2025年6月21日から地震が頻発しているトカラ列島。悪石島や小宝島では、住民が鹿児島市内に避難する事態にまで発展しています。重なる地震によって地盤は着実に緩んでいるため、震度6以上の揺れによる被害だけでなく、土砂災害にも注意しなければなりません。
そこで本記事では、トカラ列島で相次ぐ地震について解説します。トカラ列島の地震がおかしい点や、トカラ列島が揺れると南海トラフ巨大地震のリスクも高まるのかについても掲載しています。トカラ列島でなぜ地震が多いのか知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
トカラ列島で相次ぐ群発地震について

2025年6月21日からトカラ列島で発生している群発地震は、2025年7月14日時点で有感地震の発生数が1900回以上にのぼりました(※1)。メディアでは連日、トカラ列島に関するニュースが報道されていますが、どこに位置する島々なのか知らない方も多いでしょう。
トカラ列島がある場所や、過去と比較した地震回数について詳しく解説します。
※1参考:NHK「トカラ列島近海で地震相次ぎ3週間 住民の健康支援など課題」
トカラ列島はどこにある?
トカラ列島は、屋久島と奄美大島の間に位置する島々です。行政上は、十島村と呼ばれています。トカラ列島を構成するのは、南北約160kmにわたって連なる以下の島々です。
- 7つの有人島(口之島、中之島、平島、諏訪之瀬島、悪石島、小宝島、宝島)
- 5つの無人島(臥蛇島、小臥蛇島、小島、横当島、上ノ根島)
鹿児島市内から玄関口の「口之島」までは204kmあり、フェリーで片道7時間かかります。トカラ列島には手つかずの自然が広がり、ワーケーションで訪れる人が増えつつある島々なので、名前を聞いたことがある方も多いでしょう。
過去と比較したトカラ列島の地震回数
トカラ列島で短期間のうちに地震活動が活発になるのは、今回が初めてではありません。過去の群発地震と今回の群発地震について、地震回数を比較してみましょう(※2)。
- 2021年12月:308回
- 2023年9月:346回
- 2025年6月:1900回以上
今回発生している地震が過去のケースを大きく上回っているのは、一目瞭然です。気象庁は当面の間、震度6弱程度の地震に注意が必要と呼びかけています(※3)。
※2参考:日テレNEWS NNN「【解説】震度6弱の地震がおきたトカラ列島」
※3参考:気象庁「令和7年7月7日00時12分頃のトカラ列島近海の地震について」
トカラ列島の地震はおかしい?

前例がないほどの群発地震に見舞われているトカラ列島。大地震を予感させるような状況に、胸騒ぎを覚えた方も多いのではないでしょうか。今回発生しているトカラ列島の地震がおかしいのかどうかを判断するために、以下の項目について解説します。
- トカラ列島でなぜ地震が多いのか
- トカラ列島が揺れると大地震が起きる?
- トカラ列島の地震と南海トラフ地震の関連性
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
トカラ列島でなぜ地震が多いのか
トカラ列島で地震が多発している原因には、特殊な地形やマグマの動きが影響していると考えられています(※4)。トカラ列島は、フィリピン海プレートが大陸側のプレートに沈み込み、海底の沖縄トラフが周囲を押し上げている特殊な地形をしているのが特徴です。
島々の両側で力が働くので、プレートの動きが群発地震に影響している可能性があります。また、トカラ列島は霧島火山帯に属している島々です。マグマが地下の浅い場所で断層を刺激したり、岩盤を押し広げながら移動したりすると、群発地震が起きやすくなります。
※4参考:南日本新聞「1690回超のトカラ沖地震なぜ続く?」
トカラ列島が揺れると大地震が起きる?
トカラ列島で過去に例を見ないほどの群発地震が発生していると、大地震の前兆ではないかと不安に感じる方も多いでしょう。ネット上では、トカラ列島近海で地震が多発すると、別の場所で大地震が起きるとされる俗説「トカラの法則」も散見されます。
しかし、群発地震によって大地震が起きる確率は、限りなく低いと言えるでしょう。トカラ列島の周辺には活断層が多数ありますが、小さな地震でエネルギーが小出しに解放されているため、大地震を引き起こすような大きなエネルギーが溜まりません(※5)。
※5参考:JBpress「大地震が起こる可能性と南海トラフとの関係」
トカラ列島の地震と南海トラフ地震の関連性
2025年7月7日に気象庁は南海トラフ巨大地震に関する検討会を開き、トカラ列島で相次ぐ地震との関連性について議論されました(※6)。最終的に「トカラ列島で発生している地震の規模では、四国や本州まで影響を及ぼすとは考えられない」と結論付けられています。
トカラ列島で発生している地震のエネルギーは、マグニチュード5.5。南海トラフ巨大地震の可能性が平常時よりも高まっている際に発令される「南海トラフ地震臨時情報 巨大地震注意」の基準はマグニチュード7以上なので、到底及びません。
※6参考:NHK「南海トラフ巨大地震検討会“トカラ列島近海の地震の影響なし”」
【最新】トカラ列島の地震による被害・影響

