鹿児島県のシンボル「桜島」は、毎日のように小規模な噴火を繰り返している活火山です。桜島が大噴火すると、広範囲に甚大な被害を及ぼす恐れがあります。市街地との距離はわずか4kmしかないので、観光で訪れている方も火山災害への対策が欠かせません。
そこで本記事では、桜島の噴火活動について詳しく解説します。危険な火山災害や桜島噴火による降灰範囲も掲載しているので、起こりうるリスクを幅広く把握できます。桜島の周辺で暮らす方や観光で訪れる方は、ぜひ最後までご覧ください。
桜島の噴火活動について

約26,000年前に誕生した桜島では、今も尚噴火活動が続いています。市街地からフェリーで15分というアクセスの良さを誇り、国内外から観光客が訪れる一方で、突然の大噴火には十分注意しなければなりません。桜島の噴火活動について、以下の項目を解説します。
- 噴火を繰り返す「桜島」とは
- 1年間に桜島が噴火する頻度・回数
- 桜島の噴火による降灰範囲
それぞれの項目について、詳しく見ていきましょう。
噴火を繰り返す「桜島」とは
鹿児島県の錦江湾に浮かぶ桜島は、車で1時間あれば1周できるほどの小さな島です。2つの火山「北岳」と「南岳」が合体してできた複合火山であり、南岳は約4,500年前から現在に至るまで断続的に噴火を続けています。
元々は独立した島でしたが、1914年の大正大噴火によって流れた溶岩で海峡が埋め立てられ、大隅半島と陸続きになりました。桜島には約3,500人(2024年4月時点)が暮らしており、火山災害に遭いながらも、火山のもたらす恵みが人々を魅了しています。
1年間に桜島が噴火する頻度・回数
桜島が1年間に噴火する回数は、平均で約200回です(※1)。2011年には、観測史上最多となる996回を記録しました。桜島は毎月のように小規模な噴火を繰り返していますが、大噴火が起きたのは歴史上17回のみです。
大噴火に至らなくても、日常的に発生する爆発的噴火によって、広範囲に降灰や噴石のリスクがあります。高頻度で噴火する桜島の周辺では、常に火山災害への備えが欠かせません。
※1参考:鹿児島地方気象台「桜島の月別噴火回数」
桜島の噴火による降灰範囲
桜島が大噴火した場合、降灰範囲は鹿児島県全域に留まらず、宮崎県や熊本県、大分県の一部にまで及ぶ可能性があります(※2)。降灰範囲は風向・風速によっても変わります。
火山灰が0.1m以下堆積しただけでも、停電や断⽔のリスクがあるため、広範囲でライフラインの供給停止に注意が必要です。さらに、⽊造住宅に0.5mの堆積があった場合は家屋の倒壊、0.1mの堆積があった場合は車の移動障害が想定されます。
※2参考:気象庁「火山名 桜島 降灰予報(詳細)」
桜島の噴火情報をリアルタイムで収集する方法

気象庁が発表する「火山活動の状況(桜島)」を確認すれば、桜島の噴火情報がリアルタイムで収集できます。噴火警戒レベルと共に防災上の警戒事項も掲載されているので、現時点で注意すべき火山災害が把握できるでしょう。
噴火警戒レベルごとの想定される現象や適切な対応も示されており、情報を収集した直後から命を守るための行動へと迅速に移れます。火山災害に遭った経験がない方でも、避難手順や避難所が記された「桜島の防災マップ」も添付されているので安心です。
桜島の噴火で起こる3つの危険な火山災害

桜島が大噴火すると、人命を奪うほどの危険な火山災害に見舞われるリスクが高まります。桜島の火口付近にいる場合、噴火してから時間的な猶予はほとんどありません。桜島の噴火で起こる火山災害は、以下のとおりです。
- 災害1|大きな噴石
- 災害2|火砕流
- 災害3|土石流
それぞれの火山災害について、詳しく見ていきましょう。
災害1|大きな噴石
桜島の噴火によって火口から吹き飛ばされた岩石は、噴石と呼ばれます。直径20〜30cm以上の大きな噴石にもなれば、風の影響をほとんど受けずに弾道を描いて飛んできます。
大きな噴石は、火口から2~4km離れた場所まで飛ぶケースがあるため、桜島内にいなくても注意が必要です。建物の屋根を突き破るほどの破壊力を持ちます。
災害2|火砕流
岩石や火山灰、火山ガスなどが入り混じり、山の斜面を急速に駆け下りる現象が火砕流です。火砕流の速度は時速数十kmから数百kmを超えるため、逃げ切るのは困難を極めます。
温度は数百℃にのぼり、通過したエリアを全て焼き尽くすほどの威力を持つので、人が巻き込まれたらひとたまりもありません。火砕流は、大きな噴煙の発生や溶岩ドームの崩壊によって生じるのが特徴です。
災害3|土石流
桜島が噴火した後に雨が降ると、火山噴出物が流動して土石流が発生します。土石流は時速数十kmに達する場合があり、下流に甚大な被害をもたらします。
桜島が噴火した後に土石流のリスクが高まるのは、4mm/h以上の降雨が予想される時です(※3)。桜島の噴火が終息してきたからといって油断はできません。
※3参考:北海道大学「火山噴火後に発生する土石流と警戒避難」
過去に死者を出した桜島大噴火の歴史3選

