ソーラーパネルの寿命は平均何年くらいなのでしょうか?結論、ソーラーパネルの寿命は、そのタイプや使用条件によって異なります。
ソーラーパネルのような太陽光発電システムの法定耐用年数は17年ですが、その年数を超えても問題なく使用できるケースがほとんどです。ソーラーパネルの性能を保ち、長く愛用するための鍵は適切なメンテナンスです。
そこで今回は、ソーラーパネルの寿命や劣化する原因、注意点、メンテナンス方法を詳しく解説します。ソーラーパネルを長く愛用したい方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。
ソーラーパネルの寿命は何年?
ソーラーパネルの寿命は、そのタイプや使用条件によって異なります。一般的に、折りたたみ式のソーラーパネルと設置型のソーラーパネルでは、使用できる年数に差があります。
そもそも、ソーラーパネルのような太陽光発電システムの法定耐用年数は17年です。しかし、これは国が「物の資産価値が保たれる期間」として定めているものであるため、これ以上の年数を問題なく使用できるケースがほとんどです。
経済産業省 資源エネルギー庁の「2040年、太陽光パネルのゴミが大量に出てくる?再エネの廃棄物問題」によると、太陽光発電に使用する太陽光パネルの製品寿命は約25~30年とされています。この年数を目安に、以下の項目を確認してみてください。
折りたたみ式ソーラーパネルの寿命
折りたたみ式のソーラーパネルは、頻繁に展開や収納を行うことや、移動時の振動などが原因で、設置型よりも寿命が短い傾向にあります。実際、折りたたみ式のソーラーパネルは、使用開始から2〜3年程度で発電効率が低下する可能性が高まります。
ソーラーパネルは経年劣化の影響を受けやすく、時間とともにその発電効率が減少していくのです。ソーラーパネルの寿命や発電効率を長く持たせたい場合は、適切な管理やメンテナンスが求められます。
設置型ソーラーパネルの寿命
設置型ソーラーパネルは、折りたたみ式の製品に比べて劣化しにくいことから、寿命や発電効率を長く保ちやすいと言えます。しかし、経年劣化を一切しないわけではなく、使用期間に応じて発電効率は次第に落ちていきます。
また、設置型ソーラーパネルは常に危険にさらされているため、寿命とは別に、落雷や落石など外部の要因により故障するケースもあります。長く運用するためには、折りたたみ式のソーラーパネルと同様に、適切な管理とメンテナンスが必要です。
ソーラーパネルと太陽光発電の仕組み
太陽光発電の核となるのはソーラーパネルであり、太陽の光を直接電気エネルギーに変換する役割を持っています。
具体的には、太陽の光がソーラーパネルに当たると、パネル内の半導体素材が光を吸収します。そして半導体素材の電子が移動し、電気エネルギーが生成されるという仕組みです。
太陽光発電は再生可能エネルギーにあたるため、非常にエコなエネルギーとして注目を集めています。太陽光さえあれば発電が可能になることから、災害時の非常用電源としても重宝されています。なお、ソーラーパネルの主な種類は以下の通りです。
ソーラーパネルの種類 | 特徴 |
結晶シリコン系 | 「単結晶シリコン」と「多結晶シリコン」の2種類がある |
非結晶シリコン系 | 一般的に「アモルファスシリコン」が多く使われているソーラーパネル |
ヘテロ接合型 | 結晶シリコン系と非結晶シリコン系の素材を組み合わせたソーラーパネル |
化合物系 | 銅(Cu)・インジウム(In)・セレン(Se)の3つを主な原料としたソーラーパネル |
ソーラーパネルの素材や種類に関しては多岐にわたります。太陽光発電の仕組み、素材、種類についての詳細は以下の記事をご確認ください。
→太陽光発電の仕組みをわかりやすく解説!必要となる機器やメリット・デメリットを紹介
ソーラーパネルが劣化する7つの原因
ソーラーパネルは比較的丈夫な作りをしていますが、一切劣化しないわけではありません。以下、ソーラーパネルが劣化する7つの原因について解説します。
- ホットスポット
- 層間剥離
- 発電率の経年劣化
- パネル表面の汚れ
- パネルの破損
- 配線トラブル
- 収納や移動に伴う劣化
ソーラーパネルの寿命を維持するためには、これらの劣化要因を避けることがポイントとなります。各原因を1つずつ見ていきましょう。
原因1.ホットスポット
