夏の猛暑や冬の厳しい寒さは、エアコンなしではとても乗り切れません。しかし、年間で支払っている電気代の中でも、エアコンが占める割合は意外と大きいものです。エアコンの節電方法を理解していれば、家計への負担を最小限に抑えて、快適な生活が送れるでしょう。
そこで本記事では、エアコンの節電方法について解説します。エアコンにかかる電気代の計算方法も掲載しているので、電気代を常に評価しながら節約生活が送れるようになります。エアコンによる電気代の負担を最小限に抑えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
エアコンの節電が電気代に直結する理由

毎月の請求書を見て、予想以上に電気代が高額で驚いた経験がある方も多いでしょう。電気代をできるだけ抑えたいと考えた時、最初に行うべきはエアコンの節電対策です。エアコンの節電が電気代に直結する理由を紹介します。
- エアコンは消費電力が高い
- 夏・冬にエアコンの電力使用量が増える
それぞれの理由について、詳しく見ていきましょう。
エアコンは消費電力が高い
エアコンは、数ある家電の中でも消費電力が高い部類に入ります。消費電力(W)とは、電化製品を動かすために必要な電力です。消費電力は家電によって数値が異なり、値が大きくなればなるほど、電気代も高くなります。
エアコンと他の家電の消費電力を比較した表は、以下のとおりです。
家電 | 消費電力 |
冷蔵庫 | 150W~500W |
炊飯器 | 350W~1200W |
扇風機 | 50W~60W |
加湿器 | 17W~320W |
洗濯機 | 500W~900W |
エアコン | 45W~2000W |
夏・冬にエアコンの電力使用量が増える
夏と冬に家庭で使用する家電の中で、最も電力使用量が多くなるのがエアコンです(※1)。夏の猛暑や冬の寒さを乗り越えるために、在宅中は常時エアコンを稼働している家庭も多いでしょう。
電力使用量(kWh)とは、消費電力に使用時間を掛けて求める、どれだけの電力を消費したかを表す指標です。使用時間が長ければ、電力使用量は多くなり、電気代も高くなります。
※1参考:経済産業省「夏季の省エネ節電メニュー」「冬季の省エネ節電メニュー」
エアコンの節電効果を評価!電気代の計算式

エアコンをつけっぱなしにしている時間が長いと、気付かぬうちに電気代は高くなっています。エアコンの節電効果を月の途中で評価するためには、電気代の計算方法を知らなければなりません。電気代の計算式は、以下のとおりです。
電力代 = ①基本料金 + ②電力量料金 + ③再生可能エネルギー発電促進賦課金
② =(電力量料金単価 × 使用電力量)± 燃料費調整額(燃料費調整単価 × 使用電力量)
基本料金は、電力会社や電気料金プラン、アンペア数によって異なります。電力量料金は、エアコンを含む家電の使用電力量に応じて変動する料金です。再生可能エネルギー発電促進賦課金は、再生可能エネルギーで発電した電気を買い取る際に発生します。
【通年】エアコンの節電方法7選

