「太陽光発電の売電収入は確定申告が必要?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。太陽光発電で得た収入が一定の基準を超える場合、所得税の課税対象となるため、確定申告が必要となります。
確定申告が必要かどうかは、売電収入の金額や発電規模、所得の種類によって異なります。また、太陽光発電事業には、固定資産税や所得税、消費税といった税金が関係しています。
一方で、太陽光発電事業では減価償却費や固定資産税、メンテナンス費用などの経費が認められており、これらを適切に計上することで課税対象の所得を減らすことが可能です。
本記事では、太陽光発電における確定申告が必要なケース、所得の種類と計算方法、関係する税金や経費について解説します。太陽光発電の収入があり、確定申告が必要かどうかを知りたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
太陽光発電の売電収入は確定申告が必要?
太陽光発電による収入がある場合、状況によっては確定申告が必要になることがあります。特に事業として太陽光発電を行い、年間の所得額が所得控除額を超えて所得税がかかる場合には、原則として確定申告が必要となります。
確定申告とは、1年間の所得金額や税額を計算し、税務署に報告する手続きのことです。日本では所得税の納税に「申告納税制度」を採用しているため、納税者が納税額の計算から納税までの手続きを進めなければなりません。
太陽光発電において確定申告が必要かどうかは、売電収入の金額や発電規模、所得の種類によって異なります。売電収入が一定額以上の場合や、太陽光発電を事業として行っている場合は、確定申告が必要となる可能性が高くなります。
太陽光発電による収入がある方は、自身の状況が確定申告の対象となるかどうかを確認することが重要です。確定申告が必要な場合は、期限までに適切な手続きを行う必要があります。
太陽光発電で確定申告が必要なケース
太陽光発電の確定申告が必要になるケースは、住宅用太陽光発電と産業用太陽光発電で異なります。それぞれのケースについて詳しく解説します。
住宅用太陽光発電(発電量10kW未満)の場合
住宅用太陽光発電は、一般的に発電量が10kW未満の太陽光発電を指します。産業用に比べて買取価格は高いですが、買取期間は10年間と短くなるのが特徴です。
会社員で住宅用太陽光発電を行っている場合、年間の売電収入が20万円を超えると確定申告が必要となります。とはいえ、住宅用太陽光発電は発電量が比較的少なく、売電収入が少額になるケースが多いため、確定申告が必要になるパターンはそう多くありません。
一方、個人事業主が事業として太陽光発電を行う場合、売電収入が所得控除額を超えて所得税がかかると、原則として確定申告が必要です。ほかの所得と合算して所得税の課税対象になる場合もあるため注意しましょう。
→家庭用・住宅用の太陽光発電システムとは?設置するメリット・デメリットを解説
産業用太陽光発電(発電量10kW以上)の場合
発電量10kW以上の産業用太陽光発電は、買取価格は高くないものの、買取期間は20年間と住宅用に比べて長くなります。産業用太陽光発電は発電量が大きくなりやすいため、確定申告が必要なケースが多い傾向にあります。
会社員の場合、太陽光発電による所得額が20万円を超えると確定申告が必要です。個人事業主や法人として太陽光発電を行う場合は、売電収入が所得控除額を超えて所得税がかかると、太陽光発電を踏まえた確定申告をしなければなりません。
産業用太陽光発電は多くのケースで確定申告が必要となるため、産業用として発電を行う場合は、事前に確定申告の旨を押さえておきましょう。
太陽光発電の所得の種類と計算方法
太陽光発電の所得には、事業所得と雑所得、不動産所得の3種類があります。それぞれの所得の特徴と計算方法について見ていきましょう。
種類1.事業所得として申告する場合
太陽光発電を事業として行っている場合は、事業所得として申告します。事業所得とは、自分で事業を営んでその事業から得た所得のことです。
事業所得の金額は、収入金額から必要経費を差し引いて計算します。必要経費には、太陽光発電設備の減価償却費や修繕費、管理費などが含まれます。
なお、個人が住宅の屋根などに太陽光発電システムを設置し、発電を行う場合は事業所得にはなりません。これは発電量の問題ではなく、太陽光発電を事業として扱っているかどうかで判断します。
種類2.雑所得として申告する場合
太陽光発電を事業として行っていない場合は、雑所得として申告します。雑所得とは、事業所得や給与所得、利子所得など9種類の所得にあてはまらない所得のことを指します。
個人で太陽光発電を行う場合の売電収入は、多くのケースでこの雑所得に分類されます。雑所得の金額も、収入金額から必要経費を差し引いて計算します。
種類3.不動産所得として申告する場合
不動産所得とは、土地や建物などの不動産の貸付けによって得た所得のことです。太陽光発電との関係では、次のようなケースが該当します。
例えば、賃貸アパートの屋上に太陽光発電システムを設置し、発電した電力を共用部分で使用しつつ、余剰電力を売却して所得を得ていた場合は不動産所得となります。不動産所得の金額は、総収入金額から必要経費を差し引いて計算します。
