「太陽光発電の補助金にはどのようなものがあるの?」と疑問に思う方も多いでしょう。太陽光発電の補助金は、国から提供されているものと地方自治体から提供されているものの2種類に分けられます。
国による太陽光発電単体の補助金は現在廃止されていますが、太陽光発電に関連する補助金は2024年度に複数予定されています。太陽光発電の補助金をうまく活用することで、初期費用を大幅に削減することができるでしょう。
本記事では、2024年度における太陽光発電の補助金制度の種類や金額、条件などを詳しく解説します。補助金を活用して、太陽光発電のメリットを最大限に享受しましょう。
太陽光発電の補助金制度における基本概要
太陽光発電の導入を促進するため、国や自治体は補助金制度を設けています。その補助金を活用することで、太陽光発電システムの初期費用の負担を軽減することが可能です。ここでは、太陽光発電の補助金制度における基本概要を解説します。
補助金は国と地方自治体から提供されている?
太陽光発電の補助金は、国から提供されているものと地方自治体から提供されているものの2種類に分けられます。国の補助金は全国共通ですが、地方自治体の補助金は地域によって内容が異なります。
各自治体によって条件や補助金額が異なるため、事前に確認して申し込むことが大切です。また、すべての自治体が補助金を提供しているわけではないほか、予算の上限に達したら受付終了となるため注意が必要です。
各都道府県だけでなく、市区町村でも独自の補助金を提供している場合があります。例えば、東京23区では新宿区から「10万円/kW」、港区から「20万円/kW」の補助金が提供されています。
国による太陽光発電単体の補助金は廃止されている
国による太陽光発電単体の補助金はすでに廃止されているため、太陽光発電単体での購入や設置、関連機器類の補助金は受けられません。
国による太陽光発電の補助金制度は2014年に終了しており、その後も補助金制度を立ち上げていません。ただし、蓄電池やほかの再生可能エネルギーとの組み合わせで補助金が受けられるケースがあります。
例えば、「経済産業省及び環境省による戸建ZEH補助事業(ZEH補助金)」では、ZEHの条件を満たす住宅を対象に補助金を提供しています。ただし、省エネ性能の条件を満たす必要があるなど、補助金を利用するには一定のハードルが存在します。
2024年度における太陽光発電の補助金制度
国が提供する太陽光発電単体の補助金はありませんが、太陽光発電に関連する補助金は2024年に複数予定されています。以下、太陽光発電関連の補助金制度を紹介します。
ただし、法人向けの補助金制度であるため、利用する際は自身の状況を加味した上でご検討ください。
水上太陽光発電:地域における太陽光発電の新たな設置場所活用事業
ため池などの水上に太陽光発電システムを設置し、発電を行う水上太陽光発電事業に対する補助金制度です。5月24日から二次公募が進行中で、令和5年度補正予算と令和6年度本予算を合わせた形で公募が実施されています。
【補助対象となる主な条件】
- ため池を活用した太陽光発電設備の導入を行う事業であること
- 導入費用が規定の範囲内であること
- パワーコンディショナーの最大定格出力の合計が10kW以上であることなど
補助対象設備は、太陽光発電設備、定置用蓄電池、自営線、エネルギーマネジメントシステム(EMS)などが含まれ、補助率は1/2、上限は1億5,000万円です。
営農型太陽光発電:地域における太陽光発電の新たな設置場所活用事業
農地の上に屋根を設置し、その屋根で太陽光発電を行う営農型太陽光発電事業に対する補助金制度です。「地域における太陽光発電の新たな設置場所活用事業」として、5月24日から二次公募が開始されています。
【補助対象となる主な条件】
- 営農地を活用した太陽光発電設備の導入を行う事業であること
- 農林水産業の生産活動に係る適切な事業継続が確保されていること
- 導入費用が規定の範囲内であることなど
補助対象設備は太陽光発電設備、定置用蓄電池、自営線、エネルギーマネジメントシステム(EMS)などで、補助率は1/2、上限は1億5,000万円です。一次公募は終了しており、二次公募は6月21日正午までです。
廃棄物処理場:地域における太陽光発電の新たな設置場所活用事業
廃棄物処理場(リユースやリサイクルできない廃棄物を埋立てる処理施設)の土地を活用して太陽光発電を行う事業に対し、「地域における太陽光発電の新たな設置場所活用事業」として補助金制度が設けられています。5月24日から、二次公募が進行しています。
【補助対象となる主な条件】
