「愛猫のための防災グッズは準備すべき?」という疑問を持っている方もいるでしょう。結論として、人間と同じように愛猫のための防災グッズも用意すべきだと言えます。
その理由は、愛猫の体調管理を行うため、脱走させず同行避難を行うためなど多岐にわたります。また、防災グッズを用意するだけでは不十分であり、避難所ではトラブルを招かないための注意が必要です。
そこで今回は、愛猫のための防災グッズが必要な理由、具体的に用意すべきアイテム、災害時の注意点を解説します。
愛猫のための防災グッズは必要?
防災グッズが必要となるのは、私たち人間だけではありません。災害への備えが必要なのは、動物である猫も同様です。
環境省の「ペットの災害対策」では、「災害が起こったときに最初に行うことは、もちろん飼い主自身や家族の安全確保ですが、ペットの安全確保についても、普段から考え備えておく必要があります」と明記されています。
【愛猫のための防災グッズを準備する理由】
- 愛猫の体調管理を行うため
- 脱走させず同行避難を行うため
- 怪我の手当を適切にするため
- 避難所に猫用の備品がない場合があるため
- 周囲とのトラブルを避けるため
また、ペットと一緒に避難できるよう、日頃からキャリーバックやケージに入ることに慣れさせておく必要があるとも言われています。災害が起こった際に、安全に避難するには日頃から備えを万全にしておくことが大切です。
災害時に必要な愛猫用の防災グッズ
本項では、災害時に必要となる愛猫用の防災グッズを以下3つの項目に分けて紹介します。
- 命に関わる防災グッズ
- 快適に暮らすための防災グッズ
- 飼い主と愛猫の情報が分かる防災グッズ
小さな動物である猫は、ストレスからくる体調不良に敏感です。以下の防災グッズを活用することで、愛猫のストレスを軽減し、災害時でも安全に過ごすことが可能です。
命に関わる防災グッズ
ここでは、愛猫の生命を直接守るための防災グッズを8つ紹介します。
グッズ1.飲料水
人間も猫も、生命を維持するためには水分が必要です。災害用の飲料水は、最低でも5日分を用意することが推奨されます。
猫が1日に必要とする水分量は体重1kgあたり約50〜60mlとされているため、5日分の場合、単純計算で5倍の水分量が必要です。例えば、体重3kgの猫の場合、最低でも750ml程度の飲料水の用意が求められます。
グッズ2.キャットフード
キャットフードについても、飲料水と同じく最低5日分の用意が必要です。支援物資として提供される可能性がある飲料水とは異なり、キャットフードは手に入りにくいため、できれば7日分以上を用意しておきましょう。
そして、災害時のストレス状態でも猫が食事をとれるよう、普段から食べ慣れているものを用意することをおすすめします。
グッズ3.食器類
非常時の食器については、特に猫専用のものである必要はありません。以下のようなものでも、代用品として使用することができます。
- キャンプ用のシェラカップ
- キッチンラップ
- 紙皿
食器はどうしても防災バッグのスペースを取ってしまいます。そのため、折りたたみ式でコンパクトな食器の用意を推奨します。
グッズ4.常備薬
防災グッズとして常備薬を必ず用意しておきましょう。なぜなら、災害が発生すると動物病院が閉鎖され、薬が手に入りにくくなる可能性があるためです。
また、猫はストレスによって、健康であっても下痢を起こすことがあります。持病のある猫はもちろん、普段健康な猫でも常備薬を用意しておくことが重要です。
グッズ5.トイレ用品
通常のトイレ容器を持ち運ぶのは難しいため、以下のような簡易トイレを用意しておきましょう。
- 折りたたみ式のポータブルトイレ
- 段ボールとビニール袋とトイレ
- 段ボールとペットシート
猫砂は軽いタイプのものが推奨されます。いきなり新しい砂に変えると、猫は落ち着いて用を足せない可能性があるため、防災用の砂に予め慣れさせておきましょう。
グッズ6.ケージ・キャリーバッグ
猫を安全に避難させるには、ケージやキャリーバッグが必須です。またこれらのアイテムは、避難時だけでなく避難所でも活躍します。
丈夫なだけでなく、軽くて持ち運びやすいタイプが推奨されます。災害時にスムーズに避難できるよう、日頃から入る練習をしておくと良いでしょう。
グッズ7.リード・ハーネス
