脱炭素社会を実現するために、注目を集めている再生可能エネルギー。化石燃料に代わるエネルギーとして、日本でも導入が推進されてます。再生可能エネルギーには多くのメリットがある一方で、普及率が伸び悩むデメリットが存在するのも事実です。
そこで本記事では、再生可能エネルギーとは何かについて詳しく解説します。再生可能エネルギーのメリット・デメリットや、再生可能エネルギーの種類と特徴も掲載しているので、再生可能エネルギーの導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーとは、資源に限りがある化石燃料とは異なり、太陽光・風力・水力などの永続的に利用できるエネルギーです。何度でも繰り返しエネルギーを作り出せるために、再生可能エネルギーと呼ばれています。
また、再生可能エネルギーは、温室効果ガスを排出しません。2016年のパリ協定で合意された世界共通の目標は、21世紀後半までに温室効果ガス排出量と吸収量のバランスをとることです。パリ協定の実現に向けて、再生可能エネルギーは重要な役割を担います。
日本で再生可能エネルギーが占める割合

2023年に日本で発電しているエネルギーのうち、再生可能エネルギーが占める割合は、25.7%でした(※1)。年々、再生可能エネルギーの割合は右肩上がりで上昇しています。
再生可能エネルギーの中でも大幅に普及率が拡大しているのは、太陽光発電とバイオマス発電です。一方、化石燃料を使った火力発電には、過半数にのぼる66.6%も頼っています。
※1参考:ISEP 環境エネルギー政策研究所「2023年の自然エネルギー電力の割合(暦年・速報)」
再生可能エネルギーのメリット3選

再生可能エネルギーは、環境面と経済面でメリットがあります。日本が世界の情勢から影響を受けないためにも欠かせません。再生可能エネルギーのメリットは、以下のとおりです。
- メリット1|環境への負荷が少ない
- メリット2|エネルギーが枯渇しない
- メリット3|エネルギーを自給できる
それぞれのメリットについて、詳しく見ていきましょう。
メリット1|環境への負荷が少ない
再生可能エネルギーは発電時に地球温暖化の原因であるCO2を排出しないため、環境にやさしいエネルギー源です。一方、日本の発電電気量で過半数を占める化石燃料は、2022年度に8,490万トンのCO2を排出しています(※2)。
※2参考:環境省「2022年度の温室効果ガス排出・吸収量(詳細)」
メリット2|エネルギーが枯渇しない
自然環境を生かした再生可能エネルギーは、エネルギーが枯渇しません。資源が有限である化石燃料と異なり、再生可能エネルギーは資源を消費せずに永続的に使用できます。
そのため、資源の状況に左右されず、エネルギーの安定的な供給が可能です。一方、日本が依存している化石燃料は、天然ガス、石油で約50年、石炭、ウランで約130年が経つと枯渇すると言われています(※3)。
※3参考:東京ガス「天然ガスはいつまであるの」
メリット3|エネルギーを自給できる
再生可能エネルギーは、エネルギー自給率を向上させるためにも必要不可欠です。日本が海外から輸入しているエネルギーは、約9割にのぼります(※4)。
諸外国に比べて日本の自給率が極端に低い理由は、日本でまかなえる化石燃料の量がわずかだからです。再生可能エネルギーがさらに普及すれば、エネルギー自給率は向上します。純国産エネルギーでまかなえるようになると、国際情勢の影響を受けづらくなります。
※4参考:資源エネルギー庁「日本のエネルギー自給率は1割ってホント?」
再生可能エネルギーのデメリット3選