- 廃棄物処分場を活用した太陽光発電設備の導入を行う事業であること
- 導入費用が規定の範囲内であること
- パワーコンディショナーの最大定格出力の合計が10kW以上であることなど
補助対象設備は太陽光発電設備、定置用蓄電池、自営線、エネルギーマネジメントシステム(EMS)などで、補助率は1/2、上限は1億5,000万円です。
窓や壁:窓・壁等と一体となった太陽光発電の導入加速化支援事業
太陽光発電に適した土地の不足という問題に対応するため、2024年度から新たに始まった補助金制度が「窓・壁等と一体となった太陽光発電の導入加速化支援事業」です。窓や壁と一体化した太陽光発電の普及を目的としています。
【補助対象となる主な条件】
- 窓や壁等を活用した太陽光発電設備の導入を行う事業であること
- 設置する建材一体型太陽光発電設備が建材としての機能を有していること
- 発電容量の合計が5kW以上であることなど
補助対象設備は、窓ガラスや壁材等と一体となった太陽光パネル、基礎、接続箱、パワーコンディショナー、配線などです。補助率は「窓と一体となった太陽光発電設備」が3/5(上限5,000万円)、「壁等と一体となった太陽光発電設備」が1/2(上限3,000万円)です。
一次公募は終了しており、二次公募は6月25日から予定されていますが、一次公募の応募状況次第では実施されない可能性があります。
太陽光発電を導入するメリット
太陽光発電の導入には、多くのメリットがあります。経済的な面だけでなく、環境面でも大きな利点があるため、近年注目を集めています。ここでは、太陽光発電導入の主なメリットを5つ解説します。
- FIT制度により安定した売電収入が見込める
- 効果的な節電対策が行える
- 非常用電源として活用できる
- 環境にやさしい生活を送れる
- オフグリッドの実現に一歩近づける
以下、各メリットの詳細を1つずつ見ていきましょう。
メリット1.FIT制度により安定した売電収入が見込める
太陽光発電を導入する大きなメリットの1つは、固定価格買取制度(FIT制度)により、長期間にわたって安定した売電収入が期待できることです。FIT制度では、太陽光発電で発電した電力を電力会社が固定価格で買い取ることが保証されています。
10kW未満の住宅用システムでは10年間、10kW以上の産業用システムでは20年間、買取価格が固定されます。このため、太陽光発電による売電計画が立てやすくなり、安定した売電収入を見込むことができるのです。
→太陽光発電の売電の仕組み|必要な機器や売電収入を増やす方法を解説
メリット2.効果的な節電対策が行える
太陽光発電を導入すれば、電力会社からの購入量を減らすことが可能です。特に日中の電力需要ピーク時に自家発電を利用することで、電気代の削減効果を高められます。
太陽光発電システムを導入した住宅では、昼間の発電電力を優先的に使用し、余剰分を売電するという運用方法が一般的です。この方法により、電力会社からの購入量を最小限に抑えることができます。
メリット3.非常用電源として活用できる
非常用電源として有効活用できる点もメリットの1つです。太陽光発電システムと蓄電池を組み合わせれば、停電時の非常用電源として利用できます。
自然災害によって停電が起こったとしても、太陽光発電と蓄電池による電力で必要な家電製品を動かすことが可能です。しばらくの間は自家発電により、最低限の生活水準を維持できるでしょう。
特にペットや小さな子どもがいる家庭では、災害時の安全対策として非常用電源の導入が注目されています。
→緊急時に非常用電源が求められる理由とは?選び方やおすすめ製品を紹介
メリット4.環境にやさしい生活を送れる
太陽光発電は、発電時にCO2を排出しないクリーンなエネルギーです。化石燃料による発電と比べて、環境負荷が格段に低いのが特徴です。太陽光発電を導入することで、CO2排出量の削減に貢献できます。
環境問題への関心が高まる中、太陽光発電は脱炭素社会の実現に向けた重要な手段の1つとして位置づけられています。太陽光発電を導入することは、環境にやさしい生活を送るための第一歩といえるでしょう。
メリット5.オフグリッドの実現に一歩近づける
太陽光発電と蓄電池の組み合わせにより、電力会社からの電力購入量を大幅に減らすことができます。将来的には、完全なオフグリッド生活を実現できるかもしれません。
オフグリッドとは、電力会社のグリッド(送電網)から独立し、自家発電で電力を賄う生活スタイルのことです。簡単に実現できるものではありませんが、工夫次第ではオフグリッドの生活スタイルの実現に一歩近づけます。
太陽光発電を導入するデメリット・注意点
