車のバッテリーは、エンジンの始動や電装品の稼働に欠かせません。バッテリーに蓄えられている電力が不足した場合は、早急に充電する必要があります。車のバッテリーの充電方法を理解しておけば、いざという時でも慌てずに対処できるでしょう。
そこで本記事では、車のバッテリーを充電する方法について解説します。バッテリーの充電にかかる時間や、最短で走行充電する方法も掲載しているので、バッテリー上がりで車を動かせない事態を避けたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
車のバッテリーが充電される仕組み

車のバッテリーとは、ボンネットの中に搭載されている、車内の機器に電気を供給する装置です。エンジンが始動すると、発電機であるオルタネーターがエンジンの回転数に応じて発電します。オルタネーターで発電された電気は、まず車内の機器に供給されます。
その後、余った電気がバッテリーに充電される仕組みです。バッテリーに蓄えられた電気は、機器を動かす際にオルタネーターで発電された電気だけでは足りない場合や、エンジン停止中に電装品を動かす場合に使用されます。
車のバッテリーに充電が必要な場面3選

本来、車のバッテリーは走行中にオルタネーターから充電されるので、改めて外部電力で充電を行う必要はありません。しかし、長期間エンジンをかけなかったり、バッテリーやオルタネーターに異常がある場合は、バッテリーの電力が不足します。
車のバッテリーに充電が必要な場面は、以下のとおりです。
- 場面1|バッテリーが上がった
- 場面2|電圧低下の症状が見られる
- 場面3|電圧の測定値が12.4V未満を示す
それぞれの場面について、詳しく見ていきましょう。
場面1|バッテリーが上がった
バッテリーの電力を使い果たした状態の「バッテリー上がり」が起きると、エンジンを始動させるセルモーターが起動できません。エンジンがかからないだけでなく、スタートボタンが反応しなかったり、ドアロックが作動しなかったり、多くの症状が発生します。
バッテリーが上がる主な原因は、以下のとおりです。
- 車を1カ月以上運転していない
- 短時間の運転や低速走行が続いている
- エンジンを切った後に電装品をつけっぱなしにしている
- バッテリーやオルタネーターが劣化または故障している
場面2|電圧低下の症状が見られる
バッテリーの電圧が低下している症状が見られる場合、そのまま電力を使用しているとバッテリーが上がる恐れがあります。電圧低下の症状は、以下のとおりです。
- セルモーターの音が弱く、回転が遅くなる
- ヘッドライトが暗くなる
- 車内の電装品の動作が遅くなる
電圧が、正常な12.5Vから12.8Vの範囲内にあるかを定期的に確認しましょう。
場面3|電圧の測定値が12.4V未満を示す
エンジンを停止した際の電圧が12.4V未満を示す場合は、バッテリーを充電する必要があります。使用年数が2〜3年以上で電圧が10.5V〜12.3Vの場合は、充電と併せてバッテリーを交換するのがおすすめです。10.5V以下では、極板が脱落しているので交換してください。
バッテリーの電圧を測定する際には、バッテリーテスターを使用します。点検時の電圧や放電後の電圧変動を測定できるので、バッテリーの状態を総合的に判断できるでしょう。
車のバッテリーを充電する4つの方法

バッテリー上がりや電圧低下が起きた場合は、早急な充電が必要です。バッテリーが上がってしまった際は、他の車のバッテリーを使ってエンジンを始動させる「ジャンピングスタート」が必要になる場合もあります。車のバッテリーを充電する方法は、以下のとおりです。
- 方法1|走行充電する
- 方法2|アイドリング充電する
- 方法3|車用バッテリー充電器を使う
- 方法4|ディーラーや整備工場に点検してもらう
それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。
方法1|走行充電する
最も簡単にバッテリーを充電する方法が、走行充電です。走行中はオルタネーターで発電した電気によって、バッテリーも充電されます。ただし、5分程度の短い走行では、バッテリーを十分に充電できません。
1週間に1回のペースで、時速50〜60kmかつ20〜30分程度の走行を目安にすれば、バッテリーの不足した電力を回復できます。バッテリー充電のために長距離や高速道路を走行するのは非効率的なので、他の方法を試してみるのも得策です。
方法2|アイドリング充電する
車のバッテリーは、アイドリング中も充電できます。アイドリング中はエンジンの回転数が1,000回転以下になるため、エンジンの始動に必要な電力程度しか充電できません。
アイドリング充電を行う際は、空調ファンやヘッドライト、ワイパーなどの電装品は全てオフにしてください。緊急時の充電方法として覚えておくのがおすすめです。
方法3|車用バッテリー充電器を使う
カー用品店で販売している車用バッテリー充電器を使えば、自分で車のバッテリーを充電できます。車に乗る機会が少ない方でも、こまめに車用バッテリー充電器で充電しておけば安心です。ただし、車用バッテリー充電器を使用する際は、以下の2点に注意しましょう。
- プラスとマイナスを間違えてつなぐと、車内の電装品が故障する
- バッテリーを過充電すると、水素ガスの飛散や液漏れが起こる
バッテリーを取り外してから充電する場合は、マニュアルを確認してください。
方法4|ディーラーや整備工場に点検してもらう
最も安全かつ確実に車のバッテリーを充電するには、ディーラーや整備工場に点検してもらう方法がおすすめです。バッテリー上がりでエンジンが始動できない場合でも問題ありません。車の点検も兼ねるので、バッテリーが劣化している場合も併せて対処してもらえます。
車のバッテリー充電にかかる時間

