ポータブル電源は自然災害による停電時や、キャンプや釣りなどのシーンにあると便利ですよね。このポータブル電源を購入する際は、出力波形が正弦波の製品を選んでおくとよいことは知っていましたか。もし違うタイプを選んでしまえば、用途によっては電化製品が故障、劣化してしまいかねません。
この記事ではポータブル電源の出力波形の基礎知識を説明し、用途に応じたポータブル電源の選び方も解説します。
ポータブル電源を選ぶ際は出力波形に注目!
そもそも正弦波とは?
ポータブル電源を購入するときは、「出力波形」という項目もチェックしておきましょう。
ポータブル電源を選ぶ際は、サイズや重さ、電気容量、コンセントの数などのスペックに注目してしまいがちですが、出力波形は根本的な使い勝手に影響するため、重要なポイントなのです。出力波形によっては、精密機器が故障してしまったり、パーツを劣化させてしまったりしかねません。例えば、非常用電源として活用していたとき、炊飯器や暖房機器などが壊れてしまっては大変ですよね。
こんなことのないように、出力波形をよくチェックしておきましょう。先に結論を言っておきますと、「正弦波」または「純粋正弦波」とカタログに表記されているポータブル電源を購入したほうが安心です。
そもそも出力波形とは?
出力波形とは、ポータブル電源に蓄えた直流(DC電源)を交流(AC電源)に変換するインバーターという部品から出力される、電気の波形のこと。
家庭やオフィスの一般的なコンセントから出力されているのは交流の正弦波、または純粋正弦波と呼ばれる出力波形です。当然ながら、テレビやスマホ、暖房機器などのほとんどの電気機器は、コンセントからの電源供給を想定して作られています。ですので、ポータブル電源の出力波形が正弦波なら、用途を選ばず使えるというわけです。
しかし、一部のポータブル電源は、主に販売価格をリーズナブルにする目的で、「矩形波(くけいは)」や「修正正弦波」と呼ばれる波形を出力するインバーターを使っています。これらは正弦波に似た波形になるように出力されていますが、精密部品やモーターが搭載された電気機器の故障、劣化につながってしまうことがあります。
正弦波の定義
ここでは、正弦波とは何か、もう少し詳しく知りたい人のために物理的な側面を解説します。
正弦波とは交流(AC電源)の波形の一種で、「正弦波(せいげんは)」という周期的でなめらかな曲線を描く波形です。サイン波とも呼ばれていますので、数学が得意な人は、こちらのほうがピンとくるかもしれません。電圧の振幅が同じで波と波の間隔も一定ですので、おおまかなイメージ的には、穏やかな海面を思い浮かべるとよいでしょう。
先にも解説しましたがコンセントから出力されているのは正弦波で、「141V→0V→-141V→0V→+141V」のように周期的に変化しています。「コンセントはAC100Vじゃないの?」と思った人もいるかもしれませんが、消費される電力の平均値をとって表記されているため、このような電圧変化になるわけです。
正弦波は矩形波や修正正弦波と何が違うの?
