「車で移動中にポータブル電源を充電できないかな?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
走行充電は移動時間を有効活用してポータブル電源を充電する方法で、目的地到着時には満充電状態で電力を使用できます。
シガーソケット充電や専用走行充電器、ソーラーパネルなど複数の充電方法があります。自動充電により手間がかからず、自宅の電気代削減効果に期待できるなど複数のメリットがありますが、一部注意点があるのも事実です。
本記事では、走行充電の方法やメリット、選び方、おすすめの製品について解説します。
走行中にポータブル電源を充電する方法

移動中の時間を有効活用してポータブル電源を充電することで、目的地到着時には満充電状態で電力を使用できる便利さがあります。ここでは、走行中にポータブル電源を充電する方法を4つ紹介します。
- シガーソケット
- ソーラーパネル
- 専用走行充電器
- バッテリー直結型インバーター
以下、各方法の詳細を見ていきましょう。
シガーソケット
車内のシガーソケットに専用ケーブルを接続することで、走行中の充電が可能になります。最も手軽な方法でありほとんどの車種で利用可能ですが、充電速度は比較的遅いという特徴があります。
一般的なシガーソケットは12V電源で最大出力が120W程度に制限されるため、大容量のポータブル電源では満充電までに長時間を要する場合があります。
しかし、特別な工具や専門知識が不要で、購入後すぐに使用開始できる利便性は大きな魅力と言えるでしょう。複数のシガーソケットを備えた車両では、同時にほかの機器も使用できるため実用性が高くなります。
ソーラーパネル
車の屋根やダッシュボードに設置したソーラーパネルで太陽光発電を行い、ポータブル電源の充電を行う方法です。走行中でも発電が継続されるため、長距離移動時に効果的な充電手段となります。
天候に左右されるものの、晴天時には安定した電力供給が期待できます。駐車中も発電が継続されるため、キャンプ場での滞在時間が長い場合には特に重宝するでしょう。
折りたたみ式のソーラーパネルなら設置場所を選ばず、車外での使用も可能になります。発電効率は設置角度や日照条件に影響されるため、最適な配置を見つけることが重要です。
⇒ポータブル電源とソーラーパネルを併用するメリット!注意点や利用シーンも紹介
専用走行充電器
車のオルタネーターから直接電力を取得する専用機器により、高効率な充電を実現することが可能です。短時間での大容量充電が可能であり、キャンプや災害時の電力確保に適している優れた方式です。
電力変換効率が高く、エンジンの回転数に応じて充電電力も調整されるため安定した性能を発揮します。専門的な取り付け作業が必要になりますが、一度設置すれば長期間にわたって快適な充電環境を維持できるでしょう。
車中泊やバンライフを本格的に楽しみたい方には特におすすめの充電方法と言えます。
バッテリー直結型インバーター
車のメインバッテリーに直接接続してAC電源を生成し、ポータブル電源を充電する方式です。安定した電力供給が可能ですが、車両のバッテリー上がりに注意が必要な方法となります。
インバーターによりDC電源をAC電源に変換するため、家庭用と同じ充電器を使用できる利便性があります。しかし、エンジンを停止した状態での長時間使用は車両のバッテリーを消耗させ、エンジンがかからなくなるリスクを伴うため注意が必要です。
バッテリー電圧の監視機能付きインバーターを選択することで、過放電による車両トラブルを防げます。
ポータブル電源の走行中の充電スピード

ポータブル電源を走行充電する場合、充電完了までに10時間前後かかるのが基本です。ポータブル電源の容量別の充電スピードは、以下の一覧表をご確認ください。
製品名 | EcoFlow DELTA 3 Plus | EcoFlow RIVER 3 Plus | EcoFlow DELTA 3 1500 |
容量 | 1,024Wh | 286Wh | 1,536Wh |
充電完了時間 | 約11時間 | 約3時間 | 約16時間 |
製品ごとの充電完了時間の通り、シガーソケットを用いた充電方法は完了までに時間がかかります。そのため、走行充電はあくまで補助的な充電方法として活用するのをおすすめします。
充電スピードは配線の長さで変化する
そこまで大きく変わるわけではありませんが、シガーソケットでの充電スピードは、配線の長さによっても変化します。延長ケーブルを使って配線が長くなっている場合、普段よりも充電完了までに時間がかかってしまいます。
逆に配線の長さを短くすれば充電スピードが早くなるため、早めに充電を完了させたい場合は、シガーソケットに直接接続して充電しましょう。
ポータブル電源を走行充電するメリット

