太陽光発電システムや蓄電池を導入するうえでも電気使用量の把握は重要です。
自宅の電気使用量を把握すれば、ライフスタイルにぴったりな容量の太陽光発電システムや蓄電池を導入できるでしょう。
また、一般家庭の平均値と比較すれば電気を使いすぎていないかどうかもわかります。
この記事では、一般家庭の平均電気使用量、調べる方法や計算する方法、電気使用量が増える原因や多い家電と節電方法をわかりやすく解説します。
電気使用量について知りたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
一般家庭の平均電気使用量はどのくらい?
ここでは、一般家庭における平均電気使用量について解説します。
世帯人数別の平均電気使用量
世帯人数によって平均電気使用量は異なります。お住まいの人数が増えるほど世帯あたりの月額電気使用量は増加傾向にあります。
世帯人数別の平均電気使用量は以下の通りです。
戸建住宅における平均月額電気使用量 | 集合住宅における平均月額電気使用量 | |
1人世帯 | 219kWh | 186kWh |
2人世帯 | 331kWh | 272kWh |
3人世帯 | 386kWh | 313kWh |
4人世帯 | 436kWh | 316kWh |
出典:東京都環境局(平成26年度東京都家庭のエネルギー消費動向実態調査報告書)
集合住宅よりも戸建住宅のほうが平均月額電気使用量が高い傾向にあります。
また、お住いの人数に比例して電気使用量も上昇していますが、2人以上の世帯からは増加量がゆるやかです。世帯人数によって必ずしも使用する電化製品が増えるわけではなく、共有するものがあるため、このような傾向が表れています。
例えば、室内の照明、冷蔵庫などの常時電力を使用する電化製品は、人数の上下に関係なく動作しているため、世帯人数の影響は大きくありません。
年代別の平均電気使用量
年代によっても平均電気使用量は異なります。主に在宅時間が関係しており、外出が少なく自宅にいる時間が長い年齢層ほど平均電気使用量は増加します。
年代別(2人以上世帯)の平均電気使用量は以下の通りです。
世帯主の年代 | 平均年間電気使用量 | 平均月額電気使用量 |
~29歳 | 約3,191kWh | 約265kWh |
30~39歳 | 約4,128kWh | 約344kWh |
40~49歳 | 約5,005kWh | 約417kWh |
50~59歳 | 約5,186kWh | 約432kWh |
60~69歳 | 約4,984kWh | 約415kWh |
70歳~ | 約4,600kWh | 約383kWh |
出典:総務省統計局
年代別にみると、29歳までの平均電気使用量が最も低くなっています。29歳までの世帯は仕事や外出で在宅時間が短くなる傾向があるため、平均電気使用量の少なさが顕著に表れています。
また、59歳までの平均電気使用量は増加傾向にありますが、60歳以上からは低下傾向です。高齢になるほど在宅時間も増えますが、使用する電化製品の量が減っている可能性が考えられます。
地域別の平均電気使用量
地域によっても平均電気使用量は異なります。主に冬季に利用する暖房器具の使用頻度が関係しています。
地域別の平均電気使用量は以下の通りです。
地域 | 平均年間電気使用量 | 平均月額電気使用量 |
北海道 | 約4,517kWh | 約376kWh |
東北 | 約5,192kWh | 約432kWh |
関東 | 約4,338kWh | 約361kWh |
北陸 | 約6,499kWh | 約541kWh |
東海 | 約4,663kWh | 約388kWh |
近畿 | 約4,940kWh | 約411kWh |
中国 | 約5,614kWh | 約467kWh |
四国 | 約5,328kWh | 約444kWh |
九州 | 約5,004kWh | 約417kWh |
沖縄 | 約4,100kWh | 約341kWh |
出典:総務省統計局(家計調査2022年 / 都市階級・地方・都道府県庁所在市別(支出金額及び購入数量のみ)-二人以上の世帯)
もっとも平均電気使用量の高い地域は北陸地方です。また、東北地方もエリア別でみると電気使用量が多い傾向がみられます。
一方、平均電気使用量がもっとも低いのは関東地方です。北陸地方や東北地方のような厳しい寒さが少ないだけでなく、1人暮らしの世帯が多いことも起因していると考えられるでしょう。
電気使用量を調べる方法
平均電気使用量と比較するのであれば、家庭の使用料を調べる必要があります。
電気使用量は、契約する電力会社から送付される検針票(電気使用量のお知らせ)で調べられます。検針票(電気使用量のお知らせ)のご使用量に◯kWhという形で記載されているため、確認してください。
記載された電気使用量と平均電気使用量を比較し、使いすぎではないかをチェックするとよいでしょう。
また、電力会社によってはWeb上でも確認が可能となっており、検針票(電気使用量のお知らせ)と同様の内容を調べられます。IDの発行が必要になるケースもありますが、好きなタイミングで調べるため便利です。
なお、新電力会社の場合、検針票(電気使用量のお知らせ)の送付がなくWeb上のみで確認可能なケースもあります。
