クリーンエネルギ―という言葉がよく使われるようになりました。しかし、何となく意味はわかるものの、詳しい内容は知らない人も多いのではないでしょうか。個人や企業の活動とどのように関係しているのか、イメージできない人もいるかもしれません。そこでクリーンエネルギーの意味や種類、活用するメリット・デメリットなどについて解説します。
クリーンエネルギーとは?
クリーンエネルギーとは、温室効果ガスを排出しない、または排出量の少ないエネルギーです。灯油や石炭などの非クリーンエネルギー=枯渇性エネルギーを利用した際は、二酸化炭素やメタンなどの温室効果ガスが発生してしまいます。この温室効果ガスは、地表から放射された赤外線の一部を吸収する働きがあるため、地球温暖化につながってしまうのが問題です。これに対してクリーンエネルギーは、太陽光や風力などの自然エネルギーですので、環境への負荷を抑えられます。このことからクリーンエネルギーは「自然エネルギー」とも呼ばれます。
クリーンエネルギーと再生可能エネルギーは、ほぼ同じ意味だと考えてかまいません。後ほどクリーンエネルギーの種類を紹介しますが、これらは自然由来のエネルギーであり、繰り返し使えるため、再生可能エネルギーとも呼ばれるからです。しかし、「温室効果ガスの排出量が少ない」という点だけに注目してクリーンエネルギーと呼ぶケースもあります。例えば、一部の人は原子力エネルギーをクリーンエネルギーと呼んでいます。また、水の電気分解の仕組みを利用した燃料電池は、クリーン水素と酸素を化学反応させるための燃料が別途必要ですが、二酸化炭素の排出が少ないために、クリーンエネルギーと呼ぶ場合もあるのです。
本記事では、クリーンエネルギーと再生可能エネルギーはほぼ同義というスタンスで解説しています。それでは、具体的なエネルギーの種類をみていきましょう。
クリーンエネルギーの種類
クリーンエネルギーの代表的な種類は以下のとおりです。
・太陽光
・風力
・水力
・地熱
・バイオマス
環境エネルギー政策研究所の「2022年の自然エネルギー電力の割合(暦年・速報)」(※)によると、上記のクリーンエネルギーによる国内の全発電電力量は、2022年時点において全体の22.7%。前年から0.3%の微増でした。それでは各エネルギーの概要や特徴をクリーンエネルギー例を交えてみていきましょう。なお、文中のデータは、すべて同調査が出典です。
※出典:環境エネルギー政策研究所「2022年の自然エネルギー電力の割合(暦年・速報)」
太陽光
太陽光は太陽の光エネルギーを利用したクリーンエネルギーです。太陽光パネルを用いて電気に変換するシステムが普及しており、家庭から大企業まで幅広く活用されています。発電電力量の割合はクリーンエネルギーのなかで最も多く、全体の9.3%。前年度から0.6%の増加となりました。太陽光発電のメリットは、設備のメンテナンスが簡単で数十年単位で利用できる点です。また、個人の自宅でも発電できるため非常用電源として活用しやすいエネルギーであるのも、大きなメリットといえるでしょう。さらに、自家消費で月々の電気代を節約できるほか、余剰電力を売電して収入も得られます。一方、発電量が天候に左右されやすいのがデメリットです。また、家庭に導入する際は100万~200万円程度のコストがかかるため、ややハードルが高い面があります。
風力
風力とは陸上または洋上に吹く風を利用したクリーンエネルギーです。風力発電は一般的に風車の形をした装置で回転運動を起こし、その運動エネルギーで電気を起こします。風力発電は全体の0.85%にとどまり、前年度から0.3%のマイナスとなりました。風力発電のメリットは大規模な設備を整えた際に、発電効率が高くなる点です。一方、広い土地の確保が欠かせません。このため、日本国内では風力発電所の多くが東北地方と北海道に集中しています。
水力
水力とは、水が高いところから低いところに流れる際に生じる力を利用したクリーンエネルギーです。高低差のある河川に水車を設置して回転運動を起こし、そのエネルギーで電気を得ます。水力発電は全体の7.1%で、前年から0.7%減少しました。水力発電のメリットは、発電量が気候によってほぼ左右されない点です。日本においては河川が小規模なところが多いことから、中小規模の農業用水路や上下水道施設などでの利用が少なくありません。数を増やせば、将来的に分散型電源として活用できるようになるのではないかと期待を集めています。その反面、中小規模の設備を導入する際は、コストが割高になるのがデメリットです。また、共通の資源である河川を誰がどうやって利用するのかについて、地域住民や企業などとよく話し合う必要もあるでしょう。
地熱
