ソーラーパネルの接続には直列と並列があり、それぞれに特徴があります。接続の違いやメリット・デメリットを理解すれば、理想的な設置環境を構築できるでしょう。
この記事では、直列回路と並列回路の基礎知識、ソーラーパネルの接続方法による違い、直列接続もしくは並列接続するメリットとデメリット、ソーラーパネルを複数接続する際の注意点をわかりやすく解説します。
ソーラーパネルの直列・並列回路の違いについて知りたい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
直列回路と並列回路の基礎知識
電気回路の基本的な接続には直列回路と並列回路があります。それぞれ異なる特徴があるため、使用目的や環境に応じて適切な接続方法を選択しましょう。
ここでは、直列回路と並列回路の基礎知識について解説します。
直列回路とは
直列回路は電気部品を一列に並べる接続方法です。電流がひとつの経路を通って流れるため、回路内のすべての部品に同じ電流が流れます。
電圧に関しては、各部品にかかる電圧の合計が回路すべての電圧です。例えば、3つの10Vの電池を直列に接続すると合計電圧は30Vになります。
直列回路の特徴は、ひとつの部品が故障すると回路全体が機能しなくなることです。クリスマスツリーの古い電球のように、ひとつが切れるとすべてが消えてしまう原理と変わりません。
並列回路とは
並列回路は電気部品を枝分かれさせる接続方法です。電流が複数の経路に分かれて流れるため、各部品に流れる電流は異なる可能性がありますが、電圧はすべての部品で同じになります。
例えば、3つの10Vの電池を並列に接続しても、合計電圧は10Vのままです。
並列回路の特徴は、ひとつの部品が故障しても他の部品は正常に機能し続けることです。家庭の電気配線のように、ひとつのコンセントが故障しても他のコンセントは使用できる原理と同様になります。
ソーラーパネルの接続方法による違い
電圧と電流はソーラーパネルの接続方法によって異なります。ここでは、ソーラーパネルを直列もしくは並列に接続した際の違いについて解説します。
ソーラーパネルを直列でつないだ場合
ソーラーパネルを直列でつなぐと、電流はすべてのパネルで同じ値となります。一方、電圧は各パネルの合計値です。例えば18Vのパネルを3枚直列接続すると、合計電圧は54Vになります。
直列接続は高い電圧が必要な場合に最適です。高電圧は長距離の送電に効果的で、電力損失を減らせます。また、インバーターの効率を上げる効果もあります。
ただし、直列接続では1枚のパネルに影がかかると、すべての出力が大きく低下する可能性があります。原因はすべてのパネルに同じ電流が流れ、もっとも出力の低いパネルに合わせて全体の出力が決まるためです。
したがって、設置場所の選択や影の管理が重要です。
日照条件の変動があまり見られない場所や、高電圧を必要とするシステムには、直列接続が適しています。
ソーラーパネルを並列でつないだ場合
ソーラーパネルを並列でつなぐと、電圧はすべてのパネルで同じ値となります。一方、電流は各パネルの合計値です。例えば5Aの出力を持つパネルを3枚並列接続すると、合計電流は15Aになります。
並列接続は高い電流が必要な場合に最適です。メリットは1枚のパネルが影になっても、他のパネルは通常通り発電を続けられるため、システムすべてのバランスがよくなります。
ただし、配線が複雑になり電流が増加するため、適切な太さの配線が必要です。また、逆流防止のためのダイオードも必要になります。
並列接続は日照条件がよくない場所や、パネルの一部に影がかかりやすい場所での使用に適した接続方法です。
ソーラーパネルを直列接続するメリットとデメリット
ここでは、ソーラーパネルを直列接続するメリットとデメリットを解説します。
メリット
ソーラーパネルを直列接続するメリットは、以下の通りです。
- 高電圧を得られるため、長距離送電に適している
- 配線が簡単で材料費を抑えられる
- インバーターの効率が向上する
- 電力損失を抑えられる
直列接続は高電圧を得られるため、長距離送電時の電力損失を抑えられます。したがって、効率的な電力供給が可能です。
