震災や自然災害の影響による被害が増加している現在、非常時の停電対策を検討している方も多いのではないでしょうか。
さまざまな対策の中でも、停電時の非常用電源として発電機を購入する方が増えています。
しかし、発電機による対策は、もしものときにどれほど有効なのでしょうか?
そのような疑問に応えるため、本記事では発電機の災害時における有効性について詳しく解説していきます。
発電機のメリット・デメリットや近年、非常用電源として発電機と並んで注目を浴びているポータブル電源との比較も紹介するので、購入を検討するための参考にしてみてください。
停電中、発電機はこんな使い方ができるため便利
停電時、発電機を活用することで次のような状況を改善できます。
・家族や友人への連絡や安否確認ができない
・冷暖房機器が使えない
・照明機器が使えない
それぞれの使い方を詳しく解説していきましょう。
①家族への連絡や情報収集ができる
発電機を活用することで、停電が長期に渡る場合でもスマートフォンやPCなどを継続的に使用できます。
災害に伴い停電が発生した場合、被害規模によって復旧にかかる時間は変わります。大規模災害の場合、1週間以上電気が使えない可能性もあり、その間の連絡や安否確認手段に困ってしまうというケースも。
そのような状況でも家族間の連絡や安否確認を継続的に行うためには、連絡ツールを充電するための電力が必要です。
ガソリンさえあれば継続的に電力を供給できる発電機は、そのような状況において抜群の能力を発揮します。
また、スマホやPCが自由に使えれば、動画や音楽、ゲームなどの娯楽を楽しむこともでき、気が滅入ってしまう被災時でも気晴らしになります。
被災地において、家族の不安を取り除き、精神的な苦痛を和らげるのに発電機は非常に有効な働きをすると言えるでしょう。
②暑さ・寒さ対策ができる
災害の怖いところはいつ起きるかわからないという点です。
例えば、真冬に災害が発生した場合、寒さ対策は必須です。
もし、そのような状況下で停電が発生してしまうと、暖房で体を温めることができず、最悪、2次的な被害に繋がってしまう可能性も。
そんな時は安定して電力供給できる発電機が最適です。
発電機は、出力電力も大きいことから電気毛布やヒーターで暖をとったり、扇風機で涼んだりと電力消費の大きいさまざまな冷暖房器具にも使用できます。
過酷な状況を少しでも緩和するために、発電機はおすすめの非常用電源と言えるでしょう。
③明かりが使える
夜間に停電が発生した場合、明かりがなくて困ってしまうケースが想定できます。
夜間でも明かりがある日常があたりまえになっている我々にとって、照明が使えない不便さは想像以上。
照明がない状況下では日が暮れてからの行動は制限されますし、防犯の観点からも不安が大きくなります。
そのような状況においても、発電機を備えておけば照明に必要な電源に困ることはありません。
部屋の照明や充電式のランタンや懐中電灯などを十分に活用するためにも、発電機は重要な役割を担っているのです。
④発電機は災害時以外もいろいろな使い方ができる
災害時以外にも、発電機があれば便利な状況は数多く存在します。
例えば、フードトラックやお祭りの屋台で発電機が活躍しているのを見たことがある人は多いでしょう。電源のない場所で調理する際、必要な電力の供給源となっているのです。
作業現場でも発電機が活躍するシーンが存在します。
現場によっては電源が確保されていないこともあるでしょう。
そのような場合でも、発電機を活用することで安定的に電力を使用でき、電力が必要な工具などを使って作業ができるようになります。
災害への備え以外にも、活用シーンが多い発電機は、工夫次第で日常や仕事を便利にしてくれると言えるでしょう。
災害時には「発電機」と「ポータブル電源」どちらが便利?
近年、発電機と並んで注目を集めているのが、大量の電力を蓄電し、必要に応じて使うことができる「ポータブル電源」です。
発電機とポータブル電源、非常用電源としてどちらが優秀なのでしょうか?
そこで、発電機とポータブル電源それぞれのメリット・デメリットを挙げ、どちらが災害時の非常用電源として賢い選択なのか比較してみました。
発電機とポータブル電源の比較は下記の記事でも詳しく掲載しています。ぜひ、購入を検討する際の参考にしてみてください!
