ポータブル電源はアウトドアや災害時に使用できる便利な電源として注目を集めていますが、市販品は高価なため、自作を検討する人も少なくありません。
しかし、ポータブル電源の自作にはコストを抑えられるなどのメリットがある一方で、安全性の低さなどのデメリットもあります。
価格を重視するのか、安全性や機能性を重視するのかで自作と市販品を比較するとよいでしょう。
この記事では、ポータブル電源を自作する方法、メリット・デメリット、市販品のほうがよい理由についてわかりやすく解説します。また、市販品としておすすめなポータブル電源EcoFlow DELTA 3 Plusの特徴も紹介しています。
ポータブル電源の自作を検討している方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
ポータブル電源を自作する方法
ポータブル電源の自作は、一定の知識と準備があれば十分に可能です。以下に自作する手順を紹介します。
- 軽自動車用バッテリーやバケツ(ケースに該当するもの)、バッテリー直結型ソケット、100Vインバーター、バッテリー端子カバー、12V用電圧計、車用バッテリー充電器などの材料を用意する
- バッテリー直結型ソケットをバッテリー端子に接続し、100Vインバーターをソケットに接続する
- 安全性を高めるため、バッテリー端子にはカバーを取り付け、電圧計も設置
- 充電に車用バッテリー充電器を使用する
これらの手順を慎重に行えば、シンプルなポータブル電源を自作できます。ただし、電気の知識に自信がない場合は、専門家の指導を受けながら取り掛かるか、市販の製品を検討するようにしてください。
ポータブル電源を自作するメリット
ここでは、ポータブル電源を自作するメリットについて解説します。
安い価格で作れる
ポータブル電源の自作は、市販品と比較して大幅にコストを抑えられます。例えば、1,000Wクラスの市販ポータブル電源は10万円以上しますが、自作の場合は半額程度で済む場合があります。
材料費の内訳は、軽自動車用バッテリーが5万円程度、インバーターが1万円程度、充電器が1〜3万円程度です。その他の部品を含めても、合計7〜9万円程度で作成できるでしょう。
ただし、価格は使用する部品の品質や性能によって変動するため、目的に応じた適切な部品選びが重要です。コスト重視の場合はより安価な部品を選択すれば、さらに費用を抑えられる可能性があります。
使用環境に合わせて最適な容量のポータブル電源を作れる
自作ポータブル電源のメリットは、使用環境に合わせて最適な容量を選択できる点です。市販品は容量が固定されていますが、自作では必要な電力量に応じてバッテリーの容量を自由に決められます。
例えば、スマートフォンの充電だけを目的とする場合は小容量で十分ですが、冷蔵庫やエアコンなどの大型家電を使用する場合は大容量が必要です。自作ならこれらのニーズに合わせて適切な容量を設定できるため、無駄のない効率的なポータブル電源を作成できます。
また、将来的に使用目的が変わった場合でも、容量の調整を比較的容易に行えるのも自作ならではのメリットです。
容量アップが簡単
自作ポータブル電源のメリットは、容量アップが簡単にできる点です。市販品では容量の増設が難しい場合が多いですが、自作の場合はバッテリーを追加接続すれば簡単に容量を増やせます。
例えば、複数台接続が可能なバッテリーを選べば、使用状況に応じて柔軟に容量を調整できます。大容量のポータブル電源は、長時間の使用が必要なアウトドア活動や、大きな電力を必要とする機器の使用時に便利です。
また、災害時の備えとしても、容量を増やすことで長期間の電力確保が可能になります。ただし、容量アップの際は接続方法や安全性に十分注意を払いましょう。
ポータブル電源を自作するデメリット
ここでは、ポータブル電源を自作するデメリットについて解説します。
自作するためには最低限の知識が必要
ポータブル電源の自作には、電気に関する基礎的な知識が不可欠です。バッテリーの選び方、インバーターの仕組み、配線方法など、さまざまな技術的理解が必要になります。
また、適切な材料や工具の選定も重要で、準備には一定の専門知識が求められます。
例えば、バッテリーの容量計算や安全な接続方法の理解は必須です。さらに電気回路の基本や、電圧・電流の関係性についても知識が必要になるため注意しましょう。
これらの知識がない場合、適切な作成が困難になり危険な状況を招く可能性があります。そのため、自作を検討する際は事前に十分な学習と準備が重要です。専門家のアドバイスを受けるのもひとつの選択肢といえるでしょう。