地熱とは、地球の中心部にある熱源を利用したクリーンエネルギーです。地熱発電は地中に穴を掘って蒸気や熱水を取り出し、タービンを回して発電します。地熱発電の割合は0.25%で、前年度とほぼ同じでした。地熱発電のメリットは、発電量が安定しており、気候に左右されない点です。また、土地があれば大規模な発電所を構築できるのも特徴です。しかし、地熱発電所の建設には、通常10年以上の工事が必要となり、多額の開発資金を投じなければなりません。また、地熱発電所によって景観が損なわれたり、市民の憩いの場がなくなったりするなどして、地元住人とトラブルになっている事例もあります。
バイオマス
バイオマスとは、動物や植物から生まれた再生可能なクリーンエネルギーです。例えば、木材や海藻、食品廃棄物などを燃やして得られるエネルギーをバイオマスといいます。バイオマス発電の割合は全体の4.6%で、前年度から0.5%増加しました。バイオマス発電のメリットは、不要な資源や廃棄物などを減らしながら、クリーンエネルギーを作り出せることです。また、発電量が天候にも左右されません。一方、基本的には余った資源から発電するため、安定的にエネルギーを供給しにくい面があります。また、資源を運搬したり、解体したりするなどのコストが大きくなりがちです。
クリーンエネルギーのメリット
個人や企業がクリーンエネルギーを活用する主なメリットは次のとおりです。
・地球環境を守れる
・エネルギー自給率を高められる
・災害時の非常電源になる
・光熱費を節約できる
それぞれのメリットについて解説します。
地球温暖化の抑制につながる
繰り返しになりますが、クリーンエネルギーは温室効果ガスを排出しないか、排出量を抑えられるエネルギーです。したがって、クリーンエネルギ―の活用割合を高めれば、地球温暖化に歯止めをかけられます。現在、パリ協定では「全世界の平均温度を産業革命以前と比較して2℃より十分低く保ち、1.5℃以内に抑える」ことを長期目標に掲げています。しかし、この道のりは困難で、もっとクリーンエネルギーの活用を増やさなければならない状況といえるでしょう。
地球温暖化を防ぐためには、国に任せきりではなく、個人や企業も積極的に参加しなければなりません。もし地球環境を守りたいと思っているなら、例えば太陽光発電や蓄電池を導入して、火力発電所の電気をなるべく使わない方法を選ぶのもよいでしょう。風力や地熱などの発電事業に取り組む企業も増えています。いずれにしても、地球温暖化の抑制手段として大きな期待がかけられているのがクリーンエネルギーです。
エネルギー自給率を高められる
日本ではクリーンエネルギ―活用によって、エネルギー自給率を高めようとしています。ほとんどの化石燃料を海外からの輸入に頼っている日本では、太陽光や風力、水力など、あらゆるクリーンエネルギー種類を使ってエネルギー自給率を高める「クリーンエネルギー戦略」が進行中です。クリーンエネルギー戦略では、脱炭素社会の実現のためにクリーンエネルギーを安価なコストで確保し、企業や一般消費者など需要サイドのエネルギー転換を図る戦略が盛り込まれています。
災害時の非常用電源になる
災害時の非常電源になりやすいのもクリーンエネルギ―のメリットです。例えば自宅に太陽光発電システムがあれば、災害によって停電が起きても、自家発電できます。近年では家庭用蓄電池を設置し、より災害への備えを強化する人も増えてきました。同様に、企業においてもBCP(事業継続計画)強化として、クリーンエネルギーをサブ電源、バックアップ電源として導入するところが増えています。日本は地震や台風など災害が多い国ですので、クリーンエネルギ―で非常用電源を確保するメリットは大きいといえるでしょう。
電気代の節約につながる
クリーンエネルギ―活用で電気代を節約することも可能です。例えば太陽光発電で自家消費した分の電気代はかかりませんから、電力会社に支払う金額を減らせます。また、余剰電力を電力会社に売電して収入を得ることも可能です。蓄電池を持っている場合には、料金の安い深夜に蓄電しておき、日中に使うことも可能です。この方法をとれば、蓄電池によって太陽光の余剰電力を増やす「ダブル発電」が可能となり、節約額を大きくできます。
クリーンエネルギーのデメリット
クリーンエネルギーはよいことばかりに思えますが、次の3つが課題となっています。
・発電効率が悪い場合がある
・発電できない状況がある
・導入コストが高い
それぞれについて解説します。
発電効率が悪い場合がある