ホットスポットは、ソーラーパネルが長期間発電できないときに、流れなくなった電気が熱として放出される現象です。このホットスポットの発生により、発電量の低下や、最悪の場合は火災のリスクが生じます。
【ホットスポットが発生する主な原因】
- ソーラーパネル表面の汚れやゴミ
- ソーラーパネルのひび割れ
- 周囲にある建物や木などの影
ホットスポットの発生を未然に防ぐには、定期的なメンテナンスや発電量のチェックが欠かせません。早期に発見することで、適切な対処が可能となります。
原因2.層間剥離
ソーラーパネルは、ガラスやシートなど複数の層から形成されていますが、これらの層間に空気や水分が侵入すると、層間剥離という現象が起こります。層間剥離が生じた部分では発電が行えなくなり、結果としてソーラーパネルの劣化につながります。
また、その部分の素材が変色するリスクも持ち合わせています。特に湿気の多い地域では、層間剥離の発生確率が高くなるため注意が必要です。この問題を未然に防ぐには、早期発見のためのメンテナンスが求められます。
原因3.発電率の経年劣化
ソーラーパネルは時間とともに経年劣化していきます。基本的に使用期間が長くなるほど発電効率は低下していきますが、劣化する度合いは、製品や使用環境に応じて異なる場合があります。
【発電率の劣化を招く原因】
- 大雨
- 大雪
- 猛暑
- 地震
特に日本は年間を通して気候が変わりやすく、地震などの災害も起こりやすい国であるため、「大切に使っていたけれど急激に劣化してしまった」といったことが起こり得ます。
その点、EcoFlowのソーラーパネルはIP67やIP68の防塵・防水仕様なので、雨や塵などによる劣化のリスクを軽減することが可能です。
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原因4.パネル表面の汚れ
ソーラーパネルの表面が汚れることは、劣化を招くだけでなく、発電効率の低下に大きな影響を与えます。特に屋根に設置されたソーラーパネルは、外部の影響を直接受けやすいため注意が必要です。
例えば、鳥の糞や枯れ葉などがソーラーパネルの上に残ると、その部分の発電効率が著しく低下します。ホットスポットの原因になる可能性もあり、このような問題を防ぐためには、ソーラーパネルの定期的なメンテナンスが不可欠です。
原因5.パネルの破損
ソーラーパネルには、物理的な破損のリスクも伴います。ソーラーパネルは丈夫に作られているとはいえ、以下のような原因で破損する可能性があります。
- 猛暑日の熱
- 台風などの衝撃
- 落雷や落石
外部の破損は目視で確認しやすいですが、ソーラーパネル内部の破損は見つけにくいものです。いずれの破損もソーラーパネルの性能低下の原因となるため、注意深く取り扱う必要があります。
原因6.配線トラブル
ソーラーパネルの劣化に関するトラブルのなかで、配線トラブルは特に注意が必要です。接続不良や断線は発電効率の低下を引き起こすだけでなく、火災のリスクをもたらすことがあります。
初期不良や施工時の接続ミスも、このようなトラブルを発生させる可能性があります。ソーラーパネルを安全かつ効率的に運用するためにも、常に配線の状態を監視し、問題が発生した際には早急に対応することが大切です。
原因7.収納や移動に伴う劣化
折りたたみ式のソーラーパネルでは、収納や移動時に劣化のリスクが高まります。例えば、「アウトドアのときにだけ使う」「防災用に準備している」など、使用シーンが限られる場合があります。
使用状況や保管条件によって劣化の速度や程度が変わることもあり、長期間使用していない、保管状態が悪いなどが原因で、ソーラーパネルの劣化を招いてしまうリスクがあるのです。劣化を避けるためには、適切な保管方法と定期的な動作確認が不可欠です。
その点、EcoFlowのソーラーパネルは専用の収納ケースが付属しているため、劣化のリスクを抑えることができます。大切に使い続けたい方におすすめです。
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折りたたみ式ソーラーパネルを使用する際の注意点
折りたたみ式ソーラーパネルは、アウトドアや停電時、普段使いなど、さまざまなシーンを想定して作られているため、利便性が非常に高く、多くの利用者に支持されています。
しかし、その利点を最大限に活かすためには、適切な使い方とメンテナンスが欠かせません。折りたたみ式ソーラーパネルは「持ち運んで使用する」という特性上、耐久性や取り扱いに関して独自の注意点が存在します。