2025年7月14日時点において、トカラ列島の地震活動は未だ継続しています。7月7日以降に震度5弱以上の地震はないものの、有感地震が終息に向かうかどうかは判断がつかない状況です。トカラ列島の地震による最新の被害・影響を紹介します。
- 悪石島|過去最大の揺れを観測した
- 小宝島|震度5弱の揺れを観測した
- 宝島・小宝島|位置が大きくずれた
それぞれの被害や影響について、詳しく見ていきましょう。
悪石島|過去最大の揺れを観測した
2025年7月3日には、悪石島で過去最大となる震度6弱の地震を記録しました(※7)。地震発生後、悪石島や小宝島の住人は、3回にわたって島外避難を行っています。
同日の夕方には、島内にいる全員の無事が確認されました。震度6弱の揺れに見舞われると、耐震性の低い建物が傾いたり倒れたりする危険があります。
※7参考:NHK「十島村 悪石島の震度6弱から1週間 3回の島外避難 生活影響続く」
小宝島|震度5弱の揺れを観測した
悪石島だけでなく小宝島においても、震度5弱の大規模な揺れを観測しました(※8)。2025年6月21日から7月14日に至るまでの間、震度5弱以上の地震が発生した回数は8回にのぼります。度重なる地震で地盤が緩んでいるため、土砂災害にも注意が必要です。
※8参考:ウェザーニュース「国内:一連の活動で8回目の震度5弱以上」
宝島・小宝島|位置が大きくずれた
宝島と小宝島は、活発な地震活動の影響で南北に約10cm離れる地殻変動が起きました(※9)。これまでは北東へ移動していた二つの島ですが、南北に離れる動きに変わっています。
地殻変動の原因として考えられるのは、マグマが地殻を押し上げる現象や、陸側プレートの浅い場所で断層がゆっくりとズレ動く現象です。
※9参考:NHK「トカラ列島 島が約10センチ離れる地殻変動 “過去にない動き”」
トカラ列島の地震は他人事ではない!必要な対策5選

トカラ列島の群発地震による本州への影響は限りなく低いと聞いて、安心した方も多いのではないでしょうか。しかし、地震大国の日本に住んでいる以上、巨大地震はいつどこで起きるか分かりません。地震に備えて家庭でできる主な対策は、以下のとおりです。
- 対策1|住宅の耐震化を進める
- 対策2|家具類の転倒防止対策を行う
- 対策3|感震ブレーカーを設置する
- 対策4|ハザードマップを確認する
- 対策5|防災グッズを準備する
それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。
対策1|住宅の耐震化を進める
住宅の耐震化を進めれば、自分や家族の命を守れるだけでなく、倒壊した建物が道路を塞いで救急・消火活動の妨げになるのを防げます。
特に1981年以前に「旧耐震基準」で建てられた建物にお住まいの場合は、耐震化が必要不可欠です。まずは、耐震診断を実施し、耐震性が不十分であった場合に耐震改修や建替えを検討しましょう。
対策2|家具類の転倒防止対策を行う
住宅の倒壊被害を免れたとしても、家具類の転倒や移動によって逃げ遅れたり、怪我を負ったりするリスクがあります。特に大型の家具は、床・壁・天井としっかり固定しましょう。
震度5強程度の地震であっても、重たい家具が倒れたりテレビが台から落ちたりする危険があります。2025年7月14日までにトカラ列島で発生している震度5強以上の地震は、計4回です(※10)。
※10参考:毎日新聞「トカラ列島地震、累計1936回に 最大震度6弱も観測 気象庁」
対策3|感震ブレーカーを設置する
電気器具の転倒による通電火災を防ぐためには、感電ブレーカーが効果的です。感震ブレーカーとは、震度5強以上の地震を感知すると自動で電気供給が停止する装置を指します。
感震ブレーカーを設置しておけば、外出している時や避難時にブレーカーを落とす余裕がない時でも、通電火災の心配がありません。
対策4|ハザードマップを確認する
地域における津波や土砂災害、液状化現象のリスクを判定するためには、ハザードマップが活躍します。ハザードマップとは、被害想定区域や避難所の場所が示された地図です。
住宅の周辺で起こりうる被害を事前に把握できれば、的確な対策へとつなげられます。被害想定区域を回避した安全な避難ルートを家族で話し合っておきましょう。
対策5|防災グッズを準備する
地震が発生して避難所への避難や在宅避難を余儀なくされた場合、生活に必要な物資が簡単には手に入らなくなる恐れがあります。備蓄が必要な防災グッズは、以下のとおりです。
- 飲料水
- 非常食
- 簡易トイレ
- 携帯ラジオ
- 懐中電灯
- 衛生用品
- 救急セット
- ポータブル電源
飲料水や非常食は、最低でも3日〜1週間分は備蓄しておきましょう。
地震による停電への備え「ポータブル電源」とは