安全性が低い
自作ポータブル電源のデメリットは、市販品と比較して安全性が低い点です。作成方法を誤ると、ショートや発火などの重大な事故につながる可能性があります。
例えば、バッテリーの接続ミスやインバーターの不適切な設置は、過熱や爆発のリスクを高めます。また、防水性能や耐衝撃性能も市販品に劣るため、屋外での使用時には問題が発生する可能性があるでしょう。
さらにバッテリーからの有害ガス発生のリスクもあり、適切な換気が必要です。
これらの安全上の問題を回避するためには、細心の注意と適切な知識が必要不可欠です。安全性を重視する場合は自作よりも市販品を選択すべきでしょう。
シンプルな機能しか実現できない
自作ポータブル電源の機能は、基本的に充放電の機能を持つシンプルなものに限られます。市販品のような詳細なバッテリー残量表示、多様な出力ポート、スマートフォン連携機能などの高度な機能の実装は困難です。
また、充電方法も限定的で、ソーラーパネルからの充電など、さまざまな充電オプションの搭載は容易ではありません。さらに過充電防止や過放電防止などの保護機能も、市販品ほど高度なものを実現するのは難しいでしょう。
そのため、利便性や多機能性を重視する場合は、自作よりも市販品が適しているかもしれません。ただし、基本的な機能で十分という場合は、シンプルな自作ポータブル電源でも十分に役割を果たすでしょう。
見た目が悪く持ち運び性能が低い
自作ポータブル電源は外観や携帯性が市販品に劣る可能性が高いです。配線がむき出しになったりケースが不格好になったりするなど、見た目の美しさを追求するのは難しくなります。
例えば、バケツを使用した自作例では、スタイリッシュな市販品と比べると明らかに見劣りします。また、重量バランスや取っ手の設計なども最適化されていないため、持ち運びの際に不便を感じるかもしれません。
とくにアウトドアでの使用を想定する場合、この点は大きなデメリットとなるでしょう。さらに防水性能や耐衝撃性能も市販品に劣るため、屋外での使用時に問題が発生する可能性があります。
これらの理由から、自作ポータブル電源にデザインや携帯性を求めるのは困難です。いずれも満足する内容の電源が欲しいなら、市販品を選択しましょう。
自作するよりも市販のポータブル電源のほうがよい理由
ここでは、自作するよりも市販のポータブル電源のほうがよい理由について解説します。
自作する知識を得る必要がない
市販のポータブル電源のメリットは、専門知識がなくてもすぐに使用できる点です。自作の場合、電気工学の基礎知識や作成技術が必要ですが、市販品ではそういった知識は不要で使用できます。
市販品は購入後、説明書に従って充電するだけで使用できるほか、材料や道具の準備も必要ありません。例えば、バッテリーの選定や接続方法、インバーターの設置など、自作時に必要な複雑な作業をすべて省略できます。
これにより、時間と労力を大幅に節約可能です。さらに作成ミスによる危険性も排除できるため、安全面でも安心できるでしょう。価格は自作より高くなりますが、手間や時間、安全性を考慮すると、市販品を選んだほうが合理的といえます。
安全性が高い
市販のポータブル電源は安全性において自作品を大きく上回ります。多くの製品に搭載されているBMS(バッテリー管理システム)は過充電や過放電、短絡などのリスクを効果的に防いでくれます。
また、高度な冷却設計により、使用中の熱暴走を防止してくれるのが魅力です。耐衝撃性能も優れており、落下や振動による損傷のリスクが低減されています。さらに多くの製品では燃えにくい素材が使用されているため、万が一の発火時でも被害を最小限に抑えられるでしょう。
例えば、最新型の製品は温度管理システムや高効率の冷却設計を採用し、安全性を高めています。これらの特徴により、市販のポータブル電源は自作品と比較して安心して使用できる製品といえます。
ポータブル電源の多くに採用されているリチウムイオン電池の安全性については、以下の記事をご覧ください。
→リチウムイオン電池とは?電池の種類や仕組み、寿命、安全性を解説
ディスプレイの搭載によってポータブル電源の充電が分かる
市販のポータブル電源のメリットはディスプレイを搭載していることです。ディスプレイにより、バッテリーの残量や充電状態、消費電力量などの重要な情報を一目で確認できます。
例えば、充電中は残り時間が表示され、使用中は電力消費量や残りの使用可能時間がわかります。ユーザーは常に電源の状態を把握できるため、効率的な使用が可能です。
一方、自作のポータブル電源ではこのような情報表示は難しく、せいぜい簡単な電圧計を取り付けるくらいでしょう。
