「ソーラーパネルの架台は自作できるの?」と気になる方もいるのではないでしょうか。結論を先に言うと、ソーラーパネルの架台はDIYできます。
しかし、どのような材料が必要なのかは作成するソーラーパネルによって変わる他、架台を設置する際にもいくつかの注意点を考慮しなければいけません。
太陽光発電システムにはメリット・デメリットがあるため、架台も含めて設置の可否を考えることも重要です。
この記事ではソーラーパネルの架台は自作できるのか、必要な素材や設置の注意点、メリット・デメリットを含めて解説します。
ソーラーパネルの架台を自作したい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
ソーラーパネルの架台は自作できる?
ソーラーパネルは自宅の屋上や外壁、庭に設置することで電力を生産できる太陽光発電システムで、一般家庭でも問題なく設置できます。
しかし、太陽光を的確に受け止めて発電するためには、ただ太陽光パネルを適当に置くだけでは不十分です。設置する場所によっては架台を作成し、太陽光がしっかりと当たるよう調整する必要があります。
しかし、ここで気になるのが「ソーラーパネルの架台は自作できるのか」という点ではないでしょうか。
結論からいうと、ソーラーパネルの架台は自作可能であり、実際に自作して設置している人も多くいます。
一方、自作する場合は注意しておかなければならない点もあるため、詳しくは「ソーラーパネルの架台を設置する際の注意点」も併せて確認してみてください。
太陽光パネルの架台を自作する際の材料
太陽光パネルの架台を自作する場合は、どのような材料を使用するのか考えなくてはなりません。しかし、ソーラーパネルの架台に使用できる素材はいくつかあり、何が正解で何が不正解ということもありません。
基本的に外部に設置するものなので雨風を意識する必要はありますが、それでもホームセンターなどで市販されている材料で作成することが可能です。一般的な素材としては、以下のものがあります。
- 各種アングル
- 鋼材チャンネル
- スライドレール
- ステンレス製ナット
- ステンレス製ボルト
- ステンレス製バネ
- ステンレス製ワッシャー
以上の材料が揃っていれば、自作の架台は作成可能です。特にソーラーパネルは外部に設置することが前提となるため、ステンレス製の素材を使用するのがおすすめです。
ステンレスはクロムという鉄よりも酸化しやすい物質が含まれており、鉄が酸化するよりも早くクロムが酸化することで「不動態被膜」と呼ばれる膜が生成されます。
この膜が表面に形成されることで、錆びにくくなるという特性を持っています。
そのため、基本的に太陽光パネルの架台はどのような素材で自作しても構いませんが、耐久性を考えるとステンレス素材を選ぶのがおすすめといえるでしょう。
ソーラーパネルの架台を設置する際の注意点
ここからは、ソーラーパネルの架台を設置する際の注意点を解説します。
注意点1.太陽光の角度を意識する
ソーラーパネルは太陽光発電を行うことが前提となっているため、架台を設置する際は太陽光の角度を意識しなければなりません。
太陽光の角度は季節によって変わり、夏と冬では差が生じます。そのため、太陽光パネルで安定した電力を生産したいなら、太陽の角度を調整して設置することが重要です。
太陽の角度が適切でない場合、発電量にも影響が出てきます。逆に最適な角度に調節することで効率よく発電できるため、1日の日当たりも計算して設置するようにしましょう。
平均的な角度 | 20度~30度が理想 |
季節に合わせた角度 | 適宜調節するのが理想 |
ソーラーパネルは屋上や外壁の場合、設置面に対して垂直に設置する場合もありますが、その場合は太陽が真上もしくは真横にないと効率的に日光が当たりません。そのため、角度は約20度〜30度に調整し、日照時間の恩恵を最大限に活かせるよう設定しましょう。
ただし、太陽は季節によって日照の角度が変わるため、適宜調整できるようにしておくのが理想です。夏季は日照時間が長く、冬季は日照時間が短いため、季節によって角度を調節できるようにするのが望ましいといえます。