発電機の特徴:メリットとデメリット
メリット | デメリット | |
発電機 | ・出力電力が大きい ・使用可能時間が長い ・寒冷地でも使用可能 ・充電が必要ない | ・騒音がうるさい ・燃料の取り扱いが面倒 |
上記のメリット・デメリットを含む発電機の特徴をひとつずつ確認していきましょう。
発電機のおすすめポイント①出力電力が大きい
発電機のおすすめポイントとして最初に挙げられるのは、出力電力が大きい点です。
小型の発電機でも一般的に600Wの出力を確保できますが、大型の発電機ならばさらに消費電力が多い電化製品も問題なく使用できます。
例えば、家庭で使用される電化製品の一般的な消費電力は次の通りです。
電化製品 | 消費電力 |
---|---|
電気ケトル | 1,200〜1,300W |
ドライヤー | 600〜1,200W |
電子レンジ | 500〜1,000W |
冷蔵庫 | 200〜500W |
液晶テレビ | 100〜300W |
スマートフォンの充電 | 3〜5W |
また、いくつもの家電を同時に使う場合にも高い出力電力が必要となります。
スマートフォンの充電をしながら別の家電を使用するなど、複数の家電を同時に使う現代において、出力の高さは非常用電源にも求められるのです。
発電機のおすすめポイント②長時間使用できる
発電機のほとんどが、ガソリンまたはガスを燃料にしています。
蓄えた電力を使用するポータブル電源の場合、電力を使い切ってしまうと充電が必要になり、一時的に使用不可能になってしまいます。
その点、燃料がある限り発電できる発電機は、電力を使い切る心配はありません。
このような特性から避難生活が長期間に渡る場合、発電機の有用性はさらに高くなると言えます。
発電機のおすすめポイント③寒冷地でも使用できる
ガソリンを燃料とする発電機の場合、気温が低い寒冷地でも問題なく使用できます。
一方、ポータブル電源の場合、バッテリーに使用されているリチウムイオン電池の特性上、使用環境によって、蓄電性能が落ちる可能性があります。
例えば、マイナス10℃以下の環境では、リチウムイオン電池の電力残量が急激に減ることがあります。
使用する環境の影響を受けにくい点は、発電機の大きなメリットと言えるでしょう。
発電機のおすすめポイント④事前に充電が必要ない
ポータブル電源を使用するためには、事前に充電しておく必要があります。
もし充電を怠っていると、突然、災害が発生したときに使用できない状況に陥ることも。
いざというときに活用できなければ、非常用電源として全く意味が無いため、有効活用するためには日頃から定期的に充電しておく必要があります。
その点、発電機は燃料さえ準備しておけば、急な停電にも即座に対応可能です。
もちろん、残燃料を確認する必要があったり、きちんと動くかどうかのメンテナンスは必要ですが、肝心の場面で使用できないリスクはポータブル電源より低いと言えるでしょう。
短所は騒音があること、燃料など取り扱いが面倒なこと
発電機のデメリットとして最初に挙げられるのが、音がうるさいことです。
静音タイプの発電機であっても、70db(セミの鳴き声レベルの騒音)程度の騒音が発生するため、住宅で使用すると、近隣トラブルの原因になってしまう可能性もあります。
また、燃料の取り扱いが面倒な点もデメリットと言えるでしょう。
代表的な燃料であるガソリンの場合、保管できる容器や場所に制限があります。大変引火しやすく、消防法上「危険物」に該当する燃料ですので、取り扱いには厳重に留意する必要があります。
面倒だからといって、正しい取り扱いや保管方法を行わないと大事故につながる可能性もあるので、細心の注意が必要と言えるでしょう。
ポータブル電源の特徴:メリットとデメリット
メリット | デメリット | |
ポータブル電源 | ・室内でも使用可能 ・騒音が発生しない ・軽量で持ち運びに便利 ・細かいメンテナンスが不要 | ・蓄電量に限りがあり長時間の使用が難しい |
上記のメリット・デメリットを含むポータブル電源の特徴をひとつずつ確認していきましょう。
ポータブル電源のおすすめポイント①室内で使用できる
発電機は主にガソリンを使って発電を行うので、一酸化炭素を含む排気ガスが発生します。
したがって、一酸化炭素中毒を避けるため屋内での使用は禁じられているケースがほとんどです。
屋外でしか使用できない発電機の場合、使用する電化製品によっては、電源を取りづらいことがあります。
