「エアコンの電気代は1時間でどれくらいかかるの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。エアコンの電気代は機種や使用環境によって異なりますが、一般的には1時間あたり15.5円〜46.5円程度が相場です。
ただし、設定温度が低すぎたり、フィルターが汚れていたりすると、電気代が高くなる可能性があります。エアコンの電気代を抑えるには、適切な使い方と定期的なメンテナンスが欠かせません。
本記事では、エアコンの電気代の計算方法や高くなる原因、効果的な節電方法について解説します。エアコンの電気代を節約したい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
エアコンの冷暖房の仕組み
エアコンは、冷房と暖房の両方の機能を持つ空調機器です。冷房と暖房では、動作の仕組みが異なります。以下、それぞれの仕組みについて詳しく解説します。
冷房の仕組み
冷房時は、室内の熱を吸収し、室外に排出することで部屋を冷やします。この過程で、冷媒という熱を運搬する物質とつなげて室外機に運び出し、部屋の熱を外に放出しています。
室外機によって熱が放出された空気は再び室内機に戻り、熱交換器によって冷たい空気になります。その冷たい空気を部屋に取り込むことで、部屋の温度が下がる仕組みです。
暖房の仕組み
暖房時は、反対に室外の熱を吸収して、室内に供給することで部屋を暖めます。冷房とは逆の原理で、まずは室内機の熱交換器の働きによって冷たい空気が室外機に送られます。
室外機の熱交換器で外気の熱を吸収し、圧縮機で高温にして室内機に戻します。その暖風を部屋に循環させることで、部屋の温度が高まる仕組みです。
冷房と除湿の違い
冷房は部屋の温度を下げるのが主な目的であるのに対し、除湿は部屋の湿度を下げることが主な目的です。どちらも部屋の温度は下がりますが、冷房と除湿ではエアコンの動作が異なります。
電気代については、冷房と除湿ではそこまで大きな差はありません。しかし、エアコンの除湿方式によっては、冷房よりも除湿のほうが電気代が高くなることもあります。
実際の電気代は、使用するエアコンのモデル、室温と設定温度の差、湿度レベル、使用する時間帯や時間の長さなど、さまざまな要因によって変わります。
→エアコンの除湿と冷房どっちが電気代かかる?上手に使い分ける方法と効果的な節電対策
エアコンの電気代の決まり方
エアコンの電気代は、消費電力と使用時間によって決まります。消費電力は、エアコンの機種やモードによって異なり、使用時間はエアコンを1日にどれだけ使うかによって変わってきます。
電気代の計算方法
エアコンの消費電力量を把握できれば、実際の電気代を計算できます。電気代の計算式は、「電気代=消費電力量(kWh) × 電気料金単価(円/kWh)× 使用時間(h)」です。
全国家庭電気製品公正取引協議会が「新電力料金目安単価」としている価格は、1kWhあたり「31円(税込)」です。この計算により、時間あたりのエアコンの電気代を把握できます。
例えば、エアコンが1日に8時間稼働し、消費電力が1時間あたり0.8kWh(800W)の場合、1日の消費電力量は「8時間×0.8kWh=6.4kWh」です。したがって、1日の電気代は「6.4kWh×31円/kWh=198.4円」となります。
エアコン(冷房)の1時間あたりの電気代
一般的なエアコンの消費電力は、500W〜1,500W程度です。つまり、1kWhあたり31円の電気料金単価を踏まえると、1時間あたりの電気代は15.5円〜46.5円ほどになります。
ただし、この金額はあくまで目安であり、実際の電気代は使用環境や設定によって変動します。例えば、外気温が高い日や設定温度を低くしている場合は、消費電力が増加し、電気代も高くなる傾向にあります。
消費電力については、使用しているエアコンの本体や取扱説明書、カタログなどに記載されているため、いずれかを確認してみてください。
1日つけっぱなしにした場合の電気代
エアコンを1日中(24時間)つけっぱなしにすると、電気代は372円〜1,116円程度になります。ただし、実際には24時間連続で運転することは少ないでしょう。
