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介護施設のBCP対策とは?義務化された背景や机上訓練・研修の重要性も解説

介護施設では、2024年4月からBCP(業務継続計画)の策定が義務化されました。自然災害や感染症が発生した際に、入所者と従業員の安全を確保し、サービスを継続するためには、実用性のあるBCP策定が重要です。策定後は、訓練や研修で対応策を身に付けましょう。

そこで本記事では、介護施設で策定するBCPの内容について解説します。BCPを策定するメリットや、円滑に策定する流れ・ポイントも掲載しているので、緊急時に活躍するBCPを策定したい方は、ぜひ最後までご覧ください。

介護施設におけるBCPとは

介護施設 BCP とは

BCP(業務継続計画:Business Continuity Planning)とは、災害や感染症などの緊急事態が起きた際に損害を最小限に抑え、事業活動を継続するための計画です。介護施設においては、多くの高齢者や要支援者が生活しており、緊急時には深刻なリスクに晒されます。

介護施設でBCPを策定し、日頃からスタッフの訓練を実施しておけば、緊急時でも継続的に安全な介護サービスを提供できるでしょう。BCPの策定は、入所者からの信頼を獲得し、介護施設の価値を高めるためにも重要な活動です。

2024年4月|介護施設のBCP策定が義務化

2024年4月からは、介護事業所におけるBCP策定が義務化されました。義務化に至った背景として、自然災害の増加や、新型コロナウイルスによるパンデミックが挙げられます。

2011年に起きた東日本大震災では、最低でも52か所の高齢者施設が被災し、入所者・職員合わせて658名が犠牲になりました(※1)。2020年に新型コロナウイルス感染症が流行した際にも、介護施設にいる多くの入所者と職員が生命の危機に晒されました。

介護サービスは、高齢者や要支援者にとって生命維持に関わる重大な役割を担っています。いかなる状況でも介護サービスを継続するためには、BCPの策定が不可欠です。

※1参考:災害対策研究会「公共施設や福祉施設等の人的被害状況と考察」

BCP未策定の場合は基本報酬の減算

2025年3月31日までの経過措置期間を超えて、BCPが策定されていない介護事業所に対しては、基本報酬から最大3%の減額が適用されます。減額の要件は、以下のとおりです。

  • 施設系・居住系サービス:所定単位の3%
  • 訪問系・通所系サービス:所定単位の1%

万が一、2026年度以降に策定が確認されなかった場合、基準を満たしていない事実が生じた時点まで遡って減額されるので注意してください。

介護施設でBCPを策定する5つのメリット

介護施設 BCP 策定 メリット

介護施設がBCPの策定に取り組むメリットは、本来の目的である介護サービスの継続だけではありません。介護施設でBCPを策定するメリットは、以下のとおりです。

  • メリット1|緊急時も介護サービスを提供できる
  • メリット2|入所者・職員の命を守れる
  • メリット3|補助金・助成金を受け取れる
  • メリット4|税制優遇・金融支援が受けられる
  • メリット5|ワクチンを優先的に接種できる

それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。

メリット1|緊急時も介護サービスを提供できる

BCPを策定しておけば、緊急時も入所者に介護サービスを提供し続けられます。万が一、一時的にサービスが途切れたとしても、早期に復旧できるでしょう。いかなる状況でも介護サービスを継続できれば、以下のような効果も期待できます。

  • 入所者が安心感を得られる
  • 家族の負担を軽減できる
  • 事業収益の減少を防げる

入所者が介護サービスを受けられないと、入所者の家族にも負担が及びます。災害時に交通機関がストップしている状況では、遠方の家族はすぐに駆けつけられません。

メリット2|入所者・職員の命を守れる

BCP策定の大きなメリットとして、入所者・職員の命を守れる点が挙げられます。事前に医療体制やライフライン、食料・飲料水を確保しておけば、被害を最小限に抑えられるでしょう。迅速な避難誘導によって、逃げ遅れるリスクも軽減できます。

