地震の規模を表す基準として用いられるマグニチュード。「震度」を使った表現に馴染みがある方は、マグニチュードの使い方に困惑するのではないでしょうか。震度は日本だけの基準であるのに対し、マグニチュードは世界で用いられている基準です。
そこで今回は、マグニチュードとは何かについて解説します。震度とマグニチュードの違いやマグニチュード7.0を超える地震への対策も掲載しているので、マグニチュードとは何かを知り、地震対策へと繋げたい方はぜひ最後までご覧ください。
マグニチュードとは
マグニチュードとは、地震そのものの大きさを表す基準です。マグニチュードが1大きくなると、エネルギーは32倍になります。マグニチュードとは何かを深く理解するために、以下の項目について解説します。
- 震度とマグニチュードの違い
- マグニチュードの計算方法
- マグニチュード別の地震の大きさ
全て理解できれば、今後マグニチュードの表現を見聞きした際にその大きさが一瞬で把握できるようになるでしょう。
震度とマグニチュードの違い
マグニチュードは地震の大きさ(規模)を表すのに対して、震度は観測地点での揺れの強さを表します。マグニチュードは地震単位で常に一定値ですが、震度は震源から距離が近いほど大きくなります。それぞれの違いをまとめると、以下のとおりです。
地震の表し方 | 特徴 |
震度 | ・地震を観測した場所での揺れの強さを表す・気象庁が10階級に分けている・全国に4000ヶ所以上ある計測震度計で観測される・観測した地点ごとに値は異なる |
マグニチュード | ・地震そのものの大きさを表す・1増えると地震のエネルギーが32倍になる・地震波形から算出される・一つの地震に一つの値しかない |
マグニチュードの計算方法
日本で主に使われている気象庁マグニチュード(Mj)は、速度波形または変位波形の最大振幅に、距離減衰の効果等の補正を加えて計算されます。
各観測点で求めたマグニチュードのうち、平均値から乖離する値を除いて再計算されるので、高い精度を誇ります。地震波の観測からマグニチュードを計測するため、比較的早く計測結果を出せるのが特徴です。
マグニチュード別の地震の大きさ
マグニチュードは1上がるごとにエネルギーは32倍になり、たった2上がるだけで約1000倍になります。マグニチュード(Mj)別の地震の大きさは、以下のとおりです。
マグニチュード(Mj) | 地震の大きさ |
1以下 | 極微小地震 |
1~3 | 微小地震 |
3~5 | 小地震 |
5~7 | 中地震 |
7以上 | 大地震 |
8クラス | 巨大地震 |
マグニチュードの主な種類
地震そのものの規模を表すマグニチュードは、直接物理量を測れないため、様々な計算方法が考案されています。気象庁で主に解析・公表しているのは、以下の2種類です。
- 気象庁マグニチュード(Mj)
- モーメントマグニチュード(Mw)
それぞれのマグニチュードについて、詳しく見ていきましょう。
気象庁マグニチュード(Mj)
日常生活で最も目にする機会が多いのが、気象庁マグニチュード(Mj)です。速度波形または変位波形の最大振幅から算出しています。地震波形から振幅を読み取るだけで値を出せるのが特徴です。約100年間にわたって一貫した方法で算出されています。
一方で、物理的な意味が曖昧であり、M8を超える巨大な地震には対応できません。地震発生の直後に速報を出す場面や過去と現在を比較する場面で主に使われています。
モーメントマグニチュード(Mw)
世界では様々なマグニチュードが採用されていますが、その中で最も標準的なマグニチュードと言えるのがモーメントマグニチュード(Mw)です。広帯域地震計で観測された地震波形全体から計測されます。
断層の面積と断層すべり量の積に比例する量から計測されるため、物理的な意味は明確です。気象庁マグニチュードのように頭打ちがないので、巨大地震も計測できます。ただし、詳細な分析が必要であるため、地震発生直後に迅速な計算ができません。
日本では、巨大な地震を表す場面や第1報発表直後に津波警報等を更新する場面などで使用されています。
マグニチュード9.0を超える巨大地震の事例3選
マグニチュード9.0を超える巨大地震は、世界でもわずかしか例がありません。今後30年以内に70〜80%の確率で発生すると言われている「南海トラフ巨大地震」は、マグニチュード9.0以上と予測されています。過去に起きた巨大地震の事例は、以下のとおりです。
- 【1960年】Mw9.5|チリ地震
- 【1964年】Mw9.2|アラスカ地震
- 【2011年】Mw9.0|東北地方太平洋沖地震
