震度6弱や震度6強があるのに、なぜ震度8がないのか疑問に思われている方は多いのではないでしょうか。また、気象庁の震度階級は10段階あるので、震度8が存在すると思われていた方もいるでしょう。震度階級は、最大で震度7までしかありません。
そこで本記事では、震度8に相当する地震はどれくらいかについて解説します。震度8・震度10が存在しない本当の理由や、震度8レベルの巨大地震への対策も掲載しているので、予測不可能な巨大地震から家族を守りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
震度8の揺れはどれくらい?

ある場所における地震の揺れの強さを表す震度。日本で多大な被害をもたらした阪神淡路大震災や東日本大震災が震度7と聞いて、震度8はどれくらいの揺れになるのか気になる方も多いでしょう。しかし、震度階級では、震度8以上が存在しません。
震度8以上がない理由や、気象庁が定める震度階級について、詳しく見ていきましょう。
震度8以上がない理由|震度7に上限がない
震度階級において震度8以上がない理由は、震度7の揺れに上限がないためです。震度7が観測された場合は、最大級の防災対応が実施されます。ただし、1949年までは震度0から6までの7段階しか存在しませんでした。
1948年に日本で初めて震度6が観測されたため、震度の見直しが行われ、震度7が新たに設定されました。そのため、今度新たに震度階級が改正されない限り、震度8の表現はありません。
気象庁が定める10段階の震度階級
現在、気象庁が定める震度階級は全部で10段階です。10段階と聞いて、震度8が入っていないことに違和感を感じた方も多いでしょう。震度5と震度6には「強」「弱」の区分があるために、最大震度は7で留まっています。
気象庁が定める10段階の震度階級と揺れの状況は、以下のとおりです(※1)。
震度階級 | 揺れの状況 |
震度0 | 人が揺れを感じない |
震度1 | 屋内で静かにしている人の中で、揺れを感じる人もいる |
震度2 | 屋内で静かにしている人の大半が揺れを感じる |
震度3 | 屋内にいる人のほとんどが揺れを感じる |
震度4 | 吊り下げ物が大きく揺れ、座りの悪い置物が倒れる場合がある |
震度5弱 | ・棚にある食器や本が落ちる場合がある・固定していない家具が移動する場合がある |
震度5強 | ・物に掴まらないと歩くのが難しい・固定していない家具は倒れる場合がある |
震度6弱 | ・立っているのが困難になる・固定していない家具の大半が移動する |
震度6強 | ・はわないと動けない・固定していない家具のほとんどが移動し、倒れる |
震度7 | ・耐震性の低い木造建物は傾いたり、倒れたりするものが多くなる・耐震性の高い木造建物はまれに傾く・耐震性の低い鉄筋コンクリート造建物は、倒れるものが多くなる |
※1参考:気象庁「震度について」
震度8に相当?過去に起きた巨大地震3選

震度7には上限がないため、もし震度8があったとすれば、それに匹敵する規模の大地震が過去に発生していた可能性があります。過去に起きた巨大地震は、以下のとおりです。
- 事例1|1995年「阪神・淡路大震災」
- 事例2|2011年「東日本大震災」
- 事例3|2024年「能登半島地震」
それぞれの事例について、詳しく見ていきましょう。
事例1|1995年「阪神・淡路大震災」
1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災では、淡路島北部を震源としてマグニチュード7.3を記録し、神戸市では震度7を観測しました(※2)。死者は6,434名、住家の全壊は約10万5,000棟と、戦後最悪の甚大な被害をもたらしています。
ライフラインでは、約123万戸の断水、約260万戸の停電、約86万戸のガス供給停止が起きました。西宮市で発生した地すべりにより、34名の犠牲者を出しています。
※2参考:内閣府「阪神・淡路大震災教訓情報資料集阪神・淡路大震災の概要」
事例2|2011年「東日本大震災」
2011年3月11日に発生した東日本大震災では、三陸沖を震源として国内観測史上最大となるマグニチュード9.0、最大震度7を観測しました(※3)。死者15,844名のうち、津波による溺死で亡くなった方が92.4%も占めています。
停電は約466万戸で起き、9割以上が復旧するまでに8日間を要しています。震度5強を観測した首都圏においても、交通機関の遅延によって大量の帰宅困難者が発生しました。
※4参考:経済産業省「3月11日の地震により東北電力で発生した広域停電の概要」
事例3|2024年「能登半島地震」
2024年1月1日に発生した能登半島地震では、石川県能登地方を震源としてマグニチュード 7.6、最大震度7を記録しました(※5)。死者は1,911人、住家の全壊は6,461棟にのぼります。特に古い瓦屋根の木造建物は、数多く倒壊しました。
石川県輪島市の観光地として有名だった「朝市通り」では火災が発生し、約49,000㎡の広範囲で約240棟が焼損しています。石川県を中心に最大約4万戸が停電しました。
※5参考:内閣府「令和6年能登半島地震に係る被害状況等について」
震度8レベルの巨大地震への対策5選