災害時は、入所者を支える職員のメンタルケアも欠かせません。BCPの策定を通して、介護施設が抱えるリスクを洗い出し対策を講じておけば、緊急時の安全は守られます。

メリット3|補助金・助成金を受け取れる

一定の条件を満たした介護事業所がBCPを策定した場合、自治体から補助金や助成金を受けられる場合があります。介護施設が活用できる主な補助金制度は、以下のとおりです。

制度名機関支援内容
事業継続力強化計画認定制度中小企業庁・税制措置・金融支援・補助金の加点
BCP実践促進助成金東京都物品・設備の導入に要する経費の助成
独自の支援制度自治体設備投資への助成

ただし、補助金・助成金の受給には厳しい条件が設けられている場合もあるので、自治体のホームページで条件を満たしているか確認しましょう。

メリット4|税制優遇・金融支援が受けられる

経済産業省の中小企業庁が実施する「中小企業防災・減災投資促進税制」では、BCPを策定した事業所が特別償却16%の税制措置を受けられます。対象者は、以下のとおりです。

  • 2026年度以前に事業継続力強化計画又は連携事業継続力強化計画の認定を受けた
  • 認定日から1年以内に計画に記載された設備を購入し、事業に役立てた

税制措置だけでなく金融支援も受けられるので、ホームページを確認しましょう。

メリット5|ワクチンを優先的に接種できる

BCP対策を行っている介護事業所は、感染拡大時にワクチンの優先接種が受けられます(※2)。ワクチンの優先接種を受けるには、BCP策定に加えて産業医の選任が必須です。

感染症が流行した際に、入所者や職員の健康を最優先で守れるので、介護施設としての価値も高まるでしょう。介護事業を拡大する上で、BCP策定は大きな役割を担います。

※2参考:e-Gov「新型インフルエンザ等対策特別措置法(令和三年四月一日施行)」

介護施設でBCPに記載する2つの内容

介護施設 BCP 記載 内容

介護施設がBCPに記載する必要のある内容は、自然災害と感染症への対策です。いずれも入所者の生命を脅かすリスクが高く、介護サービスの継続が危ぶまれます。介護事業所がBCPを策定する際に記載すべき詳細な内容を、項目別に見ていきましょう。

感染症への対策

介護施設で感染者が発生した場合、入所者や家族、職員に感染が広がっていく恐れがあります。感染の拡大を抑え込めるよう、BCP策定時には以下の対策を検討しましょう(※3)。

  • 感染症に関する最新情報を収集する
  • 手指の消毒や換気を行う
  • 職員や入所者の体調を管理する
  • 施設内出入り者の記録を管理する
  • 防護具や消毒液などの在庫量を確認する

※3参考:厚生労働省「介護施設・事業所における感染症発生時の業務継続ガイドライン」

自然災害への対策

地震や台風、津波など、自然災害の種類によって起こりうる被害も異なります。災害のリスクは、介護施設・事業所がある立地に大きく影響を受けるでしょう。自然災害による被害を最小限に抑えるために、BCP策定時には以下の対策を検討してください(※4)。

  • 人が常駐する場所の耐震化を行う
  • 設備・什器類の転倒・転落・破損防止措置を講じる
  • ガラスに飛散防止フィルムを貼る
  • 消火器の設備点検や収納場所の確認を行う
  • 浸水や暴風による危険性を確認する
  • ポータブル電源を導入する
  • プロパンガスや五徳コンロなどを用意する

※4参考:厚生労働省「介護施設・事業所における自然災害発生時の業務継続ガイドライン」

介護施設でBCPを策定・運用する流れ

介護施設 BCP 策定 運用 流れ

BCPを初めて策定する場合は、進め方が分からない方も多いでしょう。自然災害や感染症が発生した際に介護サービスを継続するには、BCPを作成するだけでなく、計画通りに実行できるかの検証も必要です。介護施設でBCPを策定・運用する流れを紹介します。