まず、ソーラーパネルの携帯時に破損のリスクを考慮することが求められます。専用ケースなどに収納し、大切に持ち運ぶようにしましょう。また、環境変化や条件変化が発生する場合は、特定の取り扱い方や環境への適応が求められます。
折りたたみ式ソーラーパネルを長持ちさせるコツ
折りたたみのソーラーパネルは、基本的に寿命が短いとされていますが、正しく大切に扱うことで長期的な利用を可能にします。ここでは、EcoFlowの折りたたみ式ソーラーパネルを使用する際の注意点を紹介します。
- ソーラーチャージャーの発電効率は多くの要因によって影響を受けるため、ユーザーマニュアルに従って設置と接続を行う
- 製品のMC4出力コントローラ部分は水に浸さないようにする
- 腐食性の物質や液体との接触・浸漬は避けるべき
- 刃物などでの突き刺し、叩いたりなどの衝撃は避けるべき
- 製品に過度な圧力をかけたり、落としたりしないこと
- 輸送・設置時に強い衝撃や圧力を与えないこと
- 保管する際はジャンクションボックスの端子を日光から遮断すること
- 怪我の恐れがあるため製品の分解は避けるべき
これらの注意点を守って正しく扱うことで、寿命や発電効率を長く保つことにつながります。一方で、設置型のソーラーパネルは定期的にメンテナンスを行えば、寿命を延ばすことが可能です。
設置型ソーラーパネルを長持ちさせるメンテナンス方法
設置型ソーラーパネルは近年注目されている発電設備ですが、その寿命や発電効率を維持するためには適切なメンテナンスが不可欠です。以下、設置型ソーラーパネルを長持ちさせるメンテナンス方法を紹介します。
- 日常的に目視点検を行う
- ソーラーパネルを自分で清掃する
- メーカーや業者に依頼する
各メンテナンス方法を順番に見ていきましょう。
方法1.日常的に目視点検を行う
「一般社団法人日本電機工業会」及び「一般社団法人太陽光発電協会」が定める「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」には、「目視点検」と「数値測定点検」の2種類の点検方法があります。
特に目視点検は多くの場合、個人でも行うことができるため、日常的な取り組みが求められます。具体的な取り組み内容は以下の通りです。
- 樹木や建物の影など、周辺環境に変化がないか確認する
- パネル表面に汚れやゴミ、亀裂、破損などがないか確認する
- 日々発電量を確認し、発電量が下がっているときは異常の可能性を疑う
日常的に目視点検を行うことで、ソーラーパネルのトラブルを早期に発見し、適切に対応できるようになります。
方法2.ソーラーパネルを自分で清掃する
発電効率を維持して故障を予防するために、ソーラーパネルを自分で清掃するようにしましょう。特に雨天に使用した場合や、花粉や黄砂の時期に使用した場合には、ソーラーパネルを積極的に清掃することが大切です。
しかし、自分で清掃を行う場合には注意点が存在します。屋根に登る際の転倒や落下の危険性があるため、少しでも難しいと感じた場合は専門業者に清掃を依頼しましょう。
また、自らの清掃作業で破損や故障を起こすと、メーカー保証が受けられなくなる恐れもあるため、清掃の知識がない方は控えることをおすすめします。
方法3.メーカーや業者に依頼する
自分でのメンテナンスや清掃は有効ですが、取り組める範囲はやはり限られています。ときには、メーカーや業者に依頼することも選択肢に入ります。
特に、ソーラーパネルの発電量の確認は非常に重要です。もし発電量が減少している場合は、何かしらのトラブルが発生している可能性が考えられます。
また、ソーラーパネル表面の亀裂や破損についても、自分で修理をしようとすると感電や火災などのリスクがあるため、その場合は必ずメーカーや専門業者に依頼するようにしましょう。
まとめ
本記事では、ソーラーパネルの寿命や劣化する原因、注意点、メンテナンス方法を詳しく解説しました。
ソーラーパネルは太陽光発電に必要な設備であり、多くの魅力を秘めていますが、発電効率を維持するためには適切なメンテナンスが求められます。劣化の原因は多岐にわたり、修理や清掃には専門知識が求められるため、少しでも難しいと感じたらメーカーや専門業者に頼りましょう。
なお、本サイトを運営するEcoFlowは、高性能なソーラーパネルを据置型・折りたたみ式に分けて販売しております。ソーラーパネルの寿命を延ばし、太陽光発電を効率的に行いたい方は、ぜひ以下の製品を検討してみてください。