注意点2.日陰になる範囲を把握する
太陽光は常に一定の方向から向かってくるわけではないため、日陰になる範囲を把握することも重要です。ソーラーパネルの効力を最大限に活かしたいのであれば、日陰になる範囲は極力抑えることが必要があります。
例えば、庭に太陽光パネルを設置する場合、時間帯によっては建物の陰に入ってしまうこともあるでしょう。
土地に余裕がある場合は住居から離して設置するのが理想ですが、一般的な家庭だと庭の範囲も限られているため、どこからどこまでが日陰になるのかを調べておくと安心です。
状況によってはアンテナをはじめ電線や電柱、街路樹や庭木の陰になって太陽光がうまく当たらないこともあります。
以下は、特に日陰になりやすい場所の一例です。
- アンテナの周辺
- 電線や電柱の周辺
- 街路樹・庭木の周辺
時間帯によって影になるエリアが変わるからこそ、どの季節でも満遍なく太陽光が当たるように設置することが重要になります。
注意点3.天候の影響を加味する
ソーラーパネルにとって、天候は発電量を左右する条件の1つとなります。
太陽が出ている晴れの日は効率的に発電できますが、太陽が出ていない雨の日や曇りの日は発電効率も控えめになってしまうのが特徴です。
そのため、天候の影響も加味して設置する必要があります。
また、地域によっては火山灰や雪にも注意が必要です。
雨や曇りは空全体が雲に覆われることで発電量が左右されますが、火山灰や雪は太陽光パネルを直接覆うことで発電量が影響を受けてしまいます。
ソーラーパネルを設置する場合は、透明なルーフの設置も考えてみましょう。
視界のクリアな屋根を設置すれば、発電量はそのままに火山灰や雪の蓄積を防げます。傾斜のある屋根を設置すれば、ルーフ全体が太陽光パネルを守る防護壁のような役割も果たしてくれるので、併せて設置するのがおすすめです。
注意点4.定期的な清掃を実施する
ソーラーパネルは設置して終わりではなく、むしろ設置してからの維持が大変です。特に定期的な清掃は必ず必要となります。
太陽光パネルは天候の影響を受けることもありますが、汚れによって発電量が左右されることもあります。
空気中に含まれている不純物が付着すると太陽光をうまく受け取ることができず、効率的に発電できずに終わることもあります。
場合によっては外部から飛来したゴミや鳥のフンによって、太陽光発電システムが正常に作動しないこともあるかもしれません。
それゆえ、パネルの清掃は定期的に行いましょう。理想は2ヶ月〜3ヶ月に1回程度ですが、半年に1回程度でも問題はありません。ただし、年に一度は大規模なクリーニングを行いたいので、日々の点検も含めて定期的に清掃を実施してください。
システム周りの定期点検は4年に1度程度で十分とされていますが、清掃などはこまめにやっておくことで発電量を最大限に維持できます。併せて、パワーコンディショナーの交換も行うなど、正常に太陽光発電システムが作動するように管理することが必要です。
注意点5.設置する場所を決定する
設置する場所によっては、風向きの影響でソーラーパネルが倒れることもあります。
基本的に太陽光パネルは太陽の恩恵を十分に受けられるよう寝かせて使用しますが、架台を利用して傾斜をつける場合は風の影響を受けることもあります。
自作の架台だと設置が不十分な場合もあり、状況によっては風の力で倒壊する可能性もゼロではありません。当然、パネルが倒壊して周辺住民に迷惑がかかってしまった場合は、所有者の責任となります。
地震や台風が頻発する日本では太陽光パネルが二次被害を及ぼす可能性もあるため、架台を自作する場合は安全面を十分に確保することが重要です。もしくは、倒壊しても付近に被害が及ばない場所を選ぶ必要があります。
その他、どうしてもリスクを避けたい場合は架台も含めてプロに設置を任せるのが賢明といえるでしょう。
太陽光パネルを設置するメリット・デメリット
ここからは、太陽光パネルを設置するメリット・デメリットを解説します。
太陽光パネルを設置するメリット