  • 1.正確な情報集約ができる体制を構築する
  • 2.事前・被災時の対策を策定する
  • 3.業務の優先順位を整理する
  • 4.机上訓練・実地訓練・研修を行う

それぞれの流れについて、詳しく見ていきましょう。

1.正確な情報集約ができる体制を構築する

自然災害や感染症が発生した際に迅速な対応を取るためには、正確な情報を集約・共有できる体制を構築する必要があります。全体の意思決定者や各業務の担当者を決めておき、誰が何をするのかを明確にしておきましょう。

さらに、収集した情報を素早く共有するには、関係者の連絡先や連絡フローの整理も必要です。情報が上手く伝達できなければ、対策が取れずに被害は拡大する恐れがあります。

2.事前・被災時の対策を策定する

自然災害の対策を検討する際は、事前の対策と被災時の対策に分けて準備しましょう。「今何をしておくか」と「緊急時にどう行動するか」を考える必要があります。事前の対策と被災時の対策、それぞれの対応は以下のとおりです。

<事前の対策>

  • 設備、機器、什器を固定する
  • ライフラインが停止した際のバックアップを準備する

<被災時の対策>

  • 人命安全のルールを策定する
  • 事業復旧に向けたルールを策定する
  • 初動対応を検討する

3.業務の優先順位を整理する

介護施設・職員の被災状況や、職員の感染状況によっては、限られた職員で介護サービスを継続しなければなりません。重要な業務を最優先で継続できるよう、事前に業務の優先順位を整理しておきましょう。BCPでは、最も優先すべき業務を「中核事業」と呼びます。

4.机上訓練・実地訓練・研修を行う

緊急時に策定したBCP通りに対応できるよう、机上訓練や実地訓練、研修を実施しましょう。入所系は年に2回以上、通所系や訪問系は年に1回以上、研修や訓練を実施するのがおすすめです(※5)。机上訓練では、災害発生から復旧までの流れを机上で確認します。

※5参考:厚生労働省「令和5年度 介護BCP策定支援セミナー」

BCP策定に役立つポータブル電源とは

BCP 策定 役立つ ポータブル電源

厚生労働省が定めるBCP策定のガイドラインでは、電源の確保が平常時の対策として挙げられています。災害による停電対策には、ポータブル電源の導入がおすすめです。ポータブル電源とは、内部に大量の電気を貯めて、電化製品に給電できる機器を指します。

介護施設で停電が発生した際にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。

  • エアコンや扇風機などの冷暖房機器を稼働して、快適な気温を維持できる
  • 電子レンジや電気ケトルを稼働して、簡単に非常食を温められる
  • 冷蔵庫に給電して、食品が傷むのを防ぐ
  • LEDライトを点灯させて、夜の安全を確保する
  • 携帯ラジオを使い、最新の災害情報を収集できる
  • スマホや電話機を使って、外部の機関と確認が取り合える

ポータブル電源は自由に持ち運びできるので、入居者がいる場所へ移動させて家電を動かせます。ソーラーパネルと併用すれば、充電切れの心配がなくなるので、停電が長期化しても介護サービスを中断しなくて済むでしょう。

BCP対策に必要な性能|おすすめの製品

BCP対策として介護施設に準備するポータブル電源は、大容量かつ高出力なタイプを選びましょう。1台のポータブル電源で、複数人の入居者に対して電気を供給するとなると、最低でも容量4kWh、出力3000W以上が必要です。

EcoFlowは、定格出力3600Wと容量4kWhを備えたポータブル電源「DELTA Pro 3」を販売しています。「DELTA Pro 3」の特徴は、以下のとおりです。

  • エクストラバッテリーで最大12kWhまで容量を拡張できる
  • X-Boost機能で最大5100Wの家電を稼働できる
  • 200V対応で、介護施設にある大型の家電にも給電できる
  • LFPバッテリーを採用し、一日一回の使用で約11年間の長寿命を保つ
  • 握りやすいハンドル付きのコンパクトなデザインを誇る
  • デュアルPV充電により、停電中も最速2.2時間で満充電できる
  • 動作音はわずか30dbなので、就寝中も使用できる