環境や経済面で大きなメリットがある再生可能エネルギーですが、気軽に導入できるわけではありません。設備を導入するには、相応の条件をクリアする必要があります。再生可能エネルギーのデメリットは、以下のとおりです。
- デメリット1|広大な土地が必要になる
- デメリット2|発電コストが高い
- デメリット3|発電量が安定しない
それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
デメリット1|広大な土地が必要になる
化石燃料を使った発電に比べて、再生可能エネルギーは面積当たりの発電効率が悪いため、広大な土地が必要になります。堺太陽光発電所(太陽光発電)は、堺港発電所(火力発電所)と比べて面積が約2倍あるにも関わらず、発電量は0.1%未満です(※5)。国土の狭い日本において、広大な土地を確保するのは容易ではありません。
※5参考:環境省「堺太陽光発電所」
デメリット2|発電コストが高い
再生可能エネルギーは、化石燃料を使った発電に比べて発電コストが割高です。資源エネルギー庁が行った2020年における電源別発電コストの試算結果を紹介します(※6)。
電源 | 発電コスト(円/kWh) |
石炭火力 | 12.5 |
LNG火力 | 10.7 |
陸上風力 | 19.8 |
太陽光(住宅) | 17.7 |
小水力 | 25.3 |
バイオマス(専焼) | 29.8 |
※6参考:資源エネルギー庁「電気をつくるには、どんなコストがかかる?」
デメリット3|発電量が安定しない
自然環境を利用する再生可能エネルギーは、発電量が安定しません。太陽光発電は天候や日照時間、風力発電は風力や風向きに左右されやすく、発電量が不安定です。
環境条件が整わずに発電量が極端に不足した場合、大規模な停電につながりかねません。そのため、電力需要に応じた発電量の調整や、余った電力を蓄電池に蓄えるなどの工夫が必要です。
【一覧】再生可能エネルギーの種類と特徴

再生可能エネルギーには様々な種類があり、用途によって向き不向きが異なります。家庭への導入を検討している方は、全ての再生可能エネルギーが候補になるわけではありません。再生可能エネルギーの種類一覧は、以下のとおりです。
- 種類1|太陽光発電
- 種類2|水力発電
- 種類3|風力発電
- 種類4|バイオマス発電
- 種類5|地熱発電
それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
種類1|太陽光発電
日本で採用されている再生可能エネルギーの中で、最も普及率の高い発電方法が太陽光発電です。シリコン半導体に太陽光を照射すると、電気が発生する仕組みを利用しています。
太陽光発電は、事業用のメガソーラーだけでなく、家庭用の屋根置き型やポータブルソーラーパネルなど多岐にわたります。太陽光さえ届けばどこでも発電できる一方で、夜間や日照不足の日には十分に発電できません。
種類2|水力発電
水力発電は、高い場所から低い場所へと水を落として水車を回転させることによって、回転エネルギーから電気エネルギーを得る再生可能エネルギーです。水資源に恵まれている日本では、水力発電が盛んに行われてきました。
太陽光発電のように天候や時間帯に左右されないため、安定したエネルギー供給が可能です。しかし、導入するには巨大な設備が必要になるため、初期費用がかさみます。
種類3|風力発電
風力発電は、風車のブレードが風に当たって回転することで発電する再生可能エネルギーです。日本では、風を遮る障害物が少ない北海道や東北、九州地方で多く導入されています。
陸上だけでなく、洋上でも発電できるのが特徴です。電気エネルギーへの変換効率に優れている一方で、開発段階で高額な導入コストがかかります。
種類4|バイオマス発電
バイオマスと呼ばれる化石燃料を除いた生物由来の有機性資源を燃やして、発生した蒸気でタービンを回して発電する再生可能エネルギーです。
他の種類と異なり「焼却」の過程が発生しますが、成長時に空気中から吸収されるCO2量と、焼却時に排出されるCO2量はほとんど変わりません。バイオマス発電では、家畜排泄物や生ごみなどの廃棄物を燃料にするため、廃棄物の減少や再利用に貢献できます。
種類5|地熱発電
地熱発電は、地下のマグマから高温の熱水と蒸気を取り出し、タービンを回転させて発電する再生可能エネルギーです。日本には火山地帯が多く存在するため、地熱発電は日本に適した再生可能エネルギーと言えるでしょう。
発電で使われた高温の熱水や蒸気は、自宅の暖房に再利用できます。ただし、発電コストが高く、運用を開始するまでに長い年月を要するため、普及しづらいのが現状です。
再生可能エネルギーを導入!太陽光発電機とは

