spot_img

余剰売電と全量売電はどっちがお得?売電量を増やす方法を詳しく解説

売電には、余剰売電と全量売電の2つがあり、どちらがお得なのか迷っている方もいるかもしれません。

以前は余剰売電のほうがお得でしたが、現在は売電価格が低下して利用料金を下回っているため、売却せずに使用したほうがお得です。

この記事では、余剰売電を売電するFIT制度、全量売電との違い、余剰電力を増やして売電収入を得る方法について解説します。

余剰電力と売電収入を得る方法について知りたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

余剰売電を売電するFIT制度

image6

FIT制度とは、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT法)に基づく制度です。

一般家庭または事業者が、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーで発電した電力を、電力会社が政府によって定められた価格で買い取ることを義務付けています。

FIT制度の目的は、再生可能エネルギーの普及拡大と発電事業者の投資回収の可能性を高めるためです。

再生可能エネルギーの発電システムを導入すれば、エネルギー自給率の向上や温室効果ガス排出量の削減を期待できます。

また、発電事業者にとっては長期的な売電収入が保証されるため、安定した事業運営が可能になります。

余剰売電と全量売電とは

余剰売電

発電した電力の売電方法は、余剰売電と全量売電の2つです。ここでは、余剰売電と全量売電の特徴について解説します。

余剰売電

余剰売電とは、太陽光発電システムで発電した電力のうち、自宅で消費せずに余った分を売電する方法です。家庭用太陽光システムは設置容量が10kW未満、産業用太陽光発電は10kW以上50kW未満のものを指します。

余剰売電の最大のメリットは、自家消費分の電気代を節約できる点です。発電した電力を自宅で使用すれば、購入する電力量を減らして光熱費を抑えられます。

ただし、売電収入は発電量と自家消費量のバランスに左右されます。発電量が少ない場合や自家消費量が多い場合は、売電収入が限られてしまうでしょう。余剰売電を選択する際は、まず自家消費を優先し、余った分を売電するという考え方が重要です。

全量売電

全量売電とは、太陽光発電で発電した電力のすべてを電力会社に売電する方法です。導入するには発電設備の設置容量が50kW以上であることが条件で、250kW以上の場合は入札制になります。

2022年度の全量買取価格は、50kW以上250kW未満の設備で10円/kWhと設定されているほか、買取期間は20年間です。

全量売電は発電量に応じて安定的な売電収入が見込めるため、事業計画を立てやすいメリットがあります。一方で、発電した電力をすべて売電するため、自家消費ができません。

電気代の節約にはつながらないほか、大規模な発電設備を設置するには広いスペースが必要となります。さらに初期投資が大きくなる傾向があるため、全量売電を選択する際は発電事業としての採算性を十分に検討する必要があるでしょう。

長期的な収支の見通しを立て、投資回収の可能性を慎重に判断してください。

余剰売電と全量売電の比較と注意点

余剰売電と全量売電は、特徴が大きく異なります。

項目余剰売電全量売電
売電方法余剰分のみ売電すべて売電
設置容量10kW未満(家庭用)、10~50kW未満(産業用)50kW以上(250kW以上は入札)
自家消費可能可能不可
売電収入発電量と自家消費量に左右安定
電気代節約可能不可
初期投資比較的小さい大きい
設置スペース限定的広い
手続きの複雑さ比較的シンプル複雑

余剰売電を選ぶ場合は、自家消費率の認定を受けるために、自家消費支出計画と配線図の提出が必要です。また、自立運転機能を搭載したパワーコンディショナーのコンセント設置が必要になります。

さらに運転開始後は、売電量増加を防ぐために自家消費率30%以上に保たねばなりません。

一方、全量売電を選ぶ場合は、発電事業としての許認可手続きや電力会社との契約が必要となり、発電設備の維持管理や修繕、機器交換などのランニングコストが発生します。

新規導入でも全量売電はできる?