震度8に匹敵するほどの巨大地震は、いつどこで起きるか分かりません。揺れそのものだけでなく、津波や土砂災害、火災、ライフラインの寸断など二次災害への対策も重要です。震度8レベルの巨大地震への対策を紹介します。
- 対策1|ハザードマップを確認する
- 対策2|家具類の転倒防止対策を行う
- 対策3|建物の耐震化を行う
- 対策4|感震ブレーカーを設置する
- 対策5|防災グッズを備蓄する
それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。
対策1|ハザードマップを確認する
今住んでいる地域で起こりうる被害を把握するために、自治体が発行するハザードマップを確認してください。ハザードマップとは、被害想定区域や避難場所が記された地図です。
ハザードマップで危険なエリアを特定できれば、最寄りの避難場所までの最適な避難経路を導き出せます。被害状況によっては避難場所の変更も考えられるので、複数の避難場所・避難経路を事前に確認しておきましょう。
対策2|家具類の転倒防止対策を行う
近年発生した地震における負傷者の3〜5割は、家具類の転倒・落下・移動が原因です(※6)。地震の揺れから家族を守るためには、家具類の転倒防止対策が欠かせません。家具類の転倒防止対策は、以下の流れで進めましょう。
- 生活空間に家具をできるだけ置かないように収納する
- 避難障害を発生させにくいレイアウトにする
- 器具で家具と床・壁・天井を固定する
対策3|建物の耐震化を行う
建物の耐震化は、死者数の軽減や火災延焼の拡大防止に直接的な効果をもたらします。特に旧耐震基準で建設された建物は、震度5程度の揺れしか想定されていません。
建物の耐震化では、まず最初に耐震診断を受けます。診断の結果、Is値が0.6未満であった場合に限り、耐震改修計画・耐震改修工事と進んでいく流れです。
対策4|感震ブレーカーを設置する
通電火災を防ぐために、感震ブレーカーを設置しましょう。通電火災とは、地震が収まり電気が復旧した時に、倒れた電化製品や破損したコードが原因で出火する火災です。
東日本大震災では、本震による火災で原因が特定された件数のうち、過半数が通電火災によるものでした(※7)。感震ブレーカーを設置していれば、震度5強以上の地震を感知した時に自動でブレーカーを遮断し、通電火災を防ぎます。
※7参考:内閣府「大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会」
対策5|防災グッズを備蓄する
震度8レベルの巨大地震では、停電や断水、ガス供給の停止、回線の混雑など、ライフラインの寸断が想定されます。物流機能が停止していると、必要な物資をすぐには調達できず、健康的な生活は望めません。地震に備えて、以下の防災グッズを備蓄しておきましょう。
- 飲料水
- 非常食
- 防災ラジオ
- 簡易トイレ
- 懐中電灯
- 衛生用品
- 救急セット
- ポータブル電源
飲料水や非常食は、最低でも3日〜1週間は生活できるだけの量が必要です。
大地震による停電への備え「ポータブル電源」