また、配線が簡単なほか、少ない配線材料で済みます。コスト面でも有利になるだけでなく、高電圧はインバーターの効率を上げる効果もあるため、さまざまなメリットを期待できます。
デメリット
ソーラーパネルを直列接続するデメリットは、以下の通りです。
- 1枚のパネルの不具合が全体に作用する
- 影の作用を受けやすい
- 高電圧による安全面でのリスクがある
- パネルの追加や交換が難しい
直列接続は1枚のパネルの不具合がすべての出力に大きく作用します。例えば、一部のパネルに影がかかると、システム全体の発電量が大幅に低下する可能性が高いです。
また、高電圧は安全面でのリスクも高くなるため、適切な絶縁処理と取り扱いが必要です。さらにパネルの追加や交換が難しくなるほか、システムの拡張性が低くなる点も考慮しなければなりません。
ソーラーパネルを並列接続するメリットとデメリット
ここでは、ソーラーパネルを並列接続するメリットとデメリットを解説します。
メリット
ソーラーパネルを並列接続するメリットは、以下の通りです。
- システムのバランスがよくなる
- 影の作用を受けにくい
- パネルの追加や交換が容易
- 低電圧でも高い出力が得られる
並列接続はシステムのバランスがよくなります。1枚のパネルが故障しても他のパネルは正常に機能し続けるため、すべての発電量への作用を最小限に抑えられるのが特徴です。
また、影の作用を受けにくい性質上、日照条件がよくない場所でも効果を期待できます。さらにパネルの追加や交換が容易で、システムの拡張性が高いメリットがあります。
デメリット
ソーラーパネルを並列接続するデメリットは、以下の通りです。
- 配線が複雑になる
- 材料費が増加する可能性がある
- 高電流に対応した配線が必要
- 逆流防止のための追加部品が必要
並列接続は配線が複雑になり、材料費が増加する可能性があります。また、電流が増加するため、適切な太さの配線が必要です。直列接続と比較すると、安全面の配慮が重要になるでしょう。
さらに逆流防止のためのダイオードや追加の部品が必要になる場合があります。
並列接続は低電圧システムでは効果的ですが、高電圧が必要な場合には適さない場合もあります。したがって、用途に応じて選択しなければなりません。
ソーラーパネルを複数接続する際の注意点
ソーラーパネルを複数接続する際は、直列回路や並列回路に問わず注意しなければいけない点があります。
ここでは、ソーラーパネルを複数接続する際の注意点について詳しく解説します。
複数接続する際は同一メーカーの同じ製品を使用する
ソーラーパネルを複数接続する際は、同一メーカーの同じ製品を使用しましょう。パネル間の性能におけるばらつきを最小限に抑えられるほか、システム全体の効率を最大化できます。
同じ製品を使用すると、電圧や電流の特性が揃い、接続時の相性問題を回避できます。例えば、あるメーカーのパネルは18Vで動作し、別のメーカーのパネルは20Vで動作する場合、組み合わせると効率が低下する可能性が高いです。
また、同一製品を使用すると、メンテナンスや交換も容易になります。
異なるメーカーの製品を混在させると故障時の対応が複雑になったり、保証の問題が生じたりする可能性があります。バランスのよい発電を維持するためにも、同一メーカーの同じ製品を選択しましょう。
さらに将来的なシステムの拡張や部品の交換を考慮すると、製品選択に一貫性をもたせるべきです。
ソーラーパネルのワット数を揃えておく
ソーラーパネルを複数接続する際は、各パネルのワット数を揃えておきましょう。ワット数が異なるパネルを接続すると、システムすべての効率が低下する可能性があります。
例えば、100Wのパネルと200Wのパネルを直列接続した場合、200Wパネルの性能を100%発揮できない状況が生じます。原因は直列接続では電流が同じになり、低いワット数のパネルに合わせて全体の出力が制限されるためです。
並列接続の場合もワット数の差が大きいと、高ワットのパネルから低ワットのパネルへ電流が逆流する可能性があります。
ワット数を揃えれば、各パネルが最適な状態で動作するほか、システムすべての発電効率を最大化できます。また、将来的なメンテナンスや拡張が容易になる可能性が高いです。