UL94 5VA認証の難燃素材を採用し、独自の安全保護機能「X-GUARD」を搭載しているので、高齢者や要支援者が生活している介護施設でも安全に使用できます。BCP対策としてポータブル電源を導入したい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。

EcoFlow DELTA Pro 3
4096Whのバッテリー容量を誇り、一度の充電で長時間の使用が可能です。大容量バッテリーであらゆるデバイスを長時間稼働させることができ、非常時やアウトドアでも安心して利用できます。

BCPを円滑に策定するためのポイント

BCP 円滑 策定 ポイント

BCPを何も参考にせず、1から策定しようとすると、膨大な時間がかかるでしょう。考慮すべき対策が漏れて、不完全なBCPにもなりかねません。BCPを円滑に策定するためのポイントは、以下のとおりです。

  • 厚生労働省のガイドラインやひな形を活用する
  • BCP研修やセミナーに参加する

それぞれのポイントについて、詳しく見ていきましょう。

厚生労働省のガイドラインやひな形を活用する

BCPを厚生労働省のガイドライン・ひな形に沿って作成すれば、スムーズに資料が完成します。マニュアルでは、BCPの基礎情報からBCP作成のポイントまで、網羅的に解説されているのが特徴です。入所系・通所系・訪問系別に、必要な対策が掲載されています。

ひな形は、空欄を埋めていけばBCPが完成する仕組みです。例示を参考にしながら作成できます。PDF形式とEXCEL形式から選択してダウンロードし、上から順に記載しましょう。

BCP研修やセミナーに参加する

自治体や企業が実施するBCP研修やセミナーに参加すれば、BCPを策定するための具体的なプロセスが学べます。既にBCPを策定している場合でも、研修やセミナーで得た知識をフィードバックすれば、BCPの改善にも役立つでしょう。

厚生労働省のホームページにおいても、研修動画としてBCPの作り方が公開されています。BCPに関する知りたい内容が網羅された研修やセミナーを探してみてください。

介護施設のBCPに関するよくある質問

介護施設 BCP 質問

最後に、介護施設のBCPに関するよくある質問を紹介します。

  • 防災計画とBCP(自然災害)の違いは?
  • 介護施設・事業所におけるBCP作成例は?

それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。

防災計画とBCP(自然災害)の違いは?

防災計画の目的は、身体・生命の安全確保や被害の軽減です。一方、BCPの目的は、防災計画の目的に、重要業務の継続または早期復旧が加わります。考慮すべき事象は、防災計画が地域一帯で起こる災害全般であるのに対し、BCPは自社の事業中断に関わる災害です。

介護施設・事業所におけるBCP作成例は?

介護施設・事業所におけるBCP作成例は、厚生労働省が提供するひな形に記入されています。EXCELのひな形をダウンロードし、赤色のシートが作成例です。

また、北海道や三重県、静岡県など、自治体によっては作成例を公開している場合もあるので、確認してみましょう。複数の作成例と照らし合わせながら作成すれば、思わぬ着眼点が見つかる場合もあります。

まとめ

介護施設 BCP 策定方法

本記事では、介護施設におけるBCPの策定方法について解説してきました。

BCP(業務継続計画)は、頻発する自然災害や新型コロナウイルス感染症の蔓延を受けて、介護施設に策定が義務付けられました。BCPを策定すると、緊急時も介護サービスを継続できるだけでなく、補助金の受給やワクチンの優先接種などのメリットがあります。

これから初めてBCPを策定する方は、厚生労働省が提供するガイドラインやひな形を参考にしましょう。事前と緊急時における自然災害・感染症の対策を講じる必要があります。

EcoFlowは、BCPの内容に活かせる高出力・大容量のポータブル電源を販売しています。大規模な停電時に入居者や職員の健康を守りたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。
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