エアコンの節電方法は、どれも今からすぐに実践できるものばかりです。全ての対策を徹底すれば、年間で数千円にものぼる電気代の節約を実現できるでしょう。1年を通して実践できるエアコンの節電方法は、以下のとおりです。
- 方法1|設定温度を見直す
- 方法2|定期的にフィルターを掃除する
- 方法3|こまめなオン・オフを避ける
- 方法4|サーキュレーターと併用する
- 方法5|遮熱・保温効果の高いカーテンを選ぶ
- 方法6|風量を自動設定にする
- 方法7|室外機の吹き出し口を塞がない
それぞれの節電方法について、詳しく見ていきましょう。
方法1|設定温度を見直す
エアコンの設定温度は、1℃緩和しただけで消費電力量が、冷房時約13%、暖房時約10%削減されると言われています(※2)。快適に過ごせる範囲内で、設定温度を見直してみてください。環境省が推奨する設定温度は、冷房時28℃、暖房時20℃です。
※2参考:環境省「エアコンの使い方について | 家庭部門のCO2排出実態統計調査」
方法2|定期的にフィルターを掃除する
エアコンのフィルターは、2週間に一度のペースで掃除しましょう。ゴミやホコリがフィルターに詰まると、冷暖房の効きが悪くなり、無駄な電力を消費します。
資源エネルギー庁の資料によると、フィルターを月に1回か2回清掃した場合、年間で電気使用量31.95kWh、電気代約860円の節約につながります(※3)。
※3参考:経済産業省 資源エネルギー庁「省エネ性能カタログ 2024年版」
方法3|こまめなオン・オフを避ける
エアコンは、設定温度に到達するまでに最も電力を必要とするのが特徴です。こまめなオン・オフは、外の気温に近づいた室温を再度設定温度に戻す必要があるため、かえって電気代が高くなります。30分程度家を空ける場合は、つけっぱなしにしておきましょう。
方法4|サーキュレーターと併用する
エアコンとサーキュレーターを併用すれば、部屋全体の温度を素早く均一にできます。冷たい空気は低い位置に溜まり、暖かい空気は高い位置に溜まる性質があります。そのため、エアコンの冷房だけ使っていても冷たい空気は足元に留まり、冷気が頭や顔まで届きません。
結果的に設定温度を下げることになり、電気代の高騰を招きます。エアコンとサーキュレーターを併用すると空気が循環されるので、設定温度を下げる必要がありません。
方法5|遮熱・保温効果の高いカーテンを選ぶ
遮熱・保温効果の高いカーテンを取り付ければ、エアコンの設定温度を変えずに済みます。遮熱カーテンは夏の直射日光を遮ってくれるので、室内の温度上昇を防げます。
冬に保温効果の高いカーテンを取り付ければ、エアコンから出た暖気を外に逃がしません。カーテンは窓ガラスの部分だけを覆うのではなく、上部や下部に隙間ができないようにしましょう。
方法6|風量を自動設定にする
エアコンの風量を自動設定にすると、室温が設定温度になるまで効率的に運転してくれます。反対に、電気代を節約しようと最初から微風や弱風で運転してしまうと、設定温度に到達するまでに時間がかかってしまい、かえって電気代がかかるのです。
自動設定では、最初に強風で時間をかけずに設定温度まで到達し、後は弱風で電気代を最小限に抑えます。エアコンの風量は、手動でコントロールしないようにしましょう。
方法7|室外機の吹き出し口を塞がない
室外機の吹き出し口の前には、ものを置かないようにしてください。室外機は、室内の熱を外に逃がすための重要な役割を担う機器です。室外機の吹き出し口の前にものを置いていると、排出された熱風を再び吸い込んでしまい、冷暖房の効率が下がります。
【夏】クーラーの電気代を節約する方法

夏季に家庭で使用される家電のうち、エアコンが占める割合は38.3%です(※1)。1年のうちで最もエアコンが使用されるので、節電対策が欠かせません。夏にクーラーの電気代を節約する方法は、以下のとおりです。
- 室外機は日陰に設置する
- 天井または水平に向かって冷やし始める
- 弱冷房除湿を利用する
それぞれの節電方法について、詳しく見ていきましょう。
室外機は日陰に設置する
エアコンの室外機は、日陰に設置するか日除けで直射日光を防ぎましょう。室外機は、部屋の中の熱を外に排出する際に使用します。室外機が直射日光にさらされていると、周辺が高温になり、室内の熱を排出する効率が落ちて余計な電力を消費してしまうのです。
日除けを設置する際には、室外機から1mほど距離を離してください。日除けが室外機に近づき過ぎて吹き出し口を塞いでしまった場合は、逆効果になるので注意が必要です。
天井または水平に向かって冷やし始める
クーラーを稼働する際の風向きは、天井または水平向けにしましょう。暖かい空気は上に溜まり、冷たい空気は下に溜まるという性質があります。
クーラーの風向きを下にしてしまった場合は、床付近が冷えすぎて、天井付近が高温のままになってしまいます。体感温度が上がり、設定温度をさらに下げる結果になるでしょう。風を天井または水平に向ければ、冷たい空気が上から下に循環して、温度ムラを防げます。
弱冷房除湿を利用する
夏に使用するエアコンのモードには、冷房と除湿があり、除湿はさらに「弱冷房除湿」と「再熱除湿」に分かれます。モードの中で最も消費電力が少ないのは、弱冷房除湿です。
弱冷房除は、弱冷房で部屋の空気を冷やして湿度を下げます。冷房に比べると室温が下がりにくいですが、電気代を抑えたい方には最適なモードです。
【冬】エアコン暖房の電気代を節約する方法

冬季に家庭で使用される家電のうち、エアコンが占める割合は17%です(※1)。冬は1年で最も電気代がかかっています。冬のエアコンにおける節電方法は、以下のとおりです。
- 床に向かって温め始める
- 加湿器と併用する
それぞれの節電方法について、詳しく見ていきましょう。
床に向かって温め始める
冬のエアコンは、夏と反対に風向きを床方向にして暖房を稼働してください。暖かい空気は上に留まる性質があるため、下から上へと暖かい空気が循環します。そのため、部屋全体に暖かい空気が行きわたり、設定温度を上げずに効率よく稼働できるでしょう。
加湿器と併用する
冬はエアコンと加湿器を併用すれば、体感温度が上がり、電気代の節約につながります。同じ温度であっても湿度が高ければ、暖かさを感じやすいのです。
冬は空気が乾燥しやすいので、加湿器を稼働していると風邪予防にもなります。ただし、湿度を上げ過ぎると結露が発生するため、注意してください。
エアコンの大幅な節電が実現!ポータブル電源とは