余剰売電

新規導入で全量売電を始めるには、ソーラーシェアリングを実現する必要があります。ここでは、新規導入で全量売電ができるのかどうか、現状について解説します。

2020年以降のFIT制度では余剰売電のみ

2020年以降のFIT制度は、設置容量が10kW以上だったとしても売却できるのは余剰売電だけです。低圧容量の10〜50kW未満は、基本的に余剰売電のみとなります。

FIT制度の変更は、再生可能エネルギーの導入拡大と国民負担の抑制を目的としています。以前は全量売電の買取価格が高く設定されていたため、国民が担う負担は大きなものでした。また、大規模な太陽光発電所の乱立により、電力系統の安定性が懸念されていた事実もあります。

このような課題に対応するため、全量売電の対象は大規模な発電設備に、小規模な発電設備は余剰売電に限定しました。

10~50kW未満の全量売電はソーラーシェアリングが必要

10〜50kW未満の発電設備で全量売電を実現するためには、ソーラーシェアリングが必要です。条件としては、災害が起こった際に電源として使用できること、10年間の一時転用が認められるることの2つになります。

災害時の電源確保によって地域の防災力の向上が可能です。さらに一時転用期間を10年間に設定することで、営農の継続性を担保しつつ、発電事業の採算性も確保できます。

ただし、ソーラーシェアリングを導入するには、農地法や土地改良法などの関連法規に基づく手続きが必要となります。また、営農計画や発電事業計画の策定、地域との合意形成なども求められるため、専門家のアドバイスを受けながら慎重な検討が大切です。

余剰売電と全量売電はどっちがお得?

余剰売電

余剰売電と全量売電を比較するには、売電価格を把握する必要があります。2024年度では余剰売電の単価は16円/kWh、全量売電は容量が50kW以上250kW未満の場合で10円/kWhです。

両者を比較することでどちらがお得かが分かりますが、近年売電単価が低下しつつある売電価格にふさわしい方法を検討する必要があります。

ここでは、余剰電力の売電単価が年々低下している背景と、余剰電力の売電利益より電気量を抑える考え方にシフトすべき理由について解説します。

余剰電力の売電単価は年々低下している

FIT制度がスタートした2012年度は、余剰売電の価格が42円/kWhと高めに設定されていました。しかし、以降は3円ほどの値下がりが続き、2024年には16円/kWhまで下がっています。

売電単価が年々低下している原因は、再生可能エネルギーの普及に伴う発電コストの低下です。また、FIT制度が改善されたことも影響しています。

従来は発電コストに基づいて買取価格が設定されていましたが、現在は入札制度が導入され、競争原理によって価格が決定されるようになりました。売電単価の低下により、余剰売電による売電収入は年々減少しています。

そのため、現時点では当初ほどの経済的メリットは見込めません。さらにFIT制度の買取期間が終了した後は売電価格が大幅に下がるため、売電収入はさらなる減少が予想されます。

余剰電力の売電利益より電気料金を抑える考え方にシフトする

余剰電力の売電単価は下がる一方ですが、電気料金は値上げされる傾向にあります。以前と比べると売電での利益確保は難しいため、今後は家庭の電気代を抑える考え方にシフトするのが重要です。

売電価格が低下傾向にある現在、FIT制度が終了してしまうと十分な売電収入は期待できません。

しかし、発電した電力を自家消費に回すようにすれば、電気料金の値上げに伴う負担を軽減できます。

昨今の太陽光発電システムを導入するメリットは、売電利益ではなく電気料金の節約です。家庭内の電力消費を最適化すれば、日中の発電電力をフル活用できるほか、夜間や悪天候時の電力消費を抑えられるでしょう。

また、蓄電池やV2H(Vehicle to Home)システムを導入すれば、余剰電力を効果的に活用できます。

太陽光発電システムを導入する際は、売電収入だけでなく、電気料金を節約する観点から総合的な検討が必要です。イニシャルコストとランニングコストのバランスを考慮しながら、家庭環境に合わせた最適なシステム設計が求められます。