車のバッテリー充電にかかる時間は、充電方法や車種、バッテリーの残量、外気温などによって変動します。エンジンがかかった車に乗車している場合、次回の運転時にエンジンをかけられる程度までバッテリーを充電するのにかかる時間は、以下のとおりです。
充電方法 | バッテリ-充電にかかる時間 |
走行充電 | 30分~1時間 |
アイドリング充電 | 1~2時間 |
充電器充電 | 8~12時間 |
アイドリングでは500〜1,000回転ほどが限界なので、充電するのに走行充電の倍ほどの時間がかかります。車用バッテリー充電器による充電は、ゆっくりと時間をかける分、バッテリーを傷めにくいのが特徴です。
最短で車のバッテリーを走行充電するポイント3選

車が通常時に行っている充電方法は、走行充電です。移動しながら充電できるので、待機時間が発生しません。最短で車のバッテリーを走行充電するポイントは、以下のとおりです。
- ポイント1|エンジンの回転数と速度を一定に保つ
- ポイント2|消費電力を最小限に抑える
- ポイント3|頻繁なエンジンのオン・オフを避ける
それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
ポイント1|エンジンの回転数と速度を一定に保つ
走行充電時の理想的な回転数は2,000回転程度、速度は時速50〜60kmです。エンジンの回転数と速度を一定に保った上で、20分以上の走行を心がけましょう。
エンジンの回転数は、運転席の前にあるタコメーターで確認してください。渋滞に巻き込まれると、一気に充電効率が悪くなるので注意が必要です。
ポイント2|消費電力を最小限に抑える
エアコンやオーディオなどの電装品をほとんど使用しなければ、充電効率を最大化できます。反対に、消費電力が充電される電力を上回っていると、いつまで経っても充電できません。電装品ごとの消費電力は、以下のとおりです(100Vの場合)。
電装品 | 消費電力 |
セルモーター | 12,000W~30,000W |
エンジン(アイドリング状態) | 1,400W~1,600W |
電動ファン | 500W~700W |
ワイパー | 380W~800W |
ヘッドライト(ハイビーム) | 510W~1,580W |
ルームランプ | 90W~120W |
ポイント3|頻繁なエンジンのオン・オフを避ける
エンジンを頻繁にオン・オフすると、多くの電力が消費されるので避けましょう。いくら理想的な速度と回転数を守って走行していたとしても、こまめに休憩をとっていては十分な電力が溜まりません。エンジン始動時にはバッテリーに負荷がかかるため、寿命を縮めます。
車のサブバッテリーに最適!ポータブル電源とは

車のバッテリーから車内の電装品に給電していると、バッテリー上がりのリスクが高まります。バッテリーが上がると、最悪の場合はエンジンが始動できません。
バッテリーを経由せずに電化製品をフル稼働するためには、ポータブル電源が必要です。ポータブル電源とは、内部に大量の電気を蓄え、場所を選ばず電化製品に給電できる機器を指します。ポータブル電源をサブバッテリーにするメリットは、以下のとおりです。
- ポータブルエアコンや扇風機などを稼働し、快適な車内温度に調節できる
- 電子レンジや電気ケトルを使い、簡単に料理が作れる
- 車載冷蔵庫を搭載し、食材や飲み物を冷蔵保存しておける
- 車中泊での灯りとして、LEDランタンを点灯させられる
- ナビ代わりになるスマホを、常に満充電にしておける
ポータブル電源があれば、エンジンを停止した状態でも電化製品を動かせます。携帯性に優れているので、車から降ろして持ち出せる点も魅力です。車のバッテリーから供給される電装品は全て電源をオフにしておけるので、バッテリー上がりも防げるでしょう。
走行充電器から高速充電が実現|おすすめの製品
車のサブバッテリーにするポータブル電源は、走行充電に対応したタイプがおすすめです。長距離のドライブでも移動しながら充電できるので、充電切れの心配はありません。お出かけ前に充電待ちの時間が発生しないため、思い立ってすぐに出発できます。
本サイトを運営するEcoFlowは、付属の800W走行充電器を使うと最短1.3時間で満充電できるポータブル電源と走行充電器のセットを販売しています。「DELTA 3 Plus + 800W Alternator Charger」の特徴は、以下のとおりです。
- コンセントから56分、走行充電器から1.3時間で満充電できる
- 約12.5kgの小型設計により、車内まで楽々持ち運べる
- LFPバッテリーを搭載し、10年以上もアウトドアで活躍する
- 出力600W未満の動作時に30dbの動作音に抑えられる
- 高性能なBMSが過電流や発火、爆発を防ぐ
- ポータブル電源からメインバッテリーに800W出力で充電できる
- メインバッテリーを最適な充電レベルで維持する
ACやUSB、DC、シガーソケットなど、計13個の多彩な出力ポートを搭載しているので、車内で複数台の家電を同時に動かせます。走行充電できるサブバッテリーを導入したい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。
→メインバッテリーも800W出力で充電「DELTA 3 Plus + 800W Alternator Charger」
車のバッテリー充電に関するよくある質問

