モバイルバッテリーは便利なアイテムですが、車内に放置すると重大な事故につながる危険性があります。
車の中なら大丈夫だろうと安易に考えがちですが、実は非常にリスクの高い行為です。
特に、夏場の車内温度は想像以上に高くなるため、モバイルバッテリーの発火や爆発を引き起こす可能性があります。
この記事では、モバイルバッテリーを車に放置する危険性、その他放置してはいけない機器、車内で使用する際のポイント8選をわかりやすく解説します。
モバイルバッテリーを車に放置する危険性について知りたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
モバイルバッテリーを車に放置する危険性
モバイルバッテリーを車内に放置する行為は、想像以上に危険です。
特に夏場の車内は想像以上に高温になるため、バッテリーの最高許容周囲温度を大きく超えてしまいます。この状況下になると、発火や爆発を起こす危険性が格段に高まります。
JAFが実施した、真夏の車内温度のテスト結果は以下の通りです。
測定箇所 | 対策なし | サンシェード | エアコン作動 | 窓全開 |
車内平均 | 51℃ | 47℃ | 26℃ | 45℃ |
ダッシュボード | 79℃ | 52℃ | 31℃ | 75℃ |
データからわかるように、真夏の車内温度は窓を開けていても最高45℃に達し、ダッシュボードに至っては平均75℃という驚異的な高温になってしまいます。
これらの温度は、ほとんどのモバイルバッテリーの最高許容周囲温度を超えています。真夏の車内でモバイルバッテリーを使用すると、劣化を促進させるだけでなく、高温による膨張や異常発熱、出火の可能性が高まるため注意が必要です。
安全性を第一に考え、モバイルバッテリーの車内放置は絶対にやめましょう。
車内放置で危険なのはモバイルバッテリーだけじゃない!
車内放置が危険なのは、モバイルバッテリーだけではありません。
高温の環境下では、リチウムイオン電池を使用する製品全般が危険です。車内放置が危険なリチウムイオン電池を搭載した代表的な製品は、以下の通りです。
- スマートフォン
- タブレット
- ノートパソコン
- デジタルカメラ
- ポータブルゲーム機
- ワイヤレスイヤホン
- 電動歯ブラシ
- 電子タバコ
これらの製品も、モバイルバッテリーと同様に車内放置を避けるべきです。特に、直射日光の当たる場所や密閉された車内は避けましょう。
使用後は必ず車外に持ち出し、涼しい場所で保管してください。
リチウムイオン電池は高温に弱く、膨張や発火のリスクがあります。車内の高温環境は、これらの製品にとって過酷な条件です。安全性を確保するためにも、リチウムイオン電池搭載製品の車内放置は絶対に避けましょう。
リチウムイオン電池の仕組みや安全性について知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
→リチウムイオン電池とは?電池の種類や仕組み、寿命、安全性を解説
車内でモバイルバッテリーを使用する際のポイント8選
モバイルバッテリーを車内で安全に使用するためには、いくつかの重要なポイントがあります。
ここでは、車内でモバイルバッテリーを使用する際のポイント8選を詳しく解説します。
直射日光の当たる場所を避ける
モバイルバッテリーを車内で使用する際は、直射日光を避けましょう。
ダッシュボードの上や窓際など、日光が直接当たる場所には絶対に設置しないでください。
これらの場所は車内でもっとも温度が上昇しやすく、バッテリーにとって非常に危険です。 代わりに、シート下やコンソール周辺など、日光が直接当たらない場所での使用をおすすめします。
日陰になる場所は温度が比較的低く保たれるため、バッテリーの安全性を高められます。グローブボックス内も直射日光を避けられるでしょう。
ただし、車内全体の温度が上昇している場合は、日陰になる場所でも十分な注意が必要です。可能であれば、次で紹介するサンシェードの使用や換気と組み合わせると、安全な環境を作り出せます。
サンシェードを装着する
サンシェードの装着は、車内の温度上昇を抑えるうえで効果的です。
直射日光を遮ると車内全体の温度上昇が緩和されるため、モバイルバッテリーにとって安全な環境を作り出せます。