リードやハーネスは、愛猫が避難所で迷子にならないようにするための必須アイテムです。突然リードやハーネスを装着すると猫は不機嫌になることがあるので、普段から装着するトレーニングをしておきましょう。
グッズ8.ネット
洗濯ネットや専用のネットを用意しましょう。このネットは、主に以下のようなシーンで活躍します。
- 怪我などで安静にしたいとき
- ケージやキャリーバッグに入ってほしいとき
- パニックで暴れているとき
一般的に、猫はネットに入ると落ち着くと言われています。猫の性格にもよりますが、用意しておくと何かと役に立ちます。
快適に暮らすための防災グッズ
続いて、愛猫が快適に過ごすための防災グッズを紹介します。以下7つのアイテムを順番に見ていきましょう。
グッズ1.ブラシ
普段から使用しているブラシと同じものを用意しましょう。猫はストレスが体調に直接影響を及ぼす生き物です。普段使っているブラシでたくさん撫でてあげることで、ストレス緩和効果に期待でき、快適に過ごしやすくなると言われています。
グッズ2.消臭スプレー
避難所の人に迷惑をかけないよう、消臭スプレーの用意も重要です。消臭スプレーを選ぶ際は、以下の基準を考慮しましょう。
- 無香料で余計な匂いが出ないもの
- 舐めても安全な成分が使われているもの
- すぐに匂いがなくなる即効性が高いもの
避難所での使用が想定される場合は特に、消臭剤やお掃除シートではなく、スプレータイプのものを用意しましょう。
グッズ3.おもちゃ
おもちゃを用意することで、愛猫のストレス発散に役立ちます。避難所では、ケージのなかで過ごす時間が普段よりも長くなるため、愛猫のストレス緩和対策が必要です。お気に入りのおもちゃを使って、適度に遊んであげましょう。
グッズ4.匂い付きタオル
防災グッズの1つとして、匂い付きタオルを準備することをおすすめします。なぜなら、猫は自分の匂いが付いたものがあると安心する傾向にあるためです。
避難所では普段と異なる環境で長時間過ごすことから、猫は不安を感じやすくなります。そこで匂い付きのタオルを用意し、落ち着いた空間を作ってあげることで、その不安を和らげることができます。
グッズ5.おやつ
愛猫がリラックスできるよう、お気に入りのおやつを用意してあげましょう。普段食べているおやつをあげることで、ストレス緩和効果が見込めます。しかし、あげすぎると体調を崩しやすくなるため、あげる量には注意が必要です。
グッズ6.新聞紙
新聞紙は防災グッズとして幅広く活躍するアイテムです。具体的に、以下のような利用用途があります。
- 段ボールと組み合わせて簡易トイレにする
- 丸めておもちゃとして活用する
- 床に敷いて寒さ対策として活用する
人間の防災グッズとしても使用できるため、多めに用意しておくことをおすすめします。
グッズ7.スコップ
猫砂の処理にはビニール袋を使っている方も多いかもしれませんが、災害時にはビニール袋などの衛生用品が貴重になるので、繰り返し使えるスコップの用意が推奨されます。折りたたみ式のスコップを用意しておくと便利です。
飼い主と愛猫の情報が分かる防災グッズ
次に、飼い主と愛猫の情報が一目で分かる防災グッズを3つ紹介します。愛猫とはぐれないためにも、以下のアイテムを用意しておきましょう。
グッズ1.猫の写真と情報
被災中には愛猫が脱走したり、はぐれたりする可能性があります。そんなときのために、愛猫の特徴がはっきりとわかる写真を用意しておきましょう。
また、愛猫の写真や情報とともに、飼い主が一緒に写っている写真も用意しておくと役立ちます。万が一迷子になった際には、その写真のコピーを配布しましょう。
グッズ2.ワクチン接種証明書
飼い主が避難所生活をしている間、ボランティア団体や動物病院が猫を預かってくれることがあります。その際、ほかのペットと一緒に生活する場合があり、ワクチン接種証明書の提出を求められるケースがあります。
グッズ3.迷子札
マイクロチップを入れていない場合でも、飼い主の連絡先などを記入した迷子札を付けておくことで、はぐれた愛猫が帰ってくる可能性が高くなります。暗闇でも見やすい蓄光タイプの迷子札がおすすめです。
災害時に愛猫と過ごす際の注意点
災害時に愛猫と一緒に過ごす場合、考慮すべき注意点が複数存在します。以下のポイントを理解しておけば、予期せぬトラブルを防ぎやすくなります。
