- 「太陽光発電は7割が損をする」って聞いたけど本当?
- 太陽光発電で損をする原因を知りたい
- 損をしないための対策を教えてほしい
このような疑問を持っている方もいるでしょう。「太陽光発電は7割が損をする」という情報の出処は、環境省が公表したある資料です。
確かに太陽光発電を始めて損をしたという方もいますが、その情報には明確な根拠があるわけではなく、太陽光発電を始めた人全員が損をするとは限りません。また、平成29年の情報なので、現在の太陽光発電には適用されない場合があります。
本記事では、「太陽光発電は7割が損をする」の出処や原因、損をしないための対策について解説します。太陽光発電に不安を感じている方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
「太陽光発電は7割が損をする」の出処は環境省の資料
「太陽光発電は7割が損をする」という噂が立つこともありますが、この情報の出処は環境省の資料です。
環境省の資料「平成29年度再生可能エネルギーに関するゾーニング基礎情報等の整備・公開に関する委託業務報告書」では、太陽光発電について要約すると「太陽光発電設置の初期費用が高かった家庭の7割が損をしている」という記載がされています。環境省の資料によるこの記載が、「太陽光発電は7割が損をする」という噂を呼んでいるのです。
しかし、この資料には「どれくらい損をしている」という明確なデータはなく、あくまで概算の金額によって判断されています。また、あくまで1つのデータでしかないため、明確な根拠があって「太陽光発電は7割が損をする」とされているわけではありません。
週刊新潮でも記載がある
環境省の資料だけでなく、週刊新潮でも要約すると「7割の人は設備に異常があっても気づかずに大損してしまう可能性がある」という記載がされています。
週刊新潮の場合はあくまで可能性のことを述べており、太陽光発電システムを導入した人全員が必ず損をするというわけではありません。また、「設備に異常があったら」という想定の話をしているため、この記載だけでは「太陽光発電は7割が損をする」とは言い切れません。
太陽光発電で「7割の人が損をする」と感じる5つの原因
実際に太陽光発電では「損をしている」と感じている方もいます。本項では、損をしていると感じる主な原因を5つ紹介します。
- 導入時の費用が高額
- 想定していた収支と異なる
- 天候によって発電量が左右される
- 災害の影響によって修理費用がかさむ
- 11年目から売電価格が下落する
各原因について1つずつ見ていきましょう。
原因1.導入時の費用が高額
導入時の高額な費用が、太陽光発電における損失感の大きな原因の1つです。特にソーラーパネルや蓄電池(ポータブル電源)などの必要設備の購入には、大きな初期投資が必要となります。
太陽光発電システムの導入費用は年々低下しているとはいえ、厚生労働省が公表している「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」によると、2022年設置の平均値は「26.1万円/kW(中央値 26.9 万円/kW)」とされています。これは、仮に5kWの太陽光発電システムを設置した場合、平均で130.5万円もの費用が必要になるということです。
また、これらの設備は発電効率や耐久性によって価格が異なり、高品質なものを選ぶと、その分コストが高くなる可能性があります。
原因2.想定していた収支と異なる
太陽光発電の利用前に想定していた収支と、実際の発電による収支が異なることも損をしていると感じる原因として挙げられます。初期のシミュレーションでは最適な条件での発電量が想定されがちですが、実際の運用ではさまざまな要因によって発電量が変動します。
【発電量が変動する主な要因】
- 設置場所の環境による影響
- 機器の劣化・破損
- 低品質なソーラーパネルの選択
このように想定外の要因により実際の発電量が減少すると、収支の不一致が生じ、損をしていると感じる場合があるのです。
原因3.天候によって発電量が左右される
太陽光発電はその性質上、天候によって発電量が大きく左右されます。これを十分に理解せずに導入した場合、「発電量が安定しない」と失望し、損をしたと感じる場合があるのです。
特に台風や長期にわたる雨天が続くと、太陽光発電システムがほとんど機能せず、期待していた発電量を得られない状況に陥ります。さらに、季節による日照時間の変動も影響し、冬季は日照時間が短くなるため、夏に比べて発電量が減少することが多くなります。
原因4.災害の影響によって修理費用がかさむ
災害の影響によって修理費用がかさむことで損をしたと感じる方もいます。太陽光発電システムは、以下のような原因で機器が損傷する可能性があります。
- 台風
- 地震
- 雷
- 火災
- 津波
このような災害が原因でシステムが損傷し、修理や交換が必要になった場合、修理費用が膨らむことがあります。場合によっては、ソーラーパネルの復旧に100万円以上の費用がかかることも少なくありません。
特に自然災害が頻繁に起こる地域では、このリスクはさらに高まります。ソーラーパネルは風や振動に弱い部分があり、強い台風や地震によって容易に損傷する可能性を考慮しなければなりません。
原因5.11年目から売電価格が下落する
太陽光発電システムの収益性に大きく影響するのが、売電価格の下落です。11年目から売電価格が下がることは、利益の減少に大きく影響します。
これは、FIT(固定価格買取制度)によるものです。FIT制度とは、太陽光発電による電力を一定期間、固定価格で買い取ることを国が保証する制度のことです。
2023年時点では、住宅用太陽光発電の売電価格は「16円/kWh」となっています。この制度により、太陽光発電の導入後10年間は安定した収入が見込めます。しかし、その後の11年目からはこの制度の恩恵を受けることができなくなり、売電価格が低下する恐れがあるのです。
太陽光発電で損をしないための効果的な対策
太陽光発電で損をしたと感じる7割に入らないためには、適切な対策が求められます。その具体的な対策として、以下の7つを詳しく解説します。