JAFのテスト結果を見ると、以下のポイントを参考にできます。
- サンシェード装着で車内の平均温度を4℃ほど下げられた
- ダッシュボード付近では、何の対策もしないと温度が79℃まで上昇
- サンシェードを装着すると、ダッシュボード付近の温度が52℃まで抑えられた
この27℃もの温度差は、モバイルバッテリーの安全性に大きな影響を与えます。
サンシェードは比較的安価で、取り付けが簡単です。車種に合わせたものを選べば、効果的に日光を遮られるでしょう。
また、フロントガラスだけでなく、サイドや後部の窓にも装着すると、さらなる効果が期待できます。
窓を開けて換気する
車内の温度が高い場合は、窓を開けて換気しましょう。
特に、春や秋など、エアコンを使用しない季節には欠かせません。窓を開けると外気を取り込めるほか、車内の熱気を逃がせます。
JAFのテストでは、窓を全開にすると車内の平均温度を45℃まで下げられることが示されています。何の対策もしない場合と比べると、6℃の温度低下につながったようです。
ただし、真夏の炎天下では、窓を開けても十分な効果が得られない場合があります。そのような状況では、エアコンの使用を検討しましょう。
エアコンの風が当たる場所で使用する
車内でモバイルバッテリーを使用する際は、エアコンの風が直接当たる場所での使用が効果的です。
高温の環境下では、バッテリー本体の温度が通常使用時よりも上昇しやすくなりますが、エアコンの冷風を活用すれば、温度上昇をかんたんに抑制できます。
例えば、エアコンの吹き出し口の近くにモバイルバッテリーを置けば、もっとも効果的に冷却できます。
ただし、エアコンの風が直接当たる場所での使用には注意が必要です。急激な温度変化による結露の発生や、冷やしすぎによるバッテリー性能の一時低下などが起こる可能性があります。
また、JAFのテスト結果によると、エアコン作動時と対策なしの場合では、車内平均温度に25℃もの差が生じています。この大きな温度差は、モバイルバッテリーの安全性と性能維持に大きく貢献するといってよいでしょう。
クーラーボックスや断熱ケースを使う
クーラーボックスや断熱ケースの使用は、モバイルバッテリーの温度管理に効果的です。
特に長時間の駐車や真夏の炎天下など、厳しい条件下での使用に最適です。 クーラーボックスや断熱ケースの内部は、外気温の急激な変化の影響を受けにくく、モバイルバッテリーの温度上昇を防げます。
また、直射日光や車内の熱気からも保護してくれるため、安全な環境での使用を実現できるでしょう。
ただし、使用する際は密閉された空間内での温度差により、結露が発生する可能性があります。定期的に換気を行ったり、吸湿剤を一緒に入れたりするなどの対策が必要です。
さらに、クーラーボックスや断熱ケース自体も、直射日光を避ける必要があります。できるだけ涼しい場所に設置し、温度をコントロールするようにしましょう。
車から降りる場合は必ず持ち出す
車でモバイルバッテリーを使用する際は、車から降りる際に必ず持ち出す習慣を身に着けましょう。
たとえ短時間の駐車であっても、持ち出しを徹底すれば安全性を確保できます。
モバイルバッテリーを車内に放置し、エアコンを停止、窓を閉め切った状態にすると、急激な温度上昇によって発火のリスクが高まります。特に夏場は数分で危険なレベルまで上昇する可能性があるため、注意が必要です。
そのため、持ち運びを前提とする場合はコンパクトな製品を選びましょう。小型で軽量タイプのものを利用すれば、負担が少なくなります。
また、バッグやポケットに入れやすいサイズのものを選べば、日常的な持ち運びもスムーズになるでしょう。
安全装置搭載のモバイルバッテリーを選ぶ
車内でモバイルバッテリーを使用する際は、安全装置が搭載された製品を選びましょう。
該当する製品は異常発熱や発火が起きにくい設計となっているため、安全に使用できます。
主な安全装置は、以下の通りです。
- 過充電保護
- 過放電保護
- 過電流保護
- 短絡保護
これらの機能はバッテリーの異常な動作を防ぎ、事故のリスクを大幅に低減してくれます。また、温度センサーを搭載し、一定以上の温度になると自動的に電源をオフにする機能を持つ製品もあるため、安心して使用できるでしょう。
製品を選ぶ際は安全機能の有無を確認し、信頼できるメーカーの製品を選ぶべきです。価格が多少高くなっても、安全性を優先する意識を持ちましょう。