約26,000年前に桜島が誕生して以来、計17回の大噴火が起こりました。ひとたび桜島が大噴火すると、桜島周辺のみならず鹿児島県全域に被害をもたらします。過去に死者を出した桜島大噴火の歴史は、以下のとおりです。
- 1914年|桜島の大正大噴火
- 1946年|桜島の昭和噴火
- 1974年|桜島の噴火活動
それぞれの歴史について、詳しく見ていきましょう。
1914年|桜島の大正大噴火
1914年に桜島で起きた大噴火は、20世紀最大の火山災害です。溶岩が大量に流れ出して瀬戸海峡を閉塞し、それまでは島だった桜島を陸続きにしました。
噴火が開始してから約8時間後には、マグニチュード7.1の地震が発生しています(※4)。死者58名、負傷者112名、埋没・全焼家屋約2140戸の被害を出しました。
※4参考:内閣府 防災情報のページ「報告書(1914 桜島噴火)」
1946年|桜島の昭和噴火
1946年に発生した桜島の噴火では、1月から11月までの長期間降灰が続きました。3月に昭和火口から溶岩が流れ始め、麓で分流して有村海岸と黒神海岸に到達しています(※5)。
死者を1名出し、山林焼失や農作物の被害を引き起こしました。桜島の昭和噴火は、桜島で溶岩が流出した最後の噴火です。爆発的な噴火は伴っていません。
※5参考:気象庁「桜島 有史以降の火山活動」
1974年|桜島の噴火活動
1974年に桜島の南岳山頂で噴火し、爆発や噴煙、地震が多発しました(※6)。土石流によって6月に死者3名、8月に死者5名を出しています。
多量の降灰に見舞われ、農作物も甚大な被害を受けました。噴石によってビニールハウス、窓ガラス、車ガラスも被害を受けています。
※6参考:気象庁「桜島、近年の火山活動特に1974年の活動」
桜島の噴火から身を守るための対策3選

桜島が大噴火すると、宮崎県や熊本県、大分県などの周辺地域にまで被害を及ぼします。特に大きな噴石や火砕流、土石流などは時間的猶予がないため、日頃からの備えが欠かせません。桜島の噴火から身を守るための対策は、以下のとおりです。
- 対策1|桜島火山ハザードマップを確認する
- 対策2|火山の最新情報を定期的に収集する
- 対策3|防災グッズを準備する
それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。
対策1|桜島火山ハザードマップを確認する
鹿児島市が公開する桜島火山ハザードマップを入手すれば、桜島で起こりうる火山災害の危険性を地図上で把握し、日頃の備えに役立てられます(※7)。桜島火山ハザードマップで確認できる主な情報は、以下のとおりです。
- 噴石が到達する可能性のある範囲
- 火砕流と熱風が到達する可能性のある範囲
- 噴火警戒レベルと防災対応
- 桜島で起こる火山災害現象
- 過去に起きた大噴火の概要
- 桜島が噴火した際の避難手順
※7参考:鹿児島市「桜島火山ハザードマップ」
対策2|火山の最新情報を定期的に収集する
気象庁や日本気象協会のホームページから、桜島の噴火情報を定期的に収集しましょう。噴火予報や噴火警報で避難を呼びかけられたら、速やかに避難します。
SNSで情報収集を行うと、デマに惑わされるリスクがあるため注意してください。実際に火山が噴火すると通信回線は混雑する恐れがあるので、携帯ラジオがあると安心です。
対策3|防災グッズを準備する
避難指示が出されてから迅速に避難できるよう、以下の防災グッズを準備しておきましょう。リュックに入れて玄関付近に収納しておけば、いざという時に素早く行動できます。
- 非常食
- 飲料水
- 現金
- 携帯ラジオ
- 懐中電灯
- ヘルメット
- 防塵マスク
- 防塵ゴーグル
- 常備薬
- ポータブル電源
飲料水や非常食は、最低でも3日分必要です。できれば7日分用意しておきましょう。
桜島噴火による停電対策!ポータブル電源とは

