Image 1
Image 2

火山災害とは?火山噴火への対策

01 8

日本は全国に111もの活火山がある世界でも有数の火山国です。いつ火山が噴火してもおかしくない、といえるでしょう。そのため、日本に住む多くの人が火山の噴火が要因となる火山災害のことをよく知り、しっかり対策を取っておく必要があります。そこで今回は、火山災害とはどのようなものか、どのように対策すればよいのか、ということについて詳しく解説します。

火山災害ってどのようなもの?

日本では過去に2014年の御嶽山大噴火、2000年の三宅島噴火、1991年の雲仙岳大噴火、1914年の大正大噴火などが発生しました。とりわけ2014年に長野県と岐阜県にまたがる御嶽山で発生した噴火では山頂付近で水蒸気爆発が起こり、噴石が周辺に飛散、火砕流が発生しました。最終的には死者57人となる戦後最悪の火山災害となったのです。このとき、監視・観測体制や情報の伝達、避難方策、災害教育などで様々な課題があることが浮き彫りになりました。また、日本最大の活火山は富士山です。富士山は過去に何度も噴火していることが分かっています。しかし、約300年ほど平穏を保っていることから、今後いつ噴火してもおかしくないといわれています。

このように、日本国内でたびたび起こっている火山災害とは具体的にどのようなものでしょうか。火山災害は火山現象による災害のことです。火山災害の主なものとして、噴石や火山灰のほか、火砕流、土石流、溶岩流などがあります。噴石とは、以前火山が噴火した際、火口付近に堆積した岩の塊のことです。噴火の際にはこの噴石が水蒸気やマグマと一緒に上空へ吹き飛ばされます。噴石の中には砲弾のような形状で地上に落下することもあり、そのような噴石を火山弾と呼びます。火山弾は車や家の窓ガラスを割ることもあるので注意が必要です。また、直径2mm以下の噴出物の場合、火山灰と呼びます。火山灰は交通機関やライフライン、農作物に甚大な被害をもたらすほか、健康被害の恐れもあります。

一方、噴火口から溶岩が流れ出ることを溶岩流と呼びます。この溶岩と一緒に軽石や火山灰が山の斜面を流れ下る現象が火砕流です。火砕流は400~1000℃近い温度で時速約100kmの速さで山の斜面を流れ下ります。さらに、噴火口から噴き出した灰や岩の塊、噴火の際に倒された樹木などが大雨によって山のふもとに流れ落ちる現象を土石流と呼びます。土石流は時速数20~40kmの速さで進むといわれています。土石流は火山活動が収まっている場合にも大雨などによって発生することがあるので要注意です。

そのほか、噴火によって発生して衝撃波が原因で窓ガラスが割れる空振という現象も発生します。空振の衝撃圧は爆発エネルギー量と火口からの距離によって決まります。最悪の場合、家屋や樹木を根こそぎ倒すほどの力にもなるので油断はなりません。

噴火はどのようにして起こるの?

02 8

火山の地下には火山ガスが溶け込んだマグマがあります。マグマは地球表面を覆っているプレートが大陸の下に沈み込む際、地球内部にあるマントルという部分が溶けることでできるといわれています。マグマは周辺の岩石よりも比重が軽い高温の液体です。しかし、このマグマは地面のずっと奥深くにとどまっており、本来であれば地表に噴き出してくることはありません。なぜなら、マグマには地表から強い圧力がかかっており、一定の場所で周辺の岩石と密度がほぼ同じになるからです。そうして地面の奥でマグマがたまっている場所をマグマだまりと呼びます。

ところが、地震など何らかの原因でマグマだまりが地表に近づいてくると、地表からマグマにかかっている圧力が弱まってしまいます。圧力が弱まると、マグマの中に元々溶け込んでいた火山ガスが泡状になるのです。そうして火山ガスが泡になるとマグマの体積が増え、相対的にマグマの方が周辺の岩石よりも比重が軽くなります。するとマグマが一気に火道を上昇し、噴火するというわけです。炭酸ジュースの入ったペットボトルを振ってからふたを開けると、泡状になった中身が一気にあふれ出てくるのと同じ仕組みです。

火山噴火にはどのように対策するべき?