過去の事例を知り、今後発生しうる南海トラフ巨大地震の恐ろしさを再認識しましょう。
【1960年】Mw9.5|チリ地震
1960年5月に観測史上最大となるMw9.5の地震がチリ海溝で発生しました。津波は15時間後にハワイ、23時間後には日本にまで到達しています。
チリ全土で地震による直接的な犠牲者は1700人以上に上りました。日本では揺れを感じない津波であったため、142人が亡くなっています。
【1964年】Mw9.2|アラスカ地震
1964年3月にアラスカ湾でMw9.2の地震が発生しました。アラスカは、日本、チリ、インドネシアと並んで地震が多い国です。地震は3分間から5分間も続き、地滑りや液状化現象、津波が発生しています。
死亡者は131人に上り、被害額は当時の価値で3億ドルを超えました。現在でも、アメリカ合衆国地震観測史上最大規模の地震として位置づけられています。
【2011年】Mw9.0|東北地方太平洋沖地震
2011年3月11日に日本で発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)は、記憶に新しいMw9.0の巨大地震です。死者・行方不明者は2万2200人以上に上りました。被害の主な原因となったのは、太平洋沿岸を中心とした大津波です。
津波の高さは9.3m以上に上り、いくつかの地点では検潮所で高さが観測できませんでした。陸地を駆け上がった津波の高さは最大40mと言われています。
マグニチュード7.0以上の大地震対策5選
マグニチュード7.0以上の大地震が起きると、家具・家電の転倒や窓ガラスの破損、ライフラインの停止などの被害に見舞われます。地震はいつ起きるか正確に予測できないので、以下のような地震対策を万全にしておきましょう。
- 対策1|家具類の転倒・落下・移動防止対策を行う
- 対策2|避難場所・経路を確認する
- 対策3|ガラスの飛散防止対策を行う
- 対策4|安否確認の方法を確認する
- 対策5|防災グッズを準備する
それぞれの大地震対策について、詳しく紹介します。
対策1|家具類の転倒・落下・移動防止対策を行う
近年発生している地震による負傷者の30〜50%は、家具類の転倒・落下・移動が原因と言われています。家具類はできるだけ生活空間に置かずに、クローゼットや収納家具にしまいましょう。生活空間にある家具類の転倒・落下・移動防止対策は、以下のとおりです。
- 壁にL型金具で家具類をネジ止めする
- キャスター付き家具に下皿を設置する
- 家具と天井の隙間に突っ張り棒を設置する
- 家具の底面に粘着シートを接着する
- 家具の前下部にストッパーを挟み込む
対策2|避難場所・経路を確認する
マグニチュード7.0を超える大地震が発生した際に、慌てずに避難するためには、避難場所・経路を確認しておく必要があります。
お住まいの自治体のホームページから、ハザードマップを入手しましょう。ハザードマップとは、水害や土砂災害のリスクや避難所の場所が地図上に表されたものです。
対策3|ガラスの飛散防止対策を行う
大地震で窓枠が歪んだり、家具類が倒れたりすると、窓ガラスが割れる恐れがあります。窓ガラスの破片が部屋中に散乱すると、大怪我にも繋がりかねません。窓ガラスが割れて飛散しないために、以下のような対策を行いましょう。
- 窓ガラスの近くに物を置かない
- 飛散防止フィルムを窓ガラスに貼る
- 割れにくいガラスに買い替える
対策4|安否確認の方法を確認する
地震発生時には回線の混雑や基地局の損傷によって、通信障害が起きる可能性があります。普段使っているメールやSNSが使えないため、家族との安否確認は困難を極めるでしょう。通信障害を想定して、災害時に安否確認する方法を家族で話し合ってください。
対策5|防災グッズを準備する
マグニチュード7.0を超える大地震では、避難を余儀なくされる恐れがあります。自宅や避難所での避難生活を想定して、以下のような防災グッズを準備しておきましょう。
- 飲料水
- 食料品
- ポータブル電源
- 現金
- 携帯ラジオ
- 衛生用品
- 救急用品
女性の場合は生理用品、赤ちゃんがいる場合は授乳グッズやおむつ替えグッズなどが必要です。地震発生の直後に避難できるように、用意した防災リュックは玄関の近くに収納しましょう。
大地震による停電対策に必要なポータブル電源
マグニチュード7.0を超える大地震によって送電設備が破損すると、大規模な停電が発生します。地震による停電は、3日以上も復旧しない恐れがあります。
