私たちの生活を支える電力は、さまざまな発電方法によって生み出されています。数ある発電方法の種類の中でも、地球に優しいエネルギーとして注目されているのが太陽光発電を含む「再生可能エネルギー」です。家庭に取り入れれば、節電効果も期待できます。
そこで今回は、発電の種類とその特徴について解説します。自家発電に最適な太陽光発電のメリット・デメリットやおすすめの製品も紹介しているので、自宅に合った発電の種類が知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
発電方法の10種類とは
発電の種類は、燃料・タービンの有無によって大別されます。タービンとは、流体が持つエネルギーを回転運動によって動力に変える装置のことです。発電の主な種類を紹介します。
- 種類1.太陽光発電
- 種類2.火力発電
- 種類3.原子力発電
- 種類4.水力発電
- 種類5.風力発電
- 種類6.バイオマス発電
- 種類7.地熱発電
- 種類8.波力発電
- 種類9.太陽熱発電
- 種類10.廃棄物発電
それぞれの発電の種類について、詳しく見ていきましょう。
種類1.太陽光発電
燃料を使わない「再生可能エネルギー」の中でも、唯一タービンを回さない発電の種類が、太陽光発電です。シリコン半導体(ソーラーパネル)に太陽光を当てることで、太陽の「光エネルギー」を「電気エネルギー」に変換します。
ソーラーパネルに太陽光が当たると、n型半導体の方に電子(-)が、p型半導体の方に正孔(+)が移動します。この二つの半導体に導線を繋ぐと、電流が発生する仕組みです。
種類2.火力発電
日本の電気の約8割を担っているのが火力発電です。燃料を燃やしてお湯を沸かし、蒸気の力でタービンを回して電気を発電しています。タービンで回した後の蒸気は冷やして再び水に戻す必要があるため、海の近くに発電所が設置されています。
火力発電の問題点として挙げられるのが、発電の過程で出る大量の温室効果ガスです。温室効果ガスは地球温暖化を促進させ、気候変動によって人の健康にも影響を与えます。
種類3.原子力発電
原子力発電は、火力発電と同様に蒸気でタービンを回して発電する仕組みです。燃料にはウランが使われ、核分裂で生じる熱で水を沸騰させています。
燃料は少量で済むので水力発電や火力発電に比べるとコストがかりません。一方で、高レベル放射性物質が漏れ出すと、環境や人体に悪影響を及ぼすリスクがあります。
種類4.水力発電
水力発電とは、ダムの高い位置から水が落下するエネルギーによって水車・発電機を回転させ、電気を生み出す方法です。火力発電や原子力発電と比較して発電開始までに要する時間が短いので、電力の残量が少なくなればすぐさま発電できます。夜間の電気使用量が少ない時間帯に貯水し、昼間の電気使用量が多い時間帯に発電するのが特徴です。
種類5.風力発電
風の力で風車を回し、回転運動で電気を生み出す方法が風力発電です。風車がタービンの代わりになります。一定の風速があれば、いつでも電気を生み出せるのが最大のメリットです。
一方で、風向きや風速によっては発電量が少なくなるため、安定性に欠けるというデメリットも存在します。そのため、安定的に強い風が吹く海上で主に開発が進められています。
種類6.バイオマス発電
バイオマス発電とは、生ごみや建築廃材、林地残材などを燃料として燃焼・ガス化・発酵させて、タービンを回す方法です。原料は持続的に生み出し続けられるので、再生可能エネルギーの一つに数えられます。自然環境に依存せず、安定した電力を得られるのがメリットです。一方で、原料の管理コストがかかるというデメリットも存在します。
種類7.地熱発電
地熱発電とは、地球内部から取り出した蒸気でタービンを回す方法です。地下深くにある高温の岩石やマグマに接する地下水が熱せられ、高温・高圧の蒸気または熱水が発生します。
これを掘削井を通じて地表に取り出し、熱エネルギーとして使用しています。天候や昼夜を問わず発電できますが、発電所の建設に多大なコストがかかるのが特徴です。
種類8.波力発電
波力発電では、波の上下運動によって生じるエネルギーでタービンを回しています。他の再生可能エネルギーと比べて発電量が多く、エネルギー源が枯渇しないため、主電源にもなりえる発電の種類と言えるでしょう。ただし、導入・維持コストが高く、津波による影響を受けやすいというデメリットも存在します。
種類9.太陽熱発電
太陽熱発電は、太陽光発電と同様に太陽光を利用した発電方法です。太陽光を反射鏡に集めて熱を作り出し、蒸気でタービンを回します。