また、PSEマークなどの安全規格に適合している製品を選ぶのも、安全性を確保するうえで重要なポイントです。
発熱を感じたら使用を中止する
モバイルバッテリーを車内で使用する際は、本体の温度に気を配りましょう。
通常以上の発熱を感じたら、直ちに使用を中止してください。
車内が高温になっている場合は、バッテリーの温度が急激に上昇する可能性があります。過度の熱があるにもかかわらず、そのまま使用を続けると、バッテリーの膨張や発火や爆発のリスクが高まるため注意が必要です。
異常な発熱を感じたら安全確保のため、すべての接続ケーブルを外し、モバイルバッテリーの電源をオフにしてください。その後、涼しい場所に移動させ、自然に冷めるまで待ちます。
ただし、急激な冷却は避けましょう。十分に温度が下がったことを確認してから再度使用するのが望ましいです。
モバイルバッテリーを継続して使用したい場合は、本体が完全に冷えたうえで、異常がないかを慎重に確認してください。安全を第一に考え、少しでも疑問を感じたら使用を控える姿勢が大切です。
車内で充電したい場合はシガーソケットからの給電が望ましい
モバイルバッテリーを使用して、車内でスマートフォンなどのデバイスを充電する場合は、高い温度の環境下で使用されるケースが多いため、シガーソケットからの給電が望ましいです。
例えば、USBタイプのカーチャージャーをシガーソケット部分に接続し、ケーブルを繋げれば、スマートフォンの充電が可能です。
シガーソケットで充電するメリットは、車両のバッテリーから直接電力を供給するため、モバイルバッテリーの使用を避けられます。また、シガーソケットは通常ダッシュボードの下部や中央コンソールにあるため、直射日光を避けながらの充電が可能です。
近年の車種ではシガーソケットが廃止され、代わりにUSBポートが標準装備されているケースも増えています。これらのUSBポートを利用すれば、専用のカーチャージャーなしでも、ケーブルを直接接続するだけで簡単に電源を確保できます。
車内での充電時はできるだけこれらの車載電源を活用し、モバイルバッテリーの使用は最小限に抑えましょう。
温度センサーが搭載されたEcoFlow RAPID Magnetic Power Bankは安全性に優れたモバイルバッテリー
EcoFlow RAPID Magnetic Power Bankは、安全性と機能性を両立した優れたモバイルバッテリーです。
最大30Wの急速充電に対応し、MagSafe対応のiPhoneに簡単に装着できる磁気設計を採用しています。
特筆すべき点は、内蔵されたディスプレイです。バッテリー残量を一目で確認できるため、予期せぬ電池切れを防げます。また、PSE認証を取得しており、過充電や過熱を防止する安全設計が施されている点も魅力です。
さらに、USB-Cケーブルが内蔵されているため、追加のケーブルを持ち歩く必要がありません。いつでもどこでも、急な充電に対応できます。
ワイヤレス充電機能と合わせれば、最大2台のデバイスの同時充電が可能です。
EcoFlow RAPID Magnetic Power Bankは、車内使用においても安全性の高いモバイルバッテリーです。詳しい製品情報については、以下のページをご覧ください。
まとめ
この記事では、モバイルバッテリーを車に放置する危険性、その他放置してはいけない機器、車内で使用する際のポイント8選を解説しました。
モバイルバッテリーの車内使用には、細心の注意が必要です。直射日光を避け、エアコンの風が当たる場所での使用やクーラーボックスの活用など、さまざまな対策を講じる必要があります。
異常な発熱を感じた場合は直ちに使用を中止し、安全を最優先に考えましょう。
車内での充電には、可能な限りシガーソケットやUSBポートなどの車載電源の利用をおすすめします。また、EcoFlow RAPID Magnetic Power Bankのような安全性の高い製品を選ぶことも、リスク軽減につながるでしょう。
加えて、車から降りる際は必ずモバイルバッテリーを持ち出す習慣を身につけるべきです。短時間の駐車でも車内温度は急激に上昇するため、事故防止には欠かせません。
安全な使用を心がけ、モバイルバッテリーの利便性を最大限に活用しましょう。