- 愛猫の体調を常に気にする
- 脱走しないよう意識を向ける
- トイレの処理を徹底する
各ポイントを1つずつ解説していきます。
注意点1.愛猫の体調を常に気にする
避難所での生活では、愛猫の体調に注視することが求められます。慣れない環境での生活により、体調不良を引き起こしやすいためです。以下のようなサインが出たら注意が必要です。
【ストレスのサインの一例】
- 食欲がない
- 水をあまり飲まない
- 鳴き続ける
- 攻撃的になる
- 威嚇のような声を出す
愛猫の体調変化に一番早く気付けるのは飼い主自身です。愛猫のために、常に体調を観察してあげることが大切です。
注意点2.脱走しないよう意識を向ける
ハーネスやリードで愛猫をしっかりとつなぎ、その場から逃げ出さないよう意識を向けましょう。脱走すると病気や怪我を負うリスクがあり、最悪の場合、二度と帰ってこない可能性もあります。
普段は大人しい愛猫であっても、人混みに驚いたり、人見知りをしたりすることも十分考えられるため、脱走しないための対策を徹底しましょう。
注意点3.トイレの処理を徹底する
3つ目の注意点は、トイレの処理を徹底することです。災害時においては衛生管理が重要になるほか、周囲への迷惑にも気を使う必要があります。ここでは、トイレの処理方法についていくつか紹介します。
- 排泄後に消臭スプレーを使用する
- ペットシーツや簡易トイレを頻繁に交換する
- 凝固力、消臭力の高い猫砂を利用する
匂いが原因で苦情を言われる可能性もあるため、トイレの処理は怠らないようにしましょう。
その他やっておくべき愛猫のための防災準備
防災グッズの準備以外にも、愛猫のためのさまざまな防災準備が考えられます。何が起こるか予測できない状況に対しては、以下3つの防災準備が重要になります。
防災準備1.自分の防災グッズを万全にする
飼い主は愛猫にとって最も頼りになる存在です。したがって、飼い主自身の体調管理を徹底することも、結果として愛猫のための防災対策につながります。
同行避難の際には、飼い主用の防災グッズと愛猫用の防災グッズの両方を持って避難しましょう。実際の重さがどれくらいになるのか、事前に確認しておくことが重要です。
→災害時に必要なものリスト|事前に把握しておくべき知識と行動の完全ガイド
防災準備2.動物避難所を確認しておく
動物避難所を予め確認しておくことも大切です。なぜなら、避難所によっては愛猫と一緒に避難することができないためです。
ペットを受け入れていない避難所の場合、ボランティア団体などが運営する動物専用の避難所に預けることも考慮に入れましょう。また、ペットが許可されている避難所でも、人間の居住スペースとペットが暮らす場所が分けられていることもあるので、事前に把握しておくことが推奨されます。
なお、動物避難所については、ボランティア団体や自治体のホームページなどから確認することが可能です。
防災準備3.ポータブル電源を用意しておく
ポータブル電源を用意しておくことで、愛猫のための効果的な防災対策が可能になります。ポータブル電源を用意する主なメリットは以下の通りです。
- 冷暖房器具を使って暑さ対策・寒さ対策を行える
- 加湿器を使って湿度の調整ができる
- ランタンやライトを使って周囲を明るく照らし、安心感を与えられる
- 空気清浄機を使って空調を整えられる
このようにポータブル電源を使えば、避難所でも快適に過ごしやすくなります。また、飼い主が安全に過ごすためのアイテムとしても有効です。
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まとめ
本記事では、愛猫のための防災グッズが必要な理由、具体的に用意すべきアイテムについて解説しました。
愛猫は大切な家族の一員であるため、人間と同じように防災グッズを用意する必要があります。また、トラブルに巻き込まれないよう、事前に注意点を把握しておくことも大切です。
自宅で猫を飼っている方は、ぜひ本記事を参考にして、愛猫のための防災グッズの準備を進めましょう。より安全な避難生活を実現したい方は、ポータブル電源の用意が推奨されます。携帯性が高く、パワフルな製品を探しているなら「RIVER 2 Pro」がおすすめです。