ただし、不動産業務との関連性が太陽光発電として認められる場合にのみ該当するため、賃貸物件に太陽光発電システムが設置されている場合でも、不動産所得ではなく、事業所得や雑所得に該当するケースもあります。
太陽光発電に課せられる税金
太陽光発電システムの導入には、以下のような税金が関係しています。太陽光発電を始める前に、これらの税金を把握しておきましょう。
- 固定資産税
- 所得税
- 消費税
税金の種類や計算方法を理解し、適切に対応することが大切です。以下、各税金の詳細について見ていきましょう。
固定資産税
固定資産税とは、設備などの償却資産や土地に発生する税金のことです。太陽光発電システムは基本的に移動できないため、固定資産税の対象となるのです。
10kW未満の住宅用太陽光発電でも、個人事業主や法人が発電を行う場合は固定資産税の対象となります。一方で、個人で住宅用太陽光発電を行う場合は、償却資産には該当せず固定資産税の対象にはなりません。
ただし、屋根と一体となって取り外しができない場合は住宅の一部として認識されるため、住宅新築時に設置したケースでは、発電量に関わらず固定資産税が課税されます。
所得税
所得税とは、個人の所得に対して課税される税金のことです。1年間で得た収入から所得控除を差し引いた利益に対して、定められた税率を適用して所得税が課税されます。
所得税の税率は利益の額に応じて変動するため、利益が大きければ大きいほど、税率も高くなります。この所得税は確定申告の際に必ず収める必要があるため、事前にどれくらいの金額になるのか確認しておきましょう。
消費税
消費税は、商品やサービスを購入する際に発生する税金です。2024年7月時点では、消費税は10%と定められています。
太陽光発電システムを購入する際に発生するため、確定申告が不要な方でも支払う必要があります。なお、産業用太陽光発電として余剰電力を電力会社に販売する場合は、電力会社に消費税を請求することができます。
太陽光発電で認められる経費
太陽光発電事業では、いくつかの経費が認められています。これらの経費を適切に計上することで、課税対象となる所得を減らすことが可能です。
主な経費としては、減価償却費、固定資産税、メンテナンス費用、ローン利子などが挙げられます。以下、それぞれの経費について詳しく解説していきます。
減価償却費
太陽光発電システムの取得費用は、耐用年数にわたって費用化することができます。この費用化の方法が減価償却と呼ばれるものです。
投資目的で太陽光発電を行う場合、償却期間は17年とされており、この期間で設備の取得費用を均等に割り振って経費計上します。減価償却費は、毎年の課税所得を減らす効果があります。
固定資産税
毎年支払う固定資産税も、太陽光発電事業では経費として認められます。設備の規模や導入した地域によって、税額は大きく異なります。
固定資産税は設備の取得価格に基づいて算出されるため、高額な設備ほど税負担が大きくなる傾向にあります。長期的な事業計画を立てる際には、固定資産税の影響も考慮に入れる必要があるでしょう。
メンテナンス費用
太陽光パネルの清掃や定期点検にかかる費用も、経費として計上することが可能です。メンテナンスは、長期的な発電効率の維持に欠かせません。
定期的なメンテナンスを行うことで、パネルの劣化を防ぎ、安定した発電量を確保することができるでしょう。なお、点検業者に依頼した場合も、その費用を経費として計上できます。
ローン利子
太陽光発電システムの導入時にローンを組んだ場合、そのローンの利子も経費として認められます。発生する利子は、ローンの返済計画に応じて毎年の経費額が変動します。
ただし、住宅とまとめてローンを組んだ場合は、太陽光発電システムのローン利子だけで、住宅部分を含めることはできません。ローン利子は事業の初期段階で大きな負担となることもあるため、返済計画を慎重に検討する必要があります。
その他の諸経費
太陽光発電事業では、保険料や電気主任技術者への委託費用なども経費として計上できます。また、発電設備を設置する土地を借りた場合の賃貸料なども経費に含まれます。
ただし、事業規模や運営方法によって、適用される経費は異なる場合があるため事前に確認しておきましょう。適切な経費計上を行うことで、課税所得を適正に管理し、税負担を最適化することができます。
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まとめ
本記事では、太陽光発電における確定申告が必要なケース、所得の種類と計算方法、関係する税金や経費について解説しました。
太陽光発電で得た収入が一定の基準を超える場合、確定申告が必要となります。住宅用と産業用で基準が異なるため、自分の設備状況を確認することが重要です。
また、所得の種類には事業所得、雑所得、不動産所得の3種類があり、それぞれ計算方法が異なります。太陽光発電を事業として行う場合には、固定資産税や所得税、消費税といった税金が関係してきます。
太陽光発電をローコストで始めたい方には、EcoFlowのソーラーパネルとポータブル電源のセット商品がおすすめです。高い発電効率と拡張性、環境保護への貢献が魅力的です。ぜひ導入をご検討ください。