崩れ落ちる現象 |
土石流 | 山腹や川底にある石・土砂が、大雨で一気に下流へ押し流される現象 |
地すべり | 斜面の一部か全部が、雨水の重力によって斜面下方に移動する現象 |
被害2|浸水被害
大雨による増水に排水が追いつかなくなったら、住宅や田畑が水に浸かる浸水害が起きます。令和元年に記録的な豪雨を記録した「令和元年東日本台風」では、約3万棟にのぼる浸水害が起きました(※1)。住宅が浸水すると、汚水や泥、砂が家屋内部に流れ込みます。
※1参考:内閣府「令和2年版 防災白書」
被害3|河川の氾濫
大雨によって河川の水かさが増すと、堤防を越えたり堤防が決壊したりして氾濫します。2015年に起きた関東・東北豪雨では、鬼怒川の堤防が決壊し、5,000棟以上の家屋が全半壊しました(※2)。河川が氾濫すると、雨が止んでも浸水が長く続きます。
※2参考:内閣府防災情報「平成27年9月関東・東北豪雨災害の概要」
被害4|感染症の増大
大雨が発生した被災地では、下水の流出や害虫の増加によって感染症が増大します。衛生環境の悪化に加えて感染症の原因となるのは、被災者の怪我や体力消耗です。
怪我を負っていると、傷口から細菌が侵入する確率が高まります。また、避難生活が長引いて心身ともに疲弊していると免疫力が低下し、感染症への抵抗力が弱まってしまうのです。
被害5|ライフラインが寸断する
大雨によって水害を受けなかったとしても、ライフラインの寸断が起きると日常生活に支障をきたします。大雨で寸断するライフラインの種類と被害は、以下のとおりです。
大雨で寸断するライフライン | 被害 |
電気 | ・冷暖房機器が使えず、体温調節が難しくなる・ラジオやスマホに充電できなくなる |
ガス | ・加熱調理ができなくなる・お湯を沸かして温かい湯船に浸かれない |
水道 | ・手や体が洗えない・トイレが流せない |
通信 | ・家族の安否を確認できない・災害情報を収集できない |
物流 | 食料や飲み物を調達できない |
交通 | 被害を受けていない土地に避難できない |
大雨対策として日頃からできること5選
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気象予報で大雨を確認してから対策を始めるのでは、遅すぎる場合があります。日頃から対策を行っておけば、被害を最小限に食い止められるでしょう。大雨対策として日頃からできる対策は、以下のとおりです。
- ハザードマップを確認する
- 気象情報をこまめに確認する
- 側溝・排水口を定期的に掃除する
- 窓に飛散防止フィルムを貼る
- 防災グッズを備蓄する
それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。
ハザードマップを確認する
お住まいの地域における災害リスクを把握するためには、ハザードマップが役立ちます。ハザードマップとは、災害による被害が想定される区域や避難場所を記した地図です。
ハザードマップは、市区町村の自治体で簡単に入手できます。インターネット上から自宅周辺の災害リスクを調べたい方は、ハザードマップポータルサイトを利用してみてください。
気象情報をこまめに確認する
大雨の予報を素早く入手して行動に移すために、気象情報はこまめに確認しましょう。気象庁が公表する大雨に関する情報と取るべき行動は、以下のとおりです(※3)。
大雨に関する情報 | 取るべき行動 |
・大雨特別警報・氾濫発生情報 | 命の危険が迫っているため、直ちに身の安全を確保する |
・土砂災害警戒情報・氾濫危険情報 | ・自治体からの避難指示の発令に留意する・避難指示が発令されていなくても自ら避難の判断をする |
・大雨警報・洪水警報・氾濫警戒情報 | ・自治体からの高齢者等避難の発令に留意する・高齢者等以外の方も普段の行動を見合わせ始める・避難の準備をして、自ら避難の判断をする |
・氾濫注意情報・大雨注意報・洪水注意報 | ハザードマップ等により、災害が想定されている区域や避難先、避難経路を確認する |
※3参考:気象庁「防災気象情報と警戒レベルとの対応について」
側溝・排水口を定期的に掃除する
側溝・排水口に溜まった落ち葉やゴミは、定期的に掃除しましょう。側溝・排水口が詰まっていると、雨水の排水が行えずに浸水するリスクが高まります。