最後に、車のバッテリー充電に関するよくある質問を紹介します。
- 車のバッテリー充電はどこでできる?
- 車用バッテリー充電器のつなぎ方と使い方は?
- 車のバッテリーはアイドリングで充電できる?
- 車のバッテリー寿命はどのくらい?
- 車のバッテリー充電にかかる料金は?
- 車のバッテリーを充電する際の注意点は?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
車のバッテリー充電はどこでできる?
カー用品店やガソリンスタンド、カーディーラーには、車専用の充電器があるため、バッテリーを充電できます。ただし、全てのカー用品店やガソリンスタンド、カーディーラーに充電器があるわけではないので、事前に確認してから向かいましょう。
完全に放電したバッテリーを普通充電で満充電するためには約12時間程度かかるので、急いでいる時にはおすすめできません。一方、高速道路のサービスエリアや商業施設にある急速充電の充電器を使えば、約30分で約20kWhの電力を充電できます。
車用バッテリー充電器のつなぎ方と使い方は?
車用バッテリー充電器で車のバッテリーを充電する際には、車用バッテリー充電器とブースターケーブルを用意します。一般的な普通乗用車に使用するのは、12Vバッテリー充電器です。車用バッテリー充電器のつなぎ方と使い方は、以下のとおりです。
- マニュアルに従ってバッテリーを車から取り外す
- バッテリーの液量が「LOWER」レベルならバッテリー液を補充する
- 車用バッテリー充電器のスイッチがオフになっている
- 充電器のプラスとバッテリーのプラスを赤いケーブルでつなぐ
- 充電器のマイナスとバッテリーのマイナスを黒いケーブルでつなぐ
- 充電器の電源ケーブルをコンセントに差す
- 充電器の電源を入れて、充電アンペア数を設定する
- 充電を開始する
- 充電量が90%を超えたら充電を終了する
- 充電器の電源を切り、コンセントを抜く
- ケーブル類を全て取り外す
- 充電後30分以上経過してから、バッテリーを車に戻す
車のバッテリーはアイドリングで充電できる?
車のバッテリーはアイドリングで充電できます。ただし、アイドリング状態ではエンジンの回転数が1,000回転以下になるため、充電効率に限界があります。アイドリング充電で十分な電力を確保するには、最低でも1時間はエンジンを運転し続けなければなりません。
アイドリング中に出る音は近隣住民に迷惑をかける恐れがあるので、住宅街や公共の場を離れて充電しましょう。充電効率を高めるために、電装品の稼働は控えてください。
車のバッテリー寿命はどのくらい?
車のバッテリー寿命は、2年〜3年程度と言われています。寿命は気温や使用頻度の影響を受けやすいので、まだ3年も経っていないからといって油断はできません。
バッテリーの寿命を延ばすためには、日常的な点検とメンテナンスが欠かせません。バッテリーが極端に劣化している場合は、交換も視野に入れましょう。
車のバッテリー充電にかかる料金は?
カー用品店やガソリンスタンド、カーディーラーに車を持ち込んで充電する際にかかる料金は、2,200円程度です。店舗によって料金は異なるので、事前に確認しておきましょう。
自分で車用バッテリー充電器を使って充電する場合は、初期費用として1万円〜2万円程度かかります。車用バッテリー充電器は場所を選ばず、どこでも充電できるので、1台常備しておくと安心です。
車のバッテリーを充電する際の注意点は?
車用バッテリー充電器で車のバッテリーを充電する際には、100%まで充電せず、90%程度で留めておきましょう。過剰な充電は、バッテリー寿命を縮める原因になります。
また、火気のある場所では充電しないようにしましょう。車用バッテリー充電器のプラスとマイナスを反対に接続すると、引火爆発の原因になります。作業中は保護メガネやゴム手袋の着用を忘れないでください。
まとめ

本記事では、車のバッテリーを充電する方法について解説してきました。
車のバッテリーを充電する方法には、走行充電、アイドリング充電、充電器充電、ディーラーや整備工場への依頼といった4種類があります。走行充電では、エンジンの回転数に応じてオルタネーターが発電した電気がバッテリーに蓄えられます。
走行充電の効率を最大化するには、エンジンの回転数と速度を一定に保つ工夫が必要です。車内の電装品は、できるだけ使用しないようにしましょう。
本サイトを運営するEcoFlowは、車のサブバッテリーとして活躍するポータブル電源と800W走行充電器を販売しています。電化製品を駆使した快適なドライブを実現したい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。
→1.3時間で満充電できる「DELTA 3 Plus + 800W Alternator Charger」