太陽光発電の導入には多くのメリットがある一方で、デメリットや注意点もあります。導入前に、以下のようなポイントを理解しておくことが大切です。
- 高額な初期費用がかかる
- メンテナンスや維持費が発生する
- 設置スペースの確保が必要となる
太陽光発電導入における主要なデメリットをそれぞれ解説します。
デメリット1.高額な初期費用がかかる
太陽光発電システムの導入には、高額な初期投資が必要となります。ソーラーパネルや周辺機器の購入費、設置工事費など、まとまった資金の準備が求められるのです。
初期費用はシステムの規模や使用する機器によって異なりますが、一般的な住宅用システムで数十万円から数百万円程度が相場です。この初期投資が、太陽光発電導入の障壁となるケースも少なくありません。
ただし、長期的な視点で見れば、太陽光発電による電気代の節約や売電収入により、初期投資を回収することが可能です。導入を検討する際は初期費用だけでなく、長期的なメリットを総合的に評価するようにしましょう。
デメリット2.メンテナンスや維持費が発生する
定期的なメンテナンスが必要となる点もデメリットと言えます。具体的には、パネルの清掃や点検、パワーコンディショナーの性能チェックなどが必要です。
太陽光発電システムの発電効率を保つ上では、維持費が発生することもあります。性能が低下した際、もしくは部品が破損したり故障したりした際には、部品ごと交換する必要があるのです。
維持費用はシステムの規模や使用環境によって異なりますが、年間数万円程度が目安となるでしょう。初期費用だけでなく、長期的なランニングコストも考慮に入れる必要があります。
デメリット3.設置スペースの確保が必要となる
太陽光発電システムの設置には一定の広さが必要となります。一般的な住宅用システムでは、20〜30平方メートル程度のスペースが求められます。
また、設置場所を選定する際には、屋根の形状や向き、日当たりなどを考慮することが大切です。南向きの傾斜した屋根に設置するのが理想的です。
太陽光発電の導入費用を抑えたいならポータブル電源がおすすめ
太陽光発電の初期費用を抑えたい場合、ポータブル電源の活用がおすすめです。ポータブル電源なら手軽に太陽光発電を始められ、非常時の電源確保にも役立ちます。
ポータブル電源はコンパクトで持ち運びが容易であり、設置場所の制限が少ない点が大きな利点です。屋根にソーラーパネルを設置するスペースがない場合でも、ベランダやバルコニーなどに小型のソーラーパネルを設置し、ポータブル電源に充電することができます。
また、ポータブル電源は蓄電池に比べて購入価格が手頃なため、初期投資を抑えることが可能です。大容量の蓄電池を導入する場合、数百万円の費用がかかることもありますが、ポータブル電源なら数万円から数十万円程度で始められます。
「ローコストで太陽光発電を始めたい」「アウトドアで太陽光発電を行いたい」という方は、ソーラーパネルとポータブル電源の併用をご検討ください。
高性能なポータブル電源「EcoFlow DELTA Pro 3」
大容量で高性能なポータブル電源をお探しなら、EcoFlow製品がおすすめです。特におすすめの製品として、「EcoFlow DELTA Pro 3」を紹介します。
「EcoFlow DELTA Pro 3」は、電気代の削減を手軽に実現できるポータブル電源です。ケーブルを挿して電源を入れるだけで使用でき、毎月およそ30%も電気代を削減することが可能です。
また、容量4kWh、出力3.6kW、100V/200V対応で、ほとんどの家庭用電化製品に電力を供給できます。EV向けバッテリーと同レベルのLFPセルが搭載され、約11年もの長寿命を誇ります。さらに衝撃、水、ほこり、発火などのリスクにも強くなっています。
太陽光発電の導入を検討している方は、ぜひ「EcoFlow DELTA Pro 3」の活用を検討してみてください。非常時だけでなく、日常生活やアウトドア活動時にも活躍します。
→大容量・高出力のポータブル電源「EcoFlow DELTA Pro 3」はこちら
まとめ
本記事では、2024年度における太陽光発電の補助金制度の種類や金額、条件などを解説しました。
国による太陽光発電単体の補助金は現在廃止されていますが、水上太陽光発電や営農型太陽光発電、廃棄物処理場での発電など、設置場所に応じた補助金制度が用意されています。これらの補助金を活用することで、初期費用の負担を大幅に軽減できます。
太陽光発電システムの導入費用を抑えたい場合は、ソーラーパネルとポータブル電源の併用もご検討ください。パワフルなポータブル電源をお求めの方には、「EcoFlow DELTA Pro 3」の導入がおすすめです。