電気使用量から電気料金を計算する方法
電気料金は、電気使用量にもとづいて計算されます。ただし、電気料金には使用量だけでなく、基本料金や燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金などを加えて金額を算出しています。
東京電力エナジーパートナーにおける電気料金の計算方法は、以下の通りです。
基本料金 + 電力量料金 + 再生可能エネルギー発電促進賦課金
なお、基本料金と電力量料金は以下の計算式を用いて算出します。
基本料金 | 基本料金単価(税込) ✕ 契約電力 ✕ (185 - 力率) ÷ 100 |
電力量料金 | 電力量料金単価(税込) ✕ 使用電力量 + 燃料費等調整額 |
電気使用量が増える原因
普段通りに電化製品を使用しているつもりでも、さまざまな原因によって電気使用量が増えます。電気使用量の増加は電気料金のアップに直結するため、平均値より高い場合は節電も検討したいところです。
ここでは、電気使用量が増える原因について解説します。
季節などの外的要因
季節などの外的要因は、電気使用量が増える原因です。外気温の変化にともない、家庭内では冷暖房機器の利用が多くなり、電気使用量が増えてしまいます。
例えば、暑い夏にはエアコン、寒い冬にはストーブやコタツなどを利用する機会が増えるため、おのずと電気使用量は増えてしまうでしょう。
しかし、快適な生活環境を守るためにも冷暖房機器の使用は欠かせません。特に真夏の暑さは熱中症などの原因にもなるため、電気使用量が増えたからといって極端な節電は禁物です。
ライフルスタイルの変化
ライフスタイルの変化は、電気使用量の増減に大きく関係しています。
例えば、子どもが生まれて世帯の人数が増えた場合は、成長とともに電気使用量も増えてくるでしょう。
また、リモートワークによって自宅で仕事をする在宅時間が増えると、パソコンや照明を使う時間が長くなり電気使用量が増加します。
このようにライフスタイルの変化と電気使用量の増減は大きく関係しており、特に世帯の人数が増えたり、在宅時間が増えると、より影響は顕著に表れます。
電化製品の使いすぎ
電化製品の使いすぎは、電気使用量が増える主な原因です。電化製品の使用時間が長く、頻繁に使う場合は当たり前ですが、電気使用量が増えてしまいます。
また、古い電化製品は節電対策が施されておらず、消費電力が多いため電気使用量が増えやすい傾向にあります。
ほかにも、電化製品のなかには使っていなくてもコンセントを挿しているだけで待機電力を消費するものもあるため、注意が必要です。
漏電の可能性
普段通りに使用しているにもかかわらず、電気使用量が増えている場合は漏電している可能性があります。
漏電とは、字のごとく電気が漏れた状態です。電気が本来通るべき道から外れてしまい、外部に漏れ出てしまいます。漏れ出た電気は、通常の使用と同様に電気使用量として加算されるため、電気使用量の増加が懸念されるでしょう。
通常であれば、電気配線は塩化ビニルなどの絶縁物で覆われていますが、経年劣化や傷によって漏電が発生してしまいます。
また、漏電は電気使用量の増加だけでなく、感電や火災などの危険性が高まります。漏電が発覚したら、できるだけ早い段階で対応しましょう。
電気使用量の多い家電と節電方法
電気使用量は家電の種類によって変動します。消費電力の高い家電ほど、電気使用量が多くなり、結果的に電気料金の増加につながるでしょう。
ここでは、電気使用量の多い家電と節電方法を解説します。
エアコン
家庭内で使用頻度の高い家電のなかで消費電力が多いのはエアコンです。冷暖房は多くの電力を使用し、対応畳数の多い機器ほどパワーが強くなるため、電気使用量が増加します。
また、夏場や冬場には稼働時間が増えるため、さらに電気使用量の増加が考えられます。
電気使用量を下げるためには、温度設定が重要です。設定温度を1度変えるだけで電気代が10%変わるともいわれています。
ほかにも冷暖房の効果を高めるために、遮熱カーテンを利用して外気温との差を少なくするのも、節電方法のひとつです。
エアコンを一日中つけた場合の電気代が気になる方は、以下の記事をご覧ください。
→エアコンを一日中つけっぱなしで電気代は上がる?季節で変化するエアコンの電気料金を詳しく解説
冷蔵庫
冷蔵庫は基本的に24時間常に稼働しているため、電気使用量が多くなりがちです。
容量が大きいほど消費電力も増えると思われがちですが、実際の電気使用量は大きさに比例しません。容量の大きい冷蔵庫のほうが冷却の仕組みや断熱性能が良く、かえって電気使用量が少ないケースもあります。
また、省エネ性能も年々進歩しており、最新モデルのほうが無駄な電力を使用しない傾向があります。
古い冷蔵庫を使用しているのであれば買い替えも節電対策のひとつになりますが、冷蔵庫の中に空間を作ったり、熱いものをそのまま入れない、ドアの開閉を減らすなどの対策も有効です。
冷蔵庫の消費電力やワット数を知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
→冷蔵庫の消費電力やワット数はどれくらい?現在と過去を比較して解説!