移動時間を有効活用した充電方法には、従来の充電方式では得られないメリットがあります。以下、ポータブル電源を走行充電するメリットを3つ紹介します。
- 自動充電で手間がかからない
- 自宅の電気代を削減できる
- 時間帯問わず充電できる
実用性と経済性の両面から、その利点を詳しく見ていきましょう。
自動充電で手間がかからない
運転中に自動的に充電が進行するため、特別な操作や監視が不要となります。目的地到着時にはフル充電状態となり、即座に電力を使用することが可能となるのです。
充電のタイミングを気にする必要がなく、移動そのものが充電時間となるため時間効率が飛躍的に向上します。長距離ドライブでは特にその効果を実感でき、到着後すぐにキャンプ設営や機器の使用を開始できるでしょう。
バッテリー残量を気にしながら節約的に電力を使用する必要もなくなり、より積極的に電子機器を活用できるようになります。
自宅の電気代を削減できる
家庭用電源での充電回数を減らすことで、月々の電気料金を抑制する効果があります。ガソリン代と比較しても経済的メリットが大きく、長期的なコスト削減につながる魅力的な選択肢です。
特に大容量のポータブル電源を頻繁に使用する場合、家庭での充電による電気代は意外と高額になることがあります。その点、走行充電を活用することで、この負担を軽減できるでしょう。
時間帯問わず充電できる
深夜や早朝など電力需要の少ない時間帯に関係なく充電できる点もメリットの1つです。電力会社の時間帯別料金プランに左右されず、一定のコストで充電を行える利便性があります。
夜間の移動時でも充電が継続されるため、翌日の活動に向けた電力確保が確実に行えます。電力系統の負荷が高い昼間の時間帯を避けることで、社会全体の電力需要平準化にも貢献できるでしょう。
ただし、ソーラーパネルを使用して充電する場合は、太陽が出ている時間帯でしか充電できないため、晴れの日や朝昼を狙って走行することが大切です。
ポータブル電源を走行充電する際の注意点

シガーソケットを使えばポータブル電源を走行充電できて便利ですが、充電時には注意点が一部存在します。安全に走行充電するためにも、以下5つの注意点を確認しましょう。
- 室内が高温になる環境では充電しない
- 充電時にコードを曲げない
- 分配ソケットの複数接続を避ける
- 車内にポータブル電源を放置しない
- アイドリングストップ機能を使わない
それぞれの注意点を1つずつ解説します。
注意点1.室内が高温になる環境では充電しない
1つ目の注意点は、室内が高温になる環境では充電しないことです。室内が高温の環境で充電すると、ポータブル電源のバッテリーを劣化させる可能性があるためです。
そもそもポータブル電源を充電すると、本体や充電器が熱くなる場合があります。真夏日などの炎天下では車内が高温になることが多く、その高温環境で長時間の充電を行うと、熱がこもるためポータブル電源の故障の原因となります。
バッテリーが劣化し、発火や爆発が起こる可能性もあるので、冷房をかけて車内の温度を調整した上で充電しましょう。
注意点2.充電時にコードを曲げない
充電する際はコードを曲げないようにしましょう。コードを折ったり束ねたりした状態で充電を行うと、発熱や発火、故障などの原因になります。
コードを結束バンド等で束ねて持ち運ぶ方が多いですが、そのままの状態で充電してしまうと、コード同士が密着しているため熱が逃げづらく、コードの温度が上昇して発火する恐れがあるのです。また、電源プラグの差し込みが不十分でも、同様に故障の原因になるため注意が必要です。
注意点3.分配ソケットの複数接続を避ける
分配ソケットの複数接続にも気をつけましょう。分配ソケットにポータブル電源とほかの電気機器をつないで複数利用した場合、それぞれの負担が大きくなり、発火や異常過熱などが起こる可能性があります。
また、分配ソケットでの複数接続を長時間行うと、車両ヒューズ切れや破損といったトラブルの原因にもなるため注意が必要です。
注意点4.車内にポータブル電源を放置しない
4つ目の注意点は、車内にポータブル電源を放置しないことです。ポータブル電源に搭載されているバッテリーは、基本的に高温の環境に強くありません。高温環境でポータブル電源を長時間放置すると、熱がこもってバッテリーの劣化を招いてしまいます。
特に真夏日は車内温度が高くなりやすく、日によっては50度を超えることもあるため危険です。直射日光が当たる場所も避けるよう意識しましょう。
注意点5.アイドリングストップ機能を使わない
信号待ちなどで車が停車した場合、エンジンを自動的に停止する機能が搭載されています。この際、自動車の電圧は急激に低下し、解除後は電圧が急激に上昇するので、走行充電をしていると製品によっては保護機能が作動する場合があります。
アイドリングストップのたびに出力が停止すると、ポータブル電源の充電完了までに時間がかかるほか、バッテリーに負担がかかる可能性もあるため、できればアイドリングストップ機能をオフにしてから充電を開始しましょう。
走行充電可能なポータブル電源の選び方

