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進化するLEDヘッドライト ふだんも災害時も大活躍

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筆者:あんどうりす
アウトドア防災ガイド。阪神大震災被災体験とアウトドアの知識を生かし、2003年より全国で講演活動を展開。⽣きる知恵が得られると好評で、⼝コミで全国に広がり、講演は毎年100回以上。 内閣官房国⼟強靭化推進室、弁護⼠会、医師会、助産師会、保育⼠会、防災⼠会、消防団など⽀援者研修も多数。 著作 「家族の笑顔を守る暮らしの知恵 りすの四季だより」新建新聞社 他

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アウトドアが人気なので、LEDヘッドライトを、防災グッズとしてというよりもアウトドアグッズとして、欲しいと思っている方も増えているのではないでしょうか?ここにきて、LEDヘッドライトは更なる進化をとげているので、そう思われるのも当然です。ここでは、最新情報をお伝えする前に、LEDヘッドライトを災害時に使うメリットについて、まずはお話ししたいと思います

LEDヘッドライトと熱くなるライトとの違いは?

2011年の東日本大震災の後、単1の乾電池が各地で品薄になったという報道が相次ぎました。その時は、まだ白熱電球の懐中電灯が一般的であったため、単1の乾電池を必要とする方が多かったのです。でも、アウトドアでは、2003年前後からLEDが主流でした。

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白熱電球は、一旦熱くして、熱エネルギーを作ってから光エネルギーに変換しています。そのため、白熱球の表面温度は、100Wで100度〜180度あり、触ると熱いです。それほどまでの熱を作り出すわけですから、電力を多く必要とします。だから、単1のような容量の大きい乾電池が必要になってしまうのです。

これに対し、LEDはエネルギーを熱に変える事なく光にしているため、使う電気も僅かですみます。電池の容量を減らせるということは、軽量化につながるため、アウトドアでは一般家庭で普及するよりもずっと早い段階から、LEDが普及していたのです。

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出典 イラストAC

また、白熱電球は、エジソンの発明であったことや、当時、フィラメントには京都産の真竹が当初使われていたことは、有名な話です。かぐや姫の話は、もしかしてのちに訪れる電球の予言だった?なんて想像してしまいますが、フィラメントは、その後、竹からタングステンに変わりました。ただ、このフィラメント、電池を交換しても、フィラメントが切れているからライトが点かないという事もありました。これが、雪山登山の最中に交換という事態になってしまうと、手袋をしたままだと交換しにくく、はずすと手が冷えるという事にもなり、命にかかわる事態にもなっていました。そんな訳で、LEDは、軽量化に加えて、フィラメント切れの心配がないこともあり、アウトドアでの普及がますます進みました。

余談になりますが、今や、フィラメント切れによる電球の交換という作業を知らない人も増えていると思います。そして、フィラメントといえば、3Dプリンターで使用する熱可塑性樹脂のことをイメージする人が増えているかもしれません!

ヘッドライトが災害時に役立つ3つの理由

1、両手があけられる

ところで、私は、2003年から防災の講演を始めたのですが、当時、LEDだけでなく、ヘッドライトというだけで、一般にはハードルの高いものでした。「探検隊や特殊部隊のように頭の上にギラギラ光る重たいライトをかざしているアレですか??」「とてもふだんから使える気がしない」などと言われていたものです。

けれども、その当時から推していたLEDのヘッドライトの災害時のメリットの1番のポイントは、両手が空けられることです。特に子育て中は、ずっとこどもを抱っこしていたりするので、両手が空けられないと困る事この上ないのです。走って避難が必要な時も、両手に何も持っていないほうが走りやすいです。災害後の掃除も、両手が空いてないと作業ができません。両手が空けられるというのは、ヘッドライトの最大のメリットです。

2、女性の味方!

2つめのメリットの方は、まだあまり知られていないかもですが、女性が夜にトイレに行く場合、両手が空いていないと、用を足すのも大変になるということです。今でこそ、女性目線の防災ということに注目が集まっていますが、イメージでは、特殊部隊のように思われているヘッドライトのほうが、実は、女性にとっても使いやすい機能をもっていたことが、個人的に面白いなと思っています。

3、ふだんから大活躍

3つめのメリットは、ヘッドライトがふだんから大活躍することです。「ヘッドライトなんてふだん使えるの?」と思われるかもしれません。でも、これが、かなり使えるのです。

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出典 イラストAC

家具と壁の隙間に何か落ちてしまった時に、「あってよかった!ヘッドライト!」と感動しますし、夜道のペットの散歩や帰宅時にも、いかがでしょう?高輝度で点滅させながら歩くと近寄り難い雰囲気を醸し出して防犯にも役立つかもしれません。部屋を暗くして探検ごっこもできますし、とっておきの遊びは、ヘッドライトをつけた人がライトの前に手をもっていくと、「ひとり影絵劇場」ができあがるということです。おうちキャンプでは、壁にうつった模様から何の動物か当てるゲームをすると盛り上がります!

「遊びで使ってしまうといざという時、電池がなくなって使えなくなるのでは?」という質問もあるのですが、LEDは電力消費が少ないので、そんなにすぐに電池がなくならないのも魅力です。いつも遊びで使っていると、こどもでも置き場所を知っているので、こどもがひとりで被災した際にも使いこなすことができます。

かわいいヘッドライトは増えてきたのだけど、それでもあった欠点を補う新製品

アウトドア用LEDヘッドライトもカラフルだったりスタイリッシュなデザインのものが出てきたので、頭につけていて、気恥ずかしく感じは、減ってきていました。とはいえ、あのゴム製のバンドを頭につけると、孫悟空が頭につけている「緊箍児(きんこじ)」みたいで、悪いことをしたら締め付けられそうな圧迫感も、なきにしもあらずというのが今まででした。だから、ヘッドライトより、ネックストラップのほうが、抵抗が少ないとおっしゃる方もいました。

ところが、ここにきて、LEDヘッドライトの更なる軽量化により、見た目が「緊箍児」から、「ティアラ」に大変身したものもあるってことなのです。

「いやいや、ティアラなんて大袈裟でしょう」と言われそうですが、例えば、500ルーメンと明るいLEDが、超軽量になったため、リボンのような細い紐やストラップで支えていて、それが暗闇で光ると、まるでダイヤを中心にあしらった細いティアラに見えてくるんですよ。ほんとに!

ヘッドライトさらなる軽量化の理由は、乾電池を使わなくなった事

そして、超軽量化といいましたが、重さが30g以下と「手拭い」より軽いのに、400ルーメンあるものや、後頭部をつつみこむように支える構造にして、体感として重さを感じさせないヘッドライトなど、その進化ぶりに目が離せない感じです。

明るくなったのに軽量化された理由は、乾電池ではなく、軽い充電可能な専用電池を使ったことも原因です。非常持ち出し袋の一覧表には、予備の乾電池と当たり前のように書かれていますが、最新のヘッドライトは乾電池を使わないものが増えているのです。この場合、充電は、野外ではスマートフォンの充電器を使ったり、リュックに取り付けられるようなソーラーパネルで充電したり、キャンプの時は、ポータブル電源から充電も可能です。乾電池は、こどもが小さいうちは、誤飲の危険もあるので、充電式の方が安心という声もあります。でも、どうしても乾電池の安心感も欲しいという方には、乾電池と併用できるものもあります。

今や、軽く、明るく、デザイン性も高く、ティアラっぽいものもあるLEDヘッドライト、ふだんから活用して災害時にも役立てていただければと思います。家族ひとりにひとつ、お気に入りの相棒としてのLEDヘッドライトを探してみてくださいね!
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