エアコンだけでなく、自宅にあるあらゆる家電の節電対策を行うには、ポータブル電源が必要です。ポータブル電源とは、内部に大量の電気を蓄電し、コンセントを経由せず電化製品に給電できる機器を指します。ポータブル電源で行う節電の方法は、以下のとおりです。
- 電気料金が安い夜間帯に溜めた電気で日中帯を過ごす
- ソーラーパネルから溜めた電気で生活する
時間帯によって電気代が変わる電気料金プランを契約している家庭では、電気代が安い時間に電気をストックしておき、割高な電気代を買い取る量を削減できます。ソーラーパネルと併用すれば、太陽光発電した電気を昼夜問わず使用できます。
節電対策に必要な性能|おすすめの製品
家庭の節電対策を万全にするには、消費電力の高い家電も長時間動かせるだけの高出力・大容量を備えたポータブル電源が必要です。最低でも出力3000W、容量10kWhあれば、ポータブル電源に満充電した電気だけで終日生活できるでしょう。
本サイトを運営するEcoFlowでは、高出力・大容量のポータブル電源とソーラーパネルを以下のセットで販売しています。
- DELTA Pro 3+400Wソーラーパネルセット
- DELTA Pro Ultra + ソーラーパネル400W*2 ソーラー発電セット
それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
DELTA Pro 3+400Wソーラーパネルセット
ポータブル電源の出力は最大5100W、容量は最大12kWhです。2,600Wソーラー入力とデュアルPVポートによって、高電圧と低電圧の両方が使用できます。TOU(時間帯別料金)モードを使えば、オフピーク時間とピーク時間を管理して効率的な節電が可能です。
99%のMPPT効率を誇り、日常生活で最大限のソーラー発電を確保できます。4人家族なら、電気代が年間で約22万円もお得です。100V/200V出力にも対応しているので、大型エアコンやIHも動かせます。

DELTA Pro Ultra + ソーラーパネル400W*2 ソーラー発電セット
ポータブル電源の出力は最大6000W、容量は最大30kWhです。5.6kWのソーラー入力に対応し、わずか1時間の発電でおよそ1日分のエネルギーを創出できます。
容量を30kWhまで拡張すれば、太陽光発電で約10日分の電気を溜められます。2000Wh以下の稼働で0dbを実現しているので、就寝中の使用時も安心です。IP54の防塵・防水性能を備えており、屋外でも安全に自家発電できます。

エアコンの節電に関するよくある質問

最後に、エアコンの節電に関するよくある質問を紹介します。
- 夏と冬でエアコンの節電効果が高いのは?
- 窓用エアコンの節電方法は?
- エアコンの節電にはつけっぱなしが効果的?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
夏と冬でエアコンの節電効果が高いのは?
エアコンの節電効果が高いのは、夏よりも冬です。冬の暖房は夏に比べて消費電力が大きくなり、電気代も高くなります。消費電力は、室温と設定温度の差に比例するのが特徴です。
真夏の室温と設定温度の差は10℃ほどですが、冬場には15℃を超える場合もあります。また、冬は日照時間が短く、在宅時間が長くなる傾向にあるため、使用量も増えるのです。
窓用エアコンの節電方法は?
窓用エアコンとは、室外機と本体が一体化し、窓に直接取り付けるエアコンです。窓用エアコンの電気代を節約する方法を紹介します。
- 定期的にフィルターを掃除する
- サーキュレーターと併用する
- 窓用エアコンに直射日光が当たらないようにする
- 吸込口と吹出口を塞がないようにする
エアコンの節電にはつけっぱなしが効果的?
時間を考慮しなかった場合は、エアコンをつけっぱなしにした方が電気代は高くなります。1日の消費電力量はつけっぱなしが5.7kWh、こまめに入り切りが4.4kWhです(※4)。
ただし、30分程度の外出であれば、エアコンをつけっぱなしにした方が節電の効果はあります。エアコンは、室温を設定温度に近づけるまでに最も電力を必要とします。
※4参考:ダイキン工業「つけっぱなしがお得”という説は本当なのかを検証せよ!」
まとめ

本記事では、エアコンの節電方法について解説してきました。
エアコンを節電する際には、まず最初に設定温度を見直す必要があります。エアコンは、設定温度を1℃緩和しただけで、消費電力量を冷房時約13%、暖房時約10%も削減できます。
定期的なフィルターの掃除や、風量の自動設定も重要です。エアコンの風向きを、夏は上向き、冬は下向きに設定すれば、空気を効率よく循環させて電気代を抑えられます。
本サイトを運営するEcoFlowでは、高出力・大容量のポータブル電源とソーラーパネルをセットで販売しています。太陽光発電で家庭の節電対策を万全にしたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。