また、側溝・排水口の掃除を疎かにしていると、雑菌が繁殖して悪臭の原因にもなります。万が一、大雨で流れてきた汚染水に触れてしまうと、感染症のリスクも高まるでしょう。
窓に飛散防止フィルムを貼る
雨と共に強風が吹いている場合に備えて、窓に飛散防止フィルムを貼っておくと安心です。飛散防止フィルムとは、ガラスが割れた際に破片が飛び散るのを防ぐためのアイテムを指します。万が一、窓ガラスが割れて穴が空いてしまうと、雨が室内に侵入してきます。
防災グッズを備蓄する
大雨によって避難生活を余儀なくされた場合に備えて、防災グッズを備蓄しておきましょう。大雨で物流が停止すると、必要な物資がすぐには手に入りません。
大雨対策として自宅に揃えておきたい防災グッズは、以下のとおりです。
- 飲料水
- 食料
- ポータブル電源
- カセットコンロ
- トイレットペーパー
- 携帯トイレ
- 防災ラジオ
- 土のう、水のう
- 衛生用品
- 救急セット
直前に慌てて買いに走ることがないよう、日頃から少しずつ備蓄しておきましょう。
大雨直前!家庭で行うべき対策3選
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気象庁から大雨の予報が発令されたら、雨が降ってくる前に以下の対策を講じましょう。雨風が強くなってからでは外の作業が難しくなるため、迅速な対応が欠かせません。
- ベランダの物を室内に収納する
- 窓・雨戸をしっかり閉める
- 浴槽に水を張る
それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。
ベランダの物を室内に収納する
ベランダに置きっぱなしにしている物がある場合は、室内に収納してください。雨と共に強風が吹くと、ベランダに置いていたものが飛来して窓ガラスを割る恐れがあります。
自宅の窓ガラスだけでなく、近隣住宅の窓ガラスや通行人に当たって大事故にもつながりかねません。物干し竿や鉢植え、椅子など、目につくものは全て片づけましょう。
窓・雨戸をしっかり閉める
大雨の接近に備えて、窓・雨戸はしっかり閉めてください。隙間が空いていると雨水が入り込み、室内は浸水する恐れがあります。また、飛来物から窓ガラスを守るためにも、雨戸の役割は重要です。飛来物が雨戸に当たっても、衝撃を和らげてくれます。
浴槽に水を張る
大雨が接近する直前に浴槽に水を張っておけば、生活用水として役立ちます。大雨によって近隣の水道管が破裂すると、自宅の水は使えません。浴槽に生活用水を確保しておけば、水道が復旧するまでの期間、体や食器を洗ったりトイレを流したりするのに便利です。
大雨対策に欠かせないグッズ3選
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大雨による被害を最小限に抑えるためには、以下のグッズも欠かせません。大雨対策に役立つグッズは、大雨警報が発令されてからでは入手できない恐れがあります。
- 土のう
- 止水板
- ポータブル電源
それぞれのグッズについて、詳しく見ていきましょう。
土のう
土のうとは、土や砂が入った袋で、住宅の入口に設置すれば水の侵入を防げます。土のうは水に濡れると固まる性質を利用して、頑丈な堤防の代わりになるアイテムです。
自治体によっては土のうを無料で配布している場合があるので、自治体のホームページを確認してみてください。ただし、雨の中で土のうを受け取りに行くと、自宅に運ぶまでに濡れて重量が増してしまう恐れがあるので、注意してください。
止水板
建物の中に水が流れ込むのを防ぐアイテムが、止水板です。建物の開口部と密着させて浸水対策を万全にするには、止水板の設置工事が必要になります。
ただし、土のうや水のうよりも軽量なので、一度設置工事をしてしまえば再度設置しやすく、収納や保管もしやすい点が魅力です。
ポータブル電源
大雨による停電対策には、ポータブル電源が大活躍します。ポータブル電源とは、内部のバッテリーに大量の電気を蓄電し、停電時も電化製品に給電できる機器のことです。
大雨による停電は、3日〜1週間以上も続きます。コンセント以外の電気供給源がなければ、外気の影響を直接受け、温かい食事も摂りづらくなります。大雨による停電時にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
- エアコンや電気ストーブ、扇風機を使い、快適な気温で過ごせる