桜島の噴火によって火山灰が0.1m以下堆積しただけでも、大規模な停電を引き起こします。風向きや風速によっては、降灰範囲が宮崎県や熊本県、大分県に達するケースもあります。停電中も電化製品を使用するには、ポータブル電源が必要です。
ポータブル電源とは、内部のバッテリーに大量の電気を溜め込み、コンセントが使えない状況でも電化製品に給電できる機器を指します。桜島の噴火による停電中にポータブル電源が活躍する場面は、以下のとおりです。
- エアコンや扇風機などの冷暖房機器を稼働して、快適な気温を維持できる
- 電子レンジや電気ケトルを稼働して、簡単に温かい料理が作れる
- 冷蔵庫に給電して、食品が傷むのを防ぐ
- LEDライトを点灯させて、夜でも安全に避難できる
- 噴火警報を確認するためのスマホを常にフル充電にしておける
ポータブル電源は火山の噴火だけでなく、地震や台風、土砂災害などの様々な災害時に活躍します。ソーラーパネルと併用すれば、本体が充電切れになる心配もありません。
火山災害への対策に必要な性能|おすすめの製品
桜島の噴火による停電対策には、お住まいの地域に合ったポータブル電源を選びましょう。桜島やその周辺にお住まいの場合は、避難指示を受けてから迅速に避難する必要があるため、軽量コンパクトなタイプがおすすめです。
一方、鹿児島市街や周辺の都道府県にお住まいの場合は、在宅避難で活躍する高出力・大容量のタイプを選ぶとよいでしょう。出力1500W、容量1000Wh以上あると安心です。
EcoFlowは、用途に応じて以下のポータブル電源を販売しています。
- 避難所避難「RIVER 3 Plus」
- 在宅避難「DELTA 3 Plus」
それぞれの機種について、詳しく見ていきましょう。
避難所避難「RIVER 3 Plus」
定格出力600W、容量286Whのポータブル電源。約4.7kgの軽量コンパクト設計なので、桜島周辺から避難所に避難する際には、移動の妨げになりません。
X-Boostで最大900Wの電化製品に給電でき、避難所では家電の90%が使用できます。LEDライトやソフトウェアアラートを搭載しており、停電時の強い味方になるでしょう。通信機器の使用時間を最大2倍に延長しているので、迅速な情報収集や安否確認が可能です。

在宅避難「DELTA 3 Plus」
定格出力1500W、容量1024Whのポータブル電源。最大2000Wの高出力を誇り、最大5kWhまで容量を拡張できるので、停電が長期化しても電気のある生活を継続できます。
高度なUPS機能を搭載しており、停電が起きると電気供給源がポータブル電源へと10ms未満に切り替わります。停電中もソーラーパネルがあれば、最短70分で満充電が可能です。

桜島の噴火に関するよくある質問

最後に、桜島の噴火に関するよくある質問を紹介します。
- 気象庁が発表する桜島の噴火警戒レベルとは?
- 桜島の噴火で風向きが重要な理由とは?
- 桜島の噴火速報を受け取れるアプリは?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
気象庁が発表する桜島の噴火警戒レベルとは?
気象庁は、桜島の火山活動の状況に応じて以下の噴火警戒レベルを発表します(※8)。噴火警戒レベルとは、警戒が必要な範囲と必要な防災対応を5段階に区別した指標です。
名称 | 噴火警戒レベル | 住民の行動 |
噴火警報(居住地域) | レベル5(避難) | 危険な居住地域から避難 |
レベル4(高齢者等避難) | 警戒が必要な居住地域から要配慮者の避難 | |
噴火警報(火口周辺) | レベル3(入山規制) | 状況に応じて要配慮者の避難準備 |
レベル2(火口周辺規制) | 状況に応じて火山活動の情報収集、避難手順の確認、防災訓練への参加 | |
噴火予報 | レベル1(活火山であることに留意) |
※8参考:気象庁「噴火警戒レベルの説明」
桜島の噴火で風向きが重要な理由とは?
桜島が噴火した際、降灰の範囲は風向きに大きく左右されます。そのため、事前にハザードマップで確認していた通りに降灰するとは限らず、必ず最新の降灰範囲をチェックしなければなりません。風向きによっては、宮崎県や熊本県、大分県も降灰のリスクがあります。
桜島の噴火速報を受け取れるアプリは?
桜島の噴火速報を受け取れるアプリは、以下のとおりです。
アプリ名 | 内容 |
MBCアプリ | ・気象台の発表する桜島噴火情報と降灰予報が配信される ・噴煙の流れる方向に合わせて通知の受け取りを変えられる |
へがふっど! | ・桜島の噴火によってどの方向に灰が降るのかが分かる ・桜島の噴火情報や噴火レベル、回数なども表示される |
桜島降灰予報 | 桜島の降灰範囲が地図上に灰色で表示される |
まとめ

本記事では、桜島の噴火活動について解説してきました。
桜島は、約26,000年前に誕生した活火山です。現在でも年間200回のペースで噴火を続けており、2011年には996回にのぼりました。桜島が大噴火すると、大きな噴石や火砕流、土石流などの生命を脅かす火山災害に見舞われます。
桜島の噴火から身を守るために、まずは桜島火山ハザードマップを入手して安全なエリアを把握しましょう。気象庁や日本気象協会のホームページからこまめに噴火情報を収集しておけば、いざという時に迅速な避難が実現します。
EcoFlowは、避難した先で電化製品が使えるようになるポータブル電源を販売しています。桜島の噴火による停電対策を万全にしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。