台風は通常、大雨や強風を伴う災害の一つですが、台風の目と呼ばれる中心部分に関しては安定した天候となるのが特徴です。
一方、台風の目に入って天候が一時的に安定しても、完全に台風が消滅したわけではないため、油断はできません。
この記事では、台風の目とは何か、発生の仕組みやメカニズム、性質、注意点、よくある質問をわかりやすく解説します。
台風の目とは何か?

台風の目とは、簡単にいうと台風の渦の中心部分のことです。
ここでは、台風の目とは何かについて詳しく解説します。
台風の渦の中心部分のこと
台風の目とは、台風の渦の中心部分のことです。
日本に上陸する台風は反時計回りに渦を巻いており、一般的に台風の目と呼ばれる渦の中心部分は天候が安定しているのが特徴です。
風が強く雲が多い外側と比べて、台風の目となる内側は風が弱く雲が少ないのが特徴であることから、台風が消滅したと勘違いする人も珍しくありません。
台風自体は激しい雨を降らせますが、台風の目では晴れるという逆転現象が、勘違いの原因といえるでしょう。
当然ながら、台風の目=台風が通り過ぎたわけではないため、警戒は怠れません。
むしろ、完全に通り過ぎるまでは万全の備えが求められます。
なお、台風の大きさや強さの基準、ヘクトパスカルについては以下の記事でも解説しているため、あわせてお読みいただけると幸いです。
⇒台風の「大きさ」と「強さ」の基準|影響や被害について詳しく解説
⇒台風のヘクトパスカルとは?大きさや強さの判断基準や備えとなる防災方法を解説
比喩としての意味について
台風の目は、激しい騒動や変動の中心にいる人物の比喩表現としても使用されます。
例えば、選挙で注目を集めている候補者を台風の目と表現することがあるように、日本語の表現の一つとしても使用されるため、注意が必要となるでしょう。
他にも、台風の目の例文としては、以下のようなものがあります。
- 彼は、この業界で台風の目となる存在だ
- 彼女の登場は、この部署の台風の目となるだろう
- 当プロジェクトは、台風の目となるような革新的なものとなっている
以上のように、台風の目は文章表現でも使用される言葉です。
言い換え表現としては、大穴・キーパーソン・ダークホース・中心人物といった表現があるため、会話で使用してみたい人はあわせて類語も覚えておくと安心です。
台風の目発生の仕組みやメカニズム

台風の目は、台風そのものの発生に伴って生まれるものです。
ここでは、台風の目発生の仕組みやメカニズムについて詳しく解説します。
STEP1.風が反時計回りに中心に向かって吹き込む
まずは、風が反時計回りに中心に向かって吹き込みます。
台風は、地球の自転によって生じるコリオリの力により、北半球では反時計回りの渦を形成するのが一般的です。逆に、南半球では時計回りの渦が形成されます。
上記の渦が発生することで、台風の目の種が生まれるのです。
STEP2.中心に集まった空気が上昇気流となる
次に、中心に集まった空気が上昇気流となります。
中心に吹き込んだ風は遠心力の影響で完全な中心に向かうことはできず、溢れたものが上昇気流となって空に舞い上がり、巨大な雲を形成します。
STEP3.周りを囲うように積乱雲の壁ができる
次に、周りを囲うように積乱雲の壁ができます。
アイウォールと呼ばれる、台風の目を取り囲むように発達する積乱雲の壁(激しい雨風を伴う壁)ができ、活発に活動します。
STEP4.台風の中に下降気流が発生する
最終的に、台風の中に下降気流が発生し、台風の目ができます。
中心は風で失われた部分を補うように空気が入り込み、雲のできにくい下降気流によって大気に穴が開いた状況となるため、晴れることがほとんどです。
結果的に、地上からだと空に穴が開いているように見えるわけです。
実際に台風の目にはあまり雲がなく、青空が差し込みます。
台風の目の性質

台風の目は独自の性質を持つため、いくつかの性質を理解しておきたいところです。
ここでは、台風の目の性質について詳しく解説します。
雨が降らず晴れている
台風の目は、雨が降らず晴れているのが一般的です。
台風の中心部では風が反時計回りに吹き込み、風の遠心力によって雲が外側に引っ張られ、内側の中心部には雲がほとんどなくなるため、一時的に天候が安定します。
一方、天候が安定しているのは一定期間だけで、すぐに再び暴風域へと突入します。
台風の目による晴れ間は、あくまで一時的なものなので注意が必要です。
風が穏やかになる
台風の目は、風が穏やかになります。
中心部分では風がほとんど吹かないこともあり、一瞬の間、台風が完全に消えてしまったのではないかと錯覚するほどです。
一方、再び暴風域へと突入すると大雨や強風に見舞われるため、警戒は怠れません。
上陸すると形が崩れる
台風の目は、上陸すると形が崩れるといわれています。
実際に、日本列島に上陸した時点で台風の目が崩れることも珍しくありません。
発達したものほどくっきりと見える
台風の目は、発達したものほどくっきりと見えるのが一般的です。
中心部分がくっきりとしているものほど、台風自体の勢力が大きく強くなるとされているため、一つの指標として覚えておくと安心でしょう。
台風の目の注意点