震度5弱程度以上の揺れがあった地域では、停電に見舞われる恐れがあります。地震の規模によっては停電が3日以上続くケースもあり、復旧するまで電化製品が一切使用できません。トカラ列島においても、7月14日時点で震度5弱以上の地震が計8回発生しています。
地震による停電に備えるためには、ポータブル電源が欠かせません。ポータブル電源とは、内部に大量の電気を蓄電し、停電時でも電化製品を動かせる機器を指します。地震による停電発生時にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
- エアコンや扇風機などの冷暖房機器を稼働して、快適な気温を維持できる
- 電子レンジや電気ケトルを稼働して、簡単に非常食を温められる
- 冷蔵庫に給電して、食品が傷むのを防ぐ
- LEDライトを点灯させて、夜の安全を確保する
- 災害警報を確認するための携帯ラジオを常にフル充電にしておける
- スマホを使って、家族と安否確認が行える
ソーラーパネルと併用すれば、停電中に充電切れになる心配もありません。
巨大地震対策に必要な性能|おすすめの製品
地震対策としてのポータブル電源は、避難所への避難と在宅避難のどちらを想定するかによって選び方が異なります。軽量・小型なタイプであれば、避難の妨げになりません。一方、在宅避難で自宅にある家電をフル稼動するには、高出力と大容量が必要です。
EcoFlowは、用途に応じて以下のポータブル電源を販売しています。
- 移動避難「RIVER 3 Plus」
- 在宅避難「DELTA 3 Plus」
それぞれの機種について、詳しく見ていきましょう。
移動避難「RIVER 3 Plus」
定格出力600W、容量286Whのポータブル電源。約4.7kgの軽量コンパクト設計なので、土砂災害や津波の被害想定区域内でも、迅速な避難が実現します。
X-Boostで最大900Wの出力を誇り、避難所では自宅にある90%の家電が使用可能です。LEDライトを搭載しているので、夜に停電が起きても素早く避難できるでしょう。防水、耐火、耐衝撃設計に優れているため、地震発生時の厳しい環境下でも安全に使用できます。

在宅避難「DELTA 3 Plus」
定格出力1500W、容量1024Whのポータブル電源。最大2000Wの高出力を誇り、容量を最大5kWhまで拡張できるので、長引く停電生活での強い味方になります。
重量12.5kgの小型設計により、家中どこでも気軽に移動できます。停電中に電力が不足しても、ソーラーパネルから最短70分で満充電が可能です。10ms未満で切り替わる高度な電源自動切り替え機能も搭載しています。

トカラ列島の群発地震に関するよくある質問

最後に、トカラ列島の群発地震に関するよくある質問を紹介します。
- トカラ列島の地震で津波や火山災害の危険はある?
- トカラ列島の地震には前兆現象があった?
- トカラ列島の地震は今後も続く?
- 別の場所で大地震が起きる「トカラの法則」は本当?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
トカラ列島の地震で津波や火山災害の危険はある?
トカラ列島太平洋沖でマグニチュード8.2の地震が発生した場合、約40分後に最大津波高8.6mの津波がトカラ列島の沿岸を襲うと想定されています(※11)。また、大噴火を繰り返してきた過去を持つ諏訪之瀬島の御岳では、火山災害の危険もあります。
※11参考:鹿児島県「被害シナリオ No.5 鹿児島地域(十島):⑨トカラ列島太平洋沖」
トカラ列島の地震には前兆現象があった?
トカラ列島で最初に地震を観測したのは、6月21日です。それ以前に前兆とみられる現象は確認されていません。6月21日には震度3程度の軽微な揺れでしたが、7月3日には震度6弱の大規模な地震を観測しています(※12)。今後も震度6弱程度の地震に警戒が必要です。
※12参考:気象庁「トカラ列島近海の地震の最大震度別地震回数表」
トカラ列島の地震は今後も続く?
トカラ列島の地震活動は、2025年7月14日時点で発生からすでに3週間以上が経過しています。地震回数が最多になったのは、6月23日の183回です。
それ以降も増減を繰り返し、7月6日には再び181回を記録しました。現在も地震活動は続いており、終息の目途は立っていません。
別の場所で大地震が起きる「トカラの法則」は本当?
トカラ列島で地震が相次ぐと、他の場所で大地震が起きると言われる「トカラの法則」。実際に、2016年の熊本地震や2024年の能登半島地震が起きる前にもトカラ列島で群発地震が観測されています。
しかし、トカラの法則には科学的根拠がありません。気象庁は、今後30年以内に80%の確率で起こると言われる南海トラフ巨大地震に対しても、トカラ列島近海の地震による影響はないとしています(※6)。
まとめ

本記事では、トカラ列島で発生している群発地震について解説してきました。
トカラ列島は、屋久島と奄美大島の間に位置しています。これまでもトカラ列島で度々群発地震が発生してきましたが、地震回数が1900回を超えたのは今回が初めてです。
2025年7月14日時点で、最大震度6弱を記録し、震度5以上の揺れが8回も発生しています。マグニチュードの低さから本州や四国への影響はないとされていますが、日本国内であればどこでも大地震の可能性を秘めているため、地震への備えは必要です。
EcoFlowは、地震による大規模な停電時に電化製品が動かせるようになるポータブル電源を販売しています。停電対策を万全にしたい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。