- 電子レンジや電気ケトルで、簡単に温かい料理が作れる
- 冷蔵庫に給電し、食品の腐敗を防げる
- LEDランタンを点灯させて、夜の安全を確保できる
- 災害情報を調べるための防災ラジオを稼働できる
- 家族との連絡手段になるスマホを、常にフル充電にしておける
ソーラーパネルと併用できれば、停電中に充電が切れる心配もありません。
大雨対策で役立つおすすめのポータブル電源
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大雨対策として揃えるポータブル電源は、充電速度の速いタイプを選びましょう。大雨警報が発令されてから充電を始めたとして、大雨が直撃するまでに満充電にならなければ意味がありません。コンセント経由で1時間以内に充電できるタイプがおすすめです。
EcoFlowは、わずか56分で満充電できるポータブル電源「DELTA 3」を販売しています。「DELTA 3」の主な特徴は、以下のとおりです。
- ソーラーパネルから約2.2時間で満充電できる
- 最大2,000Wの電化製品に電力を供給できる
- LFPバッテリーを搭載し、10年以上も災害対策として活躍する
- BMS管理システムにより、バッテリー異常を防ぐ
- 600W以下の動作で、稼働音を30dbに抑えられる
- 重量12.5kgの軽量コンパクト設計により、自由に持ち運べる
- UPS機能を搭載し、停電時は10ms以内に電気供給源が切り替わる
- エクストラバッテリーを追加すると、容量1,024Whを5kWhまで拡張できる
Storm Gurard機能を搭載し、大雨警報が発令されると自動でポータブル電源への充電が優先されます。大雨による停電対策を万全にしたい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。
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大雨対策に関するよくある質問
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最後に、大雨対策に関するよくある質問を紹介します。
- 子供やペットがいる家庭の大雨対策は?
- 大雨でトイレが逆流する原因と対策は?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
子供やペットがいる家庭の大雨対策は?
子供やペットがいる家庭では、通常の対策に加えて以下の対策が必要です。
- 【子供】防災訓練に参加する
- 【子供】災害時の連絡手段を確認する
- 【子供】非常用持ち出し袋にお気に入りのおもちゃや着替えを入れる
- 【ペット】最低3日分のペットフードや水を確保する
- 【ペット】ケージや首輪、リードを防災リュックに入れる
- 【ペット】ペット同伴可の避難所を調べておく
- 【共通】子供・ペット向けの常備薬を準備しておく
大雨でトイレが逆流する原因と対策は?
大雨によって大量の雨水が排水管に流れ込むと、排水が追いつかずにトイレの水が逆流してきます。トイレの水が逆流する合図は、ボコボコという音です。トイレの水が逆流して床が水浸しになると、悪臭や感染症の原因になります。
大雨によるトイレの逆流を防ぐための対策として、多くの水を一気に流さないようにしましょう。水の流れが悪そうに感じる場合は、洗濯や入浴を控えて下さい。
まとめ
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本記事では、家庭でできる大雨対策について解説してきました。
大雨によって大量の雨水が押し寄せると、河川の氾濫や浸水、土砂災害などに見舞われます。水害を直接受けなかったとしても、感染症の増大やライフラインの寸断など、健康や生活に大きな支障をきたす恐れがあります。
大雨対策として、まずはハザードマップで危険な場所と避難場所を確認しましょう。気象庁が発令する警報をこまめに確認していれば、迅速に対応できます。大雨が直撃すると物流も止まる可能性があるので、飲料水や食料、ポータブル電源などの備蓄を徹底してください。
EcoFlowでは、大雨が来る前の56分で満充電できるポータブル電源を販売しています。大雨による停電時も電気供給を継続したい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。