震度8レベルの巨大地震では、3日〜1週間以上の停電が予想されます。停電中も電気の供給を継続し、健康的な生活を送るためにはポータブル電源が欠かせません。
ポータブル電源とは、内部のバッテリーに大量の電気を蓄え、停電中も電化製品に給電できる機器を指します。停電中にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
- エアコンや扇風機などの冷暖房機器で、快適な気温を維持できる
- 電子レンジやケトルを使い、非常食を簡単に温められる
- 冷蔵庫を稼働して、食品が傷むのを防げる
- LEDランタンを点灯させて、暗闇でも安全に生活できる
- 家族との連絡手段になるスマホを、常にフル充電にしておける
- 防災ラジオを稼働し、災害情報を迅速に収集できる
ポータブル電源は自由に持ち運びできるので、自宅だけでなく、避難場所に持ち出して使用できます。ソーラーパネルと併用すれば、停電中に充電切れになる心配はありません。
地震対策に必要な性能|おすすめの製品
震度8レベルの地震対策には、高出力のポータブル電源がおすすめです。例えば、エアコン(500W)、ドライヤー(1000W)、炊飯器(350W)、テレビ(150W)を同時に動かすためには、最低でも2000Wのポータブル電源を用意しなければなりません。
EcoFlowは、最大2000Wの高出力を誇るポータブル電源「DELTA 3 Plus」を販売しています。「DELTA 3 Plus」の主な特徴を見ていきましょう。
- 約12.5kgの軽量小型設計により、気軽に持ち運べる
- コンセントから56分、ソーラーパネルから70分で急速充電できる
- UPS機能を搭載し、停電時は10ms以内に電気供給源を切り替える
- 12時間以内に悪天候が予想されると、本体への充電が優先される
- LFPバッテリーを搭載し、10年以上も停電対策として活躍する
- 高性能BMSを搭載し、バッテリー異常による火災や爆発を防ぐ
- 出力600W未満の動作時に稼働音を30dbに抑えられる
- 容量1024Whを5kWhまで自由に拡張できる
本体には13個の多彩な出力ポートを搭載しているので、同時に複数の電化製品を稼働させて快適な生活が実現します。震度8相当の巨大地震で大規模な停電が発生しても、電気のある避難生活を送りたい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。

震度8がなぜないかに関するよくある質問

最後に、震度8がなぜないかに関するよくある質問を紹介します。
- 震度8や震度10が存在しない本当の理由は?
- マグニチュード8を震度に換算すると?
- 海外では震度8に相当する尺度が存在する?
- 震度8レベルの地震がもたらす二次災害は?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
震度8や震度10が存在しない本当の理由は?
震度8や震度10が存在しない本当の理由は、計算上の震度8に該当する計測震度7.5以上の地震は過去に観測されたことがないためです。また、震度7の時点で壊滅的な被害をもたらすため、仮に震度8や10があったとしても防災対応は変わらず、意味がありません。
マグニチュード8を震度に換算すると?
震度8は震度階級で存在しませんが、マグニチュード8は存在します。マグニチュードは地震そのものの大きさを表し、震度は観測地点における揺れの大きさを表す指標です。
震度は観測地点によって変動するのに対し、マグニチュードは地震単位で一意に決まるため、マグニチュードは震度に換算できません。過去にマグニチュード7.9を観測した1923年の関東大震災では、現在の震度7相当の揺れが起きたと言われています(※8)。
※8参考:国土交通省 気象庁「大正関東地震の概要」
海外では震度8に相当する尺度が存在する?
国際的に使われている震度階級に、改正メルカリ震度階級があります。日本の震度階級は震度0〜震度7までの10段階であるのに対し、改正メルカリ震度階級はI〜Ⅻの12段階です。
改正メルカリ震度階級は、人が感じる揺れの大きさや建物の被害状況などを基に求められるので、日本の震度階級のように数字的な算出はありません。そのため、震度8が改正メルカリ震度階級におけるどの階級に相当するかは、比較自体が難しいでしょう。
震度8レベルの地震がもたらす二次災害は?
計算上の震度8に相当する地震が発生した場合、津波や土砂災害、火災、ライフラインの寸断などの二次災害が想定されます。地震の揺れが収まったからといって油断はできず、迅速な避難が求められるでしょう。巨大地震から身を守るには、日頃の備えが重要です。
まとめ

本記事では、震度8の地震はどれくらいの大きさかについて解説してきました。
気象庁が定める震度階級では、震度8以上が存在しません。震度7の揺れには上限がなく、震度7が観測された時点で最大級の防災対応が実施されるため、震度8以上を設定する意味がないのです。震度階級は10段階ですが、震度5・6が「弱」「強」に区分されています。
震度8に相当するほどの巨大地震はいつどこで起きるか分かりません。巨大地震から自分や家族の命を守るためには、日頃からの地震対策が必要不可欠です。
EcoFlowでは、地震による停電発生時に10ms未満で電気供給源を切り替えるポータブル電源を販売しています。3日以上に及ぶ大規模な停電時も、電気のある快適な生活を維持したい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。