日本最高峰の高さを誇る富士山は、登山好きにとって憧れの存在です。登山道には、富士五湖や高山植物、ご来光、雲海など、富士山の登山でしか見られない絶景が広がっています。しかし、準備を疎かにして軽い気持ちで登ってしまうと、大事故にもつながりかねません。
そこで本記事では、初心者が富士山の登山に挑戦する上で必要な持ち物や、おすすめの登山ルートについて解説します。山開きの時期や注意点も掲載しているので、富士山の登山計画を立てていきたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
富士山に登山する魅力とは

標高3,776mの日本を代表する名峰「富士山」は、これまで数多くの登山家たちの心を虜にしてきました。富士山登山の魅力は、なんといっても山頂から望む絶景と達成感です。
眼下に広がる一面の雲海とご来光の美しさに、心を奪われること間違いありません。登山の疲れも忘れて、自然の雄大さに圧倒されるでしょう。過酷な登山を乗り越えた達成感も相まって、最高の感動体験になります。あなたも富士山の魅力を味わってみませんか。
富士山の山開きはいつ?登山に最適な時期

2025年における富士山の山開きは、山梨県側の吉田ルートが7月1日(火)から、静岡県側の須走ルート、御殿場ルート、富士宮ルートが7月10日(木)からです(※1)。
閉山の時期は、両側で共通して9月10日(水)と定められています。ただし、全ルートで午後2時〜翌午前3時までは、五合目から入山規制がかけられているので注意してください。
※1参考:富士登山オフィシャルサイト「2025年登山シーズン(5合目~山頂)」
【レベル別】富士山の登山ルート4選

富士山の山頂を目指す際に選べる登山ルートは、以下の4つです。登山口の標高や周囲の地形、山小屋・救護所の数などが異なるため、レベルに合ったルートを選ぶ必要があります。
- 【初心者】吉田ルート(山梨県)
- 【初心者】富士宮ルート(静岡県)
- 【中級者】須走ルート(静岡県)
- 【上級者】御殿場ルート(静岡県)
それぞれの登山ルートについて、詳しく見ていきましょう。
【初心者】吉田ルート(山梨県)
富士スバルラインの五合目(標高2,300m)からスタートする登山ルート。全ルートの中で唯一、山梨県側から山頂を目指して登ります。八合目で須走ルートの登山道と合流します。
登山道には山小屋が多くあり、救護所も2か所あるため、初心者でも安心して登山が楽しめるでしょう。ただし、下山道には山小屋がほとんどなく、救護所もありません。登山シーズンのピークには、登山道や駐車場、登山バスが混雑するので注意してください。
【初心者】富士宮ルート(静岡県)
全ルートの中で最も標高の高い富士宮口五合目(標高2,400m)からスタートする登山ルート。山頂までの距離が短いので、吉田ルートに次いで人気の高いルートです。駿河湾が一望できたり、多種多様な高山植物が見られたりと、道中の景色が楽しめます。
ただし、全体的に傾斜が急な上にやや岩場も多いので、吉田ルートよりは難易度が高めです。山小屋は数多く存在するので、体力に自信のある初心者にぴったり。登山道と下山道が一緒のため、混雑時は他の登山客と道を譲り合いましょう。
【中級者】須走ルート(静岡県)
須走口五合目(標高2,000m)からスタートする登山ルート。樹林帯を通り抜けて山頂を目指すので、強い日差しを避けたい方や、高山植物を観察したい方におすすめです。樹林帯を抜けた先には、ご来光や影富士の絶景が待っています。
七合目からは、火山砂利の下山道を一直線に下る「砂走り」も魅力の一つです。ただし、樹林帯では見通しが効かないため、夜間や濃霧時には迷わないよう注意してください。夜間登山の予定がない方でも、ヘッドランプが欠かせません。
【上級者】御殿場ルート(静岡県)
御殿場口新五合目(標高1,440m)からスタートする登山ルート。傾斜は緩やかですが、山頂までの標高差が最も大きく距離も長いため、上級者向けの最難関ルートです。登山のハードルは高いですが、登山客が少なかったり、ご来光が見られたりと魅力もあります。
七合目の「大砂走り」では、火山砂利をダイナミックに駆け下りましょう。ただし、目標物が少ない上に濃霧が出やすいポイントもあるため、道をはずれないよう注意が必要です。山小屋の数も少ないので、登山経験を積んでからチャレンジしてみてください。
初心者必見!富士山の登山に必要な持ち物10選