照明器具
照明器具はどの家庭にも設置されている家電です。決して消費電力は高くないものの、常に使用するため、他の家電よりも使用時間が長く電気使用量が増えてしまいます。
部屋数が多かったり、広かったりする場合は照明器具が増え、さらに電気使用量の増加が懸念されます。
また、蛍光灯や白熱電球は消費電力が高めのため、電気使用量が多くなりがちです。
一方、LEDライトは消費電力が少なく省エネ効果に期待できるため、交換だけでも電気使用量を抑えられるでしょう。ほかにも、LEDライトは寿命の長さもメリットとなるため、交換費用などの削減も可能です。
テレビ
テレビは使用頻度によって異なりますが、頻繁に使用している場合は家庭内の電気使用量が上がる原因です。
画面の大きさによって消費電力が異なり、大きなテレビほど電気使用量が多くなります。娯楽のひとつでもあるテレビを使用する時間を減らすのが難しい場合は、節電対策の実施である程度電気使用量を抑えられます。
例えば、部屋の大きさに適したサイズに変更したり、見ていないときにはすぐに消す習慣をつけるなどが対策として有効です。また、省エネモード搭載のテレビであれば設定をONにしておくのも節電対策につながるでしょう。
また、テレビはコンセントを挿しているだけで待機電力が発生しますが、1時間あたり0.01~0.03Whほどしか消費しないため、コンセントの抜き挿しを行うほどではありません。
コンセントの抜き挿しを頻繁に行うと設定が初期化されたり、機器が故障するリスクがあります。場合によっては修理のために費用が必要になってしまうため、コスト面を考慮してもあまり意識する必要はないでしょう。
炊事家電
炊飯器や電子レンジといった炊事家電も電気使用量が多くなりがちです。冷蔵庫や照明器具のように使用時間の影響を受けるのではなく、主に使用回数に比例して電気使用量が多くなります。
そのため、使用方法を一工夫して節電対策を実施しましょう。
例えば、電子レンジの電気使用量は炊飯器の保温1時間と大きく変わらないため、1回で多めにお米を炊いて冷凍、食べるときに電子レンジで解凍するほうが効率的かつ経済的です。
また、電子レンジを使う前に冷蔵庫で解凍しておけば、さらに使用時間の短縮が可能になるでしょう。
まとめ
一般家庭の平均電気使用量、調べる方法や計算する方法、電気使用量が増える原因や多い家電と節電方法をわかりやすく解説しました。
一般家庭における平均電気使用量は、世帯人数や年代、地域によって異なります。さまざまな要因によって電気使用量は増加しますが、基本的に電化製品の利用時間や利用頻度に起因します。
家庭内の電気使用量は、検針票(電気使用量のお知らせ)で確認できるため、平均電気使用量と比較し、使いすぎていないかをチェックしましょう。また、電気使用量を把握できれば、太陽光発電システムや蓄電池の導入時にライフスタイルにあった容量の製品を選べます。
電気使用量が多く、電気代の高さにお悩みであれば、EcoFlowのDELTA Pro 3をご検討ください。
例えば、ソーラーパネルと接続して日中にDELTA Pro 3へ充電、夜間に蓄えた電力を活用すると1台で毎月約30%もの電気代削減効果を期待できます。また、系統連系させないシステムの構築が可能なため、電気工事費などのコストを気にすることなく手軽に導入可能です。
DELTA Pro 3の詳しい製品情報については、以下のページをご覧ください。