走行充電に適したポータブル電源を選択する際には、車両環境や使用目的に応じた重要なポイントがあります。以下、ポータブル電源の選び方を7つのポイントに分けて解説します。
- バッテリー容量
- 定格出力
- サイズ・重量
- 充電方法
- 製品寿命
- 安全性
- アフターサポート
適切な製品選びにより、快適で効率的な充電体験を実現できるでしょう。
バッテリー容量
長時間の使用を想定する場合は、1,000Wh以上の大容量モデルが適しています。日帰りレジャーであれば500Wh程度でも十分な電力を確保することが可能でしょう。
使用する電子機器の消費電力と利用時間を事前に計算し、余裕を持った容量選択が重要となります。容量が大きいほど充電時間も長くなるため、走行距離との関係も考慮に入れる必要があります。
定格出力
使用する電子機器の消費電力に応じて必要な出力値を選択することが重要です。複数機器の同時使用を考慮して、余裕のある出力設定を選ぶことが望ましいでしょう。
出力不足は機器の動作不良や故障の原因となるため、最大想定消費電力の1.5倍程度の出力を確保することをおすすめします。
サイズ・重量
ポータブル電源のサイズや重量も選定基準の1つとなります。車内での設置場所が限られる場合は、コンパクトで軽量なモデルを選択しましょう。
また、持ち運びの頻度が高い場合は、重量を重視した製品選びが重要となります。トランクルームや座席下のスペースに収まるサイズ選択により、車内の快適性を損なうことなく充電システムを導入できます。
充電方法
走行充電以外にも、ソーラー充電やAC充電など複数の充電方法に対応していることが望ましく、充電環境の多様化により利便性が大幅に向上します。
充電時間の短縮や緊急時の対応力向上のため、多様な充電オプションが必要です。複数の充電方式を組み合わせることで、天候や時間帯に左右されない安定した電力供給を実現できます。
製品寿命
充放電サイクル数や保証期間を確認して、長期使用に耐える製品を選ぶことが大切です。リチウムイオン電池の場合は2,000サイクル以上の耐久性を持つモデルが理想的です。
バッテリー劣化の進行速度は使用環境によって大きく変わるため、温度管理機能の有無も重要な判断材料となります。
安全性
過充電や過放電を防ぐ保護機能が充実している製品を選択すると良いでしょう。PSEマークを取得している製品は信頼性が高く、安心して使用できます。
また、多重保護システムを搭載した製品なら、予期しないトラブルからも機器を守ることができるでしょう。製品を安全に長く使うためにも、製品選択の際は必ず安全性をチェックしてください。
アフターサポート
修理対応や技術サポートが充実しているメーカーの製品を選ぶことが長期使用の鍵となります。サポート体制が整っているブランドであれば、故障時の対応が迅速に行われるため安心です。
日本語対応の充実度や修理拠点の多さも、実際の使用時には重要な要素となります。
専用走行充電器を使えばポータブル電源の急速充電が可能に

専用走行充電器は車両のオルタネーターから直接電力を取得し、従来のシガーソケット充電と比較して格段に高い充電効率を実現します。
通常のシガーソケットでは120W程度の出力に制限されるのに対し、専用走行充電器では500Wから800Wの大出力充電が可能となり、充電時間を大幅に短縮できます。アイドリング時から高速走行時まで効率的な充電が継続されるのです。
過電圧や低電圧に対する保護機能も充実しており、車両の電装系統への悪影響を最小限に抑えた設計が採用されています。
また、専用走行充電器はドライブやキャンプなどのアウトドアだけでなく、災害時の停電対策としても大きな効果を発揮します。
専用走行充電器とポータブル電源を併用すれば、スマートフォンの充電やLEDライトでの照明確保、扇風機やヒーターによる空調管理など、災害時の生活に必要な電力を確保できるのです。
走行充電におすすめのEcoFlow製品4選
ここでは、走行充電におすすめのEcoFlow製品を4つ紹介します。ポータブル電源と専用走行充電器の併用を検討している方は、ぜひ以下の製品を確認してみてください。
EcoFlow DELTA 3 Plus