富士山では、準備不足や体調不良が原因で毎年多くの遭難者・事故が発生しています。富士山の登山を安全に楽しむには、最低限以下の持ち物が必要です。
- 防寒着
- 雨具(セパレートタイプ)
- ヘッドランプ
- 登山靴・トレッキングシューズ
- 飲料水
- 行動食
- ゴミ袋
- 地図
- モバイルバッテリー
- ソーラーパネル
それぞれの持ち物について、詳しく見ていきましょう。
防寒着
富士山の登山において、防寒着は「富士山における適正利用推進協議会」が定める必須アイテムです(※2)。登山口の五合目では暑いと感じていても、山頂まで登ると昼間で9℃、夜間で13℃以上も気温が下がる恐れがあります。
また、雨や風は体感温度をさらに下げるので、十分な防寒着が必須です。中間着にはフリースやセーター、アウターにはダウンジャケットやフード付きのシェルを着用しましょう。ネックウォーマーやニット帽、手袋、タイツなどのアイテムも活躍します。
雨具(セパレートタイプ)
富士山の登山では、雨天時の体温低下を防ぐために雨具が必要です。動きやすさを重視して、ズボンと上着に分かれたセパレートタイプを用意しましょう。上下に分かれていれば、その日の気温や湿度に応じて着脱による調節が可能です。
富士山では山頂に近づくにつれて風が強くなるため、ビニールのレインコートでは破れる恐れがあります。防水透湿素材・耐久性に優れた素材を選ぶのがおすすめです。
ヘッドランプ
夜間まで滞在する予定がなかったとしても、ヘッドランプは必ず持参しましょう。登山道が渋滞していたり、体調不良で休んでいたりした場合は、予定外に日没後の下山になる恐れがあります。ヘッドランプを持っていなければ、足元の障害物で怪我を負いかねません。
懐中電灯やランタンなどの手で持つタイプの照明は、岩場を片手で支えることになり、転倒の危険があります。足元の照射範囲が広いヘッドランプを用意しておきましょう。
登山靴・トレッキングシューズ
富士山の登山では、あらゆる環境の変化に対応するために登山靴・トレッキングシューズが必要です。底の薄い運動靴は、下りの砂利道で穴が空く恐れがあります。登山靴・トレッキングシューズを選ぶ際は、以下のポイントに気を付けましょう。
- 砂利が入るのを防ぐハイカット
- つま先に1cmほど余裕のあるサイズ
- 防水透湿性の高いアッパー素材
登山初心者は、レンタルサービスで登山靴を試してみるのもおすすめです。
飲料水
富士山登山中の水分補給に、1~2L以上の飲料水も用意しておきましょう。富士山には水場や水道がなく、各自で準備するか山小屋で購入しなければなりません。
登山中にこまめな水分補給を行えば、熱中症や高山病、脱水症状などを予防できます。怪我をした際の洗浄にも使えるため、ミネラルウォーターが最適です。
行動食
富士山登山中のエネルギー補給源として、手軽に食べられる行動食も用意してください。1回の富士山登山では、フルマラソンを超えるほどのエネルギーを消費すると言われています。チョコレートやナッツ、キャンディーなど、カロリーの多いものがおすすめです。
ゴミ袋
富士山の登山中に出たゴミは、必ず持ち帰るようルールが決められています。弁当の空箱やペットボトル、お菓子の袋など、登山の邪魔だからとトイレに置いておくのは厳禁です。ゴミ袋は濡れたものを入れる際にも活躍するので、多めに用意しておくとよいでしょう。
地図
富士山の登山において、地図は必須アイテムの一つです。登山ルートは一本道ではないため、周囲の登山客が少ないと道に迷う恐れがあります。紙の地図を持たず、富士山アプリに頼り過ぎていると、スマホの充電切れに対応できません。
距離やコースタイムが記載された紙の地図があれば、常に現在地と目的地を把握しながら安心して登山が楽しめるでしょう。視界不良の際は、コンパスと併用するのがおすすめです。
モバイルバッテリー
富士山の登山中にスマホの充電が切れると、地図アプリで道を確認できないだけでなく、山頂からの美しい景色が撮影できません。遭難や怪我の際にも外部と連絡が取れなくなり、命に関わる事態にまで発展する恐れがあります。
日帰りだとしても、万が一の充電切れに備えてモバイルバッテリーを持参しましょう。EcoFlowは、最大15Wのワイヤレス充電に対応したモバイルバッテリー「EcoFlow RAPID Magnetic Power Bank (10,000mAh)」を販売しています。製品の特徴を見ていきましょう。
- マグネットでスマホにピタッとくっつき、登山でも持ち運びやすい
- 山小屋では最速33分で70%まで本体を充電できる
- 同伴者のスマートフォンも同時に充電できる
- スマホアプリでステータスの確認や充放電のコントロールが行える
- 炎天下の富士山登山でも、1日432万回の監視で過熱を防ぐ
- ディスプレイを自由にカスタマイズできる
充電ケーブルを持ち歩く必要がないので、リュックの中でケーブルが絡まるストレスはありません。富士山登山で予備電源を確保したい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。

ソーラーパネル
1日以上の富士山登山では、モバイルバッテリーがあっても充電が足りなくなる恐れがあります。そんな時には、太陽光発電でデバイスを充電できるソーラーパネルがおすすめです。登山の荷物が重たいと体力を削られるため、軽量コンパクトなタイプを選びましょう。
EcoFlowは、折りたたみ式の4パネル構造でわずか1.4kgの「EcoFlow 45Wソーラーパネル(Type-c)」を販売しています。製品の特徴は、以下のとおりです。
- USB-C出力ポートでデバイスを直接充電できる
- 最大25%の変換効率により、スマホを1.5時間で高速充電できる
- TOPConを搭載しており、高温時の出力損失を低減している
- 強靭なPCBガラス繊維と耐久性のあるETFEコーティングを採用する
バックパックに吊るしておけるので、登山をしながらスマホの充電も可能です。宿泊を伴う富士山の登山を計画している方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。