矩形波や修正正弦波は疑似的に正弦波に近づけた波形です。矩形波は電圧の振幅と波と波の間隔は正弦波と同じですが、直線的で角ばった形状をしています。イメージ的には、同じ建物が均等に立ち並んでいるところを想像すればよいでしょう。
修正正弦波は矩形波をより正弦波に近づけた波形で、階段状に波形を変化させることで、疑似的に正弦波のなめらかな波形を再現したものです。おおまかには正弦波と矩形波の中間的な波形と考えておけばよいでしょう。このため、矩形波よりも故障、劣化のリスクは低くなりますが、やはり精密機器には使えません。
ただ、安価であることに加えて小型化もしやすいため、例えば、車のシガーライターソケットなどのように用途が限られる場合は、矩形波や修正正弦波がよく用いられます。一方、多目的に使うことの多いポータブル電源では、矩形波や修正正弦波だと不便に感じることがあるかもしれません。
ポータブル電源は正弦波がおすすめ!使える電化製品・使えない電気製品を知っておこう
ほとんどの家電やIT機器などの電化製品は、電圧がなめらかに変化する正弦波を前提に製造されています。
矩形波や修正正弦波を使ってしまいますと、故障や劣化につながってしまいかねません。そのため、ポータブル電源を選ぶ際には、用途や使う電化製品を具体的に決めておきましょう。
「何を接続するか決めていない」「家庭のコンセントと同じ感覚で使いたい」といった人は、オールマイティーの正弦波タイプを選んでおけば安心ですよね。うっかりパソコンを接続してしまい故障してしまった、肝心なときに必要な家電が使えなかった、などの余計なトラブルも発生しません。
矩形波や修正正弦波のポータブル電源で使用できる電化製品
精密部品がない電化製品は、出力波形が矩形波や修正正弦波のポータブル電源でも使えます。
ただし、あくまで一般的な製品の場合ですので、不明な点がある場合はメーカーに確認しておいてくださいね。
現在はシンプルな電化製品に見えても、内部にマイコンや精密パーツが用いられていることが多いので要注意です。矩形波や修正正弦波でも使用できる代表的な電化製品は、以下のとおりです。
・白熱電球
・ホットプレート
矩形波や修正正弦波のポータブル電源で使用できない・しないほうがよい電化製品
一方、精密部品がない電化製品は、出力波形が矩形波や修正正弦波のポータブル電源では使えません。あるいは長期間使っていると故障、劣化の原因になるため、使わないほうがよいでしょう。
また、モーターが搭載されている機器も、なめらかな電圧変化でないと不具合が出るリスクがあります。矩形波や修正正弦波で使用できない、しないほうがよい電化製品は、以下のとおりです。
・医療機器
・パソコン
・テレビ
・ラジオ
・電子レンジ
・冷蔵庫
・炊飯器
・電気ポット
・電気毛布(※位相制御式の場合)
・電気こたつ(※位相制御式の場合)
・扇風機 など
このように使い方に制限があるリストを見ますと、ほとんどの使い方では、正弦波タイプを購入しておいたほうが安心ということがわかりますよね。
例えば、アウトドアでも調理家電や電気毛布、パソコンなどを持ち込む人は増えてきました。いざつなげようと思ったときに矩形波や修正正弦波の製品ですと、「もしかして故障してしまうかも」などと困ってしまうでしょう。
特に非常用電源として活用しようと考えている場合は、必要な電化製品が使えるかどうかは重要な問題です。どちらのタイプにしようか迷ったときは、正弦波タイプを選んだほうが無難と言えるでしょう。
純正弦波のポータブル電源を選ぶならEcoFlowがおすすめ
ここまで読んできて、使用用途の限られない正弦波のポータブル電源を購入したいと思った人も多いのではないでしょうか。そして、信頼性の高い製品を安心して使いたいものですよね。
EcoFlowはアウトドアでの利用から長期間にわたる停電に対応した製品まで、幅広いタイプのポータブル電源を高品質で提供しています。
EcoFlowのACポートは純粋な正弦波を出力していますので、コンセントと同じように一般の電化製品を全て安心して使えます。
また、電源ノイズの発生も少なく抑えているため、精密機器に負荷がかかったり、モーターの寿命が減ってしまったりする心配もありません。
ラインアップも豊富で、停電時に備えられる大容量のホームバックアップタイプ、コンパクトで軽量なアウトドアタイプ、丸のこやエアコンプレッサーなどの使用に適したプロフェッショナルタイプのなかから、用途に合わせて最適な製品を選べます。
ポータブル電源を選ぶなら正弦波タイプが安心!
ポータブル電源を選ぶ際に、意外に見落としてしまいがちな重要ポイントが出力波形です。
家庭のコンセントと同じように使えるのは正弦波タイプだけであり、矩形波または修正正弦波と呼ばれるタイプは接続できる電化製品が限られます。無理やり給電してしまえば、故障や劣化につながることがあるので注意しましょう。
多目的に使うことの多いポータブル電源は、EcoFlowの製品のように、出力波形が純正弦波のものを選んでおくと安心です。