業界最速レベルの充電技術を搭載した高性能モデルで、X-Stream充電テクノロジーにより最短56分でフル充電を達成します。1,500WのAC入力に対応し、800Wの専用走行充電器使用時はわずか1.3時間での満充電が可能です。
高耐久LFPバッテリーにより10年間の長期使用に耐える設計となっており、最大4,000回の充放電サイクルで容量の80%を保持します。
大容量電力が必要な本格的なアウトドアや災害時の備えに適した製品です。
容量 | 1,024Wh |
定格出力 | 1,500W |
サイズ | 39.8 × 20.0 × 28.4 cm |
重量 | 約12.5kg |
出力ポート | 合計13 |
公式サイト | https://jp.ecoflow.com/products/delta-3-plus-portable-power-station?variant=44597213003937 |

EcoFlow RIVER 3 Plus

コンパクトサイズながら600Wの定格出力を実現し、X-Boost機能により最大900Wの家電も稼働できる軽量モデルです。ワイヤレス接続で最大858Whまで拡張可能な柔軟性を持っています。
コンパクトで軽量な設計により車内での収納性に優れ、日帰りドライブや短期間のキャンプでの使用におすすめです。アウトドアシーンで役立つLEDライトや多彩な出力ポートを搭載しています。
容量 | 286Wh |
定格出力 | 600W |
サイズ | 23.4 × 23.2 × 14.6 cm |
重量 | 約4.7kg |
出力ポート | 合計7 |
公式サイト | https://jp.ecoflow.com/products/river-3-plus-portable-power-station?variant=51674949255535 |

EcoFlow 800W Alternator Charger

従来のシガーソケット充電と比較して8倍の800W出力を実現する高出力走行充電器です。1kWh容量のポータブル電源を、わずか1.3時間でフル充電できる驚異的な性能を持っています。
急速走行充電、バッテリーへの逆充電、バッテリーメンテナンスの3機能を1台で対応し、車中泊やお出かけをトータルでサポートします。別売りのXT60出力ケーブルを使用すれば、他社製ポータブル電源との接続も可能です。
複数の保護機能や2年間の製品保証により安心して使用できます。本格的な走行充電システムを構築したい方におすすめの製品です。

EcoFlow 500W Alternator Charger

500Wの急速走行充電に対応し、従来のシガーソケット充電と比較して5倍の高出力を実現するミドルクラスの走行充電器です。1kWh容量のポータブル電源であれば、約2.1時間でフル充電が完了します。
取り付けは数ステップで完了し、車両への影響を最小限に抑えた設計となっています。過電圧・低電圧保護機能を含む多重保護システムと2年間の製品保証により、アウトドアや非常時など幅広いシーンで安全に使用できます。

ポータブル電源の走行充電に関するよくある質問

走行充電システムの導入や使用に関してよく寄せられる疑問について、実用的な観点から詳しく解説します。
走行充電中にエンジンを停止しても充電は継続される?
走行充電中にエンジンを停止した場合、基本的に充電も停止されるよう設計されています。充電を継続したい場合はエンジンを再始動させる必要があり、これにより車両の電力系統を保護しています。
一部の高級車では補機バッテリーからの供給が短時間継続される場合もありますが、基本的にはエンジン稼働時のみの充電が原則です。とはいえ、安全性を考慮すると、エンジン停止前にポータブル電源の充電を停止することが推奨されます。
どのくらいの走行時間でフル充電になる?
ポータブル電源の容量と充電器の出力により異なりますが、一般的に3時間から10時間程度要します。専用走行充電器を使用することで、充電時間を大幅に短縮することが可能です。
シガーソケット充電では大容量モデルの満充電に8時間以上かかることもありますが、800W専用充電器なら1.3時間程度で完了します。走行距離や交通状況も考慮して、充電計画を立てることが重要です。
走行充電は車のバッテリーに悪影響を与える?
適切な充電器を使用すれば、車両のバッテリーや電装系統への悪影響はほとんどありません。過度な電力消費を避けるため、車両の発電能力を超えない範囲での使用が重要になります。
現代の車両は十分な発電能力を持っており、オルタネーターの負荷は許容範囲内に収まります。
ただし、古い車両や小排気量エンジンでは注意が必要です。車両の仕様を確認してから導入することをおすすめします。
まとめ
本記事では、走行充電の方法やメリット、おすすめの製品について解説しました。
走行充電にはシガーソケット、専用走行充電器、ソーラーパネル、バッテリー直結型インバーターなど複数の方法があり、それぞれ異なる充電効率と特徴を持っています。
自動充電による手間の軽減、電気代削減、時間帯を問わない充電が可能など多くのメリットがあります。製品を選ぶ際には、バッテリー容量、定格出力、安全性などを総合的に判断することが重要です。
本サイトを運営するEcoFlowでは、走行充電に適したポータブル電源と専用充電器を販売しております。走行時に高速充電を実現したい方は、EcoFlow製品の導入をご検討ください。