03 8

日本政府は火山災害に対して4つの対策を行っています。まずは警戒避難対策です。主なものとしては、避難用の道路を整備したり、上空から降下する噴石から避難するための退避壕を設置したりしています。海上ルートで避難するための港湾整備も重要な火山災害対策です。そのほか、火山周辺にある公民館や学校といった避難施設の不燃堅牢化を行っています。

火山の噴火は多量の降灰をもたらします。そうした災害のあった地域では道路や排水路、公園、宅地などで降灰除去作業をしなければなりません。活火山法に基づいて指定された降灰防除地域内の教育施設や社会福祉施設では、防塵用の窓枠や空気調和設備などが国の補助事業として整備されています。

火山の噴火による被害は噴石や溶岩だけではありません。噴火の後に大雨が降ると、泥流や土石流につながる恐れがあります。日本政府はそうした対策として、砂防ダムや流路工、土石流を安全に硫化させるための導流堤を設置しています。土石流の発生を予想することも大切です。政府は上流に土石流センサーを設置することで土石流の発生を早期に検知し、道路通行の禁止などの処置をとる、といった対策も行っています。

一方、個人でできる火山災害対策にはどのようなものがあるでしょうか。重要なことは、安全に行動することと、避難場所や被害情報を正確に知ることです。そのためには、万が一の場合にあらかじめ備えておかなければなりません。

個人でできることとしてまず挙げられるのは、非常用品の準備です。ヘルメットやマスク、手袋、懐中電灯、ラジオといった防災用品をリュックなどに入れ、避難の際にすぐ取り出せるようにしておきましょう。非常食や飲み水は賞味期限があるので、定期的に確認し、古くなっていたら新しいものに取り換えることが大切です。非常用飲食料は3日分程度あるとよいでしょう。

現在地から最も近い避難場所はどこなのか、どのようなルートでそこに行けばよいのかを確認しておきましょう。普段から家族や近所の人たちと避難方法について話し合っておくと安心です。その際、自治体が指定する「避難場所」と「避難所」は別だ、ということによく注意しておきましょう。避難場所は災害の際に一時的に非難し、身の安全を確保する場所です。広域避難場所と一時避難場所があります。一方、避難所は災害によって住宅が崩壊したり住むのに危険な状態になったりした際に生活するための場所です。また、避難場所は災害の種類によっても異なる場合があります。あらかじめ確認しておきましょう。

災害が発生した際には正確な情報に基づいて避難行動をとることが重要です。噂や流言に惑わされず、災害の発生した地方自治体や気象庁、日本気象協会のホームページなどで情報をチェックしましょう。避難の呼びかけがあった場合には、速やかに行動することが大切です。災害発生時にはスマホや携帯電話の回線が混雑することが予想されます。避難後に家族や友人の安全を知りたいときにはNTTの災害用伝言ダイヤルやweb171を利用しましょう。

火山から遠く離れた場所に住んでいる人でも油断は禁物です。たとえば、いつ噴火してもおかしくないといわれている富士山の場合、噴火すると東京都心でも2cm以上灰が積もる可能性があるといわれています。灰が2cm積もると交通機関やインフラ、農作物に深刻な影響が出るだけでなく、一般人でも目・鼻・のどなどで健康被害が出るとされています。

火山のことをよく知ってしっかり対策をとっておこう!

04 8

火山災害は噴火によって引き起こされる災害です。火山弾や火山灰のように空から石や灰が降ってくることもあれば、火砕流や土石流のように山の上流から溶岩や土砂が流れてくることもあります。日本国内には各地に噴火する可能性のある活火山があります。火山災害から身を守るために、あらかじめ入念な避難準備をしておきましょう。

関連記事:
https://jp.ecoflow.com/blogs/ecoflow-blogs/bousai-taisaku-natural-disaster
https://jp.ecoflow.com/blogs/ecoflow-blogs/summer-power-outage

Image 1
Image 2

コメントを書く

コメントを入力してください
お名前を入力してください