クリーンエネルギ―の多くは、発電効率が悪い傾向があります。火力発電に比べると、風力発電はおおまかに半分ほどの発電効率になってしまいます。また、太陽光発電や地熱発電は5分の1程度、バイオマスに至っては50分の1程度の発電効率です。唯一、クリーンエネルギーのなかで火力発電より発電効率が高いのは水力発電のみです。もちろん技術は進歩していくものですので、発電効率は改善されていくでしょう。しかし、現状ではコストパフォーマンスの面でメリットが少ない状況となっています。実際、環境保全に関心を持つ企業であっても、採算が合わないため、クリーンエネルギー事業に加わらないケースが珍しくありません。国は補助金を出すなどして企業の参画をうながしていますが、まだ不十分な状況です。
発電できない状況がある
天候や気候、場所などによって、発電できる状況が限られるのもクリーンエネルギーの特徴です。例えば、太陽光発電は雨や曇りの日には、発電量が落ちてしまいます。また、風力発電も風の強い日とそうでない日で発電量が大きく異なるでしょう。このため、クリーンエネルギ―の発電設備を備えていても、地域の電力会社と契約しておいて、十分に発電できないときは電気を購入するのが一般的です。また、自宅や企業敷地内に蓄電池を設置して、発電量の不安定さを緩和するケースも増えています。
導入コストが高い
クリーンエネルギ―の発電設備は、初期コストが大きいのもデメリットです。最も身近な住宅用の太陽光発電システムにおいても、標準的な5kWで150万円程度が相場となっています。長年運用すれば電気代を節約してコスト回収が見込めますが、それでも高額なことに変わりありません。同様に、企業レベルでクリーンエネルギ―導入を図る場合も、費用のハードルは高めです。特に風力発電や地熱発電のように開発費が大きい場合は、資金調達の段階で断念するケースも多いでしょう。
紹介製品:大容量ポータブル電源DELTAシリーズ
ここまでクリーンエネルギ―のメリットとデメリットをみてきました。クリーンエネルギー活用の意義はわかったものの、すぐには導入できそうにないと感じた人もいるのではないでしょうか。実際のところ、「できる範囲でクリーンエネルギ―への代替を進めたい」「非常時に最低限の電気を確保したい」などと考えているケースのほうが多いでしょう。このような人におすすめなのが、大容量ポータブル電源DELTAシリーズです。DELTAシリーズは簡単にいえば、スマートフォンやノートパソコンのバッテリーを大容量にした蓄電池で、停電時や車中泊、キャンプなどの電源として利用できます。
DELTAシリーズのタイプは以下の3つです。
・DELTA Pro
・DELTA 2 Max
・DELTA 2
用途に合った製品を探してみてください。
DELTA Proは、最大6,000Wの圧倒的な出力と、大容量21,600Whが魅力の製品です。本製品であれば、さまざまな用途にマルチに活用できます。DELTA Proはハイスペックでありながら、サイズは63.5×28.5×41.6cmとコンパクト。動作音も1,000W以下で45dBと静音です。自宅用として購入した人のなかには、電気代の安い深夜に充電しておき、日中はエアコン、テレビ、扇風機などの電源として使っている人もいます。電力の使用量が多い時間帯に蓄電池を使うことで、ピークカットに貢献して発電量を減らせるため、間接的に温暖効果ガスの排出を少なくすることにつなげられます。
DELTA 2 Maxは最大出力2,400W、容量2,048Whの蓄電池です。「少し容量が足りないかも」と思われた人もいるかもしれませんが、エクストラバッテリー4,096Whを2台連結できますので、最大6,144Whの大容量になります。さらにDELTA 2 Maxは充放電可能の長寿命を実現しているのが強みで、毎日使っても約10年利用可能です。例えばソーラー充電などを活用して、日常的にクリーンエネルギーを活用していきたいといった人も、バッテリー寿命を心配する必要がありません。
DELTA 2は最大出力1,500W、バッテリー容量1,024Whのポータブル電源です。持ち運びが容易ですので、レジャーやキャンプなどに便利に使えます。他社製の折りたたみ式のソーラーパネルも簡単に接続できますので、手軽にクリーンエネルギーを利用できるでしょう。DELTA 2は急速充電も魅力です。平均的な製品が80%充電するのに約5~9時間かかるのに対して、本製品は50分で完了できます。
クリーンエネルギ―を上手に活用していこう
クリーンエネルギーを上手に活用すると、地球温暖化防止やエネルギー自給率の向上などの大きな課題に貢献できます。また、個人レベルで考えてみても、災害時の非常用電源の確保や月々の電気代節約など多くのメリットがあります。太陽光発電や蓄電池の導入など、自分に合った方法を探してクリーンエネルギ―を活用してみてはいかがでしょうか。手軽な方法としては、大容量ポータブル電源DELTAシリーズの利用がおすすめです。