台風の目では、いくつかの注意が必要です。
ここでは、台風の目の注意点について詳しく解説します。
動きや進路の予測が難しい
台風の目というよりは台風の話ですが、通常、台風は動きや進路の予測が難しいです。
人工衛星といった宇宙からの情報である程度の方向は予測できても、突然方向転換する迷走台風と呼ばれるものも存在します。
迷走台風は、ジグザグやUターンして方向を変えながら進むため、原則予測不可能。
実際に、台風の目にいて天候が安定していても、突然の大雨や強風に襲われることも珍しくありません。ゆえに、常に細心の注意が求められるでしょう。
穏やかな天候は一時的なもの
台風の目は一般的に穏やかな天候になりますが、あくまで一時的なものです。
台風の目は、台風の中心部分というだけで実際に消滅したわけでも通り過ぎたわけでもないため、完全に天候が安定するまでは油断できません。
時間の経過とともに台風が移動すると、台風の目も一緒に移動し、再び暴風域へと突入していくため、ニュースを見ながら適切な判断が求められます。
姿形が変化することがある
台風は、姿形が変化することがあります。
一般的に台風は渦を巻く円形状のものが主流ですが、熱帯低気圧へと変化する間に大きさ・強さともに変化していくため、油断は禁物です。
他の台風とお互いに影響し合って突然勢力が拡大することもあるため、テレビやラジオもしくは自治体の災害情報を常に確認しましょう。
不要不急の外出は避ける
仮に、台風の目に入って天候が安定しても、不要不急の外出は避けましょう。
台風の目では晴れ間が覗くこともありますが、しばらくの間は大雨や強風が続くことがあります。外出した途端に高潮や暴風雨が襲うこともあるため、十分に注意が必要です。
場合によっては、停電といった二次災害にも注意が必要となるでしょう。
日本では停電しても1〜2日で復旧することがほとんどですが、大規模な台風によっては電線や電柱が倒壊したり、発電所が停止したりすることでインフラが壊滅的なダメージを受けることもあります。
その場合、停電が数日に及ぶため、ポータブル電源といった非常用電源を備えておきたいところです。
防災用品としてのポータブル電源
ポータブル電源は製品によって出力や容量が異なりますが、高出力かつ大容量のものだと家電の約9割に対応できる他、数日〜10日分の電力を確保できます。
もしこれからポータブル電源を購入する予定の場合は、Ecoflowが販売しているEcoFlow DELTA 3 Plusを検討してみましょう。

上記の製品は急速充電対応で、AC充電であれば約1時間で充電可能です。
台風の接近が判明してからすぐに充電できるため、1台あるだけで電気などのインフラ面が完全に停止するのは避けられるでしょう。
安全性と耐久性を持ち合わせているため、普段はアウトドアやバーベキューで重宝します。
防災用品としてはもちろん、レジャー用品としても便利です。

台風の目のよくある質問

台風の目について知るには、よくある質問にも目を通しておきたいところです。
ここでは、台風の目のよくある質問について詳しく解説します。
台風の目に入るとどうなるの?
台風の目に入ると雨や風が止み、穏やかな天候となります。
空を見上げると、雲一つない快晴になっていることが多いです。
一方、台風の目は少なくとも一時的なものであり、台風自体が移動すると再び暴風域に入るため、雨風が止んでも油断はできません。
台風の目のなかはどうなっているの?
台風の目のなかは、晴天になっていることが多いです。
周りは上昇気流によって生まれた雲の影響で激しい雨が続きますが、台風の目だけは下降気流の影響で雲の少ない晴れ間が続きます。
台風の目はなぜできるの?
台風の目は、上昇気流と下降気流によって生まれます。具体的な流れは、以下の通りです。
- 海水が太陽光で蒸発して水蒸気が発生する
- 水蒸気が上空で凝結して熱を放出する
- 上昇気流によって外側の雲が発達する
- コリオリの力で雲に渦ができる
- 下降気流によって内側の雲が消失する
- 台風の目ができる
あくまでも以上は簡単に説明したにすぎませんが、要するに台風の目は気流によって生まれるといえるでしょう。
なお、まれに台風同士が影響し合って巨大な台風になったり、逆に相殺されたりすることもあるなど、発生の仕組みやメカニズムは状況によって変わります。
海外で発生したサイクロンやハリケーンが越境台風として上陸することもあるなど、条件は様々です。
台風の目はなぜ晴れるの?
台風の目を形成する下降気流では雲が発生しないため、晴れるのが一般的です。
台風の中心部分では風が非常に速く回転するため、遠心力と上昇気流によって風が内側から外側へ押し出されます。結果的に、中心部にある雨雲が周りに飛び出していくわけです。
逆に、上昇気流の場では雲が発生するため、雨が降ります。
台風の目を見るには?
台風の目は、国土交通省・気象庁の台風情報や人工衛星からの画像で確認できます。
台風の目のなかにいる間は、空に穴が開いている様子も見ることが可能です。
なお、台風の目は台風の勢力を直接的に測定する指標ではないため、被害状況などを含めた情報が必要な場合はテレビやラジオのニュースを確認すると良いでしょう。
各自治体から出ている避難情報なども、随時確認しましょう。
まとめ
台風の目とは何か、発生の仕組みやメカニズム、性質、注意点、よくある質問を解説しました。
台風の目とは、台風の渦の中心部分のことです。
日本に上陸する台風は反時計回りに回転しており、遠心力によって外側に雨雲が引っ張られることで内側に空洞ができ、台風の目となります。台風の目では一時的に雨風が止み、晴天が広がります。
一方、再度大雨や強風に見舞われることもあるため、二次災害にも警戒しておく必要があるでしょう。
例えば、代表的な二次災害の停電にはポータブル電源で備えておくと安心です。
ポータブル電源は一定の電気を溜めておける蓄電池の一つで、EcoflowではEcoFlow DELTA 3 Plusなどの高性能モデルを販売しています。
急速充電対応で、すぐに充電できるのも安心できる点です。
興味のある人は、一度ご検討いただけると幸いです。