構造は単純なので、比較的安価で導入できるのがメリットです。世界各国でも広く導入されています。一方で、発電所を設立するには広い土地が必要で、発電に適した地域も限られているというデメリットも存在します。
種類10.廃棄物発電
廃棄物発電とは、ゴミを燃やす際の熱を利用してタービンを回す方法です。日常的に行われている廃棄物の処理と同時に発電を行うことで、本来捨てられてしまうエネルギーを有効活用できます。その一方で、廃棄物を燃やすときにダイオキシンを含む有害ガスが発生するため、人体への影響が危惧されています。
太陽光発電のメリット・デメリット
繰り返し利用できる再生可能エネルギーの中で、最も家庭に導入しやすい太陽光発電。地球に優しく、電気代を節約できるエネルギーを探している方には、最適な発電の種類です。家庭に導入する前に、太陽光発電のメリット・デメリットを確認しておきましょう。
自家発電に最適な種類!太陽光発電のメリット3選
政府は、2050年時点で発電量に占める再生可能エネルギーの割合を50%〜60%にするという目標を掲げました。特に太陽光発電が持つ以下のようなメリットは高く評価されており、家庭から発電所にいたるまで普及が推進されています。
- エネルギー源が枯渇しない
- 災害による停電時も電気を発電できる
- 電気代を節約できる
太陽光発電のメリットについて、詳しく見ていきましょう。
エネルギー源が枯渇しない
太陽光は自然の一部であり、地球上で使用される限りほぼ無限に供給されます。したがって、燃料の供給不足や価格変動の影響を受けにくくなります。日本にいればどこからでも発電が可能なので、燃料を海外からの輸入に頼る必要はありません。
災害による停電時も電気を発電できる
災害によって停電生活が長引いたとしても、太陽光発電ができれば電化製品を使い続けられます。太陽光発電した電気をポータブル電源に溜めておけば、昼夜問わず電気の使用が可能です。太陽光発電は、災害による停電生活に以下のような恩恵をもたらします。
- エアコンや扇風機などの冷暖房機器を使い、体温を維持できる
- 電子レンジやケトルを使って、非常食を温められる
- 冷蔵庫を稼働して、食品の腐敗を防げる
- 被害状況の確認や家族との連絡に必要なスマホを常にフル充電にしておける
電気代を節約できる
太陽光パネル1kWの年間発電量は、約1,000kWhとされており、家庭に取り入れれば大幅な節電効果が期待できます(※1)。電気料金の高騰による影響も受けません。日本では「固定価格買取制度(FIT)」が導入されているため、自宅で消費しきれない余剰電力は電力会社に売電が可能です。
※1参考:JPEA 太陽光発電協会「太陽光発電により、家庭で使用する電気を全部まかなえますか?」
発電量が変動!太陽光発電のデメリット3選
地球や家計に優しい太陽光発電ですが、メリットばかりではありません。節電効果を得るまでには長い期間を要する恐れがあります。太陽光発電のデメリットは、以下のとおりです。
- 天候や時間帯で発電量が変わる
- 初期費用が高い
- 据置型が設置できない家もある
それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
天候や時間帯で発電量が変わる
太陽光発電は、天候や時間帯によって発電量が大きく変動します。雨や曇りの日には十分な発電量が見込めず、日が沈んでいる夜には一切発電できません。
夏に比べて日射量が少なく、日照時間が短い冬には、発電量も減少するでしょう。時間帯によって日が入る方角が異なるので、発電量を安定させるには発電機の角度のこまめな微調整が必要です。
初期費用が高い
太陽光発電システムを家庭に導入するには、高額な初期費用がかかります。新築にかかる設置費用は、1kW当たり平均28.8万円です(※2)。電気代の節約分で初期費用を回収するためには、約10〜15年かかると言われています。
※2参考:資源エネルギー庁「太陽光発電について」
据置型が設置できない家もある
太陽光発電システムには、据置型と折りたたみ式がありますが、据置型は屋根に設置できない家もあります。据置型が設置できない主な理由は、以下のとおりです。
- 荷重に耐えられない
- 十分な日照を確保できない
- 設置スペースがない
屋根に設置できたとしても、屋根の形状や向き、影になる周りの建物や木々などによって十分な日照を確保できなければ、設置する意味がありません。
角度調節が容易!ソーラーパネルの魅力とは
初期費用を抑えて手軽に太陽光発電を導入したい方には、折りたたみ式のソーラーパネルがおすすめです。据置型と折りたたみ式の違いを比較してみましょう。