市販品のディスプレイ機能は長時間の使用や複数の機器を接続する際に非常に便利です。使用時の利便性を大幅に向上させてくれるでしょう。
複数の方法で充電が可能
市販のポータブル電源は、さまざまな充電方法に対応しているのが特徴です。一般的な家庭用コンセントからの充電はもちろん、ソーラーパネルを使用した充電や車のシガーソケットからの充電など、多様な選択肢があります。
例えば、アウトドアでの使用時にはソーラーパネルで充電し、移動中は車から充電するといった柔軟な使用が可能です。一方、自作のポータブル電源では、通常は車用バッテリー充電器による充電に限定されます。
市販品の多様な充電オプションは、使用環境や状況に応じて最適な方法を選択できるため、緊急時や長期の屋外使用時でも、安定した電力供給が可能になるでしょう。
出力ポート数が豊富
市販のポータブル電源は多様な出力ポートを備えているのが特徴です。一般的な製品では、AC100Vコンセント、USB-A、USB-C、車載用シガーソケットなど、複数のタイプの出力ポートが搭載されています。
スマートフォンやノートパソコン、LEDランタン、小型冷蔵庫など、さまざまな機器を同時に接続して使用できます。例えば、キャンプ時にスマートフォンを充電しながら、ランタンを点灯し、ポータブル冷蔵庫を動かすといった使用方法が可能です。
一方、自作のポータブル電源では、通常は1つか2つの出力ポートしか設置できません。
ソーラー入力の対応によって得られるメリットについては、以下の記事をご覧ください。
→災害時に役立つポータブル電源とソーラーパネルの特徴|導入するメリットとおすすめ商品
コンパクトな製品が多く持ち運びしやすい
市販のポータブル電源はコンパクトで持ち運びやすい設計が特徴です。多くの製品がバッテリーやインバーター、充電器などの部品を効率的に配置し、軽量かつコンパクトなボディにまとめています。
例えば、500Wクラスの製品でも、重さが5kg程度で、片手で持ち運べるサイズのものも珍しくありません。また、持ち手や車輪付きの製品も多く、移動の際の負担を軽減します。
一方、自作のポータブル電源は、部品を個別に組み合わせるため、どうしても大きくなりがちです。
コンパクトな製品だからこそできる活用シーンについては、以下の記事をご覧ください。
→小型ポータブル電源の魅力とは?選び方やキャンプで活躍するおすすめ製品も紹介
故障時のアフターフォローが充実している
市販のポータブル電源は充実したアフターサポートを提供しています。多くの製品には保証が付いており、万が一の故障時にも安心して対応を受けられます。保証期間中は製品の不具合に対して無償での修理や交換が可能です。
また、使用方法や製品の特徴に関する質問にも、メーカーのカスタマーサポートが丁寧に対応してくれます。
一方、自作のポータブル電源では、故障時の対応はすべて自己責任です。
自作したポータブル電源よりも安心して利用できるEcoFlow DELTA 3 Plus
EcoFlow DELTA 3 Plusは、自作ポータブル電源のメリットを上回る多くの特徴を持つ製品です。1,024Whの大容量バッテリーと1,900Wの高出力により、99%の家電製品をサポートします。
充電速度も驚異的で、AC入力の場合わずか56分で100%充電が可能です。さらに安全性も高く、LFPバッテリーの採用により10年の長寿命を実現し、BMS管理システムや温度管理機能も備えています。
他にもWi-FiやBluetoothを介したスマートフォンアプリ連携、600W以下での超静音運転、IP65規格の防塵・防水性能など、自作では実現困難な高度な機能を多数搭載しています。
アウトドアや災害時の備えや日常的な電力バックアップとして、EcoFlow DELTA 3 Plusは安心して利用できる信頼性の高いポータブル電源といえるでしょう。
DELTA 3 Plusの詳しい製品情報については、以下のページをご覧ください。
まとめ
ポータブル電源を自作する方法、メリット・デメリット、市販品のほうがよい理由について解説しました。
ポータブル電源の自作はコスト面でのメリットや自由度の高さがある一方で、安全性や機能面での課題があります。一方、市販のポータブル電源は高い安全性、多機能性、使いやすさ、アフターサポートの充実など、多くのメリットをもっているのが特徴です。
ポータブル電源の選択で迷っている方は、自身の使用目的や技術レベル、予算を考慮しつつ、安全性と利便性を重視しての判断をおすすめします。信頼性の高い電源が必要な場合は、市販の高品質なポータブル電源を選ぶとよいでしょう。