その点、ポータブル電源は蓄電した電力を使用するだけなので、排気ガスは発生しません。
屋内で使用するのに危険性はないため、場所を問わずどんな家電にも電力を供給できます。
ポータブル電源のおすすめポイント②騒音がない
発電機の場合、大きなデメリットとなってしまう騒音ですが、ポータブル電源にはほぼ皆無です。
バッテリーを冷却するファンの動く音はありますが、騒音とは言えないレベルです。
密集した住宅地や、夜間の使用でも近隣に迷惑をかける心配がないのは大きなメリットと言えます。
このように、使用場所や環境を選ばない点は、ポータブル電源の大きな魅力です。
ポータブル電源のおすすめポイント③軽く小型で持ち運びしやすい
発電機は構造上、重量が重くなりやすいという特徴があります。持ち運びできるタイプも存在しますが10kg以上の重量を持つ製品がほとんどで、持ち運びが楽とは言い難いでしょう。
その点、ポータブル電源は軽量で小型の製品が多く、持ち運びやすいため、自宅以外でも活用しやすいのです。
大規模災害が発生した場合、自宅から離れ、避難所などで生活することも考えられるので、持ち運びができるか否かは意外と重要なポイントになります。
せっかく非常用電源を用意しても、使用したい場所に持ち運べない場合、宝の持ち腐れになってしまうので、様々な状況を想定しておきましょう。
ポータブル電源のおすすめポイント④細かなメンテナンスは必要ない
非常用電源を快適に使うには、日頃のメンテナンスは欠かせません。
例えば、ガソリンタイプの発電機の場合、最低でも1ヶ月に1回はエンジンを始動し、試運転を行うことを推奨されています。他にも、オイルの注入や補給、交換などこまめな点検が必要です。
ポータブル電源の場合でも、メンテナンスは必要ですが、3ヶ月に1回程度の動作確認や、自然放電対策での定期的な充電くらいで、複雑なメンテナンスは必要ありません。
いつ起こるかわからない、万が一に備えた製品だからこそ、日々のメンテナンスはできるだけ簡単な方がいいでしょう。
ポータブル電源の最大の短所は蓄電量に限りがあり長時間使えないこと
ポータブル電源の最大のデメリットは、蓄電量に限りがあることです。
使用すればするほど電力を消費し、蓄電容量がゼロになると使用できなくなってしまいます。
燃料がある限り発電し続けられる発電機と比べて、この点は劣っていると言わざるを得ません。
また、発電機と比べ出力電力が劣る場合も多く、使える電化製品にも制限があります。
例えば、ドライヤーや暖房器具などの熱を発生させる電化製品は、消費電力が多いため使用できない可能性もあります。
発電機と比べ、電力供給で劣ってしまうという点は、大きなデメリットと言えるでしょう。
発電機とポータブル電源を組み合わせて使うことも可能
さまざまなメリット・デメリットが存在する2つの非常用電源ですが、組み合わせて使うことで、お互いのデメリットを補完しあうこともできます。
その代表的な例と言えるのが、EcoFlowの「スマート発電機」と「 DELTA Pro(デルタプロ)」です。
パーソナル電源の蓄電量が指定した基準を下回ると自動で発電機が作動し、指定した電力容量まで自動で充電してくれます。
この機能により、長期間安定的に電力を確保できる上に、場所を選ばず快適に使用できるという、それぞれのメリットを最大限活かした使い方が可能となるのです。
単体でもそれぞれ高性能な製品ですが、組み合わせて使用することにより、抜群の相乗効果を発揮してくれるでしょう。
DELTA Proについて詳しくは「大容量・高出力の最強ポータブル電源-DELTA Pro」をご覧ください。
DELTA Pro
デルタプロ
EcoFlowスマート発電機
発電機は災害時に役立つがデメリットもある。
ポータブル電源と組み合わせることでより使いやすくすることも便利です。
供給できる電力を考えるとメリットが大きい発電機ですが、騒音や燃料問題などのデメリットがあります。
一方ポータブル電源にもデメリットは存在し、ユーザーの環境や使用するであろう電力量によって、最適な非常用電源は変わってきます。
どちらが有効的に使えるか判断するためには、おかれる環境を想定し、非常時に求める電力を算出する必要があるのです。
また、どちらのメリットも得たい場合、組み合わせて使うのが非常に有効です。
もしもの時でも快適な生活を送れるよう、万全の備えを検討しておきましょう!