折りたたみ式 | 据置型 | |
初期費用 | 安い | 高い |
持ち運び | 可能 | 不可能 |
設置工事 | 不要 | 必要 |
パワーコンディショナー | 不要 | 必要 |
角度調節 | 容易 | 困難 |
売電 | 不可能 | 可能 |
発電量 | 少ない | 多い |
折りたたみ式の最大のメリットと言えるのが、その手軽さです。工事やパワーコンディショナー、架台が不要なので、初期費用を大幅に抑えられます。携帯性に優れているため、太陽光発電を行う場所は選びません。
据置型では大型かつ大量のソーラーパネルを設置するため、太陽光が効率よく当たれば、折りたたみ式以上の発電量が期待できます。しかし、角度調節が難しく時間帯によっては十分な発電量が望めないでしょう。
折りたたみ式のソーラーパネルが気になる方に向けて、おすすめの製品を紹介します。
家庭用発電機に必要な性能|おすすめの製品
家庭用発電機として折りたたみ式のソーラーパネルを購入する場合、用途に合った出力を選ぶ必要があります。出力とは、太陽光がパネルにあたった瞬間に発生する電力量です。
出力が高いほど発電量は多くなりますが、携帯性が悪くなります。そこで、キャンプなどのアウトドアでの使用がメインなら110W〜220W、停電・節電対策がメインなら220W~400Wのタイプを選ぶとよいでしょう。
EcoFlowは、最先端の単結晶シリコンセルを使用している高品質なソーラーパネルを販売しています。製品の特徴を詳しく見ていきましょう。
- 出力110W、160W、220W、400Wのタイプを取り揃える
- 最大22%の高いモジュール変換効率を実現する
- 頑丈な防水構造により、天候によらず使用できる
- 収納ケース付きなので、本体の保護だけでなく持ち運びや設置にも便利
- 高性能フッ素樹脂ETFEフィルム採用により、高い耐久性を誇る
MC4コネクタ採用で高い互換性を実現しているため、EcoFlowのポータブル電源と組み合わせて、昼夜問わず発電した電気が使用できます。持ち運び自由なソーラーパネルを購入したい方は、ぜひ製品情報をチェックしてください。
→外出先や自宅を問わずどこでも充電可能な「EcoFlowソーラーパネル」
発電の種類に関するよくある質問
最後に、発電の種類に関するよくある質問を紹介します。
- 日本の発電方法で上位の割合を占める種類は?
- 発電方法の種類で一番いいのは?
- 発電方法の種類で最も珍しいのは?
それぞれの回答について、詳しく見ていきましょう。
日本の発電方法で上位の割合を占める種類は?
令和4年度時点での日本の発電割合は、火力発電が72.7%を占めていました(※3)。再生可能エネルギーの中では、太陽光発電が牽引しています。
政府は化石燃料から再生可能エネルギーへの移行を推進しているため、今後のシェア率は再生可能エネルギーに傾くことが期待されるでしょう。
※3参考:経済産業省「令和4年度(2022年度)エネルギー需給実績(確報)」
発電方法の種類で一番いいのは?
発電効率という観点でみると、水力発電が最も優れています。しかし、水力発電には莫大な建設費用がかかるため、家庭向きではありません。水力発電と同じ再生可能エネルギーで、節電効果も期待できる発電の種類としては、太陽光発電がおすすめです。
発電方法の種類で最も珍しいのは?
珍しい発電の種類として、波の力を利用して発電する波力発電が挙げられます。面積あたりのエネルギーは、風力発電や太陽光発電の数十倍にも上ります。
しかし、設置コストの高さや安全性の低さなどが原因で、実用化は進んでいません。実用化へ向けて実験や開発は活発に行われているので、これから普及していく可能性がある発電の種類と言えるでしょう。
まとめ
本記事では、発電の種類と特徴について解説してきました。
日本で最も多くの電力発電量を誇るのは、火力発電です。安定的な発電が可能な一方で、温室効果ガスを大量に排出し、地球温暖化を促進します。そのため、地球に優しく、エネルギーが枯渇しない再生可能エネルギーの普及が推進されています。
再生可能エネルギーの主な種類は、太陽光発電・水力発電・風力発電・地熱発電です。特に太陽光発電は家庭でも導入しやすく、電気代の節約も期待できます。
EcoFlowでは、携帯で折り畳みできるソーラーパネルを販売しています。自宅やアウトドアに太陽光発電を導入したい方は、ぜひ製品の購入をご検討ください。
→優れた耐久性と防水性で天候を選ばず使用できる「EcoFlowソーラーパネル」