太陽光パネルを設置するメリットは以下のようなものがあります。
- 発電した電力を売買できる
- 停電しても電気が使用できる
- 自治体によっては補助金もある
ソーラーパネルを設置すれば、個人で電力を生産できます。その生産した電力は日々の生活で使用できますが、場合によっては余ることもあるかもしれません。
しかし、余った電力は電力会社へ売買することが可能です。
生産した電力を電力会社に販売することは「売電」と呼ばれ、ソーラーパネルの持ち主は「売電収入」を得られます。
また、ソーラーパネルによって生産した電力は蓄電池に溜めておくことも可能です。一度溜めた電力は停電時などにも使用でき、緊急時や災害時などにも役立つでしょう。それだけでなく、アウトドアなど外部で電気を使用する際にも応用できます。
自治体によってはパネル設置に対して補助金を出してくれるところもあるため、これから設置してみたい方は各自治体に補助金制度があるかどうかも確認してみましょう。ただし、自治体が必ず補助金を用意しているわけではないため、その点はご注意ください。
太陽光パネルを設置するデメリット
太陽光パネルを設置するデメリットは以下のようなものがあります。
- 設置には初期費用がかかる
- 発電量は日射量に左右される
- 環境による倒壊のリスクがある
ソーラーパネルを設置する場合、100〜200万円ほどの初期費用がかかるとされています。
架台を自作する場合はある程度節約することが可能ですが、ソーラーパネルを購入して設置するだけでも数十万円〜数百万円の初期費用が必要です。
また、メリットの項目で「余った電力は売電できる」と説明しましたが、太陽光による発電量は日射量に左右されます。
晴れている日は効率的に発電できますが、雨の日や曇りの日は余るほどの電力を生み出すことができない可能性もあります。
その点は、天候や季節の影響を受けやすいと理解しておかなければなりません。
その他、ソーラーパネルは外部に設置するからこそ、環境による倒壊のリスクも避けられません。地震による揺れや台風による強風で倒壊すると、自分自身の住宅はもちろん近所の方の住宅にも被害が出るかもしれません。
パネルのDIYはアイディア次第で自由自在
ソーラーパネル(太陽光パネル)の架台は、アイディア次第で自由自在にDIYできます。そこには正解も不正解もないため、工夫次第で便利な架台を作ることも可能です。
現にパネルを支えるためだけの架台を作っている人もいれば、角度調整できるよう可変式の架台を作っている人もいます。レールを設置することで、太陽光の向きに合わせて角度を調節できるようにしている人までいるくらいです。
このように、パネルの架台は自分自身の発想によってより便利なものとなるため、気になる方はDIYに挑戦してみましょう。
なお、ソーラーパネルやポータブル電源をどこで購入すればいいかわからない場合は、実績豊富なEcoFlowの製品がおすすめです。
EcoFlowでは自宅に設置できるソーラーパネルやポータブル電源を単品で取り扱っている他、セット商品も用意しています。
イチから太陽光パネルを導入したいと考えている方は、ぜひご検討ください。
⇒EcoFlow ポータブル電源
⇒EcoFlow ソーラーパネル
まとめ
本記事では、ソーラーパネルの架台は自作できるのか、必要な素材や設置の注意点、メリット・デメリットを解説しました。
ソーラーパネルの架台は自作が可能で、実際にステンレス製の素材を使用してDIYしている人もいます。しかし、太陽光パネルを設置する場合はいくつか注意点もあり、ただ闇雲に設置すればいいというわけではありません。
設置する場所によっては角度が合わない他、日陰や天候の影響を受けることもあります。定期的な清掃を行わないと発電量も左右されてしまうなど、設置してからの問題もいくつかあるのが特徴です。
その一方、太陽光発電システムを導入すれば緊急時や災害時にも発電でき、安定した電力供給を受けられるので、導入する価値は十分にあると言えるでしょう。
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