富士山に登山する際の注意点3選

富士山は、軽い気持ちで登れる山ではありません。発生しうる全てのリスクを把握し、万全な準備を整える必要があります。富士山に登山する際の注意点は、以下のとおりです。
- 注意点1|登山道を外れて歩かない
- 注意点2|火山の噴火対策を万全にする
- 注意点3|体調が悪い時は下山する
それぞれの注意点について、詳しく見ていきましょう。
注意点1|登山道を外れて歩かない
富士山の登山では、安全面と環境保護の観点から登山道を外れて歩いてはいけません。指定された登山コースから外れた場所を歩くと、転落や滑落のリスクが高まります。
富士山には、目標物が少なく霧の濃い場所が多く存在するので、登山道から外れて道に迷うと高確率で遭難するでしょう。また、整備されていない場所を踏み荒らせば、高山植物や動物に危害を加えかねません。
注意点2|火山の噴火対策を万全にする
富士山は、ほんの約300年前まで大噴火が起こっていた活火山です。万が一噴火すると、火口付近では噴石や溶岩流、火砕流などによる甚大な被害に見舞われます。突然の噴火に備えて、ヘルメットやマスク、ゴーグルも持参していると安心です。
注意点3|体調が悪い時は下山する
登山の途中で体調が悪くなったら、無理をせずに下山しましょう。頭痛やめまい、倦怠感などに見舞われた場合は、高山病を発症している恐れがあります。
そのまま無理して登り続けると症状は悪化し、脳浮腫や肺水腫などの死に至る病にもつながりかねません。体力に自信がない方や、登山知識のない方は、単独行動を避けてください。
富士山の登山に関するよくある質問
最後に、富士山の登山に関するよくある質問を紹介します。
- 富士山の登山にかかる所要時間は?
- 富士山の登山は通行予約できる?
- 富士山の登山は初心者でも日帰りで楽しめる?
- 初心者が富士山登山ツアーに申し込むメリットは?
- 富士山の登山に適切な服装・装備は?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
富士山の登山にかかる所要時間は?
富士山の登山にかかる所要時間は、以下の登山ルートによって異なります(※3)。
登山ルート | 登りの所要時間 | 下りの所要時間 |
吉田ルート | 約6時間 | 約4時間 |
須走ルート | 約7時間 | 約4時間 |
御殿場ルート | 約9時間 | 約4時間 |
富士宮ルート | 約5時間 | 約3時間 |
富士山の登山は通行予約できる?
富士山の登山ルートで通行予約を受け付けているのは、毎年多くの登山客で賑わう「吉田ルート」のみです。予約をしていなければ、現地の現金払いで長蛇の列に並ばざるを得ない可能性があります。事前予約・決済が完了していると、スムーズに通行できるでしょう。
富士山の登山は初心者でも日帰りで楽しめる?
富士山の日帰り登山は可能ですが、初心者にはおすすめできません。富士山は標高差がある上に長時間の登山になるため、非常に過酷で高山病のリスクが高まります。
予定より下山が遅れると、辺りは日が暮れて真っ暗になり、遭難につながる危険もあるでしょう。経験を積むまでは山小屋で1泊し、無理のないプランを立ててください。
初心者が富士山登山ツアーに申し込むメリットは?
初心者が富士山登山ツアーに申し込むメリットは、以下のとおりです。
- 参加者全員が無理のないペースで登れるプランを組んである
- 富士山専属登山ガイドが同行し、サポートしてくれる
- 初心者たちでお互いに励まし合って、山頂を目指せる
- 登山用品のレンタルができる
富士山の登山に適切な服装・装備は?
富士山の登山に適切な服装・装備は、標高によって以下のように異なります。
合目 | 標高 | 気温(7月) | 装備 |
五合目 | 2,000m~ | 15℃ | ・ヘルメット・サングラス・バックパック・長袖Tシャツ・長袖ズボン・トレッキングシューズ |
八合目、山頂 | 3,000m~ | 5℃ | ・ヘッドライト・ニット帽・ネックウォーマー・バックパック・シェル・フリース・手袋・長袖ズボン・トレッキングシューズ |
まとめ

本記事では、富士山の登山に必要な持ち物や登山ルートについて解説してきました。
富士山の登山では、山頂から眺める雲海やご来光が人々を魅了し続けています。初心者でも安全に登山を楽しむためには、持ち物の準備や体調管理を徹底しなければなりません。防寒着や雨具、ヘッドランプ、地図、登山靴、飲料水などは、富士山登山に必須です。
EcoFlowは、スマホの充電に役立つモバイルバッテリーとソーラーパネルを販売しています。富士山登山で遭難のリスクを軽減したい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。