余剰電力を増やして売電収入を得る方法

image1

売電収入を得るためには、余剰電力の増加が重要です。ここでは、余剰電力を増やして売電収入を得る方法について解説します。

家庭用蓄電池の導入もしくは容量をアップする

余情電力を増やすためには、家庭用蓄電池の導入、もしくは既存の蓄電池の容量アップが効果的です。

日中に発電した電力を蓄電池に蓄えておけば、不要な余剰電力を売電に回せます。

ただし、蓄電池の容量は、家庭の電力消費量や太陽光発電システムの規模に応じて決める必要があります。一般的には1日の電力消費量の半分にあたる容量が目安です。

また、製品が古い場合は高性能な製品への買い替えがおすすめです。

古い機器は経年劣化によって満充電できる容量が減少しているため、新製品に買い替えるだけでも多くの電力を蓄えられるようになります。

また、蓄電池の導入は災害時の電源確保にもつながるため、防災対策としても有効です。

家庭にポータブル電源を導入して消費電力を抑える

余情電力を増やして売電収入を得るためには、蓄電池の導入が必要です。

しかし、設置環境の問題やシステム上の問題によって設置できない家庭も少なくありません。

その場合はポータブル電源を活用しましょう。

ポータブル電源とは、持ち運びが自由自在な蓄電池です。さまざまな製品が販売されており、家庭用蓄電池の性能を凌ぐポータブル電源も存在しています。

専用ソーラーパネルも登場しており、蓄電池と併用すれば電気の自給自足を可能にするシステムの構築が可能です。日中に発電した電力を夜間に使用すれば家庭内の消費電力を抑えられ、節電効果をを高められるでしょう。

また、ポータブル電源は持ち運びが可能なため、自宅だけでなくキャンプやアウトドアでも活用可能です。さらには災害時の非常用電源としても役立つため、さまざまなシーンで幅広く活用できるアイテムです。

ソーラーパネルの清掃や増設を検討する

余情電力を増やすためには、ソーラーパネルの定期的な清掃が大切です。

ほこりや汚れがパネル表面に付着していると、太陽光が当たらず発電量が低下します。特に花粉や鳥の糞、落ち葉などの汚れは、発電量に大きな影響を与えてしまうため、注意が必要です。

ソーラーパネルを清掃する頻度は、設置場所や周辺環境によって異なりますが、年に 1〜2 回程度が理想とされています。

ただし、清掃する際は、ソーラーパネルを傷つけてしまったり、危険を伴う場合があるため、専門業者へ依頼するようにしましょう。

また、ソーラーパネルを増設して面積を増やすことも、発電量の増加につながります。設置スペースや費用の制約をクリアする必要はありますが、規模の拡大は従来よりも高い発電効率を期待できるでしょう。

ソーラーパネルの清掃や増設は、発電量の増加につながり、売電収入アップを期待できます。

メンテナンスや設置工事にかかる費用を考慮しつつ、費用対効果がどれほどのものになるのか検討してみましょう。

まとめ

この記事では、余剰売電を売電するFIT制度、全量売電との違い、余剰電力を増やして売電収入を得る方法について解説しました。

余剰電力を増やして売電収入を得るためには、蓄電池の導入やポータブル電源の活用、ソーラーパネルの清掃や増設などを検討して発電量を増やす必要があります。

初手電量を増やし、自家消費できない部分を余剰電力として売電していきましょう。

ただし、昨今では太陽光発電システムの導入目的が、売電収入から電気料金の節約にシフトしてきています。いかに消費電力を抑えることができるかを第一に考え、イニシャルコストとランニングコストのバランスを考慮し、最適なシステムの導入を実現させましょう。

災害時の備えで蓄電池を設置したい方には、EcoFlowのDELTA Pro 3がおすすめです

シンプルでパワフルな家庭用蓄電池の「DELTA Pro 3」は、据え置きはもちろん持ち運びも可能であり、スタイリッシュでモダンなデザインが特徴です。

容量4kWh、出力3.6kW、100V/200V対応で、ほとんどの家庭用電化製品に電力を供給可能であり、ケーブルを挿して電源を入れるだけで利用できます。

高い機能性だけではなく安全性も特徴で、EV向けバッテリーと同レベルのLFPセルが搭載されているため、衝撃、水、ほこり、発火等のリスクにも強いです。

停電時は自動でバッテリー運転に切り替わるため、災害時の備えとしても有用です。詳細を知りたい方は、ぜひ以下のリンクをご覧ください。

EcoFlow DELTA Pro 3

spot_img

コメントを書く

コメントを入力してください
お名前を入力してください