対策1.設備を導入する前に相場を確認する
設備の導入前に市場相場を確認することは非常に重要です。これにより、相場以上に高価な製品を導入するリスクを防げます。
例えば、ソーラーパネルや蓄電池の価格は、メーカーや性能によって大きく異なります。相場を知らずに高額な製品を選んでしまうと、投資回収期間が長くなるリスクがあるのです。
その点、市場調査を行うことで、コストパフォーマンスの高い製品を選ぶことが可能になります。また、最新の技術動向や補助金制度の情報も得ることができ、より適切な選択につながります。
対策2.複数の会社から見積もりを取る
複数の会社から見積もりを取ることも、効果的な対策の1つです。複数社を確認することで、各社の価格やサービス内容を比較検討できます。
同じ性能のソーラーパネルでも会社によって価格や設置条件が異なる場合があり、複数の見積もりを比較することで、状況に適したコスト帯の製品を導入できるようになります。また、見積もりを取る過程で各社のサポート体制や保証内容など、価格以外の面でも情報を得ることができます。
対策3.設置条件を十分に確認する
太陽光発電システムを導入する際は、設置条件を十分に確認しましょう。設置場所の環境や日照条件によって設置費用が高くなったり、発電効率が低下したりすることがあります。
【確認すべき主な設置条件】
- 屋根の向き・角度による日照条件
- 屋根の形状による設置作業のしさすさ
- 屋根の面積によるソーラーパネルの設置可能量
これらのポイントを踏まえて設置条件を確認することで、予想される発電量をより正確に見積もることが可能です。発電効率が悪いと投資の回収期間が長くなるため、事前に十分な調査を行うようにしましょう。
対策4.年間の発電量を事前にシミュレーションする
年間の発電量を事前にシミュレーションすることは、太陽光発電システムの収益性を正確に予測する上で非常に重要です。実際の発電量は設置場所の環境や天候によって異なりますが、一般的に「1kWあたり1,100kWh」が年間の平均発電量とされています。
シミュレーションではこの数値を踏まえて計算するようにしましょう。例えば、2023年のFIT制度では売電価格が「16円/kWh」であり、5kWの太陽光発電装置を想定した場合、年間の利益は「5,500kWh×16円」で88,000円です。10年間の合計では880,000円となります。
11年以降は売電価格が減少するため、その点も考慮して長期間のシミュレーションをするようにしましょう。適切なシミュレーションを行うことで投資の妥当性を判断しやすく、損をするリスクを軽減することができます。
対策5.信頼できるメーカーを選択する
太陽光発電システムの品質と安定した運用を実現するためにも、信頼できるメーカーを選択するようにしましょう。粗悪品を提供するメーカーを選んでしまうと、発電効率が低かったり、故障のリスクが高くなったりする可能性があります。
反対に信頼できるメーカーの製品を選ぶことで、長期間にわたり安定した発電を実現できるほか、アフターサービスや保証期間が充実していることが多く、将来的なトラブルや不具合に対応しやすくなります。
適切なメーカーを選択することは、太陽光発電システムの長期的な運用において、経済的な損失を防ぐための重要な要素だと言えるでしょう。
対策6.発電量を定期的に確認する
発電量を定期的に確認することも効果的な対策だと言えます。発電量のモニタリングにより、システムの性能低下や不具合を早期に発見し、適切なメンテナンスや修理を行うことができます。
【発電量が低下する主な原因】
- パネルの汚れ
- 機器の故障
- システム自体の劣化
太陽光発電システムによる発電量は、気付かないうちに低下していることがあります。定期的に発電量をチェックすることにより、これらの問題を早期に察知し、迅速な対応を取ることができるようになります。
対策7.蓄電池やポータブル電源と併用する
蓄電池やポータブル電源との併用も、太陽光発電システムの効率的な運用を実現する対策の1つです。日中に発電した電力を無駄なく蓄電することで、日照時間が少ない日や夜間でも電力を使用できるようになります。
また、ポータブル電源と併用する場合は、屋外での使用や緊急時のバックアップ電源としても役立ちます。さらに、蓄電池やポータブル電源を併用した太陽光発電システムを構築すれば、11年目以降に売電価格が減少したとしても、効果的な節電対策を継続することが可能です。
低コストで太陽光発電を始めるならEcoFlow製品がおすすめ
太陽光発電システムを導入する際、多くの場合で初期費用が課題となります。損をしない対策を行ったとしても、運用中にトラブルが発生し、結果的に費用がかさんでしまうケースもあるでしょう。
「可能な限りリスクを抑えたい」という方は、低コストで太陽光発電を始める方法をご検討ください。低コストで太陽光発電をスタートすれば、仮にトラブルが発生したとしても小さなリスクで済みます。太陽光発電を始めやすい点もメリットの1つです。
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さらにEcoFlowのポータブル電源は携帯性が高く、手軽に持ち運べるため、アウトドア活動時や緊急時にも活躍します。低コストかつローリスクで太陽光発電を始めたいなら、以下のEcoFlow製品の導入を検討してみてください。
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まとめ
本記事では、「太陽光発電は7割が損をする」の出処や原因、損をしないための対策について解説しました。
「太陽光発電は7割が損をする」という噂が立つこともありますが、この情報には明確な根拠はなく、あくまで1つのデータでしかありません。とはいえ、太陽光発電で損をしている方も一定数存在しており、効果的な運用を図るためには対策が求められます。
これから太陽光発電システムを導入する方は、本記事で解説した7つの対策を参考にしてください。低コストかつローリスクで太陽光発電を始めたい方には、EcoFlowのセット商品がおすすめです。以下、セット商品の情報をチェックしてみてください。