完全に同じワット数のパネルを用意できない場合は、できるだけ近いワット数のパネルを選択し、その差を最小限に抑える対策が重要です。
製品専用接続ケーブルの使用が無難
ソーラーパネルを複数接続する際は、製品専用の接続ケーブルを使用しましょう。
専用ケーブルはパネルの特性に合わせて設計されているため、安全性と効率性が高いです。適切な電流容量や絶縁性能を持っており、過熱や短絡のリスクを最小限に抑えられます。
また、並列接続用のケーブルには逆流防止ダイオードが内蔵されているものもあります。結果、一部のパネルが影になった際に他のパネルからの逆流を防ぎ、システムすべての安定性を向上させます。
さらに専用ケーブルは接続が簡単です。誤接続のリスクも低減できるため、接続ミスによる故障や火災を未然に防げるでしょう。
安全性と性能を考慮すると、多少コストがかかっても専用ケーブルの使用が無難です。長期的な運用と保守の観点からも、専用ケーブルの使用は重要な選択といえるでしょう。
すべてのソーラーパネルに太陽光が当たるように調整する
ソーラーパネルを複数設置する際は、すべてのパネルに太陽光が均等に当たるように配置を調整しましょう。パネルの向きや角度を最適化すれば、発電効率を最大限に高められます。
最適な角度は一般的に南向きで30度が効率が良いとされていますが、設置場所の緯度や季節によって変わります。
また、周囲の建物や樹木による影の作用も考慮する必要があるでしょう。一部のパネルに影がかかると、システムすべての発電量が大幅に低下する可能性があるため、影の作用を最小限に抑える配置が必要です。
さらにパネル間の間隔を適切に取る工夫も求められます。季節によって太陽の高度が変わることも考慮し、年間を通じて最適な発電ができる配置を選択しましょう。
また、配置のほかにも定期的なメンテナンスと清掃を忘れずに行ってください。パネル表面の汚れは発電効率の低下につながるため、注意が必要です。
ソーラーパネルの発電効率を高める方法については、以下の記事をご覧ください。
→太陽光発電における発電効率とは?変換効率との違いや効率を高める方法を解説
複数枚のソーラーパネルを設置するなら利便性の高いEcoFlowの製品がおすすめ
複数枚のソーラーパネルを効率的に運用するには、高性能で使いやすい製品が必要です。とくにEcoFlow製品は最適な選択肢といってよいでしょう。
EcoFlowのソーラーパネルは最先端の単結晶シリコンセルを使用し、高い変換効率を実現しています。さらにN型TOPCon技術を採用することで、業界トップクラスの25%もの発電効率を達成しています。
また、IP68防水・防塵規格に準拠しているため、屋外での長期使用にも最適です。設置の際にはガイド機能一体型デザインにより、最適な角度をかんたんに調整できます。
さらに、他の機器との互換性の高さも優秀です。MC4コネクタの採用により、さまざまな機器を使用できます。
EcoFlow製品を使用すれば、複数枚のソーラーパネルを効率的に接続できるほか、バランスのよい発電システムを構築できます。初心者でも扱いやすいため、高性能な発電システムを実現したい方にはおすすめの製品です。
EcoFlowソーラーパネルの詳しい製品情報については、以下のページをご覧ください。
まとめ
直列回路と並列回路の基礎知識、ソーラーパネルの接続方法による違い、直列接続もしくは並列接続するメリットとデメリット、ソーラーパネルを複数接続する際の注意点を解説しました。
ソーラーパネルの接続方法には直列と並列があり、それぞれに特徴があります。
直列接続は高電圧を得られる一方で、一部のパネルの不具合がすべてに作用します。並列接続はシステムのバランスがよくなるほか拡張性に優れていますが、配線が複雑になる傾向があります。
接続手段の選択は使用目的や設置環境に応じて慎重に行わなければなりません。複数のパネルを接続する際は同一メーカーの同じ製品を使用し、性能のばらつきを抑えるようにしましょう。
また、専用ケーブルの使用や適切な配置調整も効率的な発電には欠かせません。
EcoFlow製品のような高性能で使いやすい製品を選べば、より効果的なソーラーシステムを構築できます。
長期にわたって安定した発電を実現するためにも、性能と耐久性に優れた製品を選ぶようにしましょう。