一般的にエアコンは朝起きてから就寝するまでの間、必要に応じて使用するものです。仮に1日8時間使用したとすると、電気代は約124円〜372円になります。
エアコンは運転を開始した直後に多くの電力を消費します。そのため、こまめにオン・オフを繰り返すよりも、ある程度の時間を継続して使用したほうが、トータルの消費電力を抑えられる場合があります。
1ヶ月つけっぱなしにした場合の電気代
仮に1ヶ月(30日)エアコンをつけっぱなしにした場合、電気代は約11,160円〜33,480円になります。1ヶ月つけっぱなしにした場合はかなりの金額となるため、夏季の冷房使用で電気代が大きく跳ね上がる可能性があります。
しかし、実際にエアコンを1ヶ月中つけっぱなしにすることはほとんどありません。夏季の冷房使用で1日8時間、1ヶ月使用したと仮定すると、電気代は約3,720円〜11,160円になります。
この金額は、家計に大きな負担となる可能性があります。エアコンの使用時間を減らしたり、設定温度を適切に調整したりすることで、電気代を節約できるでしょう。
エアコン(冷房)の電気代が高くなる原因
エアコンの電気代が高くなる原因はさまざまです。主な原因を5つ挙げ、それぞれを解説します。
- 温度設定が適切になっていない
- 室外機の吹出口が塞がっている
- フィルターが汚れている
- 涼しさが外に逃げやすくなっている
- 古いエアコンを使用している
各原因の詳細を見ていきましょう。
原因1.温度設定が適切になっていない
設定温度が低すぎると、エアコンの消費電力が増加するため注意が必要です。外気温との差が大きいほど、電気代は高くなる傾向があります。
例えば、外気温が30度のとき、室温を25度に設定するのと20度に設定するのでは、消費電力に大きな差が生じます。設定温度を1度上げるだけで、10〜13%の消費電力削減効果があると言われています。
原因2.室外機の吹出口が塞がっている
室外機の吹出口が塞がっていると熱交換の効率が悪化します。エアコンが効きにくくなり、電気代の増加につながるのです。
室外機は、室内の熱を外に逃がす役割を担っています。吹出口が塞がっている場合、熱を十分に排出できなくなり、エアコンの冷房効果が低下してしまうのです。
原因3.フィルターが汚れている
エアコンのフィルターが汚れている場合、空気の流れが悪くなります。エアコンの効きが悪くなり、結果として電気代が高くなってしまうのです。
フィルターがホコリで詰まっていると、空気を取り入れる量が減少し、必要な空気を確保しようとして余分な電力を消費します。また、フィルターが汚れたままエアコンを使用し続けると、故障の原因にもなりかねません。
原因4.涼しさが外に逃げやすくなっている
4つ目の原因は、涼しさが外に逃げやすくなっていることです。部屋の断熱性が低いとエアコンの効きが悪くなるため、電気代の増加につながりやすくなります。
例えば、窓やドアの隙間から冷気が漏れていたり、壁や床の断熱性が低かったりすると、せっかくエアコンで冷やした空気が外に逃げてしまいます。カーテンを利用して日光を遮ったり、窓やドアの隙間をふさいだりするなど、部屋の断熱性を高める工夫が必要です。
原因5.古いエアコンを使用している
古いエアコンは、新しい機種に比べて消費電力が高い傾向にあります。省エネ性能の低さが、電気代の増加につながってしまうのです。
エアコンは、年々省エネ性能が向上しています。10年以上前の機種と比べると、最新のエアコンは消費電力が2倍近く低減されています。
古いエアコンを使い続けることは、電気代の面でも不利になりがちです。長年使用しているエアコンがあれば、買い替えを検討してみるのも一案でしょう。
エアコン(冷房)の電気代を削減する方法
エアコンの電気代を削減するためには、適切な使い方が重要です。ここでは、電気代削減に効果的な6つの方法を紹介します。
- 自動運転機能を活用する
- 室外機の吹出口を塞がないようにする
- 2週間に1度フィルターを掃除する
- 窓に断熱シートを貼る
- エアコンとサーキュレーターを併用する
- 新しいエアコンに買い換える
それぞれの方法について詳しく解説していきます。
方法1.自動運転機能を活用する
エアコンの自動運転機能を使うことで、最適な温度設定や風量調整ができます。外気温や室温に合わせて、自動的に運転モードを切り替えてくれるため、無駄な電力消費を抑えられ、電気代の削減につながります。