再生可能エネルギーの中で最も家庭に導入しやすいのが、太陽光発電です。特に持ち運び自由なポータブルソーラーパネルであれば、屋根への設置工事が必要ありません。パワーコンディショナー・架台の費用や工事費用を削減できるので、初期費用は最小限で済みます。
夜間帯や日照不足の日でも発電した電気を使いたい場合には、ポータブル電源も必要です。ポータブル電源とは、内部に大量の電気を蓄え、好きなタイミングで家電に給電できる機器を指します。ポータブル電源があれば、発電した直後に使わない電気を溜めておけます。
ポータブルソーラーパネルとポータブル電源で太陽光発電機を構築し、自宅の停電対策や節電対策を万全にしましょう。
家庭用におすすめ|ソーラーパネル・ポータブル電源
家庭に導入するソーラーパネルは、出力・発電効率の高さが重要です。出力が高いソーラーパネルでは、それだけ多くの電気を生み出せます。発電効率が高いと、わずかな太陽光からも最大限の電気を発電できます。
ソーラーパネルとセットで購入するポータブル電源は、高出力・大容量のタイプがおすすめです。大家族での節電対策や停電の長期化に備える場合、出力・容量が少なければ、ポータブル電源の充電がすぐに切れるだけでなく、家電を正常に稼働できません。
EcoFlowでは、家庭用に最適なソーラーパネルとポータブル電源のセット「DELTA Pro 3+400Wソーラーパネルセット」を販売しています。
それぞれの商品について、詳しく見ていきましょう。
■ソーラーパネル「400Wソーラーパネル」
- 折りたたみ式でコンパクトに収納できる
- 最大出力は400Wを誇る
- 業界トップクラスの変換効率22.6%を誇る
- IP68防塵・防水規格に準拠している
- パネルは高性能なフッ素樹脂ETFEフィルムで覆われている
- 40~80°に角度調整できる
■ポータブル電源「DELTA Pro 3」
- 定格出力3600W、X-Boost機能で最大5100Wの家電を稼働できる
- 4kWhの大容量バッテリーを搭載する
- 専用エクストラバッテリーで最大12kWhまで拡張できる
- 高性能リン酸鉄リチウムイオンバッテリーにより10年以上も活躍する
- TOU(時間帯別料金)モードを使えば、電気をお得に活用できる
- スマホアプリで簡単に遠隔操作できる
- 7つのAC出力ポートに加え、4つのUSBポートを搭載する
デュアルPVポートを介して2,600Wの容量を持つ多用途で強力なソーラー入力が実現します。再生可能エネルギーを気軽に導入したい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。

再生可能エネルギーに関するよくある質問

最後に、再生可能エネルギーに関するよくある質問を紹介します。
- 再生可能エネルギー発電促進賦課金とは?
- 再生可能エネルギー導入における課題は?
- 再生可能エネルギーの電子申請とは?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは?
再生可能エネルギー発電促進賦課金とは、再生可能エネルギーの買取に必要な費用をまかなうための賦課金です。賦課金とは、恩恵を受ける者に負担するよう割り当てられた金銭を指します。再生可能エネルギー発電促進賦課金の主な特徴は、以下のとおりです。
- 発電所の設置にかかる費用を全員で負担し、再エネを推進している
- 全国で一律価格が設定されている
- 電気利用量に比例して電気代の一部として徴収される
再生可能エネルギー導入における課題は?
再生可能エネルギーの普及率は年々上昇していますが、諸外国と比べるとまだまだです。日本で再生可能エネルギーを導入する上での課題を紹介します。
- 発電コストが高い
- 地域住民に合意してもらう必要がある
- エネルギーの変換効率が悪い
- 安定した発電量を確保できない
再生可能エネルギーの発電コストが高いために、再生可能エネルギー発電促進賦課金として全員が費用を負担しなければなりません。また、再生可能エネルギーの導入には広大な敷地が必要になるので、地域住民から合意を得る必要があります。
再生可能エネルギーの電子申請とは?
再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社に買い取ってもらうためには、経済産業省へ事業計画の申請が必要です。再生可能エネルギーの電子申請とは、オンライン上で事業計画の申請ができる仕組みを指します。
再生可能エネルギーの発電量が50kW以上の場合は、事前にGビスIDのプライムまたはメンバーアカウントを取得しなければなりません。
まとめ

本記事では、再生可能エネルギーとは何かについて解説してきました。
再生可能エネルギーとは、温室効果ガスを排出せず、何度でも繰り返し使えるエネルギーを指します。自然環境を利用しているので、化石燃料のようにエネルギーは枯渇しません。
再生可能エネルギーには、環境への負荷が少なく、自給率が向上するというメリットがあります。一方で、発電コストが高く、発電量は安定しないのがデメリットです。
EcoFlowは、高変換効率のソーラーパネルと大容量のポータブル電源をセットで販売しています。自宅で太陽光発電を活用したい方は、ぜひ製品の購入を検討してください。