停電が起きても電気の供給を継続するためには、ポータブル電源が必要です。ポータブル電源とは、内部に大量の電気を蓄電し、コンセントが使えない状況でも電化製品に給電できる機器を指します。
大地震による停電時にポータブル電源があるメリットは、以下のとおりです。
- エアコンや扇風機などの冷暖房機器を使い、快適な気温を維持できる
- 冷蔵庫に給電して、食品が傷むのを防げる
- ガスが止まっていても、電子レンジやケトルで簡単に調理が行える
- 家族との連絡や災害情報の収集に使えるスマホを、常にフル充電にしておける
- LEDランタンを点灯して、安全を確保できる
ポータブル電源によって普段通りの生活が送れれば、焦らず冷静に行動できるでしょう。調理家電を使ってバランスの良い食事が摂れるので、健康被害も免れます。
地震対策に必要な性能|おすすめの製品
地震による停電対策には、高出力な家電を動かせるだけの定格出力と容量を備えたポータブル電源が必要です。定格出力とは、装置が安定して出力できる最大の電力量を指し、容量とは、1時間に要する電力の総量を指します。
例えば、テレビ(60W)を2時間、エアコン(150W)を5時間、炊飯器(350W)を1時間同時に使用するには、定格出力560W・容量1,160Wのポータブル電源が必要です。
EcoFlowが販売するポータブル電源「DELTA 3 Plus」は、最大2,000Wの高出力と最大5kWhまで拡張できる大容量を備えています。
製品の特長について、詳しく見ていきましょう。
- わずか56分で100%まで高速充電できる
- 定格出力1,500W出力、X-Boostテクノロジーで2,000Wまで使用できる
- LFPバッテリー採用により、10年以上も停電対策として活躍する
- 600W以下の動作で、わずか30dBの雑音レベルに抑えられる
- UPS機能により、停電時は10ms未満で電気供給が切り替わる
- 13個の多用途出力ポートを備える
- スマホのアプリで遠隔操作できる
停電生活が長期化して万が一「DELTA 3 Plus」の充電が切れたとしても、純正のソーラーパネルがあれば、電気を自給自足できます。マグニチュード7.0を超える大地震による停電対策を万全にしたい方は、ぜひ製品情報をチェックしてみてください。
マグニチュードに関するよくある質問
最後に、マグニチュードに関するよくある質問を紹介します。
- 「マグニチュードとは」を子供向けに簡単に説明すると?
- マグニチュードは震度に換算できる?
- マグニチュード7はどれくらいの規模?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
「マグニチュードとは」を子供向けに簡単に説明すると?
マグニチュードとは、地震の規模を表します。揺れの強弱は震度で表されますが、震源から遠くなるほど弱くなるため、地震そのものの大小を表すにはマグニチュードが必要です。
マグニチュードは1増すごとに地震のエネルギーは約30倍になります。M8の地震はM7の地震30個分に相当します。
マグニチュードは震度に換算できる?
マグニチュードは震度に換算できません。なぜならば、マグニチュードは地震単位で一意な値なのに対して、震度は観測値によって変わります。例えば、マグニチュード9.0の巨大地震が起きたとしても、震源地から離れている地域では震度1程度です。
マグニチュード7はどれくらいの規模?
マグニチュード7は、中地震から大地震に相当します。1995年の阪神・淡路大震災や2016年の熊本地震が、マグニチュード7〜8です。建物の損壊や土砂災害、液状化現象、ライフラインの停止などの被害に見舞われる恐れがあります。震源地に近い地点では、人間が自力では動けず、物に掴まっているのがやっとです。
まとめ
本記事では、マグニチュードとは何かについて解説してきました。
マグニチュードとは、地震そのものの大きさ(規模)を表す基準です。マグニチュードは地震単位で一意に決まっていますが、揺れの強さを表す震度は観測値によって異なります。
地震の規模は直接測れないため、世界中で様々な計算方法が採用されています。日本で用いられているのは、気象庁マグニチュード(Mj)とモーメントマグニチュード(Mw)です。
マグニチュード7.0を超える巨大地震に備えるためには、ポータブル電源をはじめとする防災グッズの準備が欠かせません。
EcoFlowでは、3日以上の大規模な停電でも電気を供給し続けられる、高出力・大容量のポータブル電源を販売しています。巨大地震による停電が起きても、健康的な生活を維持したい方は、ぜひ製品の購入を検討してみてください。