また、自動運転機能を活用すれば快適性も向上します。手動で設定を変更する手間を省けるだけでなく、常に最適な環境を保ってくれるため、ノンストレスで快適な空間を維持できるでしょう。
方法2.室外機の吹出口を塞がないようにする
室外機の吹出口周辺に物を置かないようにしましょう。吹出口が塞がれると、熱交換の効率が悪化し、エアコンの消費電力が増加するためです。
特に、室外機の周りに植木鉢や物干し竿などを置いている家庭は要注意です。定期的に室外機周辺を点検し、吹出口を塞ぐ物がないか確認しましょう。
方法3.2週間に1度フィルターを掃除する
フィルターは、2週間に1度程度の頻度で掃除することが大切です。定期的にフィルターを掃除し、常にきれいな状態を保つよう心がけましょう。
特に花粉シーズンや梅雨時は、フィルターが汚れやすくなります。こまめに掃除することで、フィルターの目詰まりを防ぎ、エアコンの効率を維持できます。
方法4.窓に断熱シートを貼る
窓ガラスに断熱シートを貼ることで、部屋の断熱性を高められます。断熱シートを貼れば夏の強い日差しを防げるため、結果的にエアコンの冷房効率が上がり、消費電力の減少に寄与します。
【そのほかの断熱対策】
- 窓に緩衝材を貼る
- 隙間テープで窓の隙間を埋める
- 屋根にソーラーパネルを設置する
断熱シートは、DIYで簡単に取り付けられるものが多く、費用も手頃です。シーズン前に断熱シートを貼ることで、夏の電気代削減に役立ちます。
方法5.エアコンとサーキュレーターを併用する
サーキュレーターを使って、部屋の空気を循環させましょう。エアコンの冷気を部屋全体に行き渡らせることで、効率的な冷房が可能となります。
エアコンは室内機の近くだけ冷えすぎ、離れた場所は冷えにくいという特性があります。サーキュレーターを併用することにより、この問題を解消できるのです。
サーキュレーターがない場合は、扇風機でも代用可能です。サーキュレーターや扇風機の併用により、電気代を大幅に抑えられます。
→扇風機の電気代は1ヶ月いくら?エアコンとの違いや効果的な節電方法を解説
方法6.新しいエアコンに買い換える
古いエアコンを省エネ性能の高い新しい機種に買い換えるのも効果的です。新しいエアコンは消費電力が大幅に抑えられており、長期的な視点で見ると、電気代の削減効果が期待できます。
特に10年以上前の機種を使用している場合は、買い換えを積極的に検討しましょう。技術の進歩により、最新のエアコンは消費電力が大幅に減少しています。
電気代を長期的に節約したいなら太陽光発電がおすすめ
電気代を長期的に節約したい場合は、太陽光発電システムの導入がおすすめです。太陽光パネルで発電した電力を自家消費することで、電力会社からの電力購入量を大幅に減らせます。
太陽光発電システムの導入には初期費用がかかりますが、長期的に見れば、電気代の削減効果は大きいと言えるでしょう。発電した電力を売電することで、投資回収も早まります。
また、ポータブル電源を併用すれば、さらなる電気代の削減効果に期待できます。日中に発電した電力をポータブル電源に貯め、夜間に使用することで、電力会社からの購入量をさらに抑えられるのです。
特におすすめの製品として、EcoFlowが販売するポータブル電源とソーラーパネルのセット商品が挙げられます。持ち運びが可能なので、キャンプや車中泊などのアウトドアでも利用可能です。もちろん、電気代の節約や非常用電源としても機能します。
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まとめ
本記事では、エアコンの電気代の計算方法や高くなる原因、効果的な節電方法について解説しました。
エアコンの電気代は、消費電力と使用時間、電力量料金単価の3つの要素で決まります。設定温度が低すぎたり、フィルターが汚れていたりすると、消費電力が増加して電気代が高くなる可能性があります。
電気代を削減するには、自動運転機能の活用やフィルター掃除、サーキュレーターの併用など、適切な使い方が重要です。長期的な節約を考えている場合は、太陽光発電システムの構築も選択肢の1つに入ります。
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